2012年11月8日木曜日

Follow Me ミューズ (Muse)

これは普通のラヴ・ソングではありません。違うと思います。間違いなく宗教,というより「カルト(新興宗教)について歌ったもので,まさに彼らが信者を獲得する際に使うやり方です。手口はこう:
 1) 悩みがあって,自信喪失したり落ち込んでいる人間を見つける,2) その人間を認めてやり,自信を持たせ,世の中がわかっていないのだと思わせる,3) そしてこのように安心したければ入信しろと迫る。この曲を聴くと,GotyeのDon't Worry, We'll Be Watching Youを思い出します。.
下のリリック・ヴィデオがまたいかにも暗示をかけるような感じでそれっぽく,この説を裏付けてくれるような気がします。いかがですか?
(追記:本リード文はあくまでもシャレです。決してMUSEがカルトであるとか,この曲がその手段であるとかいうつもりは一切ありません。)
This is not an ordinary love song.  No, I don't think so.  It's definitely about religion or I'd say 'cult.'  This exactly the way some cults try to seduce/recruit new followers.  Their MO is 1) Find people  who are in trouble and feel low or are depressed or fall down, 2) Assure them that they are worthy and deserve more to ease their anxiety, and 3) Demand them to follow the cult in exchange for the privilege.  Practically, this reminds me of Gotye's Don't Worry, We'll Be Watching You.
The lyric video below looks a bit hypnotizing, which seems to demonstrate my theory very well.  What do you think?
(Note: What I said above is a joke.  I'm not saying  that MUSE is a cult or they're trying to get new followers with the song.)
Follow Me  (Muse)
When darkness falls
And surrounds you
When you fall down
When you're scared
And you're lost
Be brave
I'm coming to hold you now
When all your strength has gone
And you feel wrong
Like your life has slipped away

Follow me
You can follow me
And I will not desert you now
When your fire's died out
No one's there
They have left you for dead

Follow me
You can follow me
I will keep you safe
Follow me
You can follow me
I will protect you

I won't let them hurt
They're hurting you, no
Ooh yeah
When your heart is breaking

You can follow me
You can follow me
I will always keep you safe
Follow me
You can trust in me
I will always protect you, my love

Feel my love
Feel my love

絶望に襲われて
抜け出せなくなった
挫折した
もうどうすればいいのかわからなくなった
そんな時でも
勇気を出して
ほら助けに来たよ
もうそれ以上頑張れなくなって
これじゃダメだと思う時は
まるで人生がその手をすり抜けていくような気がするけど
そんな時は

ついておいで
そうすれば大丈夫
絶対に見捨てたりしない
心の支えをなくしてしまって
そばに頼れる人もいない
ひとりぼっちで死にそうな時
そんな時でも

ついておいで
そうすれば大丈夫
不安を消してあげるから
言う通りにすればいい
それだけでいい
そうすれば守ってあげる

絶対傷つけたりなんかしないよ
なのに周りの人間は冷たくて
辛く当たるだけなんだ
こんなに傷ついているっていうのに

ついておいで
そうすれば大丈夫
もう不安になることもない
言う通りにすればいい
とにかく信じて
そうすればいつでも守ってあげるから
ね?

この気持ちがわかるだろ?
わかるよね?

(補足)

まあMuseに能天気なラヴ・ソングを期待する方が間違っているような気もするのですが,前回取り上げたMadnessといい,今回のFollow Meといい,なんとなくアチラの世界に行ってしまっているような気がして仕方ありません。無論,彼らがコチラ世界にいるからこそですが,彼らのアルバムのタイトルがThe 2nd Law。これはアレですよね,熱力学の第二法則,エントロピーの増大というアレ。

しかもここに収録されている曲のタイトルが,Supremacy Panic Station, Survival, Animals, Explorers, Big Freeze, Save Me, Liquid Stateです。明るい未来はあまり期待できない感じです。これは「世界はケイオス(混沌)に向かって行く」という彼らからのメッセージなんでしょうか?

