2014年3月26日水曜日

Sinnerman ニナ・シモーン (Nina Simone)

この曲を聴くと感じるこの気持ちをどう表せばいいのか。衝き動かされるというか気持が揺れるというか。とにかくわかりません。
ところで「クール」という言葉は1930年代のナイトクラブが発祥だと聞いたことがあります。室内は暑くタバコの煙も充満していたので,冷たい(クールな)空気が入ってくると気分がスッキリしたところからそういう意味になったそうですが,今のところこの曲よりもその形容詞が相応しい曲を思いつかないほど「クール」な曲です。
さてこの曲は10分以上に及ぶ大曲で,途中に長い掛け合い(コール・アンド・レスポンス)とそれに続く間奏が入っているので,時間に余裕のない場合は,開始から3:30を過ぎた辺りから6:00くらいまでの間は飛ばしてもいいかもしれません。
How can I describe how I feel whenever I listen to the song?  Inspired or stirred?  I just don't know.
I heard the word, "cool" comes from a night club in 1930s where it's so hot and smoky therefore a rush of cool fresh air meant something refreshing.  Now I don't think of any other song which is more suitable for the adjective than this.  It sounds so "cool".
The song lasts more than 10 minutes and has a long call and response and a following interlude in between.  You can skip the middle part between around 3:30 and 6:00 if you're busy.
Sinnerman  (Nina Simone)
Sinnerman where you gonna run to
Sinnerman where you gonna run to
Where you gonna run to
All on that day

Well I run to the rock
Please hide me I run to the rock
Please hide me I run to the rock
Please hide me lord
All on that day

Well the rock cried out
I can't hide you the rock cried out
I can't hide you the rock cried out
I ain't gonna hide you god
All on that day
I said rock what's a matter with you rock
Don't you see I need you rock
Don't let down
All on that day

So I run to the river
It was bleedin' I run to the sea
It was bleedin' I run to the sea
It was bleedin' all on that day

So I run to the river it was boilin'
I run to the sea it was boilin'
I run to the sea it was boilin'
All on that day

So I run to the lord
Please help me lord
Don't you see me prayin'
Don't you see me down here prayin'

But the lord said
Go to the devil
The lord said
Go to the devil
He said go to the devil
All on that day

So I ran to the devil
He was waiting
I ran to the devil he was waiting
I ran to the devil he was waiting
All on that day

(Interlude)

Oh yeah
Oh I run to the river
It was boilin' I run to the sea
It was boilin' I run to the sea
It was boilin' all on that day

So I ran to the lord
I said lord hide me
Please hide me
Please help me
All on that day

He said, "Child, where were you
When you ought a been praying?"
I said,"Lord, Lord, hear me praying"
Lord, Lord, hear me praying
Lord, Lord, hear me praying"
All on that day

Sinnerman you oughta be prayin'
Oughta be prayin' sinnerman

おいそこの悪いヤツ
お前これから一体どこへ
逃げ出そうと思ってるんだ?
行く当てなんかお前にあるのか?
どこへ逃げ出すつもりなんだ?
その時に

それで自分はあの岩に
助けてくれって頼んだよ
「どうかそこに隠してくれ
お前の陰に自分を隠して
見えないようにしてくれ」
その時に

そしたら岩が大声で
こんな風に言ったんだ
「見えないようにするなんて
そんなの無理だ,できないね
隠してなんかやらないからな」
その時に

だから岩にこう言った
「なあ一体どうしたんだよ?
助けてくれって言ってるのに
お前はそれがわからないのか?
期待を裏切るなよ」
その時に

それで今度は川に向かって
助けを求めに行ったけど
その川では水の代わりに
血が流れ続けてた
それで仕方なく
今度は海に向かったけど
そこでもやっぱり血が流れてた
その時に

それでもう一度
川に戻ってみたけれど
今度はそこが沸騰してた
海に行ってもみたけれど
やっぱりそこも沸騰してた
その日に

それで今度は神に
助けを求めることになった
「お願いですから助けてください
こうやって祈ってるのがわかるでしょう?
わかりませんか?
ここでこうやって祈ってるのが」
そう言って頼んでみた

だけど神にこう言われたよ
『地獄へ行って悪魔に頼め』
「地獄へ行って悪魔に頼め」
そんなひどいセリフを
神から浴びせられたんだ
その時に

それで地獄へ行って
そこで悪魔に助けを求めた
あいつはそこで待ってたよ
そこで自分がやって来るのを
あいつは待っていたんだよ
その時に

(間奏)

そうだよ
川に助けを求めたけど
その川は沸騰してた
それで海に向かったけど
そこもやっぱり沸騰してた
その時に

それで神に助けを求めた
「お願いです
どうかこの身を隠してください
周りから見えないようにして
どうかそこに隠してください」
その時に

すると神が言った
「今まで一体どこにいたんだ?
祈りを捧げなきゃならない時に」
それでこう答えた
「神様,聞えますよね?
ほらこうやって
ちゃんと祈ってるじゃないですか
だから聞いてくださいよ」
その時に

おいそこの悪いヤツ
悪いことは言わないから
今から神に祈っとけ
祈っとかなきゃ後で困るぞ

(余談)

この曲,1999年の映画「トーマス・クラウン・アフェア」(The Thomas Crown Affair) で主人公が絵を盗む際に印象的に使われたもののようで,その点に言及するコメントが多く見られました。確かにこの映画の主人公は泥棒なのでsinnerman(悪いヤツ)には違いないのですが,この歌詞が言わんとしているところはそれよりももっと深いような気がします。

Wikipediaによれば,Nina Simoneは子どもの頃に通っていたメソジスト教会の伝道集会でこの曲を知ったらしく,そこでは信徒に告解を促す目的で使われていたそうです。

この歌詞,そのまま解釈すれば「因果応報」的な捉え方になるのでしょうが,その一方で,これは地球の環境破壊について述べたものと取ることもできるかもしれません。無論,実際に川に血が流れたり,海が沸騰したりすることはないと思いますが,前者を水質汚染,後者を海水温の上昇と捉えることもできます。また人間関係をテーマにした曲ととることも可能でしょう。周囲の人間を利用してばかりの人間が次第に周囲から孤立していく曲なのかもしれません。

いずれにしろ,様々な解釈が可能なことが名曲の条件であるとするなら,その点でもこの曲は間違いなく名曲と言えると思います。

2 件のコメント:

  1. apple watch でやっと日の目を観ましたね。

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  2. 今日の私にイイ感じです♪ありがとうございますい

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