2012年8月11日土曜日

Wish You Were Here ピンク・フロイド (Pink Floyd)

フライイングの誹りは甘受いたしましょう。(個人的に)信頼できる筋からの情報によると,あのEd Sheeran がオリンピックの閉会式で,Pink Floyd とつながりのある「何か」をやるらしい。また,イギリスの大衆紙Daily Mail のウェブ版Mail Onlineによると,彼が演奏するのはWish You Were Hereという曲らしい。となれば,ここはやはり,他ならぬ Pink Floydの Wish You Were Here だと考えるのが妥当でしょう。そして,知ってしまったからには,ただ手をこまねいて閉会式の日を待つことなどできようはずもありません。ええご用意いたしましたとも。これが,閉会式をご覧になる際にお役に立てば幸いです。
You may call it a false start. According to a reliable source (in my opinion, though), Ed Sheeran performs something connected with Pink Floyd and also the Daily Mail reports he plays "Wish You Were Here" at the Closing ceremony. Considering these, I can safely assume he plays Pink Floyd's "Wish You Were Here" and nothing else. Knowing this, how can I stay idle just waiting for the day, doing nothing ? No, I can't. So now it's my turn. I hope it will help you enjoy the closing a bit more.
Wish You Were Here (Pink Floyd)
So, so you think you can tell
Heaven from Hell,
Blue skies from pain.
Can you tell a green field
From a cold steel rail?
A smile from a veil?
Do you think you can tell?

And did they get you to trade
Your heroes for ghosts?
Hot ashes for trees?
Hot air for a cool breeze?
Cold comfort for change?
And did you exchange
A walk on part in the war
For a lead role in a cage?

How I wish, how I wish you were here.
We're just two lost souls
Swimming in a fish bowl,
Year after year,
Running over the same old ground.
And what have we found?
The same old fears.
Wish you were here.

じゃあちゃんとわかってるんだよな
そこが天国なのかそれとも地獄なのか
今のその生活が,青空なのか,それともただの苦痛なのか
緑の草地が
冷たい鋼鉄のレイルが区別できるのか?
笑顔が本物なのか,それともただの見せかけなのかも
ちゃんとわかってると思うのか?

ヤツらと取引させられたのか?
お前の憧れの人生を抜け殻の人生と
燃える灰を木と
暑い空気を冷たいそよ風と
ちっとも嬉しくない慰めと引き換えに
お前は交換してしまったのか
自由への戦いでの端役と
冷たい檻のなかでの主役とを

昔みたいに,お前がここにいればって思うよ 本当に心から願ってる

お互いただの迷える魂じゃないか
自分の金魚鉢のなかで,ずっと泳ぎ続けてる
同じことの繰り返しだ
結局,何が残った?
昔と同じような不安を感じただけ
お前がいなくて悔しいよ

(追記)

この曲の訳文は以下のように訳しておりましたが,本日5月13日次のようなご指摘を受けたため,それに従い早速修正いたしました。
採点すれば30点。 良い歌だから、見捨てて置けないので突然ですが、お邪魔します。 とても力が入ってるのは伝わりますが、意訳が過ぎて、もはや超訳レベル。 ネイティヴが歌から受ける印象と完全にズレています。 これじゃ、歌が別物に。。。 Did they get you to trade= 取引されられたのか? Trade A for B. = AとBを交換する。 Cold comfort = 形だけの慰め Walk on part= 端役 War = 自由への戦い(この歌の中では良い意味です。ベトナムとは関係ないです) 奴らと取引させられたのか? お前の憧れの夢を、抜け殻の人生と、 燃える灰を、木と、 暑い空気を冷たいそよ風と、 ちっとも嬉しくもない慰めと引き換えに、 お前は交換してしまったのか? この戦いでの端役と、冷たい檻のなかの主役とを。 シドが精神を病んでしまい、廃人のようになって、 コンタクト不能になってしまったことから生まれた曲とわかっているなら、 そういう背景をしっかり読み込みましょう。 あなたの訳では、一体なにを歌っているのか、わからないでしょう? 英語の慣用句は辞書をきちんと引いて、調べましょう。 知識不足からの明らかな間違いはちょっと読んでいても、はずかしいです。 ちなみに私完全なバイリンガル。 
(旧訳文は削除しても良かったのですが,己への戒めとして残しておくことにいたしました。)

(旧訳文)

じゃあちゃんとわかってるつもりなんだよな
そこが天国なのかそれとも地獄なのか
今のその生活が,青空みたいな素晴らしいことなのか,それともただの苦痛に過ぎないのか
その人生が,生命に溢れた緑の草地のような豊かなものなのか
それとも,本当は冷たい鋼鉄のレイルの上を進んでるだけなのかわかってんのか?
笑顔が本物なのか,それともただの見せかけなのかも
ちゃんとわかってるつもりなのか?