(余談)

それはともかく,どうも最近,心の汚れに拍車がかかっているようで,能天気で一途なラヴ・ソングを聴くと,ストーカー・ソングかカルト絡みの曲にしか思えません。それなら愛し合う2人の愛を歌い上げるデュエット曲(本館では滅多に取り上げませんし,実は取り上げたかどうかも不明ですが)ならいいのかというと,これもまた「もっと他に考えることがあるだろ?」と考えてしまいます。

・・・・只今絶賛スランプ中です。

18 件のコメント:

  1. 匿名Aです。
    確かにこの映像とセットで聞くとまた凄いですね!言う通り信じてついて行くと、いつのまにか入信させられてしまいそうです。同じラブソングでも、この間のOne DirectionのLittle Thingsとは違ったドキドキがありますね。

    スランプ中との事ですが、私は多少捻くれた見方の方が好きですよ!明るいラブソングは好きですが、当時ラブラブな相手にそういうのを書いて、すぐ破局してドロドロな曲を歌い上げるミュージシャンもいますから。
    「永遠にって、ホントに今度は大丈夫なんでしょうね?」と、つい疑いたくもなってしまいます。

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    1. コメントありがとうございます。匿名A様もそうでいらっしゃいましたか!私一人だけではなかったと知り安堵いたしました。
      仰る通り只今絶賛スランプ中ですが,こういうスランプは次のステップに進むためのいわば準備期間であることが実は経験上わかっております。
      ためにその点はさほど心配しておりませんが,それによって本館の投稿が「落ち」ないかと目下のところそれが最大の気がかりです。
      ただ「恋愛中のバカっぷり」は自分にも覚えがないわけではないので,あまり偉そうなことは言えません。スピッツの名曲「チェリー」にある「愛してるの響きだけで強くなれる気がしたよ」はけだし名言と申せましょう。

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  2. MUSEの大ファンで、先日ロンドンでのコンサートに参加してきましたが、はっきり言って、宗教です。
    でも、それはLady Gagaのコンサートに行った時もそう感じましたし、ある意味自分自身で歌詞を書いている人とアーティストの関係性って、少なからず宗教的な部分はあると思います。
    Madonnaが今でもそうであるように、その人のパワーが強ければ強いほど、ファン層はあつくなり、また人も熱狂的になるのではないでしょうか。
    ちなみに私の一緒に行った仲間達は、私も含め全員MUSE教の信者ですが、全員最新作からのお気に入りはFollow meです(笑)やっぱり、MUSEについていく!という気持ちの現れなんでしょうかね(笑)

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    1. コメントありがとうございます。ファンを信者に変えてしまう。それこそがいわゆる「カリスマ」と言われるものなのではないでしょうか。Museの場合,名前からしてMuse(詩神)ですから,カリスマのひとつやふたつ,標準装備で備わっていても,何の不思議もないのかもしれません。
      幸か不幸か,私の気になるアーティストは,何故かその大半が「カリスマ」度の低い方ばかりなのですが,それだけにその「信者」には特別に「熱い方」が多いような気がいたします。

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  3. こんにちは。

    また、ブログ記事よりvestigeさんのページにリンクさせて頂きました。

    vestigeサンの感じる世界観を思い描きながら、
    この歌に、向き合うと、確かに、ハマりますねぇ。

    Museが公開した「Follow Me」歌詞ビデオにも
    映像の1:42-1:43のコマに、ミューズからの「f0110w.me」のメッセージを隠して、
    そこにアクセスすると、10月のロンドン公演の音が、ダウンロードできるという、
    潜在意識に作用させる様な、試みをしているトコロなんか、
    「それ」っぽい、アプローチですよネ。(笑)

    ワタシも、この曲をストレートなラブソングと、とらえていいのか、
    な~んか、相対する得体のしれない気配を感じずには、
    いられなかったのですが。。。

    そう思わせるのは、Museだからなのかな?

    ではでは、失礼します。

    スランプ状態からは、脱出されたのでしょうか。。。
    Take it easy.

