2013年11月30日土曜日

Zombie ザ・クランベリーズ (The Cranberries)

理由はわかりませんが,2011年にYouTubeでこの曲を繰り返しプッシュされました。そこでヴィデオを見たものの,ゾンビが1人も登場しないのでかなり戸惑いました。なんというかMJのThrillerのヴィデオのようなものを想像していたからです。
さすがに今はこの曲がホラー映画ではなく,アイルランドの民族紛争を扱ったものだとわかっています。歌詞に登場する「ゾンビ」とは,爆弾テロのような残虐行為を耳にしても,被害者が自分や自分の大切な人間ではないので,さして気にも留めない人間を表すメタファーです。ただおそらくある意味では私もその一人ですね。    
I don't know why but YouTube repeatedly recommended this video to me in 2011.  When I watched the video, I was greatly puzzled because not a single zombie appeared in it.  What I expected was something like MJ's Thriller.
Now I know it's about the ethno-political conflict in Ireland and not about some horror movies.  Zombie is a metaphor for those who don't pay much attention to such a atrocity like bomb attacks just because the victims are not themselves nor their loved ones.  Well, probably I'm zombie in a sense, too.    
Zombie  (The Cranberries)
Another head hangs lowly,
Child is slowly taken.
And the violence caused such silence.
Who are we mistaken? 

But you see, it's not me, it's not my family.
In your head, in your head they are fighting,
With their tanks and their bombs,
And their bombs and their guns.
In your head, in your head, they are crying...

In your head, in your head,
Zombie, zombie, zombie,
Hey, hey, hey. What's in your head,
In your head,
Zombie, zombie, zombie?
Hey, hey, hey, hey, oh, dou, dou, dou, dou, dou...

Another mother's breakin'
Heart is taking over
When the violence causes silence,
We must be mistaken.

It's the same old theme since nineteen-sixteen.
In your head, in your head they're still fighting,
With their tanks and their bombs,
And their bombs and their guns.
In your head, in your head, they are dying...

In your head, in your head,
Zombie, zombie, zombie,
Hey, hey, hey. What's in your head,
In your head,
Zombie, zombie, zombie?
Hey, hey, hey, hey, oh, oh, oh,
Oh, oh, oh, oh, hey, oh, ya, ya-a...

ここにまた
悲しみにうなだれる人がいる
子どもの命が消えそうだから
あの暴力がこの沈黙を生み出している
みんな何様のつもりなんだ? *
どこかで間違ったんじゃないのか?

だけどほら,そういう目に
自分が遭ったわけでもないし
家族が巻き込まれたわけでもない
今だってあの戦いは続いてる
戦車が走り,爆弾が落ち  **
爆発や銃撃が起こってる
だけど悲しみの叫び声が聞えてきても
それは想像の世界で起こってることで
実感なんか湧きゃしない

ただ想像の世界の中で
何か叫んでるだけなんだ

所詮,実感なんか湧かないんだよ
だってみんな半分死んでる
「ゾンビ」みたいなものなんだから
その頭で何を考えてる?
心のない「ゾンビ」たち
教えてよ

ここにまた
打ちのめされた母親がいて
こうやって心の傷が引き継がれていく
あの暴力がこの沈黙を生み出してるなら
どこかで間違ってしまったはずだ

あの1916年からずっと
同じテーマの繰り返し
今だってあの戦いは続いてる
戦車が走り,爆弾が落ち
爆発や銃撃が起こってる
だけど犠牲者が出てたって
それは想像の世界で起こってることで
実感なんか湧きゃしない

所詮,実感なんか湧かないんだよ
だってみんな半分死んでる
「ゾンビ」みたいなものなんだから
その頭で何を考えてる?
心のない「ゾンビ」たち
教えてよ

(補足)

* 「Who are we mistaken?」ですが,ここがわからないのは私だけではないらしく,海外の歌詞サイトでも様々な方が質問なさっています。その中で最も説得力があると思われたのが「Who are we, mistaken?」だとする説で,ここではそれを採用しています。

** 「戦車が走り,爆弾が落ち,爆発や銃撃が起こってる」の部分は,原文では「With their tanks and their bombs, And their bombs and their guns.」となっていますが,これはアイルランドの反戦歌「Johnny I Hardly Knew Ye」の一節「With your drums and guns and guns and drums」だという説がありました。

