2014年8月14日木曜日

Shades of Cool ラナ・デル・レイ (Lana Del Rey)

この曲を聴いて,彼女のVideo Gamesを思い出しました。そうではないことはわかっているのに,主人公が自分自身に対して,相手は自分のことを大事にしてくれているんだと言い聞かせているからです。 ミュージック・ヴィデオはカリフォルニアのロサンゼルスで今年の5月に撮影されたものですが,陽光降り注ぐ美しい景色とは裏腹に,彼女はさほど幸せそうには見えません。
ところでLana Del Reyは,実在の人物からこの曲のヒントを得たとイギリスの大衆紙The Sunに語っています。曰くこの人物の見た目に大変衝撃を受けたそうです。
It reminds me of her Video Games.  The narrator is trying to convince herself that the second person loves her back despite knowing it's not true.  The music video was shot in Los Angeles, California in May 2014.  In contrast with the beautiful and sunny landscape of The Golden State, the singer in the video doesn't seem to be very happy.
As for the song, she told The Sun that the song was inspired by a person she met.  The person made a strong visual impact on her, she said.
Shades of Cool  (Lana Del Rey)
My baby lives in shades of blue
Blue eyes and jazz and attitude
He lives in California too
He drives a Chevy Malibu

And when he calls, he calls for me, and not for you
He lives for love, he loves his drugs, he loves his baby too

But I can't fix him, can't make him better
And I can't do nothing about this strange weather

But you're invincible *
I can't break through your world
'Cause you live in shades of cool
Your heart is unbreakable

My baby lives in shades of cool
Cool heart and hands and aptitude
He lives for love, for women too
I'm one of many, one is blue

And when he calls, he calls for me, and not for you
He prays for love, he prays for peace, and maybe someone new

But I can't help him, can't make him better
And I can't do nothing about his strange weather

Cause you are invincible
I can't break through your world
Cause you live in shades of cool
Your heart is unbreakable

Cause you are invincible
I can't break through your world
Cause you live in shades of cool
Your heart is unbreakable

どんな時にもあの人は
ブルーの影をまとってる
瞳が青いだけじゃない
あの人はジャズが好きだけど
好きな音楽や態度にも
ブルーな雰囲気がある人よ
カリフォルニアに住んでいて
シェヴィ・マリブに乗ってるの

あの人に
必要なのはアタシなの
他の人なんかじゃない
恋のために生きてるし
クスリがなきゃダメな人だけど
恋人だって大事にしてる

なのにどうしても
あの人を元に戻せない
アタシじゃあの人を変えられないの
こんなおかしな「お天気」なのに
アタシには何もできないの

だけどその人は
無敵で誰も寄せ付けないから
その世界に入っていけないの
だっていつだって
ブルーの影をまとってるから
そのハートは傷つかないの

あの人は
どんな時でもクールなの
冷たい人ってだけじゃない
あの人の手だってやっぱり冷たいし
クールな才能も持っている
恋やセックスが生き甲斐で
女の子なら大好きだから
このアタシなんて
特別な存在ってわけじゃなく
他の子とどこも違わない
それが悲しいの

あの人に
必要なのはアタシなの
他の人なんかじゃない
愛や平和みたいなものを
祈ったりすることもあるけれど
あの人が望んでるのは
多分新しい相手なの

なのにどうしても
あの人を元に戻せない
アタシじゃあの人を変えられないの
こんなおかしな「お天気」なのに
アタシには何もできないの

だってその人は
無敵で誰も寄せ付けないから
その世界に入っていけないの
その人は
どんな時でもクールだから
傷ついたりしないのよ

だってその人は
無敵で誰も寄せ付けないから
その世界に入っていけないの
その人は
どんな時でもクールだから
傷ついたりしないのよ

(補足)

* invincible  ここがunfixableとする説もあるようですが,多くのサイトがinvincibleとしているので,ここでもinvincibleにしておきたいと思います。

歌詞に登場する「こんなおかしな「お天気」なのに」という部分は,相手の変わりやすい気分を表しているのかもしれません。

(余談)

以前Lana Del Reyの日本名を「薄井幸代(うすいさちよ)」と書いたことがありましたが,このヴィデオを見て,一層その感を強くしました。相手が親子ほども年の離れた男性だからです。敢えて幸せにならない方向へ自分から向かっているのではないかと思われるほど,入れあげる男が揃いも揃って怪しいヤツばかり。

なにしろ,Video Gamesの相手は「体だけが目的のヴィデオ・ゲーム・マニア」,Born To Dieは「ちょっとイっちゃってる子が好みの男」,National Anthemは「資産家の遊び人」,Young and BeautifulWest CoastBel Airでは「ロッカー」,Blue Jeanでは「犯罪者」,Ultraviolenceに至ってはDV男です。彼女を前に座らせて「もっとマトモなヤツを選べ」と小一時間説教のひとつもしたくなるのは私だけではありますまい。この調子だと,職場の同僚と付き合ってという,おそらく世間で最もよくあるタイプの結婚には到底縁がなさそうな気がします。

それはともかく,これだけ世の中にミュージック・ヴィデオがあると,なかにはMiley CyrusのWrecking Ball  のような全裸のものや,意味なくエロい動きをするRihanna先輩のヴィデオのようなものもあるのですが,それにもかかわらず,ヴィデオ全体から醸し出される「エロさ」という点では,Lana Del Reyのヴィデオがひとつ抜けているような気がします。特にエロい動きがあるわけでも,露出が多いわけでもないのですが,何故か大変にエロい。

逆に,全裸に限りなく近い状態でありながら,P!nk姐さんのTryなどは,何度見ても柔道の組み手や踊りにしか見えず,今にも審判から「注意」が入りそうで,ミュージック・ヴィデオでありながら,別の意味でハラハラしてしまいます。

3 件のコメント:

  1. lana del rey やsiaのファンです。
    対訳以上にコメントが面白く、おかげでlana del reyの世界が少しわかったように思います。ありがとうございます。

    昔、中島みゆきの「愛してくれと行ってくれ」というアルバムにハマったことがあります。ふたりとも不幸な恋愛を自虐的に歌うのですね。表現が演劇的(映画的)で、歌い手が微妙に距離をとっているところも似てます(もちろん似てないところのほうが多いですけど)。

    わたし自身はそんな経験は皆無なのに、そうした歌がなぜ「自分の音楽」に似ているのか、謎です。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。minoru obayashi様の仰ること大変良くわかります。個人的にソウル系の曲(モータウン系の曲)に魅かれるのですが,私個人の経歴及びルックスとは露ほどの共通点もないのが不思議です。

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    2. Lana Del Rey - Shades Of Cool を 最近 ユーチューブで知りました。
      この曲を CD で 聴きたい場合は どの CD を 買えば良いですか ?
      お返事お待ちしております。

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