2014年7月7日月曜日

Afire Love エド・シーラン (Ed Sheeran)

よく聞く言葉ですが,この世の中に「良性の病気」などというものは存在しません。仮に良性ならそれはそもそも厳密に言えば「病気」ではありません。たとえどんな病であっても,かかれば肉体的・精神的あるいはその両面から苦しむことになりますが,なかでも個人的に一番恐れているのがアルツハイマー病です。以前この病をテーマにしたOf Monsters and MenのLittle Talksを取り上げましたが,この曲もそれと同様に,アルツハイマー病に苦しんで亡くなったEd Sheeranのお祖父さんのことを歌った曲です。http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/04/little-talks-of-monsters-and-men.html
Though it's casually used,  there's nothing like a 'benign disease' in this world.  If it's benigh, it's not a disease in a strict sense in the first place.  Every disease causes pains and sufferings physically and emotionally or often in both ways.  One of these that scares me most is Alzheimer's disease.  Like Little Talks by Of Monsters and Men I posted before, in this song, Ed Sheeran sings about his late grandfather who'd been battling Alzheimer's disease.  http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/04/little-talks-of-monsters-and-men.html
Afire Love  (Ed Sheeran)
Things were all good yesterday
And then the devil took your memory
And if you fell to your death today
I hope that heaven is your resting place
I heard the doctors put your chest in pain
But then that could have been the medicine
And now you're lying in the bed again
Either way I'll cry with the rest of them.

And my father told me, "Son,
It's not his fault he doesn't know your face,
And you're not the only one.
Although my grandma used to say, that he used to sing...

Darling hold me in your arms the way you did last night
And we'll lie inside for a little while. he wrote
I could look into your eyes until the sun comes up
And we're wrapped in light, in life, in love.
Put your open lips on mine and slowly let them shut
For they're designed to be together oh
With your body next to mine our hearts will beat as one
And we're set alight, we're afire love, love, love oh.

Things were all good yesterday
Then the devil took your breath away
And now we're left here in the pain
Black suit, black tie standin' in the rain
And now my family is one again
Stapled together with the strangers and a friend.
Came to my mind I should paint it with a pen
Six years old I remember when.

My father told me, "Son,
It's not his fault he doesn't know your face,
And you're not the only one.
Although my grandma used to say, he used to sing...

Darling hold me in your arms the way you did last night
And the lie inside for a little while he wrote
I could look into your eyes until the sun comes up
And we're wrapped in light, in life, in love.
Put your open lips on mine and slowly let them shut
For they're designed to be together oh
With your body next to mine our hearts will beat as one
And we're set alight, we're afire love, love, love oh

And my father and all of my family
Rise from the seats to sing hallelujah
And my mother and all of my family
Rise from the seats to sing hallelujah
And my mother and all of my family
Rise from the seats to sing hallelujah
And all of my brothers and my sisters, yeah
And my father and all of my family
Rise from the seats to sing hallelujah
Hallelujah
Hallelujah
Hallelujah

それまでは
本当になんでもなかったのに
ある日記憶がおかしくなった
だからもし
今日で最後のお別れなら
どうか天国では幸せに
胸が痛むのは
先生たちのせいだって
そんな風に言ってたけど
それだって
薬のせいかもしれないだろ
結局今はこうやって
またベッドに逆戻り
たとえどっちのせいだって
悲しいことに変わりはないよ

オヤジに言われたよ
いいか,おじいちゃんには
お前の顔はわからないけど
それはおじいちゃんのせいじゃない。
お前だけってわけでもない
誰のこともわからないって
おばあちゃんの話では
昔はあのおじいちゃんも
よくこうやって歌ってくれた
そんな風に言ってたのに・・・

ダーリン,その腕に抱いてくれ
昨夜(ゆうべ)そうしてくれたみたいに
それから一緒に中に入って
もうしばらく寝ていよう
おじいちゃんが作った歌よ
ずっと見つめていられるよ
このまま夜が明けるまで
そして朝がやって来たら
その光を浴びながら
お互いがいてくれた
この人生に感謝しよう
唇を重ねたら
ゆっくりとキスしてくれよ
お喋りなんかはもう止めて
唇はキスするためにあるんだから
一緒に体を寄せ合ってると
鼓動だってひとつになる
ハートに火が点いて
2人の気持ちが燃え上がる

