2012年10月4日木曜日

Defying Gravity ウィキッド (Wicked)

歌詞の中では「重力(gravity)」という単語は,我々が人生で背負わなければならない責任や従わねばならないもの,世間体や常識や期待といったものを表しています。主人公のエルファバはそれがいいかげんイヤでたまらず,重力からの離脱すなわちしきたりや慣習から抜け出すことを決意しますが,しかし現実には,「重力」は我々が生きていくうえで欠くべからざるもの。 文字通りそれなしでは生きていけません。
それはともかく,個人的にはこの曲の白眉は「ずっと不安だった,そんなことしたら嫌われちゃうんじゃないかって,だけどそれで嫌われるんなら,もうそれでも構わない その程度のことだから」の部分。ともすれば人間は,名声や虚栄心というものに目が向きすぎると,本当に自分のすべきことや望むことがわからなくなったりします。無論私も例外ではありません。
In the lyrics, the word, 'gravity' represents something (at least we think) we have to carry or comply with in our life, like reputation, common sense and expectation.  The protagonist in the lyrics (Elphaba) is pretty tired of obeying to or complying with what others ask her to.  She decides to defy the gravity (i.e. convention/custom).
In reality, however, gravity is the integral part of our lives.  Without it, we literally can't live long.  I think the best part is "Too long I've been afraid of, Losing love I guess I've lost, Well, if that's love, It comes at much too high a cost!"  It's not easy for us to know our own priority, or to be true to ourselves.  Things like , vanity and recognition often prevent us from doing what we really need/want to do.  I'm not an exception.
Defying Gravity  (Wicked)
Something has changed within me
Something is not the same
I'm through with playing by the rules
Of someone else's game
Too late for second-guessing
Too late to go back to sleep
It's time to trust my instincts
Close my eyes and leap!

It's time to try
Defying gravity
I think I'll try
Defying gravity
Kiss me goodbye
I'm defying gravity
And you won't bring me down

I'm through accepting limits
'Cuz someone says they're so
Some things I cannot change
But till I try, I'll never know!
Too long I've been afraid of
Losing love I guess I've lost
Well, if that's love
It comes at much too high a cost!

I'd sooner buy
Defying gravity
Kiss me goodbye
I'm defying gravity
I think I'll try
Defying gravity
And you won't bring me down

Unlimited (Unlimited)
My future is unlimited (unlimited)
And I've just had a vision
Almost like a prophecy
I know - it sounds truly crazy
And true, the vision's hazy
But I swear, someday I'll be...

Flying so high! (Defying gravity)
Kiss me goodbye! (Defying gravity)

So if you care to find me
Look to the western sky!
As someone told me lately:
"Everyone deserves the chance to fly!"

I'm defying gravity!
And you won't bring me down!
Bring me down!
Bring me down!

自分の中で何かが変わったの
もう以前の自分じゃない
言われた通りにするなんてもううんざり
だって他の人が勝手に決めたことだもの
後であれこれ文句を言うのもイヤだし
かといって,気づかなかったフリもできない
もういいかげん,自分の心の声にしたがって
あれこれ迷わずに行動しなきゃ

もうやってみるしかない
世の中のしがらみを断ち切るの
今なら思い切って
やれる気がする
だからお別れのキスをして
これから勝負に出るから
思いとどまらせようとしてもムダよ

あれもダメこれもダメ,そんなのにはもううんざり
そんなのちゃんとした理由もないのに
自分じゃどうしようもない,仕方ないってみんな言うけど
それでもやってみなきゃわからないじゃない
ずっと不安だった
そんなことしたら嫌われちゃうんじゃないかって
だけどそれで嫌われるんなら
もうそれでも構わない その程度のことだから

もっと早くこうして
決心すればよかった
お別れのキスをして
これから勝負に出るから
もう気持ちは変わらないと思う
今が決断の時なの
だからもう何をいってもムダよ
ここまでなんて決めなくていい(自分でここまでなんて決めちゃダメ)
これからはなんでもできる
やっとはっきりわかったの
まるでお告げみたいにね
わかってる どうかしてるってことくらい
本当にその通りで,確かなものなんてまだ何一つないけど
だけどきっといつかなりたい自分になってみせる
やれるところまでやってみるの(今までの思い込みなんか捨てて)
だからお別れのキスをして(自由になるの)
だから懐かしくなったら
西の空の方を見て そこにいるから
この間教えてもらったの
「どんな人にも変わるチャンスはやってくる」って
だからここから出て行くよ
何を言ってももうムダよ
この気持ちは変わらない
もう決めたんだもの
(補足)

インデントをつけた部分(引っ込んだ部分)は,ヴィデオでは歌われておりません。

(余談)

1年前の昨年10月4日の投稿は,Jessie JのWho You Areでした。あの時,彼女の歌声に圧倒され,この心を捧げてはや1年。その間に彼女の知名度は日本でもかなり上がったと思います。大変嬉しい反面,同級生がスターに(いやあの時点でも彼女はスターだったと思いますが)なってしまったような,一抹の寂しさを覚えるのも事実です。

