2012年5月4日金曜日

Astronaut プロフェッサー・グリーン(Professor Green)

衝撃を受けて圧倒されました。Ed SheeranのThe A Teamを思い出します。胸がざわつくほど美しい。聴くたびに,歌詞の主人公が気の毒でたまらなくなります。Professor Green自身が2番目のヴィデオの冒頭で語っているように,彼の友人の経験を基にしてこの曲を書いたとか。一人は薬物(ヘロイン)依存が原因で亡くなり,もう一人は薬物依存を克服したそうです。楽しく明るい気持ちになる曲ではありませんが,聴くに値する曲だと思います。
I was stunned and overwhelmed by this song.  It reminds me of "The A Team" (Ed Sheeran).  Disturbingly beautiful.  Whenever I listen to it, I can't help feeling sorry for the protagonist in the lyrics.  As Professor Green himself explains at the beginning of the second video (live), he was inspired to write the song by two of his friends.  One of them died of drug abuse and the other overcame it.  This is not one of fun fun kind of songs but I think it's worth listening.  
Astronaut  (Professor Green)
(live)
She was on her way home he was lying in wait,
Assistance from others had never led her astray,
She had a good day,
Was persuaded by summer air to walk instead of getting the train,
The decision so innocent as innocent as she,
Uncorrupted so innocent and sweet
An innocence interrupted by an incident
A disonance in two people so different in belief
She came from the depths and ascend, bumped into he who dement,
Intent on inflicting the same pain that been led
The decision made by he for she had never consented.
And unprovoked the most vemonous attack,
He took from her that which she can't get back,
And left her with that that she can't get rid of
Which is why whenever it's time for lift off

She builds a rocket out of stars in her spoon,
Straps up, the only way to make it to the moon,
Dear god, I hope you haven't forgot
This young brave astronaut
A habit she never wanted,
A pain she needed numbing,
And she'd rather feel nothing than the pain
An evening she can't forget,
Memories she can't stomach
Not for nothing but a needle in her vein
Friends she ignored till the phone stopped ringing,
Till her door stopped knocking,
Her door she only opens to let him in,
But she has no money so she lets him come
You can take that either away

A window she rarely opens so she can see the day,
Her stove she only uses to heat her spoon,
For her the only way she can reach the moon.
She builds a rocket out of stars in her spoon,
Straps up, the only way to make it to the moon,
Dear god, I hope you haven't forgot
This young brave astronaut

Looking up, looking up, looking up for the young brave astronaut
Give it up, give it up, give it up for the young brave astronaut
I know that you're busy but any time you got,
God please make a visit,
To the young, to the young, to the young,
To the young brave astronaut

She opens the window for a glimpse out
And heats a spoon over the stove
Feels a familiar sting and then slips out
With a window that isn't quite closed
With the window open and the stove still lit,
Along with the rain came a gust of wind,
Which blew the fire out,
Gas still running and her still breathing the gas in.

She builds a rocket out of stars in her spoon,
Straps up, the only way to make it to the moon,
Dear god, I hope you haven't forgot
This young brave astronaut

家に帰ろうとして,そいつの待ち伏せに遭った
親切を素直に受けても,それまでは何の問題もなかったし
その日はいいことがあって気分が良かったんだ
夏の空気は気持ちが良くて
つい電車に乗らずに歩いて帰ることにした
だから,ついそんな気になった
ただそれだけだったのに
そんな気持ちを踏みにじる悲惨な出来事が待っていた
生き方の違う2人の人間が,出会うと起こる衝突だ
恵まれない境遇をはねのけて,それまで必死に頑張ってたのに
よりにもよって,最低のヤツに出くわした
自分が苦しんだから,相手も苦しめようとするそんなヤツ
最後まで必死で抵抗したけど敵わなくて
胸がむかつくような,いわれのない屈辱を与えられた
かけがえのないものを失った
消えない傷跡が心に残った
だから忘れるためにクスリに頼ったんだ 

地球から,この世界から逃げ出したい
だからスプーンをロケットにした
クスリの入ったロケットに火を点けて
宇宙飛行士みたいに体を縛りつける
そうすれば,その時だけは,ここを離れて月まで行ける
遠くへ行ける
神様,どうか忘れないでください
この若くて勇敢な宇宙飛行士のことを

