2012年3月9日金曜日

Not The Same ベン・フォールズ(Ben Folds)

人生を変える経験をすることがあります。それが何かは,人との出会いであったり,映画であったり,(勿論)歌だったりと様々ですが,私の場合はマンガでした。その作品のなかにあった「罪も栄光もすべて己から出て己に還る。それは哀れなことではない」というセリフに感動。まさに私にとっての「啓示」でした。
それはさておき,主人公は,パーティでドラッグをキメて,それがきっかけとなって,宗教的啓示を体験し,熱心なキリスト教信者になります。
しかし,このような人生を変える経験は,すべていい方向に働くわけではありません。逆の場合もあります。そしてこれがこの曲の持つメッセージであるような気がします。
ただし,これはあくまでも私の解釈なので,仮に違っていてもご容赦くださいね。
An life changing realization occurs.  What brings it to us differs: It could be person/people, could be a film and could be a song (of course!).  Mine was a comic book, declaring you will get what you deserve and nothing else.  It really was a revelation to me.
Anyway, the protagonist in the lyrics took a drug at a party, which brought him (Ben Folds said "guy") a significant life changing realization  and made him a born-again Christian.
The life changing realization, however, does not always work in a good way.  Sometimes it works otherwise.  I guess that is the message the song carries.
Oh, let me say one thing:  This is my interpretation.  So if I'm wrong, please don't kill me for that. Thank you  : )
Not The Same  (Ben Folds)
(Live)
You took a trip and climbed a tree
At Robert Sledge's party
And there you stayed 'till morning came
And you were not the same after that

You gave your life to Jesus Christ
And after all your friends went home
You came down, you looked around
And you were not the same after that

(Ahhh ahhh)
You were not the same after that
(Ahhh ahhh)
You were not the same after that

You see 'em drop like flies from the bright sunny skies
They come knocking at your door with this look in their eyes
You've got one good trick and you're hanging on you're hanging on...
To it

You took the word and made it heard
And eased the people's pain and for that
You were idolised, immortalised
And you were not the same after that

Walking tall, you'd bought it all
And you were not the same after that
Till someone died on the waterslide
And you were not the same after that

You see 'em drop like flies from the bright sunny skies
They come knocking at your door with this look in their eyes
You've got one good trick and you're hanging on you're hanging on to it

(ooh ooh ooh ooh)
(YOU WERE NOT THE SAME!)

You see 'em drop like flies from the bright sunny skies
They come knocking at your door with this look in their eyes
You've got one good trick and you're hanging on you're hanging on:

You're hanging on:
You're hanging on:


ドラッグをキメて木に登った
ロバート・スレッジのパーティでのことだ   (注:Robert SledgeはBen Folds Fiveのベーシスト)
そこで一晩を過ごしたら
夜が明ける頃には,人生が大きく変わってた

神の啓示が降りてきて,キリストに人生を捧げると誓ってた
友達がみんな帰った後
地面に降りて辺りを眺めたら
見るものすべてが変わっていて,もう以前の自分じゃなくなってた

まるで生まれ変わったように
今までとは全く違う自分になっていた

しばらくすると,奇跡を求めて,次々人が訪ねて来た
誰もが皆一様に,期待に溢れた表情で,玄関のドアをノックした
それで相談に乗っていたら
たまたまやった「まじない」が効いて
いつしかそれが仕事になった

何を言っても,みんな有難がって聞いてくれた
おかげで救われましたと感謝された
気が付けば,教祖様に祀り上げられて
昔の自分とは別人だった

自信に溢れ,何でもできる気になった
もう以前の情けない自分じゃなくなってた
なのにウォータースライダーの事故で
死者が出たと聞いた時
自分の中で何かが変わってしまった

