2011年9月24日土曜日

King Of Anything サラ・バレリス(Sara Bareilles)

普通のラヴ・ソングではないし、「そのままのあなたでいいのよ」的な応援ソングとも違います。マクロ的に世界平和を訴えるわけでもない。言ってみれば鬱憤発散型のいわゆる"F*** you song"だと考えるべきなのでしょうが、同様の状況に遭遇することも結構あるので歌詞に強く共感してしまいます。
この歌詞について語る海外スレッドでは、これは支配型の恋人に三行半を突きつける内容だと考える人が多いのですが、なかには彼女の属する音楽業界への痛烈な批判だと考える人もいるようです。最初のコーヒー云々のくだりは業界のお偉方との打ち合わせの風景だとか。確かにそう言われるとなるほどと頷けます。
Classifying this song is not easy for me.  It is neither a "Everything's gonna be OK" kind of song nor "Save the world" kind.  A love song, maybe.  Some say it's a sort of "F*** you" song expressing frustration toward her boyfriend who is a control freak.  Others say it's a veiled message from the singer, Sara Bareilles  to the excessively market-oriented music industry.  They think the first verse refers to one of business casual meetings with her producer or management at a coffee shop.  I guess it has a point. 
King Of Anything  (Sara Bareilles)
Keep drinking coffee, stare me down across the table
While I look outside
So many things I'd say if only I were able
But I just keep quiet and count the cars that pass by
You've got opinions, man
We're all entitled to 'em
But I never asked
So let me thank you for your time
And try not to waste any more of min
Get out of here fast
I hate to break it to you babe
But I'm not drowning
There's no one here to save

Who cares if you disagree?  You are not me
Who made you king of anything?
So, you dare tell me who to be
Who died and made you king of anything?

You sound so innocent
All full of good intent
Swear you know best
But you expect me to
Jump up onboard with you 
Right off into your delusional sunset
I'm not the one who's lost
With no direction, oh
But you'll never see
You're so busy making maps
With my name on it in all caps
You've got the talking down
Just not the listening

Who cares if you disagree?  You are not me
Who made you king of anything?
So you dare tell me who to be
Who died and made you king of anything?

All my life I've tried
To make everybody happy while I just hurt and hide
Waiting for someone to tell me it's my turn
To decide

Who cares if you disagree?  You are not me
Who made you king of anything?
So you dare tell me who to be
Who died and made you king of anything?
Who cares if you disagree?  You are not me
Who made you king of anything?
So you dare tell me who to be
Who died and made you king of anything?
Let me hold your crown, babe


私が窓の外を眺めてるのを
テーブルを挟んでコーヒー飲みながらじっと見てる
できるなら言ってやりたいことは山ほどあるけど
何も言わずに通り過ぎてく車を数えるの
言いたいことがあるのよね
勿論発言は自由だけど
私は別に聞きたくないの
わざわざ時間を割いてくれてありがとう
でももうたっぷり聞いたから
邪魔しないでさっさと消えて
あのね言いにくいんだけどね
別に困ってないの
だから放っておいて

気に入らなくて結構よ あなたと私は別の人間だもの
どうしてそんなに偉そうなの?
ご親切にも忠告してくれるけど
だから何なの?余計なお世話よ

悪気はないのよね
よかれと思ってるんでしょ?
それにあなたは物知りだしね
だけど単なる思い込みかも
だから私を巻き込まないで
どうすればいいのかは
分かってるの
分かってないのはあなたの方
必死になって計画立てて
私のためだと言ってるけど
大声でまくしたてるだけで
人の意見なんか聞いてない

間違ってるって?それは単にあなたの見方
どうしてそんなに偉そうなの?
他人の将来を決める権利が
あなたにあるとでも思ってるの?