望んでこうなった訳じゃない
こうでもしないと,辛くて苦しくて仕方なくて
こんなに苦しいなら,何も感じなくなる方がましだから
あの夜の記憶が消えていかない
あのことから立ち直れない
ただ,注射器の針が入った時だけ,どうにかそれが忘れられた
心配した友人が連絡してきたけど,電話には出なかった
そうするうちに,電話も来なくなり,やがて誰も訪ねてこなくなった
他人を入れるのはクスリを買う時だけ
金が尽きると身体で支払った
どういう意味かはわかるよね?
外を見るのが怖いから,窓を開けることもめったにない
食事を作ることもない
ガスを使うのだって,クスリの入ったスプーンを温めるときだけだ
だって現実を忘れられるのはその時だけだから

地球から,この世界から逃げ出したい
だからスプーンをロケットにした
クスリの入ったロケットに火を点けて
宇宙飛行士みたいに体を縛りつける
そうすれば,その時だけは,ここを離れて月まで行ける
遠くへ行ける
神様,どうか忘れないでください
この若くて勇敢な宇宙飛行士のことを

神様,どうか気づいてください この若くて勇敢な宇宙飛行士に
そして迎えに来てください
お忙しいのは承知していますが,それでもお時間ができた折には
どうかここへいらしてください
この若くて勇敢な宇宙飛行士のもとへ

窓をほんの少しだけ開けて外を見た
それからガス台でスプーンを温める
いつもの匂いが立ち昇り,それに包まれて眠りについた
だけど,窓がきちんと閉まってなくて
少し開いたままだった
ガス台の火も点いていた
やがて,雨と一緒に突風が吹き込んで
ガスの炎は消えたけど
ガスはずっと出続けて,肺の中へと入っていった 

地球から,この世界から逃げ出したい
だからスプーンをロケットにした
クスリの入ったロケットに火を点けて
宇宙飛行士みたいに体を縛りつける
そうすれば,その時だけは,ここを離れて月まで行ける
遠くへ行ける
神様,どうか忘れないでください
この若くて勇敢な宇宙飛行士のことを



(補足)
前回のRead All About Itを和訳した時は気づかなかったのですが,今回この2番目のヴィデオと歌詞を見て,彼に対するイメージが変わりました。それまで彼に対して抱いていたイメージと彼の喋り方や歌詞にギャップを感じたからです。なんと言うか,非常に落ち着いた,知性を感じさせる喋り方で驚きました。歌詞に使われている単語も比較的硬いものが多い。Wikipediaによれば,非常に頭が良く,名門パブリックスクールに合格しながらも,そこを蹴って普通の学校へ行き,しかも中途退学したそうです。YouTubeで彼の他の曲も聴きましたが,この曲とは全くスタイルが違います。一体どれが彼の姿なのか。Read All About Itでも言っているように,おそらくその全てが彼なのでしょうが,本当につかみどころがなく,それゆえ非常に気になるアーティストの一人です。

2 件のコメント:

  1. 寝る前に何度か聞いて寝て、起きてみたらシーツが涙だらけでした。勝手に泣いていたようで。切ない曲です。むごいけど、美しいから切ない。[補足]にあった通り、Professor Greenは知的な人だと思う。また、優しい人だと思います。冒頭のところに説得力があって、Professor Greenのこの人に対する理解と優しさを感じます。で、聴き手である私も、ここで、この女の子といきなり友達になってしまうような気がします。今日は暑かったけど夜になって涼しくなったね、気持ちいいから歩いて帰ろうよ、っていうような感受性のある子。彼女の世界には、きっと、夜でも、星とか月とか風とか、美しいもの、心地よいもの、といった善きものがあるような、そんないい子なのに。でも、「違う夜」を過ごす人に損なわれてしまった。事件後の彼女はぼろぼろであまりにもむごいのですが、それでも、地球を離れて月に向かう宇宙飛行士、というメタファーはもとの彼女のイメージのままの美しさで、このつらい話をそんな形に作り上げることのできる、Professor Greenの知性を感じます。これ以上のゴスペルはない、と思います。

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    1. コメントありがとうございます。大変素晴らしい曲なのですが,いわゆるヒットチャートにのるような曲ではないので,こちらにおいでになる方でもおそらくまだ限られた方しかご存じないと思います。何度聴いても胸がつぶれそうになる曲です。
      さて,この次は是非彼のMonsterをお聴きください。Read All About ItともこのAstronautとも全くイメージが違います。Professor Green本当につかみどころがないアーティストです。

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