2012年6月27日水曜日

Houdini フォスター・ザ・ピープル(Foster the People)

ご存じのように題名のHoudini(フーディニ)はハンガリー出身のいわばアメリカ人「引田天功」で脱出マジックで有名な人物です。歌詞では,主人公のアーティスト(おそらくMark Foster)が自分を,足枷や拘束具などの様々な仕掛けから脱出するマジシャンにたとえており,それを連想させる「足枷」「縛られる」「留める」「隠れる」「消える」表現がたびたび登場します。
一段下がっている部分の歌詞は,CDに付属している歌詞カードには含まれていません。
最後のヴィデオはアコースティックです。
それはともかく「What would come when we realize」の箇所が日本語に聞こえて仕方ありません。具体的にどう聞こえるかはここでは語りませんが,いつもそう聞こえて思わず笑ってしまいます。
As you know "Houdini" is a Hungarian-born American stunt performer and well known for his astounding escape act.  Here in the lyrics, the protagonist (maybe Mark Foster himself as an artist) compared himself to such a stunt performer who escapes from various kinds of restraints or shackles. by referring to words like, rise up, shackles, tied up, fasten up, hide and disappear.
These quoted parts below are missing in their official lyrics.
The last video is acoustic.
By the way, the line "What would come when we realize" always sounds Japanese to me.  I'm not going to tell you what Japanese it sounds like but it always does and never fails to make me laugh..
Houdini  (Foster the People)
(music video)
(acoustic)
Rise above, gonna start the war!
What you want, what you need, what'd you come here for?
Well, an eye for an eye and an 'F' for fight
They're taking me down as the prisoners riot

Got shackles on, my words are tied
Fear can make you compromise
With the lights turned up, it's hard to hide
Sometimes I wanna disappear

Yeah oh

When I feel kinda bad and don't want to stress
I just pass it off on ability
Well you got what you want, and what you never knew
Perfect gift from me to you

Yeah yeah yeah

Got shackles on, my words are tied
Fear can make you compromise
With the lights turned up it's time to hide
Sometimes I wanna disappear

Yeah oh
(Raise up to your ability)
You never knew what I could find
What would come when we realize
I don't want to compromise
(Raise up to your ability)
Yeah I'm scared but I disappear
Running around before I promise you
Like he's someone who has lost his way
(Raise up to your ability)
I know that you want me
'Cause it's simple to see of my ability
(Raise up to your ability)
Yeah you're undecided
Yeah it's the right feeling
Yeah I don't wanna runaway
You gotta focus on your ability
Focus on your ability
Now focus on your ability
Focus on your ability

Then they can't get what they want to steal
Can't get what they want to steal
Then they can't get what they want to steal
Can't get what they want to steal

惑わされるな!これから戦いが始まるんだ
アーティストになった理由を思い出せ
目指すものは何で,それにはどんな理由があって,そのためにこれからどうするのか
やられたらやり返す それくらいの覚悟があったはずなのに
出る釘は打たれるの言葉通り
今は刑務所で暴動を起こした囚人みたいに
抑えつけられてる始末だ

足枷を嵌められたも同然で,言いたいことも言えなくなってる
受けを気にしてビビってたら,納得いくものなんか作れるわけない
もたもたしてたら手遅れになる 
舞台に灯りがついてしまったら,魔術師はもう隠れられない
アーティストだって,脚光を浴びてしまうと,自由にやれなくなる
だから時々思うんだ 魔術師フーディニのように
色んなしがらみから逃げ出したい 消えてしまえたらって

やりたいことが全部やれてるわけじゃないが,我慢できないほどでもない
そうなった時は,そういう事情をひとまず忘れて
できる範囲で最善を尽くす
そういうヤツが受けるんだ
こんなこと,ファンは考えたこともないだろうけど
思い通りにできないことで
逆にファンの喜ぶ,「売れる」曲ができてる
ある意味やつらにとってはラッキーかもな

