2012年7月24日火曜日

Marchin' On ワンリパブリック(OneRepublic)

万人に受ける曲というのは存在しません。ラブラブで幸せいっぱいの若いカップルが,悲しい別れの歌(破局ソング)に感情移入できるとは思えませんし,逆に,失恋したばかりの人が能天気でハッピーな恋の歌を聴く気にはならないでしょう。しかしこの曲に関しては,万人に訴えるところがかなりあるような気がします。厳密に言うと,この曲のメッセージが万人に訴えるという意味です。誰にでも辛い経験はあるし,抱えている問題もありますが,それが人生というもの。諦めずに進めというメッセージです。
自分はつまらない人間だとか,世の中から取り残されてるとか,ひとりぼっちだと思っている人にこの曲を贈ります。覚えておいてください,自分だけじゃない,みんなそうなんです。私にも経験がありますし,誰でもそうです。だから,辛いことが起こっても,諦めないでください。大丈夫です。きっと乗り切れますから。
No song appeals to a universal audience.  A happy young couple do not relate to a sad breakup song and .a person with a broken heart does not feel like listening to a lovey-dovey stuff.  I think, however, this one does pretty well.  Technically speaking, the message it carries does : Everybody has a past and everybody has problems but that's life. Don't get stuck and just move on.
To those who feel failed, deserted or lonely.  Let me assure you that you are NOT alone.  I've been there and everybody has.  So even if your life gets tough, do not give up so soon.  Stay strong and keep "marchin' on."  I know you can get through it.  
Marchin' On  (OneRepublic)
For those days we felt like a mistake,
Those times when love's what you hate,
Somehow,
We keep marching on.

For those nights when I couldn't be there,
I've made it harder to know that you know,
That somehow,
We'll keep moving on.

There's so many wars we fought,
There's so many things were not,
But with what we have,
I promise you that,
We're marching on,
(We're marching on)
(We're marching on).

For all of the plans we've made,
There isn't a flag I'd wave,
Don't care if we bend,
I'd sink us to swim,
We're marching on,
(We're marching on)
(We're marching on).

For those doubts that swirl all around us,
For those lives that tear at the seams,
We know,
We're not what we've seen,

For this dance we'll move with each other.
There ain't no other step than one foot,
Right in front of the other.

There's so many wars we fought,
There's so many things we're not,
But with what we have,
I promise you that,
We're marching on,
(We're marching on)
(We're marching on).

For all of the plans we've made,
There isn't a flag I'd wave,
Don't care if we bend,
I'd sink us to swim,
We're marching on,
(We're marching on)
(We're marching on).

Right, right, right, right left right,
Right, right, right, right left right,
Right, right,
We're marching on.

We'll have the days we break,
And we'll have the scars to prove it,
We'll have the bomb that we save,
And we'll have the heart not to lose it.

For all of the times we've stopped,
For all of the things I'm not.

We put one foot in front of the other,
We move like we ain't got no other,
We go when we go,
We're marching on.

There's so many wars we fought,
There's so many things we're not,
But with what we have,
I promise you that,
We're marching on,
(We're marching on)
(We're marching on).

Right, right, right, right left right,
Right, right, right, left, right,
Right, right,
We're marching on.

Right, right, right, right left right,
Right, right, right, left, right,
Right, right,
We're marching on.

自分には何もなくて
生きてちゃいけない
そんな気がする頃もあった
人に優しくするのも
そうされるのも
イヤで仕方ない時もあった
だけどそれでも
人は生きていく

あの頃は,思うようにいかなくて
そのせいでなかなか信じられなかったけど
わかってるんだ
そんなことがあっても
人は少しずつ変わりながら
前へと進んでいく
それぞれの人生を生きていくって

これまでの人生
みんなそれぞれ苦労してきたし
理想通りでもなかったけれど
だけどこのままの自分でも悪くない
本当だよ
これからも生きていける
(この先も人生は続いてく)
(これで終わりってわけじゃない)

誰にだってこうしたいという夢があった
その結果を今ここで
どうこう言うつもりはない
思い通りにならなくて
不本意に終わることもある
だけどそれでも構わない
ちゃんと泳ごうと思ったら
頭まで水の中に入れなきゃダメなんだ
意味のある事をするためには
苦しい思いも当然だよ
そういう思いを繰り返し
人は人生を生きていく
(この先も人生は続いて行く)
(これで終わりってわけじゃない)

不安がずっと消えなくてもいい
ギリギリのところで生きててもいい
誰にだって
思い通りにならなかった
そんなことがあるものなんだ

だけどそれでも
人が生きていく
「人生」というダンスには
ステップはただ1種類しかない
片方の足をもう片方の前に出す
それだけだ

これまでの人生
みんなそれぞれ苦労してきたし
理想通りでもなかったけれど
だけどこのままの自分でも悪くない
本当だよ
これからも生きていける
(この先も人生は続いてく)
(これで終わりってわけじゃない)

