2013年7月21日日曜日

Winter トーリ・エイモス (Tori Amos)

私が日常的にお世話になっているSongMeanings.comというサイトには,「今日の歌詞」というコーナーがあるのですが,先日この曲がそこで,RihannaのStayやOf Monsters and MenのLittle Talksなどと並んで7位にランクインしていました。
歌詞の内容については,父親が娘に,自分はもうすぐいなくなるので一人で生きていかなければなないと伝えているとする説や,成長して大人になれない主人公について語ったものだとする説があります。
前者の説を採用した場合には,「白馬」は主人公の父親に代わって主人公を守ってくれる人々「白馬の騎士(救世主)」なのですが,後者を採用した場合には,「白馬に乗った王子様」ということになります。Tori Amos自身は「(将来の)夢」だと思っているようですが,皆様はどのようにお考えでしょうか?
A website, SongMeanings.com which I visit so often has a segment displaying top lyrics of that day.  This song ranked 7th as well as other songs such as 'Stay' by Rihanna and 'Little Talks' by Of Monsters and Men.
As for the lyrics, some say it's about a father telling his daughter that he is going to die and that she has to live life without him. Others say that she never does grow up or develop.
Taking the former,  "the white horses" should refer to people who will protect the protagonist for her father, or the knights on white horse.  Taking the latter, it should refer to a prince on the white horse.  Tori Amos herslef thinks they're our dreams.  What do you think?
Winter  (Tori Amos)
Snow can wait
I forgot my mittens
Wipe my nose
Get my new boots on
I get a little warm in my heart
When I think of winter
I put my hand in my father's glove
I run off
Where the drifts get deeper

Sleeping beauty trips me with a frown
I hear a voice
"Your must learn to stand up for yourself
Cause I can't always be around"

He says
When you gonna make up your mind
When you gonna love you as much as I do
When you gonna make up your mind
Cause things are gonna change so fast
All the white horses are still in bed
I tell you that I'll always want you near
You say that things change my dear

Boys get discovered as winter melts
Flowers competing for the sun
Years go by and I'm here still waiting
Withering where some snowman was
Mirror mirror where's the crystal palace
But I only can see myself

Skating around the truth who I am
But I know dad the ice is getting thin

When you gonna make up your mind
When you gonna love you as much as I do
When you gonna make up your mind
Cause things are gonna change so fast
All the white horses are still in bed
I tell you that I'll always want you near
You say that things change my dear

Hair is grey
And the fires are burning
So many dreams
On the shelf
You say I wanted you to be proud of me
I always wanted that myself

He says
When you gonna make up your mind
When you gonna love you as much as I do
When you gonna make up your mind
Cause things are gonna change so fast
All the white horses have gone ahead
I tell you that I'll always want you near
You say that things change
My dear

Never change
All the white horses

雪は逃げたりしないよ
ミトンをうっかり置いてきた
鼻を拭いて
新しいブーツに足を通す
心の中がじんわり温かくなる
冬のことを考えると
父の残した手袋を片手にはめて
走り出すの
雪の深いところに向かって

眠れる森の美女がやって来て
眉をひそめてこっそり教えてくれる
こう言ってる
誰かの助けなんかアテにしないで
独り立ちしなきゃダメ
ついててあげられない時だってあるんだから

父は言ってた
そろそろ心を決める時期なんだ
お前のことが大事なんだよ
だから自分を大事にしてくれよ
そろそろ心を決めるなきゃな
そうしないと状況はすぐに変わってしまうから
お前が待ってる「白馬」だって
今ははまだみんなどこかで眠ってる
いいか これからだって
そばにいてやりたいんだ
もう昔とは違うって
お前はそう言うけどな

冬が終わって春が来たら
男の子のことも気になりだす
花々も争って
太陽の方へ伸びていく
あれから何年も経ったけど
まだそのままの状態で待ち続けて
溶けかかった雪だるまみたいに
どんどん弱ってる
昔みたいに鏡の前に立って聞いてみる
鏡よ鏡,水晶の王宮にはどう行けばいいの?
だけど鏡には自分の姿しか映ってない
本当の自分に向き合えず
その周りをぐるぐるスケート靴で滑ってるけど
わかってるんだ
氷はどんどん薄くなってるって