あのせいで
昔憧れてた人がその面影を全く失って
ただの抜け殻になり果てたのか?
正気ならとても触れないような,できたばかりの熱い灰さえ,
心地よい緑の木々になっちゃったのか
むせかえるほど熱い空気も,お前には心地よいそよ風に思えんのか?
いくら楽しくても何もならないことなのに,変化だって言い張るのか?
周りと同じように戦争に参加するよりも,たった一人で檻の中に行く方がいいっていうのか?

昔みたいに,お前がここにいればって思うよ 本当に心から願ってる
お互いただの迷える魂じゃないか,一体どこが違うっていうんだ
自分の金魚鉢のなかで,ずっと泳ぎ続けてるけど,そこから外へは出られない
同じことの繰り返しだ
結局,何が残ったって言うんだ?
昔と同じような不安を感じただけだろ?
お前がいなくて悔しいよ

(補足)

この曲,Pink Floydのオリジナル・メンバーでありながら,極度の薬物常用のためにバンドを去った,Syd Barrettのことを歌ったものだそうです。彼が抜けた後,David Gilmourが加入しましたが,Barrettは,初期のPink Floydの創作を陰で支えた人物だとか。同バンドのShine On You Crazy Diamondも,同じく彼へのトリビュートだったそうで,the Wallが彼の伝記だという人もいるそうです。

20 件のコメント:

  1. お、vestige さんが好きなエドがこの曲を歌うんですねえ
    開会式は見逃したので閉会式は見たいところです!

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    1. コメントありがとうございます。あくまでも「噂」なのですが,念のためということで取り上げました。閉会式,ネックは朝の5時というところですが,この機会を逃すともう次はないと思うので,決死の覚悟で頑張りたいと思います。本当にお盆休み中で良かった。
      ただ,きっとその間ここ本館はガラガラですね。(なにしろ管理人の私が中継を見ているんですから)。

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  2. ピンクフロイドが日本に広まりますように。2013年5月13日 2:00

    採点すれば30点。
    良い歌だから、見捨てて置けないので突然ですが、お邪魔します。
    とても力が入ってるのは伝わりますが、意訳が過ぎて、もはや超訳レベル。
    ネイティヴが歌から受ける印象と完全にズレています。
    これじゃ、歌が別物に。。。

    Did they get you to trade= 取引されられたのか?
    Trade A for B. = AとBを交換する。
    Cold comfort = 形だけの慰め
    Walk on part= 端役
    War = 自由への戦い(この歌の中では良い意味です。ベトナムとは関係ないです)

    奴らと取引させられたのか?
    お前の憧れの夢を、抜け殻の人生と、
    燃える灰を、木と、
    暑い空気を冷たいそよ風と、

    ちっとも嬉しくもない慰めと引き換えに、
    お前は交換してしまったのか?
    この戦いでの端役と、冷たい檻のなかの主役とを。

    シドが精神を病んでしまい、廃人のようになって、
    コンタクト不能になってしまったことから生まれた曲とわかっているなら、
    そういう背景をしっかり読み込みましょう。
    あなたの訳では、一体なにを歌っているのか、わからないでしょう?
    英語の慣用句は辞書をきちんと引いて、調べましょう。
    知識不足からの明らかな間違いはちょっと読んでいても、はずかしいです。
    ちなみに私完全なバイリンガル。

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    1. コメント並びに詳細なご指摘ありがとうございます。Bloggerにコメントを残すには,captchaを経てコメントするより他に方法がなく,大変面倒なのですが,それにもかかわらず誤りをご指摘くださったことにまずはお礼を申し上げます。

      早速ご指摘に基づき,訳文を修正いたしましたが,さらに至らぬところがございましたら,ご面倒でも今一度お知らせ願えればと存じます。

      基本的に和訳に関しては,以下のサイトを参考にしております。
      http://www.songmeanings.net/songs/view/2861/ 
      無論,私の英語力不足で,その解釈でさえ完全に理解できていないのかもしれませんし,バイリンガルの方がそう仰るのですから,明らかに私の誤訳ですが,全く根拠なくこのように訳したわけでもないことだけお伝えしておきます。

      本当にありがとうございました。

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    2. 一年以上前のコメントのようですが、ずいぶん高飛車な指摘ですね。バイリンガルでも間違えることはあると思いますが…

      実際、
        Cold comfort for change?
        ちっとも嬉しくもない慰めと引き換えに
      って明らかに少し違いますよね?