元来が妄想体質なので,時々脳内でJessie Jのギグを開催してしまうのですが,その時彼女が観客からのリクエストに応じて歌ってくれるのが何故かこの曲。いやもう目の前で彼女にこの曲を歌われたら・・・感動の余り泣くかもしれません。

10 件のコメント:

  1. Glee大好きで良く観ています。
    この曲をJessie Jがgigで歌ったら泣きますね。ええ、間違いなく泣きます。
    その妄想、不思議な力で実現させてください、是非。

    2011.10.04の投稿ビデオ
    NYのタイムスクエアの通路でCDラジカセを背に、たった一人でWho you areを歌っているJessie J. “ I’m from London, My name is Jessie J” って自己紹介してて、Jessieは、あの頃はそれほど米国で有名ではなかったのでしょうか?それとも演出?よくわかりませんが、通りすがりの一般人を前に歌う彼女の姿と、その歌唱力に感動して、いつも涙が止めどなく流れてきます。なぜなのでしょうね。。。。。

    Vestigeさん、Jessie Jに心を捧げて“まだ”1年なのですね。なら、彼女のファンとして、まだ私でも追いつけますね!って、張り合ってどうする?(笑)

    PS:こちらのブログもこの1年で、とても人気が出てきて、多くのファンの方に支持されていますね。知名度向上は、Jessie Jだけではなかったですね!

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。確かに仰る通り,私がJessie Jにこの心を捧げてまだわずか1年ですが,想いの深さは経過した時間だけで計れるものでもございません。彼女への想いだけは他のどなたにも負けないという自負がございます。
      コメントを拝見すると,Jessie Jのファンでいらっしゃるのでしょうか。私は人間の想いには周りを動かす力があると思っております。彼女の来日が実現するよう共に祈りましょう。

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  2. いつも楽しみに拝見しています!
    vestigeさんの和訳は自然でとても好きです(・∀・)
    このサイトでsiaを知ってはまりました〜

    今回はウィキッドですね。この曲グリーで聞いてから大好きです。落ち込んだ時に聞くと何とか頑張っていこうって思えます。
    私の中のベストソングに入ます!

    これからも色々な曲を紹介してください��
    楽しみにしてます。

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    1. コメント並びに温かいお言葉をありがとうございます。私にとっても本館(ブログ)を始めるキッカケになった曲のひとつで,聴くたびに自分の中にある勝手な思い込みに縛られてはいけないと気づきます。
      ところで,このサイト(本館:ブログ)のコメント欄には,匿名様が多数おいでになります。どのようなお名前でも結構ですので,お差し支えなければ,名乗っていただけると助かります。また別館(twitter)でも余談を展開しております。お時間があればそちらへもおいでください。お待ちしております。

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  3. 私はこの曲を、USJで前にやっていた「ウィケッド」というミュージカルで聞きました。エルファバが、「重力から解放」されて箒に乗って飛び立つ場面で歌われていたのですが、そのときのエルファバ役の方の声量がものすごくて、思わず圧倒されてしまいましたよ。
     話が変わりますが、私もJessie Jさんがこの歌を歌うのを聴いてみたいです!!!
    彼女は歌唱力がとてもありますから、かなり迫力がでるのではないでしょうか。
     
     

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    1. コメントありがとうございます。お話しのエルファバ役の方,ひょっとするとCassie McIvorさんという方かもしれません。https://twitter.com/sassycassieness/followers 彼女は一時期あのJessie Jがフォローしていたそうですから,そういう意味でもJessie Jのカヴァーを聴いてみたいところですね。

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  4. この曲、どこがどう、というのが、自分で言語化できなくて残念なんですが、とにかく特別優れた曲だ、と言う気がします。gleeでは、目利きの人々により選ばれた曲ばかりが、一流のアレンジをされ演奏されているようで、どれもそれぞれに良くて目移りがしますが、その中でもこの曲は大変心に残っています。それだけのパワーを持つ曲なのだと思います。(カートもこの曲が大好きだから歌いたい、と言って高音部を一生懸命練習していましたよね。)なんとかがんばって、理由を1つ挙げてみるとすれば、誰しも世の中のしがらみがあったり、やってみる前からあれもダメ、これもダメと言われて生きているものなので、そんなみんなの気持ちを励ましてくれるdefying gravityというメタファーの勝利なのかな、と。でも、メタファーが優れている曲は他にもたくさんあるので、この曲の特別感の決め手としては頼りないですね・・・。

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    1. コメントありがとうございます。私は,この曲を特別優れたものにしているのは,gravity(重力)というメタファーで,普段はそこに存在することすら気づかないけれど,決して容易には逃れることのできないものの存在を明確に示している点であると思います。
      その証拠に,仮に同じ軛(くびき)であったとしても,これがshackle(足枷)・hand cuff(手錠)・chain(鎖)・prison(監獄)であったなら,これほどまでの力強さがこの曲に加わったかどうか疑問です。
      この「意識はしていないが厳然とそこにある」という点こそが,このメタファーの最大の魅力ではないでしょうか。

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    2. ありがとうございます。

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    3. コメントありがとうございます。TBan様のお役に立てたとすればなによりです。

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