それまでは
本当になんでもなかったのに
ある日記憶がおかしくなった
今はみんながこうして
悲しみに沈んでる
黒いスーツに黒いタイ
みんな喪服に身を包み
雨の中に佇んでる
家族はひとつになったけど
会ったこともない人も
そこには一緒に混じってる
あのことを
ペンで描き出さなくちゃ
そんな風に思ったよ
覚えてるよ
あれは6つになった頃

オヤジに言われたよ
いいか,おじいちゃんには
お前の顔はわからないけど
それはおじいちゃんのせいじゃない。
お前だけってわけでもない
誰のこともわからないって
おばあちゃんの話では
昔はあのおじいちゃんも
よくこうやって歌ってくれた
そんな風に言ってたのに・・・

ダーリン,その腕に抱いてくれ
昨夜(ゆうべ)そうしてくれたみたいに
それから一緒に中に入って
もうしばらく寝ていよう
おじいちゃんが作った歌よ
ずっと見つめていられるよ
このまま夜が明けるまで
そして朝がやって来たら
その光を浴びながら
お互いがいてくれた
この人生に感謝しよう
唇を重ねたら
ゆっくりとキスしてくれよ
お喋りなんかはもう止めて
唇はキスするためにあるんだから
一緒に体を寄せ合ってると
鼓動だってひとつになる
ハートに火が点いて
2人の気持ちが燃え上がる

それからオヤジと家族全員
椅子から立ち上がり
ハレルヤを歌うんだ
そして今度は母さんが
家族と一緒に立ち上がり
みんなでハレルヤを歌うんだ
母さんが
家族と一緒に立ち上がり
みんなでハレルヤを歌うんだ
兄弟姉妹全員で
オヤジと家族全員が
椅子から立ち上がり
ハレルヤを歌うんだ
ハレルヤ
ハレルヤ
ハレルヤって

(余談)

この曲をEd Sheeranは祖父の葬儀で書き終えたそうです。途中に登場する「あのことを,ペンで描き出さなくちゃ,そんな風に思ったよ (Came to my mind I should paint it with a pen)」の箇所。通常paintは筆を使ってするものですが,ペンを使うと言っていることから,これは祖父の思い出をこの曲の形で残しておくという意味なのかもしれません。また祖母に歌って聞かせていたという箇所のメロディはひょっとすると実際に彼の祖父が作ったものなのかもしれません。

個人的にはこの曲の中で最も印象に残ったのは「会ったこともない人も,そこには一緒に混じってる(Stapled together with the strangers and a friend)」という箇所です。「~をホチキスでとめる[とじる]」という意味のstapleという単語を使うことによって,形式的にひとつのグループに集められたという感じが表現されているように思います。

決して「レイベル」の回し者ではありませんが(そもそも回し者になれるほどの力がありません),今回のアルバム,どれをとってもいずれ劣らぬ名曲揃いです。

13 件のコメント:

  1. エド・シーランは私の中ではテイラースウィフトの友達でしかなかったのですが こんなにきれいな歌を書くとは知りませんでした。
    ほかの曲も聴いてみようと思います!

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    1. コメントありがとうございます。彼の「X」はmultiplyという名前が示す通り,名曲揃いで通常のアルバムの何倍も楽しめる作品になっていると思います。他にもいくつかこちらでも取り上げているのでお時間があれば是非。検索の際は右下のラベルをお使いください。

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  2. vestageさん、この曲をupしていただいてありがとうございます!
    訳していただけないかなあと思っていました。
    聴きながら泣いてしまいます。
    何度、聴いても鼻につんときてしまいます。

    X 素晴らしいですね
    ただ、たまに出てくるエドの早口言葉のような歌は追いついていくのが大変です 汗



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    1. コメントありがとうございます。ミネソタ様のお役に立ててなによりです。それにしても「X」(multiply),素晴らしい曲が多すぎて,どれから取り上げればいいのかわからなくなる点が悩ましいところです。

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  3. 夢野サリー2014年7月8日 23:44

    この曲は、ビルボート40に入っていなかったので、本日初めて聞きました。
    母が同じ病気です。偶然ですが母に今日会ってきました。会ったといっても、もう私のことはわからないのですが・・ 死因の上位であるがんとかは、病気として闘えるきがしますが、この病は難しいですね。まあ父はがんで亡くなったのですが、手遅れ過ぎて闘うのは無理でしたが。今日は悲しい気分でしたが、曲を聴いて救われました。little talksもそんな内容だったのですね。知りませんでした。
    彼のアルバムを聴いてみようと思いました。

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    1. コメントありがとうございます。実際に同じ体験をしていない私が何と申し上げてよいかわかりませんが,夢野サリー様のお役に少しでも立てたことがなによりです。

