2012年12月28日金曜日

Take A Walk パッション・ピット (Passion Pit)

明るく楽しい曲調と笑える感じのミュージック・ヴィデオに騙されてはいけません。歌詞のメッセージはかなり切なく厳しく,そして当然悲しい。いや悲しすぎると言ってもいいかもしれません。
この曲に登場するのは,アメリカン・ドリームを求めてやってきた貧しい移民。必死に努力を重ねて上の社会階層に上り,企業のCEOになったものの,最終的に共同経営者の投資の失敗が原因で年金まで失ってしまいます。もうアッパー・ミドルクラスではなくなったものの,その事実を受け止められず,何も変わらないふりをします。
Don't be fooled by its uplifting tune and rather facetious looking music video.  The message the lyrics convey is bitter and harsh, and of course, sad.  Too sad, I'd say.
It seems to depict the life of a poor immigrant couple who came to the US looking for an "American Dream," working very hard to climb up the social ladder to be a company CEO but  ending up in losing his pension because of his partner's bad investment.  Still he refuses to admit he's no longer a wealthy upper middle class and tries to pretend he is.
Take A Walk  (Passion Pit)
All these kind of places
Make it seem like it's been ages
Tomorrow some new building will scrape the sky
I love this country dearly
I can feel the ladder clearly
But I never thought I'd be alone to try

Once I was outside Penn station
Selling red and white carnations
We were still alone,
My wife and I
Before we marry, save my money
Brought my dear wife over
Now I want to bring my family state side

But off the boat they stayed a while
Then scatter cross the coast
Once a year I'll see them for a week or so at most
I took a walk

Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, oh-oh-oh
Take a walk, oh-oh-oh
I take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk

Practice isn't perfect
With the market cuts the loss
I remind myself that times could be much worse
My wife won't ask me questions
There is not so much to ask
And she'll never flaunt around an empty purse

Once my mother-in-law came
Just to stay a couple nights
Then decided she will stay the rest of her life
I watch my little children
Play some board game in the kitchen
And I sit and pray they never feel my strife.

But then my partner called to say the pension funds were gone
He made some bad investments
Now the accounts are overdrawn

I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, oh-oh-oh
Take a walk, oh-oh-oh
I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk

Honey it's your son
I think I borrowed just too much
We had taxes we had bills
We had a lifestyle to front
And tonight I swear I'll come home
And we'll make love like we're young
And tomorrow you'll cook dinner
For the neighbors and their kids
We can rip apart those socialists
And all their damn taxes
But see I am no criminal
I'm down on both bad knees
I'm just too much a coward
To admit when I'm in need

I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, oh-oh-oh
Take a walk, oh-oh-oh
I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
I took a walk
Take a walk, take a walk, take a walk
Take a walk, take a walk, take a walk

こういう場所に来ると
あれから随分経ったんだなと思うんだ
もうじきここにも新しい高層ビルが立ち並ぶんだろう
この国のことが本当に大好きだし
どうやれば上に行けるのかもちゃんとわかってるけど
一人でやらなきゃならないなんて
考えたこともなかったよ

昔はNYのPennsylvania駅の外で
赤や白のカーネーションの花を売ってた
まだ身寄りもなくて
嫁さんも自分もそれぞれ離れて暮らしてた
結婚する前,金を貯めて
やっと嫁さんを呼び寄せた
今度は家族もアメリカにと思ってる

なのに実際呼び寄せてみたら
しばらくはここにいてくれたけど
その後,アメリカのあちこちに離れていった
今じゃ会うのはせいぜいが1週間,それも年に一度だけだ
だから散歩してこれからのことを考えてみた

こんな風に散歩して考えてみる
そうすれば何か見つかるはずだ

仕事もパッとしない
市場で削減や損失なんてものが話題になってるんだから
だからまだまだこんなものじゃないぞって覚悟してる
嫁さんはもうあれこれ聞いてこなくなった
聞いたからってどうしようもないから
財布の中にも金はないのに
それでも文句も言わずに我慢してる