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    1. コメントありがとうございます。demi_zoe様お久しぶりです。お元気でしたか。この曲の前に取り上げたMadnessも微妙に怪しい感じを醸し出しておりましたが,このFollow Meはさらに怪しさが加速したように思います。彼らのアルバム,The 2nd Lawのうち,聴いたのはまだこの2曲ですが,このどちらにも共通するキーワードが「hypnotic」ではないかと考えております。
      ところで,demi_zoe様にまでご心配をおかけしている「スランプ」の件ですが,先日最初のものを抜けたと思った途端に,見計らったかのように色々ございまして,そのせいで今は新たな「絶賛スランプ中」です・・・・。

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  4. はじめまして。MUSEが大好きで偶然見つけました^^
    確かにMUSEはある意味、宗教ですよね。わたしもすっかり信者です。笑

    follow meは、ボーカル マットに初の息子が生まれたのでその子に対して歌った曲だと思います。
    実際に冒頭の心音は、息子さんがまだ母体にいる時に録音したものだそうです。
    今回の他のアルバム数曲もMUSEメンバーの内面がよく反映されているので、面白いなーと
    ますます彼らの虜です^^

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  5. こんばんは。この曲は、私の前にコメントした匿名さんが述べているとおり、マットさんの息子さんにむけて書いた曲なんだと、本人がインタビューか何かで言っていたような気がします。でも、そうだとわかっていても、vestigeさんのおっしゃるように、カルト宗教みたいな雰囲気をすごく感じますね。何ででしょう・・・?リード文の「信者を獲得するやり方」を全て満たしているからでしょうか。
     それはともかく、この曲のPVが最近公開されました。お笑い芸人の「鉄拳」という人がかいたパラパラ漫画です。鉄拳さんは、以前にも、「振り子」というパラパラ漫画が、Museの"Exogenesis Part3 (Redemption)"という曲のPVに使われたことがあります。私はどちらのPVもみたのですが、とても感動的でした。

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    1. コメント並びに丁寧な解説をありがとうございます。なにしろ本館・別館を始めて以来,時間が足りずTVをほとんど見なくなってしまったため,お笑い芸人の方が全くわかりません。
      確か,以前Follow Meのヴュー数が急激に伸びた時,どなたかが別館で「鉄拳のミュージック・ヴィデオが公開された」と教えてくださいました。
      ただ,私にとって「鉄拳」はゲームだったため,それ以来ずっとその点が疑問だったのですが,ここにきてようやくその謎が解けました。早速そのミュージック・ヴィデオを見てみたいと存じます。

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  6. 最近museを知って、いいなって思ってどんな人達なんだろうって知りたくてここへたどり着きましたが、宗教だったなんてショックです…。
    でも、ハマる前に知れてよかったです!
    ありがとうございます!

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    1. 大変申し訳ないのですが,このページ右上でお知らせしているように,匿名の方にはお返事を差し上げられなくなりました。どのようなものでも結構ですので是非お名前をお知らせください。

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  7. 歌をどう感じたかというのは個人によるところなのでなんとも言えません。
    ただ邪推しすぎでは?と思ってしまいます。『Follow Me』はマシュー自身が恋人、息子になる人のことを書いたと言っています。
    http://www.mtv.com/news/articles/1690463/muse-new-album-no-dubstep.jhtml

    熱力学第二法則なんてタイトルにした理由もインタビューを読めば書いてあります。彼らはオカルトなどではなく、超がつくぐらいに現実的な方向へ進んでいるんじゃないかと個人的には感じるところです。
    ニュースではずっと経済成長率がどうかということが発表されていて、年金などはここ最近になるまで右肩上がりの経済成長を期待した制度設計でした。けどリーマンブラザーズが破たんして、ギリシャも破たん状況にあって、いろいろなところで成長に限度があるのが明らかになっています。この成長の限界を、ただ起こった破たんを書くのでなく、物理法則から暗示させるのは面白いなと私は感じたところです。

    ビデオに関して言えば、最近こういうリリックビデオという、歌詞と簡単なCGだけのビデオをアーティストが公式で作っているのをよく見ます。ぼくにはアデルのスカイフォールなんかと大差ないなと感じます。
    http://www.youtube.com/watch?v=DeumyOzKqgI