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  4. このサイトには何度も足を運んでました。確かhall of fameが最初だったかなと。この曲のメロディやコーラス部分をとても気に入っていて歌詞が知りたかったのでいろいろ調べていました。アルツハイマーを患った祖父の歌までは分かったのですが、細かいところがわからずにいました。そしてここで見つけたとき、語彙力や選曲センスなどさすがvestigeさんだなと改めて思いました。
    私の祖母も現在アルツハイマーにかかり、病院で日々を送っています。私が小学生の頃は何度も祖母の家にお邪魔して世話をしてもらっていたのがとても懐かしくて。そんなことを祖母は覚えてるわけもなく先月見舞いに行った帰りにありがとうを言いたかったげど言えなかったのが少し心残りでした。まだ祖母は生きているので近々言えたらいいなと思ってます。
    長々と失礼しました。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。どんな人間にも時間は巻き戻せないので「I love you(ありがとうも含まれます)とI'm sorryは思ったその時に」を心がけております。
      実は先日アルツハイマーの方が娘さんを(一瞬だけかもしれませんが)思い出したというgifを見ました。http://imgur.com/gallery/kUOo6bz
      hoif様に同じことが起こらないとは限りません。そのお気持ちがあるのならできるだけ早くお祖母様にそう言ってさしあげてください。

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  5. 初めまして。
    凄腕の刺客(女子)の訳詞を探してこちらに辿り着きました。
    その後、ツイッターを覗かせていただいたり、ボーリングの歌(笑)、「ことチュン」「ルビコン川」問題の訳詞や皆様のコメントを読ませていただきました。
    vestigeさんの訳は素晴らしくて、余談もコメントも面白くて、仕事で疲れた時の一服のお茶の代わりに(?)会社でこっそり読ませていただいています。

    vestigeさんはご自分のことを「レイベルの回し者ではありません」とお書きになっていますが、私はvestigeさんの訳詞とコメントを読んで本日「+」と「X」をタワーレコードで大人買いしてしまいました(みみっちい大人買いですみません)。
    私の最近の野望は、いつかvistigeさんを囲んで『ルビコン川を渡ったか?問題について討論するオフ会』をタワーレコードで開催することです。
    想像(妄想?)するだけで、楽しそうじゃないですか?え、そう思うのは私だけですか?

    Edの曲はどれもいい曲なのですが、今はこのAfire Loveが終日脳内リフレインしております。悲しくて優しくて愛おしい曲ですね。
    この曲を聴いて、昨年、母が倒れたとの知らせに遠く離れた郷里へ飛んで帰った、あの雨の夜のことを思い出して不覚にも泣いてしまいました。
    集中治療室に入った母の意識が戻ることはなく、三日後に逝ってしまった母に言いたかった言葉は今も私の胸の中に残ったままです。
    母の一周忌が近づいた今、この曲を聴いていることに何か意味があるように思えてなりません。

    悲しくて優しい訳詞をありがとうございました。
    これからもvestigeさんの訳詞を楽しみにしています。

    SHINO

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。突然お母様を亡くされてさぞやお力落としのことと存じますが,そのSHINO様をおなぐさめするお役に拙訳が立てたとすればなによりです。
      ところでオフ会のお話を伺い,数年前に知り合いから某アイドルグループに倣い「握手会」をやれと言われたことを思い出しました。ただルビコン川問題に関しては「渡った」とする見方が圧倒的に優勢なので,討論を待つまでもなく,ここで新たな物証が出ない限り,この流れのまま最終弁論に向かうと思われます(意味不明)。

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  6. こんにちは、またお邪魔しました。
    エド・シーラン、今CDを買おうかどうかすごく迷っていたのです。(ただ単に金銭的余裕がないだけなんですが)
    この曲、すごく悲しい雰囲気なのに、なぜか安心します。またこちらで訳詞と解説を読んで納得しました。エド・シーランって、なんでこんなに正直な曲が作れるんですかね。悲しいのに、亡くなったお爺様が、天国で記憶をすべて取り戻して、残った家族に微笑んで見守っていてくれる・・・なんていう(私にとって)都合のよい映像が浮かびました。

    ひたすら悲しいのに、曲が醸し出す空気はすごく穏やかな柔らかな気がします。彼の声も、歌い方も。

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    1. コメントありがとうございます。誰もが経験しているが外在化はできないものを(言葉や音や映像で)外在化し,自分以外の人間に見せられるのが,アーティストだと思いますが,そういう意味で,彼は間違いなくアーティストと呼ぶにふさわしい存在でしょう。

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