足枷を嵌められたも同然で,言いたいことも言えなくなってる
受けを気にしてビビってたら,納得いくものなんか作れるわけない
もたもたしてたら手遅れになる 
舞台に灯りがついてしまったら,魔術師はもう隠れられない
アーティストだって,脚光を浴びてしまうと,自由にやれなくなる
だから時々思うんだ 魔術師フーディニのように
色んなしがらみから逃げ出したい 消えてしまえたらって
(この調子でいけ)
俺が本気を出したら
どれだけいい曲が作れるかなんて
周りは考えたこともないだろうけど
本気を出せるチャンスが来たら
周りの度胆を抜いてやる
今度は妥協なんかするもんか
(よそ見なんかするんじゃない)
妥協すれば自分のやりたいことができなくなる
だけど突っ走り過ぎてたらファンに引かれる
あちらをたてればこちらが立たずで
悩むとこだ
最終的には業界からいなくなりゃいいことだけど                       まだそこまで肚は括れなくてこのザマだ
(今やってることを極めろ)
今の俺がいいんだろ?
イケてるもんな 変わってほしくないよな
(今のやり方で続けていけ)
そうだよ まだ覚悟はできてない
だけどそれが普通だよ
でもだからって逃げるつもりなんかないぞ
自分の才能だけを信じてろ
周囲のことなんて気にするな
できることに集中しろ
それ以外のことなんか放っておけ

そうすれば,どんなにヤツらが狙っても,目当てのものは盗まれない
この才能は盗めない
必死になっても頑張っても,ヤツらなんかにゃ盗ませない
俺の代わりにはなれないんだ



(余談)
とにかく訳が分からないというのが正直な感想でしょうか。和訳しながら「自信があるのかないのかどっちなんだよ!」と常に心の中でツッコミをいれていました。

なにしろ,最初の連では,「惑わされるな!これから戦いが始まるんだ」と威勢よく打って出ておきながら,2番目の連で「だから時々思うんだ 魔術師フーディニのように,色んなしがらみから逃げ出したい 消えてしまえたらって」と弱腰に訴える。そこでそのセンで行くのかと思いきや,その後は徐々に強気に転じ,最後の連では「そうすれば,どんなにヤツらが狙っても,目当てのものは盗まれない,この才能は盗めない,必死になっても頑張っても,ヤツらなんかにゃ盗ませない,俺の代わりにはなれないんだ」と豪語するんですから。

ただ,仮にこの解釈が合っているとすれば,Mark Fosterは大変に正直です。揺れる自分の心の内をここまで正直に告白するアーティストはなかなかいません。俺様キャラのアーティストは珍しくないのですが,ファンにそっぽを向かれるのが怖いからまだ覚悟ができないという人は今までで初めてです。無論,私の母集団が少ないのが原因ではありますが,それにしてもそうそう見かけるタイプではありません。そう考えれば,ここらへんが彼らの魅力なのかもしれません。

しかもこの曲,歌詞のヴァリエーションが大変に多く,その上Mark Fosterの歌い方に非常にクセがあるので,一体どう歌っているのかが,ネイティヴにすら判然としません。一応ここではCDの歌詞カードに基づいて和訳しましたが,実際彼がどう歌っているのかは依然謎のままです。

14 件のコメント:

  1. Foster the People!!
    大好物でございます。

    アンニュイな感じで聴いて降ります。
    次のアルバムは大雑把?な感じでと言っていました。

    魔術師フーディニはTRICK以来の登場で
    びっくらこきました。

    また和訳するときって大変ですね。
    英語と日本語での表現の仕方や
    言葉の感覚が違いそうです。

    前にテレビで日本語を勉強している外人が
    木漏れ日が大好きって言ってましたが
    英語で木漏れ日を訳すのって大変って言ってました。

    毎回vestigeさんは偉いなって思います。

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    1. コメントならびに温かいお言葉をありがとうございます。和訳で最も苦労するのがストレートなラヴ・ソングです。英語ではただロマンチックなだけなのに,そのまま日本語にすると大変ストーカーチックになります。FTPのI Would Do Anything For Youのようにオリジナルがそれ(怖い)を意図している場合は良いのですが,そうでない場合は困ります。文化の違いを痛感する瞬間です。「木漏れ日」確かに仰る通りですね。

