2022年6月11日土曜日

Down Under メン・アット・ワーク/ルード (Men At Work / Luude ft. Colin Hay)

何が犯罪で何がそうでないのかはそれほど明確ではありません。もし生きていくためになくてはならないパンや米といった生活必需品が簡単に手に入らない社会では,ひとかけのパンを盗んで捕まれば重罪です。
What is a crime and what is not isn't always so obvious.  If you live in a society where even daily necessities such as bread and rice to survive are not easily available, stealing a piece of bread could be a felony if you're caught.
Down Under  (Men At Work / Luude ft. Colin Hay)


[Verse 1]
Traveling in a fried-out Kombi
On a hippie trail, head full of zombie
I met a strange lady, she made me nervous
She took me in and gave me breakfast
And she said

[Chorus 1]
Do you come from a land down under?
Where women glow and men plunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover

[Verse 2]
Buying bread from a man in Brussels
He was six-foot-four and full of muscle
I said, “Do you speak-a my language?”
And he just smiled and gavе me a Vegemitе sandwich
And he said

[Chorus 2]
I come from a land down under
Where beer does flow and men chunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better run, you better take cover, yeah

[Verse 3]
Lyin’ in a den in Bombay
With a slack jaw, and not much to say
I said to the man, “Are you trying to tempt me?
Because I come from the land of plenty”
And he said

[Chorus 1]
Oh! You come from a land down under? (Oh, yeah, yeah)
Where women glow and men plunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder? Ah
You better run, you better take cover
(‘Cause we are) Living in a land down under
Where women glow and men plunder
(Hear, thunder) Can’t you hear, can’t you hear the thunder?
You better, better run, you better take cover
Living in a land down under
Where women glow and men plunder
Can’t you hear, can’t you hear the thunder? Oh, yeah
You better run, you better take cover
(We are) Living in a land down under, oh
Where women glow and men plunder
(Yeah, yeah) Can’t you hear, can’t you hear the thunder? (Yeah, yeah, thunder)
You better run, you better take cover

[Verse 1]
陽に焼けてボロボロのワゴンカー*に乗り込んで
マリファナ**吸ってぶっ飛んで,ヒッピー街道辿っていたら
ヘンな女に出くわして,なんだか不安な気分になった
家に呼んで朝メシ出して
そいつは俺にこう言った

[Chorus 1]
オーストラリアから来たの?
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だ
聞こえない?雷が鳴っているのが聞こえてるでしょ?
さっさと急いで避難して

[Verse 2]
男からブリュッセルでパン買った
190以上あるめちゃくちゃガタイのいいヤツだった
言葉がわかるか尋ねたら
ベジマイト***のサンドイッチを笑顔でヤツから渡されて
こんな風に言われたよ

[Chorus 2]
俺だってオーストラリア出身なんだ
そこじゃビールが流れてて,男はみんなゲロを吐いてる
聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ

[Verse 3]
ムンバイの汚い部屋で
だらしなく口開けて****ラリったヤツと寝てたけど,特に話すこともなかった
それでそいつに聞いてみた「もしかして誘ってんのか?
なんでもあるそんな国から俺がやって来てるから」って
そしたらヤツに言われたよ

[Chorus 1]
オーストラリア出身なのか?(ああそうだ)
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だって
聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ
(だってみんな俺たちは)オーストラリアに住んでんだから
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だって
(ほら雷が鳴っている)聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ
オーストラリアに住んでんだ
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だって
聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ
オーストラリアに住んでんだ
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だって
聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ
(だってみんな俺たちは)オーストラリアに住んでんだから
そこじゃ女が輝いていて,男はやりたい放題だって
聞こえてるよな?雷が鳴っているのが聞こえてるだろ?
さっさと急いで避難しろ

(補足)
* kombi ・・・ フォルクスワーゲン・コンビというワゴン車
** zombie ・・・ マリファナ
*** vegimaite ・・・ ベジマイト(オーストラリアに特有のスプレッド)
**** slack jaw ・・・ 口をポカンと開けた人

(余談)

この曲はオーストラリアがテーマですが,リードで犯罪の話を出したのは,私を含め多くの人が「オーストラリアは(元々)受刑者の国」と思っているような気がするからです。

確かに歴史的に英国政府は刑務所に収容できなくなった犯罪者をオーストラリアに送りましたが,そういった人々はオーストラリアの人口の一部に過ぎず,それ以上の人間が19世紀中ごろのゴールドラッシュでオーストラリアに移民しています。

また国外追放された人々の「罪状」も奇妙で「なんとなく怪しい」という理由だけで送られたアイルランドのカトリックもいれば,組合を結成しようとして社会運動家が送られたりしています。そもそも殺人などの重罪を犯した者はオーストラリアに送られることはなく,イギリス本土で死刑判決を受けて縛り首です。

この曲では主人公が様々な場所を旅していますが,その旅先も主人公の出身地のオーストラリア(down under)も一般的なステレオタイプで描かれています。

例えば「ムンバイ(インド)」では「汚い部屋」で「だらしなく口開けてラリったヤツ」と一緒に寝転がり,「ブリュッセル(ベルギー)」では「190以上あるめちゃくちゃガタイのいいヤツ」から「パン買っ」ていますが,相手に言葉のアクセントでオーストラリア人と見抜かれ「ベジマイトのサンドイッチ」を渡されています。

つまりこの曲はいかに人間が日々イメージで物事を表面的に捉えているのかを教えてくれているのではないでしょうか?

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