2014年5月20日火曜日

A Sky Full Of Stars コールド・プレイ (Coldplay)

Coldplayは通常オルタナティヴ・ロックに分類されていますが,新境地開拓にも意欲的なバンドで,今回はスウェーデン人のEDMアーティストAviciiとコラボしています。EDM風なので多少意外な気がしますが大変いい曲です。
Aviciiの曲と同様に,ZeddのClarityやFind You,あるいはDavid GuettaのShe WolfやTitaniumなど,EDMの曲にはメタファーを多用したものが多く,思うにこの点がAviciiとColdplayに共通するため,コラボが上手くいったのではないでしょうか。
Although the band Coldplay is generally categorized as an alternative rock band, they are brave enough to venture into a new territory.   This time they collaborate with an Swedish EDM artist, Avicii.  That's the song sounds EDM, which I had not expected but sounds fantastic.
Many EDM tracks, such as Clarity and Find You by Zedd and She Wolf and Titanium by David Guetta as well as Avicii's are pretty metaphorical.  I think it's what the band shares with the Swede and that makes their collaboration beautiful.  
A Sky Full Of Stars  (Coldplay)
(official audio)
Cause you're a sky, cause you're a sky full of stars
I'm gonna give you my heart
Cause you're a sky, cause you're a sky full of stars
Cause you light up the path

I don't care, go on and tear me apart
I don't care if you do
Cause in a sky, cause in a sky full of stars
I think I saw you

Cause you're a sky, cause you're a sky full of stars
I want to die in your arms, arms
Cause you get lighter the more it gets dark
I'm going to give you my heart

And I don't care, go on and tear me apart
And I don't care if you do
Cause in a sky, cause in a sky full of stars
I think I see you
I think I see you

Because you're a sky, you're a sky full of stars
Such a Heavenly view
Such a Heavenly view

満天の星空みたいに
キラキラと美しく
輝いてる人だから
この心を捧げるよ
だって満天の夜空みたいに
煌めく星の瞬きで
行く手を明るく照らしてくれる

気にしないよ
だから遠慮しなくていい
傷ついても平気だから
その人になら
そうされたって構わない
だって満天の星空みたいな
光に満ちたそんな場所で
確か出会ったはずだから

満天の星空みたいに
なにもかも
包み込んでくれる人だから
その腕に抱かれながら
この世界を去りたいよ
だって周りが暗いほど
その輝きが増す人だから
この心を捧げるよ

気にしないよ
だから遠慮しなくていい
傷ついても平気だから
その人になら
そうされたって構わない
だって満天の星空みたいな
光に満ちたそんな場所で
確か出会ったはずだから

だって満天の星空みたいに
キラキラと美しく
輝いてる人だから
見ているだけでうっとりするよ

(余談)

メタファーです。

第2連に登場する「I don't care if you do」ですが,これを直訳すると「たとえあなたにそうされても気にしない」という意味になります。

ご存じのように,英語に限らず日本語でもどこに強勢を置くか,つまり力を入れて発音するかで,同じ文章でも意味が変わってきます。例えば,I DON'T care if you doでdon'tに強勢がある場合には,「たとえあなたにそうされても気になんかしない」という意味になるかと思われます。一方,I don't care if you doでIに強勢がある場合は「(あなたや他の人がどう思おうと)自分だけはあなたにそうされても気にしない」という意味になると考えられます。

この点を確認すべく,曲を聴いてみたのですが,残念ながらどこに強勢があるかまではわかりませんでした。ただ,歌詞全体を通して,主人公が相手を全肯定している点を踏まえ,ここではI don't care if YOU doとYOUに強勢を置いているのではないかと考えました。すなわち,他の人に傷つけられるのであれば,I DO careなのかもしれませんが,その人に傷つけられるのなら,I DON'T careなのではないかということです。「あなたになら,たとえそうされても気にしない」

無論,強勢が確認できなかったので,これはあくまでも私個人が勝手に考えたことですが,そう考えることで,この曲の歌詞の流れに一貫性が出たような気がするため,今回は敢えて「その人になら,そうされたって構わない」と和訳しました。

それはともかく,ミュージック・ヴィデオがなく,折角のColdplayの曲だというのに,余談で笑いが取れないのが心残りです。

14 件のコメント:

  1. つい先ほどアルバムが届いてからずっと聴いています。
    最初ColdplayがAiciiとコラボすると聞いたときはとても意外だったのですが、Coldplayの新鮮な一面が見れたようで、お気に入りの一曲です。余談もとてもためになりました。
    あと、この前のコメントの時は覚えていただいていてありがとうございました。洋楽好きの友達は見つかりませんが、楽しくやっています^^ 昨日Maroon 5が今年の秋にアルバムを出すことも発表され、今年は本当に楽しみな一年です。