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    1. コメントありがとうございます。コメントを拝見するとMUSEのファンでいらっしゃるのでしょう。拙訳でご気分を害されたとしたら申し訳ありません。
      個人的には,リード文はあくまでも「シャレ」のつもりで書いておりますし,それがシャレである旨は余談に記したつもりだったのですが,トバ様をはじめとして皆様にその点が伝わらないのは偏に私のスキル不足であると思っております。
      また息子さんに宛てた曲であることも,12月17日の匿名様がコメントでお知らせくださっているので,コメント欄をご覧くださった方にはこの曲の本旨は伝わっていると考えております。
      ただ,確かにリード文を読んで「MUSE=宗教」と誤解なさる方がおいでになっては申し訳ないので,今回リード文の最後にその旨記載いたしました。

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    2. 昨晩書き込んだあとにここの記事を見て回りました。すごいですね。英語の意味を取るときの洞察力の高さや、日本語にするときの表現力の高さを感じます。あと積み上げられたコンテンツの分量もすごいです。
      シャレに対して真っ向からつっかかるのはナンセンスなものですが、よく知らない人が読んだら信じかねないような内容だったのでついつい真面目なことを書いてしまいました。シャレだと記載させてしまったのは申し訳ないです。ご配慮に感謝します。

      昨晩のコメントは気分を悪くしたからとかでなく、インタビューやアルバムコンセプトをもとにした解釈をここに書いておきたかったというところです。またなにかの折に来たときは、ここの訳を参考にしつつ、自分の解釈などを書き込むかもしれません。そのときはまたよろしくお願いします。

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  8. こんにちは。豆です。
    本当にどうでもいいのですが、museのボーカルのMattのtwitterを見ていたら、ちょっと面白いのを見つけてしまいました。
    (私が日本語にすると色々損なわれそうです。)

    museファン女子:WHERE HAVE YOU BEEN ALL MY LIFE?
    Matt:with you the whole time
    別のフォロワー:Haha gosh Matt, you just sounded like GOD himself in that tweet xD
    Matt: In musical spirit only (of course)

    ...ちょっと神様のくだりがおかしかったのです。しかもMattがわざわざ付け足してるところもちょっとおかしかったのです(・∀・b)

    ちなみに私は、今月この曲を聞いてにわかにmuse教に入信したのです。
    経緯はというと、今月とっても忙しくて、同僚も辞めることになって、会社が嫌で嫌で、将来が不安で、相談出来る人もいなくて、毎日寝る時間もなくて、もう限界で落ち込んでいて、真夜中に泣きながら作業をしていた時にこの曲を耳にして・・・

    取り込まれました。

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    1. コメントありがとうございます。おお豆様,お仕事お疲れ様です。特に今月は年度末なので全国的にお忙しい方が少なくないと存じますが,実は個人的にも多忙を極めておりまして,ここ本館の更新と仕事とその他諸々の諸雑事で毎日がタイトロープ(綱渡り)状態で,このままの調子だと遠からずCirqueに入れそうな勢いです。今一番欲しいものを聞かれたら間違いなく「時間」と即答いたします。
      お話のMuseの会話,大変面白うございました。いかにもSomeone up thereが言いそうなことです。時々自分では全く意図しないまま「それはちょっと」なセリフを言ってしまうことがありますが,これもそのひとつかもしれません。
      私には,片思いの相手に自分の気持ちを伝えようと焦りながらも結局できず,挙句に何か言わねばと思い,つい「お達者で」と口走ってしまった友人がおります。・・・おそらく相手には友人の意図とは全く違う受け取られ方をしたであろうことは想像に難くありません。
      さて,しばらくは忙しい日々が続くかと存じますが,豆様もどうかご自愛ください。そして一段落つきましたら,また別館でお声をお聞かせください。お待ちしております。

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  9. こんにちは。
    自分は筋金入りのMUSERです。
    やっぱそうですよね、神っぽいですよねー。感じるところは同じなのだなと思ったら笑っちゃいました。

    マットのことだから、この歌詞がカルトっぽく聴こえることとかはかなり想定済みなんじゃないかなと個人的には思います(笑)そんできっとケタケタ笑いながら作ったんじゃないかなと妄想したりしてます。

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    1. コメントありがとうございます。同じようにお考えの方がおいでになるとわかり安堵いたしました。それにしてもMUSER(信者)の方がこれほど大勢おいでになるとは存じませんでした。そういう意味でも「教祖」様ですね。

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