今まで自分を犠牲にしてでも
相手によくしようと努めてきた
いつかは自分の思い通りに
生きたいと願いながら


気に入らなくて結構よ あなたと私は別の人間だもの
どうしてそんなに偉そうなの
ご親切にも忠告してくれるけど
だから何なの 余計なお世話よ
間違ってるって?それは単にあなたの見方

どうしてそんなに偉そうなの?
他人の将来を決める権利が
あなたにあるとでも思ってるの?
もしそう思ってるなら大間違いよ


1 件のコメント:

  1. サラバレリスのファンの一人です。
    サラのファンになったのはこの曲がきっかけです。一発KOでした。who made you king of anything?(あんた何さま?)と言い切る気の強さが気持ちよかったですね。
    しかし残念なことにアルバムに付いている訳詞は誤訳されていて彼女の詩の魅力を伝えることはできていません。ちなみにサラのアルバムは現在3枚リリースされていますが、多寡の差はありますが全ての詩が誤訳を含んでいます。the blessed unrestの中のparking lotは8~9割が誤訳です。この歌は小さな成功に満足しそうになっている自分に対して、こんなので満足してんじゃないわよ、あたしっ!と自分を鼓舞している内容になってますがアルバムの訳詞を読んでもそれを感じるのは難しいと思います。
    サラはこの曲の中で OTZ ←こんな感じで現状に感謝をささげてしまっている自分をコインパーキングに駐車している車に見立て作詩しているようです。

    それはそれとして、ここの訳者も厳密な訳をすることを目的としているようではないので、ここでもサラの詩の魅力を感じることは難しいでしょう。なので自力で和訳することをお勧めします。
    彼女の詩にはいくつか癖があります。例えば、
    Nothing's gonna hurt you the way that words do when they settle 'neath your skin. Kept on the inside, no sunlight, sometimes a shadow wins but I wonder what would happen if you say what you want to say and let the words fall out honestly.
    という詩があります。これはthe blessed unrestの中のbraveという曲の一節です。勘のいい人はこれを見て2つの文章で構成されてるのが分かると思います。内容は、“君の内側に言葉をしまいこんだら言葉は君を傷つけることはない。内側に閉じ込め、光もなく、時には闇が支配することもあるかもしれないけど、素直に言葉がこぼれるのに任せて、言いたいことを言ったら何かが起きるんじゃないかな?”といった感じです。
    たぶん上記のような文章になってれば訳すのはそんなに苦労しないと思います。しかし、歌詞として表記されているとつながりが分かりにくくなってしまいます。この曲に関して言えば、say what you want to sayからは、サビのリフレインにも使われているので余計つながりが分かりにくいかもしれませんが、サラは長文の歌詞を好むことを知っていれば理解しやすくなるかもしれません。同曲の冒頭で、
    You can be amazing you can turn a phrase into a weapon or a drag.
    このように歌いだしていますが、これは前半、後半と分けて訳すことも可能でしょうが、amazingの後にthatが省略されていると考えた方がすんなり訳せます。内容は“君の言葉が武器にも薬にも変えられることに君は驚くだろう”といった感じです。thatが省略されることは普通のことで、サラに限った話ではありませんが、目的語を省略して余韻を持たせることもサラが好む手法のようです。何か足りない気がすると感じる個所は何かが省かれてるかもしれません。
    さらに同曲から、
    fallen for the fear and done some disappearing
    という個所があります。fall for~は“~にだまされる”といった意味の句動詞、do a disappering (act)は“いざという時にその場から姿を消す”といった意味の慣用句です。状況的には尻ごみして姿をくらますといったところでしょうが、サラはそこを“恐怖にそそのかされて、いざという時にその場から去ってしまう”といた感じに歌っています。例えばfallen forの代わりにbeatenと書くこともできたはずでしょうが、全然負けじゃないよとのニュアンスを伝えたかったのかもしれません。まあそれはそれとして、このような句動詞や慣用句も好んで使われています。さらにいろいろとアレンジも加わっていたりしますが辞書を引けば似たような形が見つかりますから、それらをヒントにすることができます。
    文化の違いで意訳しかできないこともありますが、他の個所の意味をとらえることができれば想像で補うことだ出来るようになります。
    king of anythingの最後のlet me hold your crown, babe(ねえ君、その王冠私によこしなさいよ)も水戸黄門の印籠と同じと考えれば何を言わんとしているかが分かるかと思います。
    翻訳(translation)はある言語を別の言語に置き換えることを意味してるだけではなく、内容を解釈するという意味でもあります。ですから、翻訳の最終的な形は同じ言語同士での意味の置き換えということで、そこまでいって初めて100満点に近い翻訳が可能になるのでしょう。
    サラバレリスの詩にはそこまでする魅力があります。

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