2013年11月6日水曜日

Let Her Go パセンジャー (Passenger)

顔の特徴が似ている人は似たような声になるとか。こう考えているため,普段我々は,相手が話し始める前にその声をある程度予測しています。そしてそれが予想と違う声だと驚きます。
ところでこの曲に関して言えば,最初に印象に残るのが彼の声でしょう。Nate Ruess (The Fun)やJake Buggの声を聞いた時,これと同じような気持ちになったことを覚えています。とにかく一度お聴きください。そうすればご理解いただけるはずです。
They say that people with similar facial features will have a similar voice. Based on that assumption, we usually anticipate a certain kind of voice coming from a person before they open their mouth.  We will be surprised when the voice sounds completely different.
As for this song, the first thing that strikes you would be his voice.  I remember having the same sensation when I first heard that of Nate Ruess (The Fun) and Jake Bugg.  Just listen, then you'll understand what I mean.
Let Her Go  (Passenger)
Well you only need the light when it's burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

Only know you've been high when you're feeling low
Only hate the road when you’re missin' home
Only know you love her when you let her go
And you let her go

Staring at the bottom of your glass
Hoping one day you'll make a dream last
But dreams come slow and they go so fast

You see her when you close your eyes
Maybe one day you'll understand why
Everything you touch surely dies

But you only need the light when it's burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

Only know you've been high when you're feeling low
Only hate the road when you're missin' home
Only know you love her when you let her go

Staring at the ceiling in the dark
Same old empty feeling in your heart
'Cause love comes slow and it goes so fast

Well you see her when you fall asleep
But never to touch and never to keep
'Cause you loved her too much
And you dived too deep

Well you only need the light when it's burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

Only know you've been high when you're feeling low
Only hate the road when you're missin' home
Only know you love her when you let her go

And you let her go (oh, oh, ooh, oh no)
And you let her go (oh, oh, ooh, oh no)
Will you let her go?

'Cause you only need the light when it's burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

Only know you've been high when you're feeling low
Only hate the road when you're missin' home
Only know you love her when you let her go

'Cause you only need the light when it's burning low
Only miss the sun when it starts to snow
Only know you love her when you let her go

Only know you've been high when you're feeling low
Only hate the road when you're missin' home
Only know you love her when you let her go

そうなんだよ
電気も明るく輝く時は別になんとも思わないのに
輝きが弱まると急に灯りが恋しくなる
雪がちらつき始めると強い日差しが恋しくなる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

落ち込んではじめてそれまでが
幸せだったって気づくものだし
家が恋しくなってしまうと
あちこちをツアーで回るのがイヤになる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ
もう会えなくなってから

グラスの底を見つめながら
いつか夢のさめない日が
やってくるよう願ってる
なのに夢はなかなかかなわないし
たとえかなったと思っても
すぐにそのまま消えていく

目を閉じても
あの子の姿が消えていかない
もっと時間が経てばいつかはわかるかも
その手で触れるとなにもかも
ダメになっていくそのわけが

だけど電気も明るく輝く時は別になんとも思わないのに
輝きが弱まると急に灯りが恋しくなる
雪がちらつき始めると強い日差しが恋しくなる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

落ち込んではじめてそれまでが
幸せだったって気づくものだし
家が恋しくなってしまうと
あちこちをツアーで回るのがイヤになる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

暗闇の中,天井を見つめながら
相変わらず空しい気持ちで過ごしてる
想いはなかなか実らないし
たとえ実ったと思っても
すぐにダメになってしまうから

眠りに落ちる頃,やっとあの子に会えるけど
触れることもできないし
繋ぎとめてもおけないよ
だって想いが強すぎて
のめり込み過ぎてたから

そうなんだ
電気も明るく輝く時は別になんとも思わないのに
輝きが弱まると急に灯りが恋しくなる
雪がちらつき始めると強い日差しが恋しくなる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

落ち込んではじめてそれまでが
幸せだったって気づくものだし
家が恋しくなってしまうと
旅して回るのがイヤになる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

もう別れた後になって
もう会えなくなってから
だけど忘れられるのか?