        「形だけの慰めを、(一見良いように見える)変化と」
      とすると、それまでの「Trade A for B = AをBと交換する」原則に従ってて正確だと思います。

      ちなみに、「バイリンガル」の指摘に文句をつける私が「バイリンガル」であるかが重視されるなら、私はバイリンガルではありません。ネイティブに間違えられることはあってもフツウに日本語の方ができます。

      なので、念のためにvestigeさんの参考サイトを見てみました!以下が引用です。
      "Cold comfort for change?
      (Again, points out to Syd that he wrongly believes that change is better than what he’s used to)"

      最後に偉そうなことを言うようですが、「純国産」であることにこだわる必要はないと思います。微妙に外国産の人でvestigeさんほど英語ができない人はたくさんいますよね。自称バイリンガルでvestigeさん以下の人もたくさんいるでしょう。あえて「純国産」を強調されるなら、個人的には、純国産でこれほど英語ができる人はごく数人しか知りません。どのように勉強されてきたかは存じ上げませんが、本当に心から尊敬します。

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    3. コメント並びに過分なお言葉ありがとうございます。熱狂的なファンの方にとってそのアーティストはいわば「神」にも等しい存在でしょう。したがって,神聖にして侵すべからざる「経典」を間違って解釈するような輩は許しがたいとお考えになる方がおいでになっても不思議はありませんし,また,ご自身が正しく「経典」を理解していると自負なさっておいでなら猶更でしょう。そして仮にそうであった場合には,たとえ私が何を申し上げようと,あまり意味はないように思われます。ただBroccoli様がそのように仰ってくださったことで,己の「純国産」コンプレックスが少し解消したような気がいたします。ありがとうございました。

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  3. ちょっと待って下さい。この訳は、本当にこのままになってしまうのでしょうか。

     このたび修正された第2連についてですが、このままでは、訳文がわかりづらいように思います。
     例えば、"Hot ashes for trees? Hot air for a cool breeze?"の箇所。原文を読むと "trees"からは「緑の木々」(旧訳)が、"a cool breeze"からは「心地よいそよ風」(旧訳)が思い浮かびます。ところが、「燃える灰を木と」にするとどうでしょう。私の脳内には、お伽噺の商人が、灰を「材木」と交換している映像が浮かんできます。日本語は英語と違い、緑の木も材木も「木」ですから。そうなると、ここは誤訳だと言ってよいかもしれません。「冷たいそよ風」にも違和感を感じます。「そよ風」という言葉は、本質的に「快」を含意しているせいか、伴う形容詞も「快」の意味を含むもののほうがおさまりがよいように思います。「心地よい」はもちろんですが、「ひんやりとした」そよ風でも良い。「冷たい」そよ風は、不可能ではないですが、詩の訳語としては語感が今一つという気がします。

     「歌詞の対訳」ということを考えた時に、原文は、メロディーにのせて歌わなくてはならない、という宿命的な制約があります。制約だらけの原文は、意味の面ではどうしても不十分で、そのまま訳してしまうと、「この曲は一体何を歌った曲なのだ?」という疑問が残ります。対訳には、歌うという前提は必要ない。解釈と意味に重点をおいて、英語や曲の背景に不案内な者にもわかりやすい訳文に仕上げる方が、我々このブログの読者のニーズに合っていると思います。たとえ、言葉を足してしまうことになったとしても、です。

     このブログは、管理者さんが十分な下調べの上で1つの解釈を採用し、丁寧に美しい日本語に仕上げてくださっており、そのことを高く評価しています。(いつもありがとうございます)全体に、短い時間でバタバタと仕上げたような、今回の訳文のままでは、あまりに残念です。いつもお忙しそうなので、お願いをするのは恐縮なのですが、また、お時間のある時にでも、是非、いつもの、わかりやすく、そして、美しい日本語の訳に再修正していただけないかと思います。(特に何かなければ、このコメントに返信はいりませんので、修正を是非ご検討ください)

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    1. コメントありがとうございます。せっかくのお申し出ですが,折角バイリンガルと仰る方がわざわざご指摘くださったのですから,それを変えるわけには参りません。たとえ誤りであっても統一感をとお考えになるのであれば,私が己の戒めとして残しておいた旧約をご覧になり,どのあたりがどのようにマズかったのかご自身でお考えくださればと存じます。

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  4. ああ~なるほど、です。厳しいご指摘でしたが、Edが歌ったこの曲がより正確な和訳になってよかったと思います。
    「データベース」として後々にいろんな方が見るためには、よりよい和訳を残していかなければいけないでしょうし、思えばあれだけ閲覧されているGotyeの曲も改稿されているので、人気がある曲ほど磨かれていくんでしょうね。

