2011年11月24日木曜日

Eyes Wide Open ゴーティエ(Gotye)

人類が環境に及ぼす悪影響をテーマにした歌詞ですが、その内容がコーマック・マッカーシー(Cormac McCarthy)がピュリッツアー賞を受けた「The Road」を連想させます。この小説は大災害で荒廃しきったアメリカで、一組の父子が辛く苦しい放浪の旅を続けるという内容です。彼らの所持品は古ぼけたショッピングカートに入ったものだけですが、それが物質社会や文明を象徴するスーパーマーケットで使われるショッピングカートという点に隠れた意味が感じられます。楽しい話では決してありませんが非常に引き付けられる作品で、描かれる荒廃した暗く埃っぽい風景にさえある種の美が感じられます。混沌・廃墟・暴力のような通常なら美の感じられないところに存在する美です。
This song is about negative impacts we humans are inflicting on the environment.  The lyrics remind me of "The Road", Cormac McCarthy's prize- winning novel describing a long and hard journey by a father and his son in a post-apocalyptic world.  What they have is in one shopping cart.  This has a metaphorical meaning because a shopping cart is usually used at a supermarket which symbolize our capitalistic civilization.  It is not a happy story in any sense but still much compelling.  Even a bleak, dusty and grim landscape depicted in the story has some beauty.  It's a beauty we find in the most unlikely places to find some.  Chaos, ruins or violence.  
Eyes Wide Open  (Gotye)
With our eyes wide open we ..
With our eyes wide open we ...

So this is the end of the story
Everything we had, everything we did
Is buried in dust
And this dust is all that's left of us

But only a few ever worried
Though the signs were clear, they had no idea
You just get used to living in fear
Or give up
When you can't even picture your future

We walk the plank with our eyes wide open

Some people offered up answers
We made out like we heard, but they were only words
They didn't add up
To a change in the way we were living

And the saddest thing
Is all of it could have been avoided
But it was like to stop consuming is to stop being human
And why would I make a change if you won't?
We're all in the same boat, staying afloat
For the moment

And we walk the plank with our eyes wide open, we....
Walk the plank with our eyes wide open

With our eyes wide open, we....
Walk the plank, we walk the plank

So that is the end of the story


眼を大きく開けて、そして・・・

これが人間の行き着く先  人間の終末だ
今まで手にしたものもやってきたことも
なにもかもが灰に埋もれしまった
そして人間は結局こんな灰しか残せなかったんだ

だけどほとんどの人はそんなこと気にしなかった
こうなる恐れはあったのに
どうすればいいのかわからなくて
不安は感じてたけど、
気がつくとそれが当たり前になった
最初からさじを投げた人もいた
これから先どうなってしまうのかが想像できないから

足元には一枚の細長い板しかないのに、その上を怖がりもせず大きく眼を開けて歩いてしまうんだ

どうすればいいのか教えてくれた人もいた
一応聞いてるふりはしたけれど、最終的には右から左で、ただのたわごとだと思ってた
それで何かが変わるわけでもなく
今まで通りの生き方をそのまま続けていたんだ

悔しくてたまらないよ
だってその気にさえなれば、こんなことみんな避けられたんだから
だけど使い捨ての生活を止めたらもう人間じゃなくなるような気がしたんだよ
それに誰もやってないのになんで自分が、なんて考えてた
でも人間はひとつの舟に乗った運命共同体で、
地球の歴史という海原に、
ほんの短い間、やっと浮かんでるだけ

それなのに一枚の細長い板の上を、怖がりもせず大きく目を開けて歩いているんだ

終末に向かって・・・



4 件のコメント:

  1. 感激です!僕自身もこの曲をPVからなんとなくイメージしていて、自分なりに和訳してみたんですが、こんなにメッセージ性の強いものだったんですね!making mirrors毎日聞いてます。歌詞の意味がわかると、ぐっと曲の魅力が深まりますよね。これからもがんばってください。

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  2. コメントありがとうございます。皆様から温かいお言葉をいただくのがなによりの励みになります。gotyeの曲には他のアーティストにはない一風変わった味があってそこが魅力。近いうちに,アルバムmaking mirrorsの曲を投稿する予定です。またgotyeの曲はこの他にも数曲和訳しているのでそちらもご覧くださいね。

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  3. 翻訳有難うございます。
    GOTYEが日本好きということもあり、どこか日本らしさを感じる歌詞だと私は思っています。

    これからも頑張ってください。

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    1. 大変申し訳ないのですが,このページ右上でお知らせしているように,匿名の方にはお返事を差し上げられなくなりました。どのようなものでも結構ですので是非お名前をお知らせください。

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