誰にだってこうしたいという夢があった
その結果を今ここで
どうこう言うつもりはない
思い通りにならなくて
不本意に終わることもある
だけどそれでも構わない
ちゃんと泳ごうと思ったら
頭まで水の中に入れなきゃダメなんだ
意味のある事をするためには
苦しい思いも当然だよ
そういう思いを繰り返し
人は人生を生きていく
(この先も人生は続いて行く)
(これで終わりってわけじゃない)

右,右,右,右,左,右
人生はいつも順調にいくわけじゃない
右,右,右,左,右
バランスも悪い
右,右,
そういうぎこちない歩みだけど
それでもそうやって
生きていく

生きていれば必ず
打ちのめされる時もやって来る
たとえ立ち直っても
傷は残ってしまうけど
それは戦ったってしるしなんだ
恥じることじゃない
いつか自分にしかない「何か」が見つかる
心配しなくていい
そしてそれを持ち続けられる
勇気と強さも身に付くんだ

挫折した時期があってもいい
叶わなかった夢があってもいい

片方の足をもう片方の前に出して
人はみんな生きていく
片足しかないみたいに
ぎくしゃくとぎこちない動きだけど
進むべき時にはみんな進んで行く
そうやって,人生を生きている

これまでの人生
みんなそれぞれ苦労してきたし
理想通りでもなかったけれど
だけどこのままの自分でも悪くない
本当だよ
これからも生きていける
(この先も人生は続いてく)
(これで終わりってわけじゃない)

右,右,右,右,左,右
人生はいつも順調にいくわけじゃない
右,右,右,左,右
バランスも悪い
右,右,
そういうぎこちない歩みだけど
それでもそうやって
生きていく

右,右,右,右,左,右
人生はいつも順調にいくわけじゃない
右,右,右,左,右
バランスも悪い
右,右,
そういうぎこちない歩みだけど
それでもそうやって
生きていく


(補足)

以下の①~③までの箇所について,ヴィデオの音と歌詞の間に違いがあるように思えるかもしれません。

①There's so many wars we fought ・・・・・・・・ foughtではなくfightと歌っている
②We'll have the bomb that we save ・・・・・・・ bombではなくbondsと聞こえる
③And we'll have the heart not to lose it .・・・ AndではなくButと聞こえる

これらについては,Googleの検索結果及び海外の歌詞サイトを比較した上で,上記のようにしています。確認はしておりませんが,おそらく公式の歌詞がこのようになっているのだと思われます。

また,Right, right, right, right left right, Right, right, right, left, right, Right, right,の箇所ですが,これは軍隊の行進(marching)のかけ声のようです。

(余談)

この曲を聴いて思い出したのが,フィンランドの名匠,アキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」という映画でした。
とにかく「華」のない映画で,出てくるのは本当に普通の(しかも清廉潔白でない)人間ばかり。ストーリーにハリウッド的山場があるでなし,ゴージャスな舞台装置があるでなし,美女もイケメンも出てこないという,笑えるほどの「ないないづくし」なのに,見終わった時,実に爽やかな気持ちになりました。
この映画のコピーが「人生は前にしか進まない」。映画のコピーとしては,個人的にベストです。機会があれば是非。

12 件のコメント:

  1. Marchin'on OneRepublic

    Ryan Tedder & Mr.Vestige

    素晴らしい才能と、丁寧な手仕事。
    素材の素晴らしさを十分に知って理解して、丁寧に扱って、ひとつひつ紡いでいって形にしていく職人の技を見せていただいた気がします
    ありがとうございます!

    Ryan Tendder、こういう詞を書くので、好きなんですよね。

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    1. コメント並びに過分なお褒めのお言葉ありがとうございます。ただその賛辞は全てRyan Tedderが受けるべきものでしょう。Secretsで彼の曲を知ってから,その才能にはただただ驚嘆するばかり。私もこの曲に出会えて大変幸運でした。海外サイトのコメントのなかに,落ち込んだ時にこの曲を聴くと元気が出るというものがございましたが,まさしくその通りだと思います。

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  2. アダムみたいな人2012年7月24日 19:54

    直訳すると、えらいことになってしまうのに、この素晴らしい詞の広がり!感心します、いつも!

    これ聴かせたい友人がいます、ココロをガッチガチにしています。
    歩み寄ろうとすればこちらを突き放し、放っておけばサインを送ってくるんです。

    かたかた車でも送って、歩行訓練からしてもらったらいいんでしょうか。。

    すみません、相談室みたいに、してしまい。

    Vestige様は何がきっかけで、脱することができたのですか?
    お聞かせ頂ければ、幸いです!

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    1. コメントありがとうございます。お尋ねの件ですが,実は正直なところ,あまり覚えておりません。それだけ混乱していたのだと思います。ただ唯一覚えているのが,ある日ふと「こんな風に悪いことばかりを予想してるけど,仮にその予想が当たったとして,じゃあ自分は嬉しいんだろうか?」と気づいたことです。勿論イヤでした。この程度のことでお役に立てるかどうかわかりませんが,私の場合はおそらくそれがキッカケだと思います。
      ただご友人には時間が必要なのかもしれません。いくら周囲があれこれ言ってくれても,そのただなかにいる時は耳には届かないこともあります。おそらくご本人も心の底では,このままではいけないと薄々感じておいでなのだと思います。そうであればいずれ必ず自分で気づく時が来ます。アダムみたいな人様もお辛いとは存じますが,こればかりはプロの手を借りるか,自分で気づくしかありません。大切なご友人ならどうかそのまま見守ってあげてください。人生は続いていきます。急ぐことはありません。3年無駄にしたと思ったら,平均より3年長生きすればいいことですから。

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  3. アダムみたいな人2012年7月24日 22:17

    早速のご回答本当にありがとうございました!

