2012年9月30日日曜日

Cold Coffee エド・シーラン (Ed Sheeran)

そもそも「Cold Coffee (冷たいコーヒー)」とは何なんでしょうか?最初は「飲まずに放置したため冷たくなったコーヒー」だと思ったのですが,それでは筋が通らない。そこで今度は「冷たくしたコーヒー(=アイス・コーヒー)」だと考え,これを元に訳文を作りました。しかし,私がPC上で使用している辞書によると,実は可能性がもうひとつあって,それが「ビール」です。
そして仮にこの最後の説が正しいとすると,ちょっと面白いことになります。歌詞に数種類のアルコールが登場するからです。すなわち,最初の連には,ビール(cold coffee)とウィスキー。そして2番目のブリッジの部分には「酒」が登場します。ご覧ください「'Cause I love the way you wake me up, For goodness SAKE will my love not be enough?(だってこんな風に起こしてもらいたいから,ねえ本当に,この程度の気持ちじゃダメなの?足りないの?)」・・・って冗談ですけどね。
What does "Cold Coffee" stand for in the first place?  First, I though it's "coffee which gets cold by being left unconsumed" but that doesn't seem make any sense.  So I tried another one, i.e. "cold (brewed) coffee," which I take in my translation.  Yet another option exists.  The dictionary I'm using on my PC says it means "beer."
Suppose the third option is right, then you will find three kind of alcohol in the lyrics:  cold coffee and whisky in the first verse and sake in the second bridge, "'Cause I love the way you wake me up, For goodness SAKE will my love not be enough?" Am I kidding?  Yes, I am.
Cold Coffee  (Ed Sheeran)
She's like cold coffee in the morning
I'm drunk off last nights whisky and coke
She'll make me shiver without warning
And make me laugh as if I'm in on the joke

And you can stay with me forever
Or you could stay with me for now

Tell me if I'm wrong
Tell me if I'm right
Tell me if you need a loving hand
To help you fall asleep tonight
Tell me if I know
Tell me if I do
Tell me how to fall in love the way you want me to

I'll wake with coffee in the morning
But she prefers two lumps of sugar and tea
Outside the day is up and calling
But I don't have to be so, please go back to sleep

Stay with me forever
Or you could stay with me for now

Tell me if I'm wrong
Tell me if I'm right
Tell me if you need a loving hand
To help you fall asleep tonight
Tell me if I know
Tell me if I do
Tell me how to fall in love the way you want me to

'Cause I love the way you wake me up
For goodness sake will my love not be enough?

Tell me if I'm wrong
Tell me if I'm right
Tell me if you need a loving hand
To help you fall asleep tonight
Tell me if I know
Tell me if I do
Tell me how to fall in love the way you want me to

Tell me if I'm wrong
Tell me if I'm right
Tell me if you need a loving hand
To help you fall asleep tonight

まるでアイス・コーヒーみたい
ウィスキー・コークをさんざん飲んで酔っ払った翌朝に
酔い覚ましに飲むヤツだ
何も考えずに飲んでしまうと
思いがけなく冷たくて思わずブルッと震えがくるけど
それが妙におかしくて,思わず笑っちゃうんだよ

ずっと一緒にいてもらいたいよ
それが無理なら今だけでもいい

イヤだったらそう言ってほしいけど
それだけじゃなくて,嬉しかった時も教えてほしい
誰かにやさしく撫でてもらって
そのまま今夜は眠りたい
そう思うのならそう言って
気持ちをちゃんと受け止めてるのか
望むことをしてあげてるのか
そこのところも知りたいよ
どんな付き合い方が望みなの?
わかってるなら教えてよ

朝はコーヒーを飲んで目を覚ますつもりだけど
砂糖のしっかり入った甘い紅茶が好きなんだよね
外ではもう一日が始まって,賑やかになってきてるけど
だけどみんながそうしなくてもいい
だからこっちのことは気にしないで,もう一回眠りなよ

ずっと一緒にいてよ
それが無理ならせめて今だけ

イヤだったらそう言ってほしいけど
それだけじゃなくて,嬉しかった時も教えてほしい
誰かにやさしく撫でてもらって
そのまま今夜は眠りたい
そう思うのならそう言って
気持ちをちゃんと受け止めてるのか
望むことをしてあげてるのか
そこのところも知りたいよ
どんな付き合い方が望みなの?
わかってるなら教えてよ

だってこんな風に起こしてもらいたいから
ねえ本当に,この程度の気持ちじゃダメなの?足りないの?