父は言ってた
そろそろ心を決める時期なんだ
お前のことが大事なんだよ
だから自分を大事にしてくれよ
そろそろ心を決めるなきゃな
そうしないと状況はすぐに変わってしまうから
お前が待ってる「白馬」だって 
今ははまだみんなどこかで眠ってる
いいか これからだって
そばにいてやりたいんだ
もう昔とは違うって
お前はそう言うけどな

今はもう年取って白髪も出てきたけど
まだ情熱は失ってない
だけど夢ならたくさんあったのに
結局そのまま
なにひとつかなわなかった
父によく言われた 
自慢の娘になろうとしてるって
でもそうじゃない
自分のことを
すごい人間だと思いたかったの

父は言ってた
そろそろ心を決める時期なんだ
お前のことが大事なんだよ
だから自分を大事にしてくれよ
そろそろ心を決めるなきゃな
そうしないと状況はすぐに変わってしまうから
お前が待ってる「白馬」だって
今ははまだみんなどこかで眠ってる
いいか これからだって
そばにいてやりたいんだ
もう昔とは違うって
お前はそう言うけどな

だけど違わなかった
「白馬」はやってこなかった

(余談)

7月後半,夏休み初日のうだるような暑さの中,「雪は逃げたりしないよ,手袋をうっかり忘れてきた」と言われても全くピンとこないのは勿論のこと,「いやがらせか」とツッコミを入れたくなってしまいますが,歌詞が面白かったので取り上げました。

それにしても,歌詞全体から滲み出る「喪失感」。ひょっとしたらそう感じるのは私だけなのかもしれませんが,「あああ・・・・」という主人公のため息が聞こえてきそうです。

4 件のコメント:

  1. 探していました和訳。ありがとう。
    それにしても灰色で塗りつぶされたような鬱な歌詞ですね・・・。
    「私」は大人になったものの、まだ過去に囚われて心だけ時が止まっているかのようですね。その気持ちが良く解るのは、似たような境遇だからでしょうか。(笑)

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  2. 私にとってこの曲は、死を目前とし、ようやく子離れ出来た父親へのメッセージだと思っています。この歌詞では素晴らしいことを言っているように思われかねませんが、実際の父親は敬虔なクリスチャン且つ過干渉であり、かなりToriの言動を束縛していたそうです。この台詞がそれを物語っています。
    この歌は亡くなった父への最後の優しさだと思います。あらゆる葛藤がありながら、辛苦を表に出さなかったのでしょう。歌詞の端々、そして最後にそれが読み取れます。
    白馬の王子。。。そんな馬鹿げた物はToriの中に存在しません。そのイメージを強いていたのは父親です。他の曲を聴いて頂ければわかると思います。
    全ての歌に言えることではありますが、言葉だけの解釈ではなかなかわからない世界観です。ただの陰鬱な歌ではありません。とても希望と慈しみを感じる歌です。

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  3. 私にとってこの曲は、死を目前とし、ようやく子離れ出来た父親へのメッセージだと思っています。この歌詞では素晴らしいことを言っているように思われかねませんが、実際の父親は敬虔なクリスチャン且つ過干渉であり、かなりToriの言動を束縛していたそうです。この台詞がそれを物語っています。
    この歌は亡くなった父への最後の優しさだと思います。あらゆる葛藤がありながら、辛苦を表に出さなかったのでしょう。歌詞の端々、そして最後にそれが読み取れます。
    白馬の王子。。。そんな馬鹿げた物はToriの中に存在しません。そのイメージを強いていたのは父親です。他の曲を聴いて頂ければわかると思います。
    全ての歌に言えることではありますが、言葉だけの解釈ではなかなかわからない世界観です。ただの陰鬱な歌ではありません。とても希望と慈しみを感じる歌です。

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    1. コメントありがとうございます。「言葉だけの解釈ではなかなかわからない世界観です」全くもって仰る通りです。

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