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  2. この曲は歌詞というよりメロディーが好きですね、テンポが良くて。ここには乗っていませんが、もう一つの方のミュージックヴィデオの方が個人的には好みでした。ああいうおもしろい発想が詰め込まれた映像は見ていて楽しいので好きです。vestigeさんがおっしゃっている、Houdiniを連想させる言葉とも合っているような気がします。死して尚生かされ続ける。 例の歌詞の一部、注意して聴いてみましたが私には日本語には聞こえませんでした。ふとした時に耳に入るのが空耳ですし、いつかその日本語が聞こえてくるかもしれませんが・・・空耳は一度そう聞こえるともうそれ以外には聞こえなくなってしまうので困りますね。笑 余談にもありますが、私も最初聴いた時は、Foster the Peopleの曲の中でも特に聞き取りにくいなあと感じました。

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    1. コメントありがとうございます。最初に申し上げておきますが,あの空耳,おそらく「心のきれいな方」には聞こえないと思いますし,聞こえた方がよいというものでもございません。むしろその逆でしょう。nakko様のコメントで図らずも己の邪な心を見せつけられた思いでございます。
      それにしても,Foster The Peopleは本当に掴みどころがない。ただこの「わけのわからなさ」が彼らの魅力であると思っておりますし,また個人的には「掴みどころがない」「わけがわからない」は,アーティストに対する最大級の賛辞だと考えておりますので,このグループからは今後も目が離せそうにありません。

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  3. 相変わらず洋楽は疎いままなんですが、Foster the people はどういうわけか懐かしい感じがするんですよね。
    よって馴染み易く、聞いてて気持ちがいいです。

    本当に歌詞が聞きにくい!
    聞くつもりでいるとそれこそストレスになるんで、音楽だけ楽しんでしまって、pumped up kicks 同様歌詞を読んでこんなこと言ってるんだ!となる曲ですねぇ。

    例の箇所は部分ということです?
    私め、汚心持ちなんで部分だったらこうかなぁ~と思うのですが、控えさせてい頂きますw

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    1. コメントありがとうございます。10代の頃であれば,喜び勇んでここで「答え合わせ」を始めるところですが,あれから年月も経ちました。今の私には社会人としての「責任」と「良識」が多少なりともございますので,私もここでは控えさせていただきますが,おそらくそれで「合っている」かと存じます。

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  4. 歌詞の一部なのですが、Well, an eye for an eye and an 'F' for fight の "an 'F'"は"a 'F'"になるのではないでしょうか^^ 例の歌詞が日本語に聞こえないかなあとまた聴いていた時に気付いたのですが。笑 やっぱり、日本語には聞こえません・・・でも、もしかしたらこれ?という感じには聞こえてきました。確信は持てませんが笑

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    1. コメントありがとうございます。聴いてみましたが私にはanと言っている様に聞こえますし,Fの発音はefなのでanで問題ないかと存じます。それにしても空耳と申し上げると皆様大変真剣に聞いてくださるんですね。空耳という手がこんなに使えるとは思いませんでした。是非今後も活用したいと思います。ところで,くどいようですが,この空耳は聞こえて良かったというものでもございませんよ。

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  5. 言われてみれば確かにFは母音で始まりますね、すみません!空耳の部分ではなく曲に食いついて欲しいですね。笑 ところで、vestigeさんはAngelというアーティストをご存知ですか?黒人の方です。私も最近知った方なのですが、なにせ比較的新しい人のようで、あまり曲数も多くありません。が、彼のWonderfulという曲にがっちり心をつかまれました。前にも言いましたが、私は英語が完璧にわかるわけではないので、洋楽は基本的に雰囲気で聴くタイプです。つまり何より重視するのはメロディーなわけですが、この曲のメロディーが私好みで、一度聴いただけで好きになりました。声も良いし、お洒落なイケメンです。笑 名前がなぜAngelなのかはわかりませんが。お時間がありましたら是非チェックしてみてください^^

