2012年4月14日土曜日

Little Talks オブ・モンスターズ・アンド・メン(Of Monsters and Men)

最初にこのヴィデオを見た時には,一体何を言いたいのかさっぱりわかりませんでした。ヴィデオゲームによくある冒険物語のようですが,このヴィデオを見ても,歌詞のメッセージは伝わってこないと思います。何故か「ロード・オブ・ザ・リング(ス)」三部作を思い出しました。
さて,この曲,曲調は明るく軽快ですが内容は違います。歌詞について語るサイトで見つけた解釈は,非常に興味深く,説得力があるものの,なかなか深刻な内容です。すなわち,これは一方(おそらく妻)が認知症あるいは記憶障害を引き起こす病気になってしまった老夫婦についての曲であるというものでした。確かに,非常に気持ちの暗くなる解釈ではあるものの,筋は通ります。むしろそれ以上で圧倒的な説得力があります。「もう一人の自分」というのは,発病する前の妻の姿です。もう一つの解釈は,夫が亡くなり,そのせいで妻が立ち直れなくなっているというもの。いかがでしょうか。
I didn't understand the message the music video carries very much when I first saw it.  It seems an adventure story like we often see in a video game.  I don't think it helps us understand what the lyric says.  It somehow reminds me of The Lord Of the Rings film trilogy.
Don't let the upbeat music deceive you.  I found a very interesting and compelling but disturbing interpretation at a website where people talk about song lyrics.  That the song is about an old couple and one of them, maybe wife is suffering from dementia or other memory-related diseases.  It's true the interpretation is very depressing but does make sense, rather overwhelmingly convincing.  "An old voice in my head" might refer to her former self.  Another one is that husband died and his death devastated his wife.  What do you think?
Little Talks  (Of Monsters and Men)
I don't like walking around this old and empty house
So hold my hand, I'll walk with you my dear
The stairs creak as I sleep, it's keeping me awake
It's the house telling you to close your eyes

Some days I can't even trust myself
It's killing me to see you this way

'Cause though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

There's an old voice in my head that's holding me back
Well tell her that I miss our little talks
Soon it will all be over and buried with our past
We used to play outside when we were young,
And full of life and full of love

Some days I don't know if I am wrong or right
Your mind is playing tricks on you, my dear

'Cause though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

Don't listen to a word I say
The screams all sound the same

Though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

You're gone gone gone away
I watched you disappear
All that's left is a ghost of you
Now we're torn torn torn apart, there's nothing we can do
Just let me go we'll meet again soon
Now wait wait wait for me
Please hang around
I'll see you when I fall asleep

Don't listen to a word I say
The screams all sound the same

Though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

Don't listen to a word I say
The screams all sound the same

Though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

Though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

Though the truth may vary
This ship will carry
Our bodies safe to shore

古くてがらんとしたこんな家をあちこち歩き回るのはもうイヤなの
だったら手をつなげばいいじゃないか 一緒に歩いてあげるよ
寝ようとすると階段がきしむから眠れやしない
きっとこの家が「お休み」って言ってるんだよ

自分が誰かわからなくなる時もあるの
そんな姿を見てるのは本当に辛いよ

昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど
それでも「人生」っていう船に乗ってる限り
いずれ目的地に着くんだから

自分の中にずっともう一人の自分がいて,その人が邪魔してるの
その人に伝えてくれないか?「世間話ができくなって寂しいよ」って
だけど,じきにこんな気持ちも忘れてしまう。そして2人の思い出も一緒に消えていくの
昔はよく外で遊んだよね?
毎日が充実してたし幸せだったよ

自分が間違ってるのか正しいのかわからなくなる時もあるの
気のせいだよ ちょっとヘンな気がするだけだ

昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど
それでも「人生」っていう船に乗ってる限り
最終目的地には着けるんだから

私が何を言っても取り合わないで無視してね 
そんなのただのたわごとで意味なんかないんだから

昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど
それでも「人生」っていう船に乗ってる限り
いずれ目的地に着くんだから

もうわからなくなっちゃったんだね
君が壊れていくのをずっと見てたよ
ここにいるのはもう昔の君じゃない ただの君の抜け殻だ
2人の間には溝が出来て,何をしても元には戻らない
だからもう行かせてちょうだい そうすればまたじき会えるじゃないの
もう少しだけ待ってよ
頼むから,もうちょっとだけそのままでいて
昔の君には夢の中で会うからいいんだ

私が何を言っても取り合わないで無視してね 
そんなのただのたわごとで意味なんかないんだから

昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど
それでも「人生」っていう船に乗ってる限り
いずれ目的地に着くんだから

私が何を言っても取り合わないで無視してね 
そんなのただのたわごとで意味なんかないんだから

昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど
それでも「人生」っていう船に乗ってる限り
いずれ目的地に着くんだから
(2回繰り返し)

22 件のコメント:

  1. 素敵な訳詞ありがとうございます。
    奥が深いですね。

    この曲ではじめてこのサイトを知りました。
    他の曲もこれからチェックさせていただきます。
    楽しみにしてます♪

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    1. コメントありがとうございます。
      この曲はFoster The PeopleのPumped Up Kicks, Ed SheeranのThe A Teamなどと並んで,曲調と歌詞の内容に著しいギャップのある曲ですが,私の知る限り,こういう曲は名曲です。とにかく,この曲は歌詞の内容を理解せず聴いていたのでは,曲の魅力の半分が失われてしまうと思います。
      さて,このサイト(本館)には,匿名様と仰る方が多数おいでになります。どのようなお名前でも結構ですので,何かお名前をつけていただけると助かります。また,特に豪華な特典があるわけではありませんが,別館(twitter)でも余談を展開しております。お時間があればそちらへもおいでください。お待ちしております。

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  2. この曲大好きです。
    自分は他のところで「夫に先立たれた妻視点」説の情報だけ先に入れてましたので、「病気の老夫婦」説にびっくりしました!…た、確かにいろいろつながりますね(泣)
    何か、それでもやっぱり深い良い歌詞だなぁと思います。いろんな解釈ができるんですね。どれが正解とかではなく。勉強になります。
    自分は死んだ旦那が「俺が何を言っても聞かなくていいんだ(だってそれはただの幻だから)」と言ってると好き勝手に解釈しますた(笑)

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    1. コメントありがとうございます。私もこの解釈を海外の歌詞サイトで見つけた時には,その深刻な内容に衝撃を受け,それゆえ採用をしばらくためらいましたが,圧倒的な説得力がある上,仮にそうだとすれば,今までにない新しいタイプの曲だと思ったのでこちらに投稿いたしました。
      勿論,解釈はひとつではありません。「夫に先立たれた妻視点」の解釈も同様に可能ですし,実際そのサイトでもそういった説がありました。むしろ,ペロリン様のように,旦那様を亡くされた方にはその解釈こそが「真実」だと思います。
      ところで,こちら本館(ブログ)とは別に,別館(twitter)でも余談を繰り広げております。お時間があれば,そちらへもお越しください。お待ちしております。

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  3. すばらしい対訳そして解釈、拝読させて頂きました。
    私個人は暗い曲調の中で、ふとコーラスだけがメロディー・歌詞ともに希望を感じさせるふうに聴いていました。
    それとはかなり違って、でもだからこそ非常に面白いです。
    こういった多義的に受け取れる歌は、自分と違った聴き方を伺えるのも楽しみの1つですね。


    友人に「Gotyeの訳が素晴らしい」と教えてもらって来た甲斐がありました。
    また他も読ませて頂きたいと思います。

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    1. コメント並びに過分なお褒めのお言葉ありがとうございます。日頃あちこちで申し上げていることなのですが,英語の歌詞は人称代名詞の数が,日本語に比べて圧倒的に少なく,解釈に難渋する場合もあるのですが,裏を返せばそれだけに様々な解釈を可能にしてくれます。
      この曲の場合も,聴く人によって,浮かぶストーリーは様々で,海外の歌詞サイトでは,恋愛関係の曲と捉える方もおいでだったような気がします。いずれにしろ,皆様から自分では思いつかなかった解釈を伺うのも,こういった曲を投稿する楽しみと言えそうです。
      さて,別館(twitter)でも余談を展開しております。お時間があればそちらへもおいでください。お待ちしております。

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  4. この曲は興味深い。つい、立ち止まってしまいました。原詩を読む限りでは、独白のようにも見えるのですが、曲を聴くと男女のかけあいだとわかる。そして、和訳の方は、これは完全に男女のかけあいとして提供できます。日本語は英語と違う、としみじみ思います。 「妻の認知症」にたどりつくまでが大変そうです。どなたが考えつかれたのか知りませんが、その方は冴えてると思います。他のシチュエーションはあり得ないのか、と考えてもみたのですが、やはり、妻の認知症、というのがあまりにもぴったりとはまると思います。(歌詞について語るサイトとはおもしろそうだ、と以前、ちょっとのぞいてみたことがあったのですが、なかなか大変ですね。これは、ケイオスだ、vestigeさんお願いします、と思いました) これ、自分が訳していたら、うっかりして高齢者の言葉にしてしまったかも、と思って(訳してませんが)大変遺憾です。曲や原詩のイメージも、歌声からも、高齢者の言葉にしない方が断然正解だと思います。 原詩が本当にすばらしいです。「昔の自分と今の自分、どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど それでも「人生」っていう船に乗ってる限り いずれ目的地に着くんだから」の部分が特に良くて、ここの部分の和訳もとても好きです。

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    1. コメント並びにお褒めのお言葉ありがとうございます。あの歌詞サイトにおいでになったとは存じませんでした。おそらくoak様がいらした頃はリニューアル後で,かなり使いやすくなっていたと思いますが,私が昨年見つけた頃は,本当に文字通りケイオスの状態でした。
      今でこそ評価の高いコメント順に見ることができますが,当時はただ時系列に並んでいるだけ。ために,コメント数が何百とある場合には,読むに値するものを選ぶにも,全てのページを見なければならず,それだけで数時間かかったことを記憶しております。
      さて,言葉づかいについてですが,海外のインタビュー記事やコメントをこちらで引用する場合,私は基本的に語尾をなるべくニュートラルにしています。ミュージシャンのコメントを「~だぜ」「~なのさ」と訳してあるのを目にすることもあるのですが,どうもあれに馴染めないのがその理由です。

