確かに1999年にAFNラジオでBelieveを耳にした時のことは今も覚えています。メロディーは言うに及ばずデジタル加工された彼女の声に心を掴まれました。ただ当時デジタル加工技術は好意的にみられていたものの,次第に「だまし」的な見方に変わってきたような気がします。皮肉なことに,この技術を使うアーティストは増えていて,その必要もないしそうしたいとも思っていないアーティストでさえそうしているとか。そんなハズあるかとお考えの方もおいでかもしれませんが,聴く側が完璧な音程(pitch perfect)を求めるためにそうなっているそうです。Lady Gagaのような高い歌唱技術のあるアーティストでさえこの技術を使わねばならないのは残念です。
I stumbled upon this song in listening to one of BBC's radio programs talking about merits and demerits of digitally altered voice or autotune. It says digital processing of human voice was widely acknowledged by Cher's smash hit "Believe" (1998) and reached a peak with this song and was killed by Jay-Z later.
I still remember the moment I heard "Believe" on AFN for the first time in 1999. I was completely fascinated with her altered voice as well as the tune. I think the processing technology was received positively at that time but gradually came to be regarded as a cheat. Nowadays it's not very easy to name artists who are free from it immediately. They say ironically more and more artists use it even if they don't need or want to do so. Some of you won't admit it, they say the general public favor it, requiring them to be pitch perfect. It's a shame a highly skilled singer like Lady Gaga has to use it.
Love Lockdown (Kanye West)
I'm not loving you, the way I wanted to
What I had to do, had to run from you
I'm in love with you but the vibe is wrong
And that haunted me, all the way home
So you never know, never never know,
Never know enough, 'til it's over love
'Til we lose control, system overload
Screamin' "No! No! No! N-No!"
I'm not loving you, the way I wanted to
See I wanna move, but can't escape from you
So I keep it low, keep a secret code
So everybody else don't have to know
[Chorus:]
So keep your love locked down
Your love locked down
Keepin' your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
You lose
[Verse:]
I'm not lovin' you the way I wanted to
I can't keep my cool, so I keep it true
I got somethin to lose, so I gotta move
I can't keep myself, and still keep you too
So I keep in mind, when I'm on my own
Somewhere far from home, in the danger zone
How many times did I tell ya fo it finally got through
You lose, you lose
I'm not lovin' you, the way I wanted to
See I had to go, see I had to move
No more wastin' time, you can't wait for life
We're just wastin' time, where's the finish line
[Chorus:]
So keep your love locked down
Your love locked down
Keepin' your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
You lose
[Verse:]
I'm not lovin you, the way I wanted to
I bet no one knew, I got no one new
I know I said I'm through, but got love for you
But I'm not lovin' you, the way I wanted to
Gotta keep it goin', keep the lovin' goin'
Keep it on a roll, only God knows
If I be with you, baby I'm confused
You choose, you choose
I'm not lovin' you, the way I wanted to
Where I wanna go, I don't need you
I've been down this road, too many times before
I'm not lovin' you, the way I wanted to
[Chorus:]
So keep your love locked down
Your love locked down
Keepin' your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
Your love locked down
Now keep your love locked down
You lose, you lose
You lose, you lose
You lose
[Verse:]
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
好きだって気持ちは変わりないけど
こういう「好き」じゃなかった気がする
そのことが消えずに気にかかってた
家に帰りつくまでずっと
お前にはきっとわからない
気付かないまま時が過ぎて
ある日突然「終わり」が来る
そうなったらもう限界だから
自分たちではどうにもできない
「こんなハズじゃなかった!」ってことになる
お前に対する気持ちだって
前とは違ってきちゃったんだよ
そうだろ?次へ行かなきゃってわかってるのに
お前と別れる覚悟ができない
だからしばらくは様子を見て
大っぴらにはしないでおく
わざわざ言って回ることもないからな
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
[Verse:]
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
なんでもないフリなんかできないから
本音で話をしてるんだ
失いたくないものがあるんだよ
だから一歩を踏み出さなきゃ
このままじゃ自分がダメになる
なのにお前のことが諦められない
だからどうしてもつい考えてしまう
お前と別れてひとりになったら
本当の自分を見失って
それまで思いもしなかった
危ない状態になるんじゃないか
その不安が消せないんだよ
もう何度も言ったじゃないか
なのにどうしてわからないんだ?
もうお前とは終わりなんだよ
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだ
わからないか?終わりにするしかないんだよ
次へ行く時期なんだ
このまま時間を無駄にするなよ
一生待つなんてごめんだろ?