だって電気も明るく輝いてる時は
別になんとも思わないのに
輝きが弱まると急に灯りが恋しくなる
雪がちらつき始めると強い日差しが恋しくなる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

落ち込んではじめてそれまでが
幸せだったって気づくものだし
家が恋しくなってしまうと
旅して回るのがイヤになる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

だって電気も明るく輝いてる時は
別になんとも思わないのに
輝きが弱まると急に灯りが恋しくなる
雪がちらつき始めると強い日差しが恋しくなる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

落ち込んではじめてそれまでが
幸せだったって気づくものだし
家が恋しくなってしまうと
旅して回るのがイヤになる
それと同じで
もう別れた後になって
好きだったことに気づくんだ

(余談)

この曲の内容を「後悔を抱えたまま人生を送ること」と言い切ったコメントがありましたが至言です。もっと噛み砕いて言おうとして「失って初めて気付く愛」とGoogleで検索をかけたところ,300万近くもヒットしました。皆さんどなたも同様の経験をなさっておいでのようです。

要するにこの曲の言わんとするところは「今あるものに感謝してそれを大切にしろ」ということでしょうから,わかりやすいたとえで言えば「いつまでもあると思うな親と金」といったところでしょうか。

そう言えばどこかで「男はBluetoothで,近くにいる時はつながれるが,遠くに離れてしまうともう繋がれなくなり,近くの無線を探そうとする。女はWiFiで,いくつもある無線全体を見て,その中の一番強いものと繋がろうとする」という話を聞いたことがありますが,そのあまりの的確さに感動した覚えがあります。

おそらくこの相手も,微弱で安定しない主人公にはさっさと見切りをつけ,もっと強力な無線と繋がったと思われます。

12 件のコメント:

  1.  この曲、好きです。リードの言うとおりで、まずは、このヴォーカルの人の「声」の曲だと思います。独特の声で、この声こそが、主人公の気持ちを、聴く者の心のど真ん中に届けてくる。
     詩の原文の方をみると、すべて、主語はyouになっています。おそらくは、主人公にyouと話しかけているこの語り手もやはり主人公で、主語をyouにしたことで、客観性が生まれて、サビの部分が一般論として聞こえてきます。また、相手を失いそうになるまで気づかなかった自分を、責めているようにも感じられます。人称代名詞にはいつもご苦労されているとのことですが、訳文はyouなしでも、一般論になっている感じ、とか、自分を責めている感じがしっかり出ているように思いました。
     3連目でドラムが入ってくるあたりから、主人公の心と裏腹に、事態はどんどん急展開していって、手の施しようがなくなってきて、最後にあの「声」のアカペラで終わる・・・。なんだかつらくて涙が出てきます。でも、つらいけど、つらい分だけ美しい曲だと思いました。
     ところで、新しい企画が進行中なんですね。いいですね!また、楽しみにしています。(何かとお忙しいでしょう。返信は結構です)

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  2. 私もこの曲好きです。本当この声だからこそ、余計に心に響いてくる気がします。

    以前、動画で、Taylor SwiftのI knew you were troubleをGoat Version(汗)でカヴーしていたのを見ました。その後に、この曲を続けて歌ったものだから、あまりにそれが衝撃的で、忘れられません。

    「男はBluetoothで、女はWiFi。。。」まさしく。。。

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    1. コメントありがとうございます。どなたがお考えになったのかは存じませんが,BluetoothとWiFiのたとえは,聞いた時に思わず唸ったほどの絶妙さでした。

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  3. ご無沙汰しております。
    久々にコメントさせていただきますが、まさかこの曲とPassengerを和訳していただけるなんて、わたしにとってはサプライズのプレゼントのようです・・・感動!!
    ご存知の通り熱烈なEd Sheeranファンのわたしですが、実はPassengerもかなり好きなんです。

    リード文で言われていたように、彼はEdと歌っていても際立つほど個性のある声をしています。
    その声をEdと比較すると、Edの声は洗練され研ぎ澄まされていて鳥肌が立つような感覚を覚えることがあるのですが、Passengerの声は非常に素朴で人肌のような温かみがあり、なつかしく感じるような声です。
    この曲を聴いていると、せつない歌詞とその声が、大切な人がいなくなってぽっかりと空いた心の空洞に響いて鳴り止まなくなってしまいます。
    今年のわたしはそんな時期がありました。
    しかし、確かにわたしもWiFiなものですから、今はより強い無線を探して周囲にアンテナを張り巡らせております(笑)

    この曲にわたし以外のコメントがついていることがとてもうれしいです。
    oakさんはさすがお目が高い!

    素敵なプロジェクトが進行中とのことで、先々楽しみです!
    vestigeさんの和訳でより多くの人が幸せになれるなんて、すばらしいですね。
    お身体にお気をつけてがんばってください。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。この曲,一体どこで出会ったのか覚えていないのですが,聞いた瞬間その声に心を掴まれました。声が音楽に果たす役割の大きさを改めて感じた1曲です。
      それにしても・・・やはりai_i様もWiFiなわけですね。あのたとえ,本当に言い得て妙です。

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    2. 名前を呼ばれてうれしくなって、Ai_iさんに返信させていただいてます。どうも、お久しぶりです!お元気そうでよかったです。この投稿以来、この曲、お気に入りで何度も聴いてます。また、(暑い間はあまり聴いてなかったのですが)久しぶりにEdの歌声も聴きたくなりました。

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  4. すみません、気になる事があったんで書き込ませて頂きます
    「家が恋しくなってしまうと
    あちこちをツアーで回るのがイヤになる」の部分ですが

    本来の役を直訳すると
    「家が恋しくなると、帰り道が嫌になる」になってしまいませんか?
    このmissin'という表現は「恋しい」ではなく「無くした」という方じゃないでしょうか?