    わたしは、オリンピックの閉会式でEdが歌ったこの曲の音源を購入しましたが、華やかな舞台で歌われたとは思えないほど静かで味わい深く、楽曲のすばらしさを感じていました。それがよりよく伝わるようになったと思います。

    いつもながら、勇気と誠実さのある対応ですね。
    ご指摘を受けてのスピーディな改稿、おつかれさまでした。





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    1. コメントありがとうございます。ここへコメントを寄せるには,悪名高きCaptchaを経由せねばなりません。それだけでも感謝して然るべきでしょう。しかも,データベースとしてなら,より多くの情報があった方が良いはずです。
      確かに,批判を受けるのは嬉しいことではありませんが,ヴュー数が増えるということは,それだけ多くの方の目に触れるということです。今回のようなことは避けられませんし,今後も起きると思いますが,それを怖れていては前へ進めません。
      そもそもたかが訳文です。純国産の私の英語能力がバイリンガルの方よりも劣るのは当然のこと。別に人間性を否定された訳ではありませんし,私の人生に何の影響もありません。(むしろ今後の人生を彩ってくれるエピソードのひとつです。)

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  5. こんにちわ、
    古い記事にごめんなさい。
    この歌、自分でも読んでみたので、他の方のを拝読させてもらいました。
    それで、思ったのですが、
    この歌、シド・バレットのことではなくて、ロジャー・ウォーターズが父のことを書いたのではないだろうか、と。
    二連が問題なのですね。
    hot ashes 、hot air を「あなた」が元々持っていて、
    「彼ら」が持っていた、trees 、cool breeze と交換した、
    と、誰もが読んでいるのですが、
    私は、反対ではないかと思うのです。
    平穏に、小さな一家の主人として暮らしていた小市民が、
    戦争に行かされた、と読めると思うのです。
    それを、ポピュラーミュージックビジネスに巻き込まれた
    シド・バレットと重ねてもいいとは思うのですけれど。
    どうなのでしょうか?

    では、

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    1. コメントありがとうございます。ご質問の件ですが,歌詞の解釈はひとつではなく,その曲をお聴きになった方それぞれのものだと考えております。ここでお見せしている解釈も単に私というフィルタを通して見た解釈のひとつに過ぎません。したがってノエルかえる様がそのようにお感じになるのであれば,それはそれで「正しい」解釈なのではないでしょうか?

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  6. 古い記事にまた書き込むのもどうかとは思いましたが、どうしても引っ掛かるので
    書かせてください

    「歌詞の対訳」ということを考えた時に、原文は、メロディーにのせて歌わなくてはならない、という宿命的な制約があります。制約だらけの原文は、意味の面ではどうしても不十分で、そのまま訳してしまうと、「この曲は一体何を歌った曲なのだ?」という疑問が残ります。対訳には、歌うという前提は必要ない。

    いいえ、対訳という行為ですが、元は歌なのです
    メロディーもあれば、聴き取れない程のハーモニーも隠されているものなのです
    意訳結構、超意訳も結構 自分も意訳しますがこれは「詩」ではないのです
    このグループの曲に手を出すのは勇気が要ります
    どちらがどうの ではないのです
    歌であり、曲であると同時にアルバム丸ごとがメッセージのグループもあるのです
    PinkFloydがそういうグループだと思っています
    このアルバムのジャケットさえも暗示させるジャケットです
    違和感を感じた前訳より、ご指摘後の訳はストレートにメロディーに乗ります
    音を出す作業に糧を求めるならやはりストレートに入ってくるほうを受け入れたいです 
    大概、聞き込むと先入観から離脱するのは難しい作業になってしまいますが。

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  7. なぜかネイティブ気取りの勘違いの痛い人の言うことはあんま真に受けないで流しちゃって大丈夫だよ
    笑えるくらい適当な事言ってるから

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  8. 時には当の本人達さえ判らない(あるいはそもそも意味がない)事もあるってよく言いますよね