    Vestige様の文章、すべてアンダーライン!

    私もズンドコな時期、このブログに出会いたかったです。

    やはり自分自身で気づく・そして立ち上がるですね。

    いつも友人は、「今、ミサイルに当たって死んでもいい」とか「隕石に当たってもいい」自分自身ではピリオドを打つ気はないようです。このままではダメだと思っているはずです。おっしゃる通り、友人の事は見守っていきます。

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    1. ご友人がそのように仰るということは,そうなりたくないと思っておいでなのですよ。意外に出口は近いかもしれません。ご友人が一日も早くご自身でお気づきになりますようお祈り申し上げます。

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  4. 既にコメントされている皆さんの仰るとおりで、この曲の訳には特別なものを感じます。Vestigeさん、Ryan Tedderさんと相性が良いのではないでしょうか。村上春樹が『翻訳夜話』(文春新書)の中で、小説家としての自分は”かけがえのある存在”だと思えるにもかかわらず、自分はR.カーヴァーにとってかけがえのない翻訳者だ、と感じる。(pp.25-26)ということを書かれていて、ここを読んで以来、私はその考えの虜なんです。自分にぴったり合う文体。日本語だと、それを感じる文章に出会った、と思うことはあるのですが、母語ではない、英語でそんなことが感じられるんだろうか。そんな運命の出会いを経験できないか、と。Vestigeさん、たくさんの方の詩を訳されていますが、そんなことを感じたことってあります?(私の伝えたいことがちゃんと伝わっているでしょうか・・・)

    「いつか自分にしかない「何か」が見つかる 心配しなくていい そしてそれを持ち続けられる勇気と強さも身に付くんだ」
    自分にしかない「何か」、ここでは、bombをそう言ってるのですね。bombだとしたら、見つけても維持するのには、確かに、勇気と強さが必要でしょう。でも、それってきっと真実だ、という気がします。
    「右,右,右,右,左,右」って、本当にそんな感じ。でも、「そうやって生きていく」しかないっていうのは、とても共感できます。Ryan Tedderさん、そういうところをきちんと察知できる人なんでしょうね。

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    1. コメントありがとうございます。早速ですが残念ながら英語でそこまで感じたことは今まで一度もありません。確かに個人的に「会心の作」率(当社比)の高いアーティストは存在しますが,そのアーティストの曲全てと相性が良いわけではありません。
      また一口に相性が良いと言っても,①何の苦も無く訳文が出来る相性の良さと②苦労した末にようやく納得のいく訳文ができる相性の良さの2種類があるように思います。
      例を挙げるなら,Death Cab for CutieのWhat Sarah SaidやEd SheeranのSmall BumpやKiss Meは前者,この曲やJames MorrisonのPlease Don't Stop The RainやGet To You,Ben FoldsのNot The Sameは後者です。
      そしてその他に,歌詞の一部分だけが強烈に訴えかけてくるという曲も存在します。Mat KearneyのNew York To Californiaという曲は,冒頭の連があまりに美しくそこだけはハイヴィジョン画面なのですが,サビの部分には冒頭ほどの力はないように思います。

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  5. 始めまして、OneRepublicのファンになってから
    今年に入り、こちらのサイトで和訳を拝見させてもらっています
    今回、この曲をブログで掲載したいと思うのですが
    こちらの和訳をお借りしても良いでしょうか?
    もちろん、こちらのサイトからお借りした事なども書かせて頂きます

    私の頭では、和訳は到底無理なので・・・^^:
    ご検討よろしくお願いします

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。さて,お尋ねの件ですが,こちらでは特にリンクに制限は設けておりませんので,引用である旨を明示してくださるのであればどうぞご自由になさってください。曲は勿論のこと,歌詞が大変素晴らしいので,お一人でも多くの方にお伝えできればと思っております。

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  6. 素晴らしい曲、素晴らしい歌詞、素晴らしい訳ですね。
    Better daysでコメントした通り、今僕は中々身動きが取りにくい状況にあると思っていますが、この曲やvestigeさんが仰る通り、例え時間が掛かっても乗り換えた先には素晴らしい物があると信じて、最低でも歩み続ける事を諦めないようにだけはしていきたいと思います。

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    1. コメントありがとうございます。歌詞でも「ちゃんと泳ごうと思ったら,頭まで水の中に入れなきゃダメなんだ」と言っているように苦しさはその先へのいわばパスポートなのかもしれません。Ryan Tedderが言うように「思い通りにならなくて,不本意に終わることもある,だけどそれでも構わない」が真理でしょう。生きているそれだけで価値があると思います。

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