リード文でも述べたように,この曲は1916年にアイルランドで起こったイースター蜂起(Easter Rising)を題材に取ったものだそうですが,詳細についてはこちらをご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E8%9C%82%E8%B5%B7

また,1993年3月23日に起こったWarrington bomb attacksの直後にこの曲が発表されたことから,この事件がきっかけになったとも言われています。この事件では2名の子どもが重体になり,そのうち12歳のTim Parryはほぼ脳死状態になったため,5日後に母親が許可して生命維持装置を外したそうです。

(余談)

それはともかく,このヴィデオを見た時は,全身を金色に塗ったThe CranberriesのDolores O'Riordanの異様な姿にただただ圧倒されてしまいました。

全身これ「琳派」と申しましょうか,よく言えば煌びやか,有体に言えば,見てるだけで皮膚呼吸を阻害されて息が詰まりそうなペイントっぷりで,それを眺めながらふと「これと似たようなものを以前どこかで見たな・・・」と考え,それがGotyeのSomebody That I Used To Knowであったことに思い当りました。

そこでいっそ「塗りの御三家」というテーマで曲を取り上げてみるのも面白いと思ったのですが,そのためにはあと1人「塗り」で人々の記憶に残るアーティストが必要です。

しかも「塗り」とは言っても,いわゆるヴィジュアル系の塗りではいけません。あくまでも「攻めの姿勢の塗り」言い換えれば「自分をよく見せよう」という下心のない,いわば捨て身の「塗り」でなくてはならないため,その人選には若干苦労しそうです。

・・・やはりMarilyn Mansonを取り上げるべきなんでしょうか。


7 件のコメント:

  1. 「塗りの御三家」にはDog days are overのFlorence Welchを推すのが適当ではないかと思います。
    『補足』『余談』ともに素晴らしい内容なのにも関わらず、つい余談にばかり乗ってしまう自分が嫌なのですが、しかしながらこの金箔姿、、、日本が世界に誇る舞踏集団『大駱駝鑑』を連想したのはわたしだけじゃありませんよね、、?

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    1. コメントありがとうございます。そのセンがありましたか!実は私もあの後「ガガ様でもいいのでは?」と思ったのですが,彼女の場合「塗り」と「脱ぎ」という二重の縛りがあるため,それでは,既にあちこちでやたらに脱いでいるGotyeはいいとしても,そもそものDolores O'Riordanが大変困るのではと思われました。
      ところでお話しの『大駱駝鑑』,寡聞にして存じませんでしたが,ネットで検索してみればなるほど確かに。solakofi様の博識ぶりに圧倒されるばかりです。

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  2. ありがとう!公開してくださって、ありがとう!みんなで太陽のもとを明るく生きましょう!SNSやメールというツールが日常化した昨今、人と人とのコミュニケーションが複雑になりがちですが、自分の思っていることは面と向かってしっかりとお話できるのがベストです。これもしっかり公開していただければ幸いです。ありがとうございました。

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  3. 「塗り」に限って言えば、superbus の butterflyを推したいです。最初は普通なのですが段々キラキラになっていく、インパクトのあるミュージックビデオです。歌がいま一歩という感じなのが引っかかるところですが…

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  4. 「塗り」に限って言えば、Superbus の butterfly のミュージックビデオを推します。段々と本気塗りになっていくのが見ものです。歌がいま一歩という感じなのが引っかかるところですが…

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  5. あら…理解できてなくて2回もすみません…

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  6. このPVの「塗り」は金属的なものを表したものではないしょうか?
    金色ではありますが銅を磨いた状態も金色に近いです。
    金色の人間、つまりブロンズ像にも見えます。
    (実際のブロンズ像は酸化防止でコーティングされるため金色状態の像はあまり見かけません)
    ブロンズ像=人ではない、人の心を持たない、すなわ歌詞の内容より「ゾンビ」を広義に解釈した結果としての「塗り」ではないかと思います。
    プロモーションの性質上、彼女がまんまゾンビに扮するよりヴィジュアル上のイメージと、歌のメッセージ性を兼ね備えたものにした結果ではないかと思います。

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