以前,嫁さんの母親が遊びに来た
2・3日泊まるはずだったのに
ずっと同居するって言いだした
台所ではまだ小さい子どもたちが,カードゲームで遊んでる
それを座って見てたら
この子達は,自分みたいな辛い目に遭わせたくないって
その場で神に祈ったよ

なのにそうしてたら共同経営者から電話がかかってきた
年金の資金がなくなったって
向こうが投資に失敗して
口座の預金がマイナスになったらしい

だから散歩に出て,これからのことを考えてみた
こんな風に散歩して考えてみる
そうすれば何か見つかるはずだ

おい,息子からだぞ 
だけどもうこれ以上借金できないからな
税金とかあれこれ金の要ることばかり
この生活だってどうなるか
だから今夜はちゃんと家に帰るよ
だから昔みたいに愛し合おう
そして明日はごちそうを作って
近所の人に振る舞うんだ
ああいう社会主義者たちを追い払って
社会保障にかかる金がなくなれば
税金だって安くなる
悪いヤツじゃないってことはわかってるだろ?
膝だって悪いのに
もう疲れ果てて立ち上がれない
なのにだけどプライドが高すぎて
こんなに大変な時なのに
それを認める勇気が出ない

だから散歩に出て,これからのことを考えてみた
こんな風に散歩して考えてみる
そうすれば何か見つかるはずだ

(補足)

この曲の歌詞の解釈に関しては,この歌詞が1人の人間の人生ではなく,3人の別々の人間の人生を表しているという解釈も存在し,それがかなりの支持を集めています。

すなわち,第1連がアメリカにやってきた移民の,第2連が裕福な企業CEOの,第3連がアメリカの平均的ミドルクラスの人生ということになり,そして全体でアメリカにおける社会経済的側面を描いているという考え方です。

(余談)


実は歌詞を読みながら,最終的に主人公は死んでしまうのではないかと思いました。理由は3つ:

① And tonight I swear I'll come home,And we'll make love like we're young
  (だから今夜はちゃんと家に帰るよ,だから昔みたいに愛し合おう)

② And tomorrow you'll cook dinner,For the neighbors and their kids
  (そして明日はごちそうを作って,近所の人に振る舞うんだ)

③ I'm just too much a coward,To admit when I'm in need
(なのにだけどプライドが高すぎて,大変な時でもそうだって認める勇気が出ないんだ)

どれも人生の最後にやったり言ったりしそうな気がします。

無論,それはただの思い過ごしであるかもしれませんし,むしろそうあってもらいたいのですが,本当にそうだと言い切る自信がありません。

そう言えばこの曲,アップテンポの軽快な曲とは裏腹に,歌詞の内容が壮絶と言う点で,Foster The PeopleのPumped Up KicksやOf Monsters and MenのLittle Talksを思い出します。

2 件のコメント:

  1. 物語がしっかりある歌ですね。しかも、社会的で暗い内容です。このビデオも気になります。どうやって撮影しているのでしょうか。以前、テレビで気球(?確かそうだったような・・)に乗って低めの高度で景色を撮り続ける人の撮影の様子を観たことがありますが、これもそういう感じで撮ったのかもしれません。途中でアップダウンがあったりして、この歌の内容を象徴するようだと思いました。特に最後の連では急に高度があがって、ビルの上の高さからもっと高い空へと向かいます。余談で最後に主人公は亡くなってしまうのでは、と書かれていましたが、その根拠とされていた3つの点も全て最後の連にあったものなので、やっぱり主人公はだめだったのかも、と思ってしまいました。曲のテンポが良いせいか、そう悲しい気持ちにはならないのですが。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。日本のポップス界には詳しくないのでわからないのですが,こういう「一見能天気に見えて実は内容が深い」という曲は日本ではあまり見かけないような気がいたします。そしてこういう曲が出てくる点が洋楽の魅力なのかもしれません。

      削除