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  9. この歌詞は喧々諤々ですねw 確かになかなかピンと着にくい歌詞ですが、この喪失感が多くのリスナーの胸をうつからコメントも多いのでしょう。実際、精神分析の大家で精神科医の松木 邦裕先生も「分析臨床での発見」(絶版ですね https://www.amazon.co.jp/dp/4753302105/)のあとがきにも、同僚の逝去にかんしてこの歌詞を引き合いに出されていますし。確か、このLPの日本版が出た際に日本語訳をBack translationさせて意味を確認しているほど歌詞に関して思い入れがある曲ですから。確か、LPの翻訳は当時Rockin' onで執筆されていた岩谷宏さんだったかな?たしか日本語はかなり厳密に訳されていたので機会があれば是非ご覧ください。
     さて、アルバムタイトルのWish you were hereですがきちんと仮定法過去の名訳だとおもいます。
    さて歌詞に関して、これは想像なんですが、tell A from Bのフレーズは恐らく入院中のシド・バレットに尋ねたまたは尋ねたかったことなんでしょう。LSDで狂気の側にいってしまったシドに尋ねたかった(もしくは正気を確認したかった)言葉をつなげている印象です。
    で、2連目のDid they get ~の"They"ですが、これはLSD精神病またはその症状である幻聴をさしているような気がします。だから無理に交換させられるんです(get trade). Hot ashes for trees? Hot air for a cool breeze?ここは少し難しいなと思ったんですが、岩谷さんはtreesは「生木」、cool breezeを冷たい息(breatheとの掛詞か?)としていたようですがここはうろ覚えですw 
     A walk on part in the warですが まあ、この戦争は恐らく闘病の事でしょう。 For a lead role in a cage? 「かごの中の主役」とは陰性症状で個室にひとりぽつんといる状況描写が目に浮かびますが。 想像ですが、シドの面会に行った後の絶望感やシドの病状を克明に再現した「狂気」というアルバム、その末のシーンというのがこの歌詞にあるようなきがします。そういう意味では「対象の喪失」を芸術的に昇華させたすばらしい歌詞ですね。

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    1. コメント並びに解説をありがとうございます。寡聞にしてお話しの日本語訳は存じませんが,いずれにせよ聞き手の立場や知識によっていくつもの解釈が可能となる素晴らしい歌詞だと思います。

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  10. こんにちわ、
    自分のブログへこちらの記事からのアクセスがあったので、再度、お邪魔しました。 
    以前の私のコメントでは、戦争で死んだ父のことと言った理由を書いていませんでしたので、 
    最初に?と思ったのは、冒頭にチャイコフスキーの第四番交響曲が引用されていること、 
    と言うことは戦争に関係した歌と言うこと? と思ったのです。 
    それで、アルバム全体の構成を見ると、『あなたがここにいてほしい』は『ダークサイドオブザムーン』をなぞっている様に思えたのです。
    B面の一曲目にお金の話しが出てるのが分かり易いですけど、 
    すると、B面のこの位置だと、「アス・アンド・ゼム」に当たるかなあ? と。 
    それに、『ダーク・サイド』にしても、「狂気」の様なことではなくて、ジャケットのプリズムのイメージからも 
    回析の様なものではないかな?と思います。『 Meddle 』も音の干渉のことだろうし、 
    光の波が回り込んで正面からは見えないものも見える様になる、と言う感じなのかなあ?? と。 
    ピンク・フロイドに対して言われている「狂気」は、セールスの為のイメージに過ぎない様に思うのですが。

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    1. コメントありがとうございます。私自身がPink Floyd及びお話しのアルバムについてあまり詳しくないので,ノエルかえる様からお話を伺いながらも,適切なお返事をすることができませんが,その辺りにお詳しい方には大変有用な情報であるように思われます。ありがとうございました。

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  11. 自分はネイティブではないですが、’A walk on part in the war...’の部分に関して少し意見を。

    上の方は’war’=「自由のための戦い」としていましたが、この「自由」とはなんでしょう?政治的な意味合いがないとすれば、いわゆる精神的な自由でしょうか?では、自ら個人的な自由を勝ち取る戦争だというのに、端役であるというのは不自然な気がします。

    戦争の端役、と聞いて個人的にしっくり来るのは、’war’を現実、実社会で生きること、とする解釈ですね。スーパースターでも、伝説でもなく、残酷な社会の中の端役として生きていく。それを放棄し、月の裏側で孤独に主役を演じるシドバレット。これなら「端役」という部分も納得できると思います。

    American Songwriterというサイトの記事にはロジャーの以下のような発言が載せられています(私の勝手な要約ですが)。
    「自分で書いた歌詞が、自分を鼓舞してくれる。僕は檻の中の主役にはなりたくない、戦争の中の端役でいたい。戦場の第一線に立っていたいんだ。司令部でも、ホテルの一室でもなく。」
    (参考:ttps://americansongwriter.com/2012/08/behind-the-song-pink-floyds-wish-you-were-here/)
    これも、上で述べた解釈を後押しするようなものではないでしょうか。長文、拙文失礼しました。

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