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    1. コメントありがとうございます。早速YTでヴィデオを見ました。なるほど仰る通りのイケメンでしたね。曲も私の好きなUsherに近いものを感じました。それにしても,nakko様はもっとロマンチックな感じの曲がお好きかと思っておりましたが,この手のダンス系の曲もお好きなんですね。新たな発見でした。

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  6. Usher、確かにそうかもしれませんね!彼を初めて知ったのは、Justin Bieber とコラボしている曲を聴いたときでした。メインは Justin Bieber のはずでしたが、彼よりも Usher の声に惹かれてしまって。笑 なんでも好きですね、ハイな曲からバラードまで、いろいろです。なんなら、vocaloid も聴きますね。笑 ジャンルにとらわれず、聴いて気に入れば好きです。ですので、アーティストというよりは一曲一曲で判断です。好きなアーティストの曲だからって、全ての曲が好みになり得るというわけでもないですしね^^ vestigeさんも、このサイトで紹介している曲のジャンルは様々ですし、だからこそ楽しめるんですけどね。

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    1. コメントありがとうございます。おそらくSomebody To Loveかと思いますが私もあの曲は好きです。さてこのサイト,曲の選択における閾値(threshold)が大変に低く,ためにジャンルがバラバラです。1曲しか取り上げないというアーティストもかなりある一方で,誰とは申しませんが,個人的趣味でしつこく取り上げるアーティストも存在します。これが「仕事」であったならそういう訳にもいきませんが,そこが個人が趣味でやるブログの醍醐味でしょう。

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  7. はじめまして。最近帰宅後にこちらのブログをを「読み込む」(read deeply的な意味で)のが習慣になっております。学生です。
    Foster The Peopleは友人宅で偶然「Pumped Up Kicks」を聞いて衝撃を受け、すぐにアルバムをポチって以来自分の一番のお気に入りです。(恥ずかしいことにFoster The PeopleのTorchesが自分が始めて買った洋楽CDでした。)
    アルバムの曲の中で一番好きなのがこの「Houdini」です。
    僕にMark Fosterのような才能や苦悩、葛藤はありませんが、それでもたまに消えてしまいたくなることがあります(大抵恥ずかしい事があったときですが)。曲そのものももちろん好きですが、あの無頓着そうなFTPの三人がこんな繊細さを持つ曲を作っている・・・というギャップがいいのかもしれません。ギャップ萌えですね(笑)
    最後に、管理人さんはもうご存知かもしれませんが、スニーカーメーカーのコンバースのプロモーションのために作られた?「Warrior」というMark FosterとKimbra、A-Trakが競演している曲があります。
    よかったら聞いてみてください。Mark Fosterのゲイっぽい(失礼)声が炸裂していて楽しい曲です。

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    1. コメントありがとうございます。恥ずかしいなどと仰っておりますが,最初に購入なさったアルバムがFoster The PeopleのTorchesであれば,後々コンパなどで「最初に買った洋楽CD」などというお題が出た折には,大向こうをうならせることができると存じます。羨ましい。
      さて,誰にでも「消えてしまいたくなる」瞬間というのはあるかと存じます。さしずめ私など毎日がその連続なので,これで本当に「消える」ことができていたら,今頃は天才イリュージョニストとして富と名声を恣にしていると思うのですが,所詮「願望」止まりなので,蓄積されているのは富や名声ではなく,恥ずかしい記憶だけといういささか残念な結果になっております。
      お話しの曲は寡聞にして存じませんでしたが,参加アーティストの顔ぶれを見ただけで,すでにただならぬ感じが漂っております。是非聴いてみたいと思います。ご紹介ありがとうございました。
      さて,そのHNはどちらかでお見かけした記憶があるのですが,もし既に別館でフォローくださっているのでなければ,是非そちらへもおいでください。お待ちしております。

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