イヤだったらそう言ってほしいけど
それだけじゃなくて,嬉しかった時も教えてほしい
誰かにやさしく撫でてもらって
そのまま今夜は眠りたい
そう思うのならそう言って
気持ちをちゃんと受け止めてるのか
望むことをしてあげてるのか
そこのところも知りたいよ
どんな付き合い方が望みなの?
わかってるなら教えてよ

イヤだったらそう言ってほしいけど
それだけじゃなくて,嬉しかった時も教えてほしい
誰かにやさしく撫でてもらって
そのまま今夜は眠りたい
そう思うのならそう言って

(補足)

Ed Sheeranの曲にはよくあるタイプの曲なのですが,一見とてもシンプルなラヴソングに思えます。特に難しい単語を使ってるわけでもなく,構文が凝っているわけでもない。おそらく中学生なら知っている単語ばかりでしょう。

しかし,それゆえに大変和訳が難しい。とりわけサビの部分が強敵です。

Tell me if I'm wrong
Tell me if I'm right
Tell me if you need a loving hand
To help you fall asleep tonight
Tell me if I know
Tell me if I do
Tell me how to fall in love the way you want me to

Momentsの時にも同じような補足をした覚えがあるので,デジャヴ感満載ですが,敢えて本当の「直訳」をするとこうなります。

僕が間違っているかどうか教えて
僕が正しいかどうか教えて
君が愛情にあふれた手で
今夜眠りにつくのを手助けしてほしいのなら
僕が知っているかどうか教えて
僕がしているかどうか教えて
君が僕に望む(君に)恋する方法があるのなら教えて

いかがでしょう?何が何やらサッパリではありませんか?これを訳文の:

イヤだったらそう言ってほしいけど
それだけじゃなくて,嬉しかった時も教えてほしい
誰かにやさしく撫でてもらって
そのまま今夜は眠りたい
そう思うのならそう言って
気持ちをちゃんと受け止めてるのか
望むことをしてあげてるのか
そこのところも知りたいよ
どんな付き合い方が望みなの?
わかってるなら教えてよ

・・・まで持っていくには,ネイティヴやバイリンガルの方ならばいざ知らず,「純国産」の私では,かなり苦労したということがご理解いただけるかと思います。

(余談)

一体どれほどの「彼女」なんでしょうか。この相手。あのEd Sheeranが尽くしまくっております。この曲を聴いて悔し涙を流すファンもいるのではと思わず心配になるほどの熱の上げようです・・・・などと考えていたのですが・・・・いましたよ。近い相手が。昨日投稿したあの「凄腕の暗殺者」です。

この曲,Songs I Wrote With Amyというアルバムに収録されています。Amy Wedgeというソングライターとのコラボレーション・アルバムで,ラヴ・ソングばかりを集めたものだとか。この方,Ed Sheeranよりもかなり年上なので,可能性は低いと思われますが,女優もなさっている大変におきれいな方なのでゼロではないでしょう。

10 件のコメント:

  1. はじめまして!匿名のAです(匿名にも名前をつけた方がいいとお書きになっていらしたので、一応つけました)。

    こちらのサイト、大好きです。このサイトで、どうしても自分の力だけでは訳しきれずに「??」となっていた曲の和訳を見つけては「あーそうだったのか!」と感動しています。

    特にマルーン5、今までふんふんと曲の素敵さだけで何となく聞いていましたが、あんなガッツリした歌詞だったんですね…!ボーカルの物憂げな顔つきもこれからは違った思いで見てしまいそうです。

    ところでcold coffeeの訳の可能性の話、面白いですね!
    ビールだとすると迎え酒って事ですよね?こんなロマンチックに歌われたら嬉しいだろうけど、日本語で「君は迎え酒みたいだね」って言われたら反応に困るだろうなぁ…と思ってちょっと笑ってしまいました。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。私も迎え酒かい!と内心ツッコミを入れながら和訳したのですが,第2連で「砂糖の入った甘い紅茶」という箇所が出てくるので,この対比としてのコーヒーだろうと考え,訳文にはアイスコーヒーを採用いたしました。
      それにしても,匿名A様の仰るように「君は迎え酒みたいだね」と言われた場合,あまり喜ぶ方はおいでにならないと思うのですがいかがでしょうか。なにしろ迎え酒というのは「気持ちはいいが結果的には体には悪い」ものですから。

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  2. Edの声はやっぱりなんだか落ち着きますね。余談にある歌詞翻訳についての解説。日頃からここはこうなるのか、と感心しながら見ていますが、改めて凄いです。わたしには到底思いつかない持っていき方と言いますか。ずっとやってきた慣れもあるのかもしれませんが、それにしたって、やっぱり凄い。笑

    ところで David Guetta と Sia の2度目のコラボによって出来上がったこの曲、Titanium に続いて素敵な曲に仕上がっています。もうお聴きになっていましたでしょうか?PVはまだ予告編しか公開されていませんが、非常に楽しみです。これは9/27に公開されたようですね。
    http://www.youtube.com/watch?v=uweWiCLT8Eg&feature=relmfu

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    1. コメント並びにお褒めのお言葉ありがとうございます。お話しのサビの部分ですが,本当にこれで正しいのかは実は今もわかっておりません。大幅に違っている可能性もあることをここでお伝えしておきます。
      とはいうものの,本館の最大の目標が「一読して歌詞世界をつかめるものにする」ことなので,敢えて「誤訳」の危険を冒し,一歩踏み込んだ訳にしております。
      私自身も,以前はCDの対訳などを読んだりしたのですが,自分の想像力が乏しいせいで,なかなか曲の世界が目の前に広がって来ず,一種の違和感を抱いていたため,本館を始めることにしたという経緯がございます。
      本来ならば,当のアーティストを前に「ここはどういう意味なのでしょう?」と聞きたいところですがそれもかないません。もし何か疑問に感じられる箇所がございましたら,本館・別館どちらでも構わないので,是非ともお知らせ願えればと存じます。

