2017年10月12日木曜日

Sad Story (Out of Luck) マーク・アンド・クレモント (Merk & Kremont)

暇な時間が大量にあった1970年代や1980年代のものと比べると,21世紀のポップ・ミュージックはかなりシンプルになっています。 現代人には暇な時間というものがあまりありません。勉強や仕事をする一方でSNSをチェックし,ゲームをし,YouTubeを見る。どんどんせっかちになっているため,ポップ・ソングは短くなり,理解しやすい内容になっています。
Compared with those in 1970s and 1980s when we had a lot of time to kill, pop music became much simpler in the millennia.  Now we don't have enough time to spare:  we have to check our SNS, play games, watch YouTube and studying and working at the same time.  We get more and more impatient.  That makes a pop song get shorter and easier to understand.  
Sad Story  (Merk & Kremont)
[Verse 1]
A sad story, might find it boring
Lost his Mum to a drug named heroin
Father's gone, so Grandma's left with everything
Two grandkids and a daughter's coffin
I never really knew him when he was growing up
But I assumed that it was a little fucked
No parents for him to look up too
Just a brother whom I knew was a dodgy fuck
Shit, I used to think he was a dick
Tried too hard to fit
And never grow out of it

[Refrain x2]
Now he don't talk too much, talk too much
He's probably given up, given up
I think he's had enough, had enough
Cause he ran out of luck, out of luck

[Verse 2]
Never left his home town
That's what probably did it
Never saw the other worlds
That he didn't want to go and get it
Occupied by fitting in where minds
A small west, small things
Make the small things feel so tall
Will he ever change?
Well apparently
He reapplied for college and was waiting for his grades
It wouldn't help his case
Oh, I couldn't ever say

[Refrain x2]
Now he don't talk too much, talk too much
He's probably given up, given up
I think he's had enough, had enough
Cause he ran out of luck, out of luck

[Verse 3]
But wait my life's out, a night out
Brothers in town, some doubt
A few fights, now kicked out clubs, shit the suns up
One looks all it took for his girl to cuss at another
Dudes being dudes
They blow at the chest to impress these breasts
That'd just started this mess
They must protect the damsel in distress
So other girls man decides to clench his fists
And then he threw and missed
Brothers hit, as did his
Dropped him quick, then one kick to the head
Oh shit other man is dead

[Refrain x2]
Now he don't talk too much, talk too much
He's probably given up, given up
I think he's had enough, had enough
Cause he ran out of luck, out of luck

[Verse 4]
And now he's locked away
21 years of age
How many lives will go to waste?
As far as graves
Until I see some fucking change
Oh, and I don't even know how
We can change it too!
I want another life

[Refrain x3]
Now he don't talk too much, talk too much
He's probably given up, given up
I think he's had enough, had enough
Cause he ran out of luck, out of luck

[Verse 1]
悲惨な話だぜ,よくあることだと思われたって
母ちゃんがヘロインで死んじゃって
オヤジはどっかへ行っちゃったから
残りをみんなばあちゃんが引き受けなきゃならなくなった
孫が2人と娘の棺
ヤツが子どもの頃のこと,詳しく知ってるわけじゃないけど
こんな風に思ってた,それってちょっと最悪だよな
お手本にできる親はいなかった
ひとりアニキがいるにゃいたけど,こいつがこれまたクズだったから
あの頃はこう思ってた,あいつもやっぱりバカだから
無理して周囲に溶け込んで
そこから二度と出られないって

[Refrain x2]
もう今はあいつはあんまり話もしない
きっと諦めたんだよな
もうイヤになったんだ
あまりにツイてなさ過ぎて

[Verse 2]
地元から出たことなんて一度もなくて,ずっとそこに住んでいたけど
多分そのせいなんだ
外の世界を知らなくて
そこへ行ってみたいとかそこで成功したいとか,思ってもなかったし
周りと上手くやることだけで,頭は一杯だったんだ
人の心が狭いとこだと,なんてことないことなのに,大ごとみたいに思えるもんだ
いつかアイツも変わんのか?
確かにな
また大学を受験して,成績が返ってくるのを待っていたけど
アイツの場合はダメだろな
本当のとこはわかんないけど