奇跡を求めて,それからも人は訪ねて来た
誰もが皆一様に,期待に溢れた表情で,玄関のドアをノックした
同じように相談に乗って,それで生活してたけど・・・・

もう昔の生活には戻れなくなった。

それでも奇跡を求めて人は来た
誰もが皆一様に,期待に溢れた表情で,玄関のドアをノックした
まだ相談には乗っていたけど,無邪気に神を信じてたあの頃の自分はどこにもいない

だけどもう後戻りはできない
前の自分には戻れなかった



余談ですが,歌詞の中にあるYou see 'em drop like flies from the bright sunny skiesの箇所。和訳を始めた当初は「flies?なぜハエ?」「(th)emって誰?」とわからないことだらけだったのですが,前者はとにかく数が多いことを表す表現だということが後に判明し,ようやく完成にこぎつけました。

4 件のコメント:

  1. pomeです。予想以上に早くリクエストにお応えいただき、ありがとうございます!今回も、歌詞の謎がするすると解けたと同時に、自分の英語力のなさに愕然としました(笑)これまでは洋楽を仕事のBGMとして利用することが多かったので、正直なところあまり歌詞を重視していなかったのですが、曲の魅力を半分以上理解できていなかったんだなぁと反省しました。そんなことを気づかせてくださったvestige様に、本当に感謝です。

    エイミー・ワインハウスのlove is a losing gameも拝見しております。本家も、ジェイムズ・モリソンによるカバーもいいですね。あと、ジェイソン・ムラーズのdetails in the fabricも素敵な曲でした。4月に発売されるニューアルバムを楽しみにしています。

    vestige様のレベルにたどり着くのは不可能でしょうが、これからもこのサイトで英語の勉強をさせていただきますね。どうぞよろしくお願いいたします。

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  2. これほど早くお返事をいただけるとは!今回pome様からリクエストをいただかなければ,Not The Sameはあのまま「お蔵入り」であったやもしれません。こちらこそお礼を申し上げねばならぬところでしょう。私自身も以前は,歌詞にはそれほど注意を払わずあくまでもメロディー重視。英語の歌詞など自分に理解できようはずはないと半ば諦めておりました。しかし,サイトを始めて以来,pome様をはじめ,応援してくださる皆様のお蔭で,多少なりとも歌詞を味わうという経験ができるようになりました。感謝してもしきれません。pome様,またお時間のある折には,是非お声をお聞かせください。お待ちしております。

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  3. メロディがきれいでアレンジがよくて、「ながら聞き」する時のお気に入りになりそうな曲です。しかし、ながら聞きしながら、You were not the same after that.のところだけ聞いてわかったような気になっていたら大間違いになるところです。 この歌の中で、転機は2度訪れているようです。啓示を受けて教祖になる時、それから、他人の死に遭い夢から覚める時、と。そして、hanging onという表現が、最初の転機の時は、「いつしかそれが仕事に」なり、次の転機の時には、「だけどもう後戻りはできない 前の自分には戻れなかった」ということになる。この2度の転機の情景から、これはもしや、エンターテイメントの世界に入ってしまった自分たちの姿を歌っているのでは、と思いました。有名になってしまった自分への戸惑いは、これまで読んできた歌の中にもいくつもあったように記憶しています。あの詩、あの曲を作り上げた人たちだと思えば、感受性の豊かさも並大抵ではないはずで、有名になるのはしんどいことなんだろうなあ、とあらためて思いました。深読みのしすぎかもしれませんが。

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    1. コメントありがとうございます。お言葉を返す様で大変心苦しいのですが,Ben Foldsはこの曲について,確か彼の友人に実際に起こったことを題材にしたと語っていたような記憶がございます。無論私の記憶違いかもしれませんが,この曲に限らず,彼は比較的自分の身に起こったことをそのまま曲にするタイプであるように思います。
      確かに「有名になったことへの戸惑い」を曲にするアーティストは多く,むしろそうでない方の方が少ないとは存じますが,この曲に限って言えば,このまま額面通り受け取ってよいのではないでしょうか。

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