2018年11月27日火曜日

A Certain Sadness アストラッド・ジルベルト (Astrud Gilberto)

付き合っている相手と別れた場合,自分がヘマをやってしまったのか,なかなかハッキリとはわからないものです。ひょっとしてという場面はいくつも思いつくかもしれませんが,そのどれが決定打だったかといわれるとわかりません。そこが問題です。
It's not always very clear for us if we did something wrong somewhere in the relationship when we break up with someone.  We can come up with a lot of 'could be' moments but can't finger on which.  That's the problem. 
A Certain Sadness  (Astrud Gilberto)

Look out the window when that rain storms
I let the wind blow up a brain storm
And now I'm wondering whether weather like this gets you too
It may go on like this for hours
Too late in Fall for April showers
So what we got here
Got a thought or two
I need to share with you
Here goes

Darling tell me now
Have I done wrong somehow
That you won't look at me
Need it pointed out
Can't keep my wits about
When you won't look at me
Is there something I outta know
You're finding hard to say
Well there's just a trace
Hiding on your face
And I've learned it that way
Just another soul
That really knows my soul
And you won't look at me
Does that take the prize
How much I love those eyes
And they won't look at me
Now the rain has gone
But something lingers on
There's certain sadness here
Now that the sky is clear
And it's so so clear
Yes, it's all so clear
To me now

激しく雨が吹き付ける,窓の向うに目をやって
吹いてくる風を眺めて,心の中のモヤモヤを吹き飛ばしてしまいたい
こんな日はあの人も気が滅入っているのかなってそんな風に考える
このまましばらく続きそう
突然の雨だけど,もう今は秋だから,恵みの春の雨でもないし *
特に役にも立たないの
ただちょっと気がついたことがあるから
そのことを言っときたいの
つまりはね・・・

ねえダーリン教えてよ
やっちゃいけないことしたの?
アタシを見てもくれないし
ちゃんと理由を知りたいの
どうにかなっちゃいそうになる
知らないふりされちゃうと
アタシの知らないことでもあるの?
自分から言えないような
だって微かになんだけど
顔を見てるとわかるのよ
そうやって気づいたの
ただひとりってわけじゃない,そういう人は他にもいるの
本当にわかってくれる人なら
だって知らないふりされてるし
嬉しいの?
その目がこんなに好きなのに
アタシのことを見てもくれない
もう雨も止んだのに
なんとなくスッキリしない
ちょっとどこか悲しいの
もう空も晴れて来て
それでハッキリわかったの
なにもかもイヤになるほど
自分でハッキリわかったの

(補足)

* Too late in Fall for April showers, So what we got here ・・・ 「雨降って地固まる」あるいは「人間万事塞翁が馬」に代表されるような,良くない出来事が結果的に良い結果を生むといった意味の「March winds and April showers bring forth May flowers(3月と4月のにわか雨が5月の花をもたらす)」ということわざを元にしている表現でしょう。

すなわち,仮に今主人公と相手とが付き合い始め(=春)であったなら,なんらかの諍いがあったとしても,それが結果的に2人のつながりを深めることになる可能性もあるものの,2人の関係も終わり(=秋)に近づいた今となっては,もはや何の役にも立たないという意味であるように思われます。

(余談)

人間関係が壊れる理由はひとつではありません。ひとつひとつは取るに足りない「あれ?」という瞬間や場面が積み重なり,まるで長雨で地滑りや土砂崩れが起きるように,気づかぬうちに「終わり」が近づいてきます。

残念なことに電話のバッテリーとは違い,人間関係のほころびは「バッテリー残量」を表示してくれません。したがって,電池切れを起こさないためにはこまめな充電(=フォロー)をするしかありませんが,そうすると今度は逆にバッテリの寿命を縮めてしまうことも少なくないのが皮肉です。

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