2020年12月31日木曜日

Do Not Go Gentle Into That Night ディラン・トーマス (Dylan Thomas)

物事は相対的なものです。一年を永遠のように長いと感じる人もいれば,逆に一瞬だと感じる人もいます。私はこの詩の翻訳を完成させるまでに8年以上かかりました。
Everything is relative.  To some people one year feels like a moment while to others it feels eternity.   Well, it took me more than eight years to complete my translation of this poem.
Do Not Go Gentle Into That Night  (Dylan Thomas)

Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light.

Though wise men at their end know dark is right,
Because their words had forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.

Good men, the last wave by, crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage, rage against the dying of the light.

Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn, too late, they grieve it on its way,
Do not go gentle into that good night.

Grave men, near death, who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage, rage against the dying of the light.

And you, my father, there on the sad height,
Curse, bless, me now with your fierce tears, I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage, rage against the dying of the light.

あの深い夜の闇,そんなところへおとなしく,入って行ったりしちゃダメだ
もう若くなくたって,一日が人生が終わりそうなら,烈火のごとく怒り狂って,ギャアギャアそこで喚くんだ;
太陽の光が薄れて消えていっても,死にものぐるいで抵抗しなきゃ

ちゃんとした大人なら,人生の終わりには死ぬのも自然とわかっているし
自分が何を言ったって,世間があっと驚くような影響なんかありゃしないって,そのことだってわかってるけど
あの深い夜の闇,そんなところへおとなしく入って行ったりしないだろ?

そこらにいる善人も,人生の最後の波が来る時に
別に大したことじゃなくても今まで「何か」をやってれば,緑溢れる入り江のとこで今頃は・・って考えて,泣きながら
太陽の光が薄れて消えていっても,死にものぐるいで抵抗すんだ

自由気ままに生きてるヤツも,太陽が空に浮かんでいるうちは,*それを満喫してるから
太陽が思い通りにならないことに,気づいたときは手遅れだけど
だからってあの深い夜の闇へおとなしく入って行ったりしないだろ?

クソ真面目な人間も,死がそこまで近づくと,物事がやたらにはっきり見えてくるから
たとえ光は失くしていても,流れ星とおんなじでその目は明るく輝いていて
太陽の光が薄れて消えていっても,死にものぐるいで抵抗すんだ

だから親父,アンタもそうだ,これ以上ないってくらいすごく悲しい状態だって
派手に涙を流しつつ **,わけもなく俺に当たって逆に安心させてくれ,頼むから
あの深い夜の闇,そんなところへおとなしく入って行ったりしちゃダメだ
太陽の光が薄れて消えていっても,死にものぐるいで抵抗しなきゃ

(補足)
* in flight ・・・ 空中にある間に
** blinding ・・・ とても良い,素晴らしい

(余談)

最初にお断りしておきますが,これは正確な翻訳ではなく,あくまでも私の解釈込みの翻訳です。ネットを検索すれば拙訳よりも正確かつより素晴らしい翻訳がいくらでも見つかると思われるので,よりニュートラルなものをお探しの方はどうかそちらをご覧ください。

都合8年以上もかかってしまったわけですが,世の中の動きを見るにつけどうしても今年中に投稿したかったので,大みそかの今日ようやく投稿することができて肩の荷が下りました。

この詩は20世紀のウェールズ出身の詩人Dylan Thomasが死にゆく自分の父親に宛てて書いた詩だと言われています。暗いニュースばかりが目立ったこの一年ですが,最後をこの力強い詩で締めくくりたいと思います。

どうか皆様よいお年をお迎えください。

1 件のコメント:

  1. はじめまして、高校生の頃よくこちらのブログを拝見していました。たまたままた見つけて続けていらっしゃっていたのが嬉しくてついコメントを残しました。更新楽しみにしています。

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