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  5. 素晴らしい対訳ありがとうございました。思わず涙が出てしまいました。こんなに曲調と訳詞の世界にギャップがあるのも(たまにありますが)凄いですね。洋楽の中には人生への考え方が深くて、素晴らしいなぁと常々思います。

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    1. 大変申し訳ないのですが,このページ右上でお知らせしているように,匿名の方にはお返事を差し上げられなくなりました。どのようなものでも結構ですので是非お名前をお知らせください。

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  6. popな曲調、男女の掛け合いで
    ”Don't listen to a word I say”のリフレインだけ聞き取ってたのですが、
    こんな重い内容の曲なのですか、
    言葉がありません。

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    1. コメントありがとうございます。私も最初にこれを知った時は,その重い内容に当惑いたしましたが,逆にポップな曲であるからこそ,その点に助けられて,歌詞内容の深刻さが多少なりとも和らいでいるのではないでしょうか?
      この内容でこの曲調,日本ではおそらく出てこないタイプの曲だと思いますが,こういう曲が世に出て,ヒットしてしまうところに,洋楽の底力を見るような気がいたします。

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  7. 気のあった幼なじみと再会して好きになってしまう、混乱状態なんて面白いのではないかと思います。
    近頃似たような混乱を経験して、気持ちが似ていて笑ってしまいました。
    仲良くしたいのに昔のようにしっくりいかない。
    でも会いたくておかしくなりそう。
    そもそも昔から好きだったのか、思い込みなのか? 
    頭から離したい。
    色々嫌なことを言ってしまったけど聞き流してほしい。
    穏やかな関係になりたい・・・
    私は認知症みたいなものかもしれません(笑)
    自分が誰か分からない、昔に戻りたい、言っていることが違う・・・ 面白いです!
    Laguna

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    1. コメントありがとうございます。そのように考えてみたことはありませんでしたが,確かにお話をうかがってみればその可能性も捨てきれませんし,またそう考えれば,歌詞の内容が多少ミュージック・ヴィデオや曲調に近づくような気もいたします。

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  8. 歌詞の内容をそういった老夫婦の解釈で見ることが出来るとは…

    PVでは宗教色が強かったので、それかもしくはそれに近い意味合いだと思っていました
    双頭の鷲(?)や狼(?)、タコ?かイカ?の様な生き物はどれもキリスト教関連ですし
    最後のシーンの7つの目の羊は、黙示録の仔羊です
    目と言えるものは5つですが、額に付いてる仮面のようなモノの目を入れれば7つです
    地上の楽園の終わりと、新たな楽園の始まりを意味しています

    単なる憶測ですが、宗教的な目線でみるとビデオを理解しやすいのではないでしょうか?(^^;)
    僕の戯れ言にしか見えませんが(笑)

    歌詞の内容と関連づけるのは難しいですが、歌詞を思い出しながらビデオをみると楽しめます(^^)

    この場で歌詞を知ることが出来、助かりました
    これからも面白くも、心に残る和訳をお願いします:-)

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。英語を学ぶ上でキリスト教の知識は不可欠だと言われておりますが,残念ながらその方面の知識があまりないので,その解釈をうかがって目からウロコが取れたような気がいたしました。(ここだけはキリスト教関連ですね。)
      この週末はお話しの観点からこのヴィデオを早速見直してみたいと思います。

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    2. なるほど!! やっぱりOf monsters and men 素敵です

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  9. 前から勝手に「この人すごいなー」と思いながらのぞかせていただいてたんですが、
    PVと曲調から前向きな歌詞だと思い込んでいたのでこんな意味だとは思ってませんでした・・・
    (なんだかJustin Timberlakeの「mirror」を思い出しました)

    そういえば、確かにPVもロードオブザリング(ス)みたいに暗い雰囲気漂ってましたね・・・
    「いずれ目的地に着くんだから」というのは安心感と同時になんだか不安な気持ちにもさせますね

    長々とすいません、私高校生なので拙い文章になっていたらごめんなさい。
    これからも素敵な対訳お願いします(^^)

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。曲調と歌詞の内容のギャップという点では,他にもFoster The PeopleのPumped Up KicksやZeddのClarityを挙げることができますが,その中で個人的に最もインパクトがあったのがこの曲でした。
      さて,Of Monsters and Menの曲はこれ以外にもDirty Pawsを取り上げておりますのでお時間があればそちらもご覧ください。

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  10. Of monsters and men 最高ですね。dirty pawsも好きですし、彼らの歌詞の内容は本当に意味深い。意味が深くて感動を与えてくれる歌をもっと作ってもらいたいですね。今後の彼らに期待します

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    1. コメントありがとうございます。ポップな曲調とミュージック・ヴィデオで能天気な曲かと思わせながら実はこの内容。私も大変驚きました。

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  11. Of monsters and menのインタビューを読むと、この曲は死別した夫婦の物語だそうです。
    認知症ではなく、亡くなった連れ添いとの(心の中での)会話のようです。

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