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  3. 「Cold Coffee」は彼女との関係が冷えたことを表しているのかと思っていたのですが、この和訳を見て納得しました。サビはまたシンプルに深い。Edの詞は、本当に相手のことが好きで、自分なりに相手と向き合って葛藤する姿に共感します。そして、細かいところ、朝に砂糖入りの紅茶を飲むとか、わかってくれるところにもオトメゴコロは殺られるわけです。たまにはお茶も淹れてくれるのかな(笑)

    ちなみに、Edのお相手は「+」のブックレットの最後に名前が出てくる、Aliceという女の子だと思われます。「Sunburn]という曲にも出てきます。今もその子なのかわかりませんが・・・(16~20歳まで付き合っていた人とデビューの日に別れた、というインタビュー記事を読んだので)

    そして、わたしは先にAdam Levineのほうを好きだったので、浮気というより元カレ感覚です(ファンの方すみませんっ)。今まででもこんなにメロメロになるのはEdだけですよ~!

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    1. コメントありがとうございます。しばらくお声を聞かなかったのでお忙しいのだなとは思っていたのですが,やはりEd Sheeranの曲にはai_i様からコメントをいただかないと一段落しないような気がするのは私だけでしょうか。
      それにしても,あのAdam Levineが元彼とは!しかも私が「師」とも仰ぐあの彼を振ってまで,自分の元に走らせるとは,Ed Sheeran恐るべし。
      個人的には,Taylor Swiftが「凄腕の暗殺者」のトップに君臨すると思っておりましたが,いやいやどうしてどうして,彼の曲のコメント欄を見る限り,Ed Sheeranはその上を行く手練かもしれません。
      この2人コラボしておりますが,一体どちらがどちらを殺ったのか・・・。ただ両者とも恐ろしいほどの「達人」だけに,双方睨み合ったまま微動だにできず,結局時間切れになったのかもしれません。

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  4. 突然ですが、今日は予定(?)を変更してこちらにコメントさせていただきます。この投稿を読んだ時に「誤訳」ということを少し考えたのを思い出したので。「補足」の箇所で直訳と意訳を比較しておられたのを、興味深く拝読したのですが、私にはあの直訳こそ誤訳なのではないかと思えました。なぜならあの直訳では、単語の意味は日本語に変換されてはいるものの、心が少しも感じられないから、です。原文を読むとあの箇所は、始まったばかりの恋愛に対する不安と期待でいっぱいの、ガラスのような繊細な男の子の心が感じられて、それがこの詩のほとんどすべてだと思えます。直訳ではそれが一切死んでいます。でも、意訳の方はその部分が丁寧に掬いだされている。翻訳をする過程では、ある言語を別の言語に変換するにあたり、いろいろな次元で、掬いだせるものがあれば、そのせいで失われてしまうものもある。それは、何を優先させるかの問題であり、訳をする人のphilosophyによるものだと思います。「誤訳」とは、そんなに短絡的に言い放てる性質のものではないはずです。
    それにしても、この曲もとても素敵な曲です。Ed Sheeranに私もやられそうです。

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    1. コメントありがとうございます。oak様のような方がそうおっしゃってくださると,百万の味方を得たような気持ちがいたします。このようなサイトを続ける以上,誤訳はいわば避けては通れないものなので,具体的なご指摘をいただいた際には,出来る限り対応いたしたいと考えておりますが,何故か「誤訳」と仰る方に限って,具体的にどこがどのように誤訳であるかを詳らかになさらないので多少困惑しております。
      それはともかく,Taylor Swiftが女性版凄腕の刺客であるとするならば,男性版のそれは間違いなくEd SheeranかAdam Levine (Maroon 5)でございましょう。こちら本館でもいわゆるbody bagが不足するほど被害者が続出しているようでございます。何を隠そう私もその一人ですが,どうやらoak様も同じ道を辿られたようですね。

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  5. 朝にEd Sheeranを聴くと、トキメキ過多で仕事がおぼつかなくなります。solakofiです。
    いつも大変お世話になっています。

    わたしは「coldcoffee」=「びっくり水」(そうめんを茹でる際に投入するアレ)と考えると妙にしっくりくるんですがいかがでしょう(笑) 熱するだけじゃなくて、シュッと冷やしてくれる彼女。コシと滑らかな口当たりのポイント。みたいな。 、、Edが日本のヌードル情報に詳しいとも思えないので「いわゆる空想」の域を出ませんが、あるいは、、?
    She's like BIKKURI-MIZU in morning〜


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    1. コメントありがとうございます。ここにもお一人また新たなガイシャが。ドラえもんを思わせるその風貌とは裏腹に,Ed Sheeran予想以上の凄腕であることを実感する昨今でございます。
      さてお話しのcold coffee=びっくり水説ですが,そうめんの場合と異なり,恋愛は一度冷めてしまうと再び沸騰させるのが大変難しいため,個人的にはその説には賛同いたしかねます(笑)

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