    つまり
    「帰り道が嫌いになるのは、帰る場所を無くしたから」といった風に

    あと、ツアーという部分なのですが
    元々歌の中にツアーという表現が使われていないのは
    恐らくツアーというのがエンターテインメント目的の道すがらを想像させてしまう為だと思います
    こう考えると、やはり「帰り道」などの、より身近な帰路を想像させ、哀愁が漂う言葉が最適かと思われるのですが・・・どうでしょうか

    ~~~~
    私も度々和訳等をしてるんですが。
    英語を日本語に訳す際に一番難しいのは、英語の問い掛け、ですよね
    「and you let her go」って一見すると、確かに「もう別れた後になって、好きだって事に気づくんだ」になるんですけど
    和訳してしまうとどうしても、自問自答風になってしまいますよね
    何とも難しいですよね

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    1. コメントありがとうございます。問題の箇所は海外の歌詞サイトにあった(おそらく)ネイティヴの方解釈をもとに作っておりますが,確かに仰ることにも一理あるかもしれません。
      ただ純国産の私の感じることなので当てにはなりませんが,the roadという単語には「家以外の場所」を感じます。例えば,英語にはon the roadという表現がありますが,その意味はどれも「家以外の場所で」という意味です。Cormac McCarthyのThe Roadという小説と映画があるのですが,荒廃した近未来のアメリカで安住の地を探して父子が彷徨うという作品ですし,この歌詞の構成から言っても,the light-burning low, sun-snow, high-lowのようにonlyとwhenの直後の表現がそれぞれ対になっているはずです。
      仮に帰路という意味であれば,roadではなくむしろwayを使うように思われるのですがいかがでしょうか?

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    2. 返信有難う御座います。
      なるほど、確かに帰路であればwayの方が近いですね。
      対になる事を意識してませんでした・・・いやはやお恥ずかしい

      ただやはりツアーがレジャー的目的があるのがどうしても引っかかってしまいます・・・
      確かに帰路ではないですねが、そういう解釈だと「路頭に迷った」感じの表現の方が的確なのではないでしょうか

      【家が恋しくなると、彷徨い歩くのが嫌になる】といった用な感じで
      今自分で書いてみて「少し間怠っこしいかな?」とも感じますが・・・

      勿論、このツアーと言う表現の捉え方には個人差があると思いますが・・・
      純海外の私の考えはこんな感じです

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    3. コメントありがとうございます。おそらく問題の核心はR様と私でthe roadという表現の捉え方が違っているためではないかと思われますが,この表現は主人公がアーティストという文脈で捉えた場合,ライヴツアー(on the road)という意味であることが少なくありません。
      したがってここで言う「ツアー」とは,レジャー目的の観光旅行ではなく,アーティストが各地を回ってライヴをするworld tourなどのあの「ツアー」すなわち「仕事」を指していると私は理解しております。当然のことながら毎日のように全国(あるいは全世界の)会場を回るのですから,楽しいばかりとは思われませんが,だからといってツアー(仕事)がイヤだなどと言ってしまっては,ライヴに来てくれるファンに対して失礼になりかねません。
      そのためonly hate - whenという形にして「(通常ならエキサイティングに取り組めてやりがいのある)ツアーだが,家が恋しくなると(そんな素晴らしいツアーさえ)イヤになってしまう」という表現にしているのではないかと考えております。

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    4. 私もツアーという言葉、気になってしまいました…

      5年前の記事に今更ですが好きな曲なのでコメントさせていただきます。

      Homeとは彼女のと一緒に住んでいた”家”のことで、今も同じ家に帰ってはいるが彼女はいないのでもう”家”ではない。”家”が恋しい時、(彼女のいない)家までの帰り道(the road)が嫌になる。いかがですか。単純すぎますかね…

      私もネイティブでなく、すべて何も考えず聞いて感じたhome, the roadの解釈です。

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    5. コメントありがとうございます。歌詞に限らず凡そ詩というものはその意味を最終的には受け取る側が決めるものなのでyu様の仰るように解釈しても何ら差支えはないと思われますし,むしろyu様にとってはそれが唯一の解釈でありましょう。貴重なご意見ありがとうございました。

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