2013年7月9日火曜日

Fly Me To The Moon フランク・シナトラ (Frank Sinatra)

My Wayと並び,日本では最も有名なFrank Sinatraの曲でしょう。さて歌詞の中で主人公は「春の訪れを木星や火星で感じたい」と歌っています。無論,彼が言わんとしているのは相手を好きになって,彼女(多分)がそばにいてくれて有頂天になっているということだとわかっています。ただ木星や火星に地球のような季節があるとは思えません。したがって,万が一彼がそこへ飛んで行き,季節が春であったとしても,そこにあまり見るべきものはなさそうです。
Probably this is one of his best-known songs in Japan as well as My Way.  In the lyrics, the protagonist sings "Let me see what spring is like, On a-Jupiter and Mars."  I know what he's trying to say is that he's in love with the second person and he's elated having her (maybe) next to him, of course.  However, I don't think Jupiter or Mars has seasons that we have here on earth.  If he should fly there, there wouldn't be much for him to see eve if it's spring.
Fly Me To The Moon
Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On a-Jupiter and Mars
In other words, hold my hand
In other words, baby, kiss me

Fill my heart with song
And let me sing for ever more
You are all I long for
All I worship and adore
In other words, please be true
In other words, I love you

[instrumental-first verse]

Fill my heart with song
Let me sing for ever more
You are all I long for
All I worship and adore
In other words, please be true
In other words, in other words
I love [3 piano notes] you

気持が舞い上がって
このまま月まで届きそうだ
無数の星に囲まれて
その中で戯れながら
春の訪れを
木星や火星で感じたい
とにかくただこの手を取って
そして優しくキスしてくれたら
きっとそうなるってわかってる

この心を歌でいっぱいにしてほしい
そうすればずっと歌ってられる
ずっと探してたのは1人だけ
大切なのはその人だけ
いつまでもずっと見ていたい
わかにくいかもしれないけど
裏切らないでって言いたいんだよ
だって本当に好きだから

この心を歌でいっぱいにしてほしい
そうすればずっと歌ってられる
ずっと探してたのは1人だけ
大切なのはその人だけ
いつまでもずっと見ていたい
わかにくいかもしれないけど
裏切らないでって言いたいんだよ
だって本当に好きだから

(余談)

これ以上はないほど有名な曲なのですが,和訳には意外に手こずりました。とにかく出だしからFly me to the moonと命令形です。直訳すれば「月まで飛ばしてくれ」。

無論,アポロの宇宙飛行士でない限り,それは無理ですし,アポロ計画はもうとっくの昔に終わっているので当然メタファーなのですが,それでもラヴ・ソングで「飛ばしてくれ」というのはどうにもしっくりきません。しかも次でLet me play among the starsと言っているので,主人公本人がそれを望んでいます。「星の間でplayしたいと思っているからどうかそうさせてくれ」という意味です。

とはいうものの,自前のロケットでもあれば別ですが,そうでない限りは(以下同文)。しかも星の間でplayと言っても,具体的に何をするのかよくわかりません。いわゆる「プレイ」でないのは明らかですが,それなら何なのかというとこれがまたわからない。

このように,とにかく最初から最後まで「雰囲気」で通している曲なのですが,にもかかわらず,Frank Sinatraのあの声で歌われると,意味なくロマンティックな感じがするのがすごい。

大変有名な曲なので,検索すればいくらでも和訳が見つかるとは思いますが,おそらく皆さん苦労なさったのではないかと思います。

4 件のコメント:

  1. またまたのコメントでごめんなさい。reMです。
    この曲大好きなんです!
    私はダイアナ・クラール(エルビス・コステロの奥様)が歌うこの曲を聞いて好きになって色々調べたのですが、この曲というかこの詩には、冒頭に省略されているプロローグのような詩があるんです。
    http://www.youtube.com/watch?v=kIrcxGdyUdk
    『詩人は簡単なことを伝えるために色々な言葉を使う。』そんな感じの歌詞らしいのです。
    それを踏まえると、色々な言葉を使ってあれこれ言ってみたけど、つまりは『あなたを愛しています』って言いたいの。それだけよ!何か?(ダイアナ版はこんな感じの歌い方なんです)そんな感じが面白くて、素敵で一気にこの曲の虜になってしまいました。
    ようは…この歌詞に深い意味は無い
    正に最初から最後まで『雰囲気』で通してる曲なんですよ!
    でもロマンティックなんですよね…(by夢みる女子)

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    1. コメントありがとうございます。これは英語だから成立する曲であって,日本語でコレをやったら完全に引かれると思いますが,Adam Levine師匠やミダス王並みの真の「手練れ」あるいは「剛の者」であれば,また事情は違ってくるのかもしれません。ただ弟子入りしてずいぶん経ちますが,師の影を踏むどころか,その後ろ姿さえなかなか拝めない不肖の弟子です。

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  2. 急に聴きたくなって、YouTubeで。メロディのあまりの美しさに泣きました。最近コロナ禍で、外出自粛のせいか、単に年のせいか、涙もろくていけません。和訳を探し、およげ対訳くんで検索しました。これ、難しいとありましたが、確かに。。英語だからこそ雰囲気でもっていく感じでしょうか。にしても、素晴らしい訳、いつもありがとうございます。自分が生まれる前の曲ですが、今聴いても心揺さぶられる、名曲ですね。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。明らかに雰囲気で突っ走っていると思われる歌詞でありながら,聞くと何故かに心に染みるのはなんといってもFrank Sinatraの歌唱力のおかげなのでありましょう。ただ譜面の通りに歌うことが「歌」ではないとわかる好例ではないでしょうか?

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