2015年10月30日金曜日

The Colors of The Wind ポカホンタス (Pochahontas)

文化人類学にいういわゆる「文化相対主義(cultural relativism)」とは,道徳,法律,政治等々を比較する場合,全ての文化は優劣で比べるものではなく対等であるとする見解ですが,友人のアメリカ人は自分はそんなものは信じないと言っていました。もっと広い視点から見るべきではと言ったのですが,向こうは今までロケットも電話も作っていないのだから,自分の(つまり西洋の)文化はアマゾンのそれよりも優れていると譲りませんでした。
So called 'cultural relativism' in anthropology is "the view that no culture is superior to any other culture when comparing systems of morality, law, politics, etc."  My American friend once said that he didn't buy it.  I asked him to have a wider perspective but he's adamant to claim that his or western culture is more superior to those in Amazon, saying they never built a rocket or invented a telephone.
The Colors of The Wind  (Pochahontas)
You think I'm an ignorant savage
And you've been so many places
I guess it must be so
But still I cannot see
If the savage one is me
How can there be so much that you don't know?
You don't know ...

You think you own whatever land you land on
The Earth is just a dead thing you can claim
But I know every rock and tree and creature
Has a life, has a spirit, has a name

You think the only people who are people
Are the people who look and think like you
But if you walk the footsteps of a stranger
You'll learn things you never knew you never knew

Have you ever heard the wolf cry to the blue corn moon
Or asked the grinning bobcat why he grinned?
Can you sing with all the voices of the mountains?
Can you paint with all the colors of the wind?
Can you paint with all the colors of the wind?

Come run the hidden pine trails of the forest
Come taste the sun sweet berries of the Earth
Come roll in all the riches all around you
And for once, never wonder what they're worth

The rainstorm and the river are my brothers
The heron and the otter are my friends
And we are all connected to each other
In a circle, in a hoop that never ends

How high will the sycamore grow?
If you cut it down, then you'll never know
And you'll never hear the wolf cry to the blue corn moon

For whether we are white or copper skinned
We need to sing with all the voices of the mountains
We need to paint with all the colors of the wind

You can own the Earth and still
All you'll own is earth until
You can paint with all the colors of the wind

アタシのこと
こう思っているんでしょ?
何も知らない未開人
なんにもわかってないくせに
こっちは世界を知ってるぞって
確かにそうかもしれないけれど
まだどうしてもわからない
わかってないのがどっちかは
だって世界を知ってるんでしょ?
だったらまだ知らないことが
どうしてこんなにたくさんあるの?

こう思っているんでしょ?
どんなとこへ行ったって
行ったらそこは自分のもので
この大地もただのモノ
別に生きてるわけじゃない
だから自分のものだって
言ってしまっても構わない
だけど本当はね
石にも木にも何にでも
ちゃんと命が宿ってて
精霊がいて名前があるの

こう思っているんでしょ?
「人」って言えるちゃんとした
人間なんて他にはいない
自分と同じ外見で
同じ考え方をする
人間だけが「人」だって
だけどもし
別の人になったつもりで
世の中を見てみたら
知らないことも見えてくる

まだ聞いてないんしょ?
8月のブルー・ムーンが出る夜に  *
狼がそこに向かって吠えるのを
ボブキャットが笑うのは
どうしてなのか聞いてみた?
山から聞こえる色んな音に
あわせて歌を歌えるの?
風が運ぶ色々な
色を使って絵が描ける?

森の中
わかりにくい場所にある
松の小道を走って行って
太陽の光を浴びた
甘い木の実を食べてみて
周りの自然の豊かさを
思う存分楽しむの
そうすれば
もうお金のことなんて
そんなのどうでもよくなるの

ひどい嵐や川だって
別に敵ってわけじゃない
兄弟みたいなものなのよ
シロサギやカワウソも
大切な友達で
みんな互いに繋がって
いつまでも途切れない
ひとつの大きな輪になるの

シカモアの木はすごく伸びるのに
切り倒してしまったら
そんなことはわからない
そうしたら8月の
ブルー・ムーンが出る夜に
狼がそこに向かって吠えるのだって
二度と聞けなくなるんだよ

肌の色なんて
白でも焼けた茶色でも
そんなことは関係ないの
山から聞こえる色んな音に
あわせて歌がちゃんと歌えて
風が運ぶ色々な
色を使って絵が描ける
それが大事なことだから

ここは自分の土地だって
いくらそう言ったって
そんなのただの「土」なんだ
風が運ぶ色々な
色を使って絵が描けなくちゃ
そんなのなんの意味もない

(補足)

*corn moon・・・8月の月を指す言葉のようです

(余談)

この映画では西洋文明の世界観とネイティヴ・アメリカンのそれを対比していると思われるわけですが,ここまでマクロではないにしろ「自己」と「他者」という図式は我々の日常生活のそこかしこに存在しています。例えば「親」と「子ども」,「教師」と「生徒」,「上司」と「部下」。いずれも「自分が正しい」と思っているという点ではこの映画に登場するイギリス人と同じです。

無論「自分こそが正しい」と思っているという点では主人公のポカホンタス達とて同様ですが,彼らがジョン・スミスらイギリス人と異なるのは,自分と異なる他者をそれだけの理由で積極的に攻撃していないからでしょう。

自分とは相容れない(と思われる)価値観の持ち主を攻撃せず,いかにある程度まで受容するか。世の中の紛争解決の鍵はこの辺りにあるように思われます。

この曲は今日10月30日にiTunesからリリースされるWe Love Disneyというアルバムに収録されておりあのTori Kellyがカヴァーしています。こういうアルバムが出ること自体いかにDisneyのアニメーション映画があちらで愛されているかわかりますね。

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