    TTO

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    1. コメントありがとうございます。ただ余談はあくまでも「純国産」の私が思いつきで言っていることなので,ネイティヴやバイリンガルの方に伺えば,また違うのかもしれません。大学で英語を本格的に勉強したわけではないので,どうかあまり信用なさいませんよう。今後もどうか充実した高校生活をお過ごしください。

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  2. ダンス・ミュージック。若い頃はそれなりに楽しめたのに、今はなぜかあまり心ひかれなくなってしまって、昨今のEDMブームも割に遠巻きに眺めていたのですが、この曲はすっかり気に入ってしまいました。本当に満点の星空のイメージが浮かぶ、美しい曲に仕上がっていると思います。詩を読むと、この主人公、必ずしも幸せそうではないのに、それでも相手を思うまっすぐな気持ちが、疾走感のあるアレンジと相まって心を打ちます。明るさと切なさのバランスが絶妙なところが、今回のAvicii + Coldplay のコラボの成功の一因だろうか、と思いました。(返信は結構です)

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  3. みたらしだんご2014年5月21日 0:42

    美しい曲ですね〜
    夏の夜に聞きたいです。
    ColdplayとAvicii、両方好きな私にとってはとても嬉しいコラボです!

    いつも素敵な翻訳ありがとうございます。
    毎回更新を楽しみにしております。これからもお世話になります〜。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。この曲ではChris Martinの代わりにAviciiがピアノを弾いているらしいのですが,そのことでズルしているような気がしたと,BBC Radio1でのインタヴューでChris Martin本人が語ったそうです。

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  4. 夏にOneRepublicのボーカルであるライアン・テダーとスウェーデンの新星DJのAlessoとのEDM全開のコラボ曲がリリースされるそうです
    既にリークされてますがサマーアンセム最有力なんて声もあります

    ちょっと話は逸れましたが、今回のAvicii + Coldplay そしてOneRepublic+AlessoというバンドとDJの融合が続いてるので
    次はコメントにも書いてあるMaroon 5か、もしくわScriptあたりがDJ戦国時代を生き抜いている武将と組むのではないかと勝手に妄想している昨今です(意味不明)

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    1. コメントありがとうございます。いつもながらNick様は(以下同文)。確かにMaroon 5やThe Scriptはヒップホップのアーティストなどともコラボしているのでそのあたりの異種格闘技には強そうな気がいたします。ただ意外性という意味で言えば,同じオルタナ系として,Death Cab for Cutieあたりはいかがでしょうか。あるいはSnow Patrolというのも個人的には聞いてみたいような気がいたします。

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  5. いつも参考にさせて頂いています。昨日のMステにも出ていましたよね!テレビでも聞けて良かったです。
    余談、とても参考になりました。

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  6. music videoきましたね!
    めっちゃ楽しそうです

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    1. コメントありがとうございます。Chris Martinの持つギターについている,いかにも百均で買ってきましたと言わんばかりのあの造花。あれにやられました。メンバー全員が間違いなく「本気」です。

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  7. YouTubeとかで良い曲見つけたら、いつもこのサイトで和訳確認してます(笑) 余談にも、曲に対するいろいろな考え方を書いてくれているので、とても面白いです。

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    1. コメントありがとうございます。本来は訳文をお見せするのがこのサイトの目的ですし,本人もそのつもりで取り組んでいるのですが,なぜか往々にして訳文よりも余談の方に力が入っていると言われております。それだけにミュージック・ヴィデオが(色々な意味で)話題になるColdplayに親近感を覚えずにはいられません。

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  8. coldplay、興味があって聞いてみても、とっつきにくくてなかなか自分と合わないでいました。
    が、この曲とPVで、明るくて気さくそうな人たちという印象に変わり始めています。
    こんなチンドン屋さんみたいな事するんだと、初めて見たとき驚きました。
    対訳くんで知りましたが、他の曲でも楽しそうなことをしてるそうで。


    これがないと表現の世界ではどうしようもないと思いますが、歌詞の個性というか
    クセみたいなものを私が強く感じてしまっていて、合わなかったのでしょうか。。。
    訳していてもこういう事が起きたりするのでしょうか。

    kinako_d

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    1. コメントありがとうございます。歌詞の個性あるいはアーティストの芸風というのは間違いなくあると思いますし,私にも「合わない」アーティストは存在しますが,基本的にここでは「合う」アーティストの作品しか取り上げないので,和訳について言えばそれはないような気がいたします。

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