[Refrain x2]
もう今はあいつはあんまり話もしない
きっと諦めたんだよな
もうイヤになったんだ
あまりにツイてなさ過ぎて

[Verse 3]
まあ聞けよ,この俺の人生は終わってる,ある晩遊びに出かけたら
街のヤツらと出くわした,なんか怪しい気がしたぜ
ちょっとケンカが始まって,クラブから閉め出されたら,もうお日様がのぼってた
他の女をチラ見したから,頭に来たヤツの女が,そいつに食ってかかったんだよ
男はそういうもんだから
女にいいとこ見せようと,お互いが張り合った
それでこういう騒ぎになった
「囚われの姫君」は守ってやんなきゃ男じゃないぜ
それで相手の連れの男が,ケンカ腰になったんだ
パンチを食らわせようとしたけど,相手に当たらなかったから
それを見て,ヤツの仲間も殴り掛かって
ヤツのことをすぐに仕留めて,頭のとこに蹴りを入れたら
チクショウ,そいつが死にやがったよ

[Refrain x2]
もう今はあいつはあんまり話もしない
きっと諦めたんだよな
もうイヤになったんだ
あまりにツイてなさ過ぎて

[Verse 4]
今ヤツは檻の中
21の若さだぜ
こうやって人生を棒に振っちゃう人間がどのくらいいるかって?
死んで墓に入ったヤツと同じくらいいるんだよ
とにかく何かを変えない限り
一体どうすりゃ変わるのか,俺にはそれもわからないけど
みんなが変えてもいいんだぜ
人生をやり直してみたいから

[Refrain x3]
もう今はあいつはあんまり話もしない
きっと諦めたんだよな
もうイヤになったんだ
あまりにツイてなさ過ぎて

(余談)

この曲を聞いて,リードで述べた件と一体どんな関係がとお考えの方もあるかもしれません。実はあの話を出したのは,この調子で行くと今後ポップ・ソングはよりシンプルな方向に向かっていくと思えたためです。

具体的に言うといわゆる「ヨナ抜き」と呼ばれる演歌や日本の歌謡曲などによくある和風ペンタトニック音階で,スコットランド民謡やラテンアメリカのフォルクローレ(民族音楽)でも一般的です。

例えば,ある演歌を耳にして,その曲を一度も聞いたことがないにもかかわらず,曲の流れが予想できてしまったということはありませんか?次はこうなるだろうと予想した通りに曲が展開するわけですが,それはあの「ヨナ抜き」という音階が我々の耳に馴染んでいるためでしょう。

さて,現在の音楽の主流はEDMですが,その目的はみんなで一緒に歌って踊って楽しめることでしょう。仮にそうだとすれば,曲が一度で覚えられ,次にどんなメロディが来るのか予測しやすいことは大きな利点になります。

だとすれば,仮にこのままEDMがポップの主流のひとつである限り(歴史的に見てダンス・ミュージックはいつの時代でも主流のひとつですが)「覚えやすい」こちらの方にシフトして行くと考えられなくもありません。

現にこの夏はLuis FonsiのDespacitoが大ヒットしました。あれもラテンのフォルクローレの流れをくむ音階ですが,そこに来てこの曲です・・・次は「演歌」かもしれません。


2 件のコメント:

  1. ここ数年、自分が気に入った曲を約48分のベストアルバムにして作り続けているのですが、最初の頃は13曲で48分だったのが最近は14曲で大体同じ時間になるんです。短くても良いものはいいのですが、なんだかあっさり終わる曲が多いなーと思っていたところだったので、リードでの説明がすごい説得力がありすっきりしました。

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    1. コメント並びにご賛同ありがとうございます。Tomio Omitのお役に立てたとすればなによりです。

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