こうやって時間を無駄にして
一体どうなるって言うんだよ?
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
[Verse:]
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
他のヤツにはわからない
別に気になる誰かがいるわけじゃない
もう終わりだとは言ったけど
だからって嫌いになったわけじゃない
ただ今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
わかってるんだよ
このままでいなきゃって
この気持ちを持ち続けなゃって
上手くいってるこのままで,
だけど本当にそうできるのか
それが全然わからない
だけどこのまま一緒にいたんじゃ
どうすればいいのかわからなくなる
だからお前が決めろ
これからどうするか決めてくれ
今のこの気持ちは
思ってたのとは違うんだよ
自分がこうしたいって思うことは
お前とじゃ無理なんだ
こういうのは今までに何度も覚えがある
今のこの気持ちは
思ってたのとは違うんだよ
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
(補足)
私ごときが今更言うまでもないことでしょうが,この歌詞,本当によくできています。タイトルのLockdownというのは「封じ込め」という意味ですが,lock downは「~に終止符を打つ」という正反対の意味になります。この両方の意味を匂わせる辺りが実に技巧に富んでいます。
(余談)
いやこの主人公,勇気があります。おそらく別れる際というのは,誰しもこういう風に考えているのでしょうが,それをここまで正直に・・・。おみそれしました。
人間である以上,誰にも己を良く見せたいというスケベ心があります。ために子どもの頃ならいざ知らず,大人になると大抵の人間は,本音をそのまま出してはマズいということが経験上わかっているので,たとえ内心はこの主人公のように考えていたとしても,そんなことはおくびにも出さず,もっともらしい言い訳を考えだして円満にことを進めようとするものです。
まあ大抵の場合は相手にしっかり見抜かれてしまうのですが,それでもここまで(バカ)正直に言ってしまっては,今回の相手とは別れられたにしても,そういう情報はあっという間に広まってしまうので,主人公の今後の恋愛事情に暗い影を落としそうです。
・・・などと最初は考えていたのですが,いつものサイトで目からウロコの解釈に出会いました。
いずれにしても,この2つの解釈を可能にしているのがこの練りに練った歌詞でしょう。解釈自体は正反対なのに,そのどちらを採用しても問題なく意味が通ります。アマチュアには決して真似のできないプロの技,いわば「匠の技」というものを見せてもらった気がします。
この曲,Kanye West1人で書いた曲ではありませんが,それでもこの一曲で私の中の彼の株価は(今更こう言うのも憚られますが)急上昇しました。
自分が思ってたのとは違うんだよ
好きだって気持ちは変わりないけど
こういう「好き」じゃなかった気がする
そのことが消えずに気にかかってた
家に帰りつくまでずっと
お前にはきっとわからない
気付かないまま時が過ぎて
ある日突然「終わり」が来る
そうなったらもう限界だから
自分たちではどうにもできない
「こんなハズじゃなかった!」ってことになる
お前に対する気持ちだって
前とは違ってきちゃったんだよ
そうだろ?次へ行かなきゃってわかってるのに
お前と別れる覚悟ができない
だからしばらくは様子を見て
大っぴらにはしないでおく
わざわざ言って回ることもないからな
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
[Verse:]
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
なんでもないフリなんかできないから
本音で話をしてるんだ
失いたくないものがあるんだよ
だから一歩を踏み出さなきゃ
このままじゃ自分がダメになる
なのにお前のことが諦められない
だからどうしてもつい考えてしまう
お前と別れてひとりになったら
本当の自分を見失って
それまで思いもしなかった
危ない状態になるんじゃないか
その不安が消せないんだよ
もう何度も言ったじゃないか
なのにどうしてわからないんだ?
もうお前とは終わりなんだよ
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだ
わからないか?終わりにするしかないんだよ
次へ行く時期なんだ
このまま時間を無駄にするなよ
一生待つなんてごめんだろ?
こうやって時間を無駄にして
一体どうなるって言うんだよ?
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
[Verse:]
今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
他のヤツにはわからない
別に気になる誰かがいるわけじゃない
もう終わりだとは言ったけど
だからって嫌いになったわけじゃない
ただ今のこの気持ちは
自分が思ってたのとは違うんだよ
わかってるんだよ
このままでいなきゃって
この気持ちを持ち続けなゃって
上手くいってるこのままで,
だけど本当にそうできるのか
それが全然わからない
だけどこのまま一緒にいたんじゃ
どうすればいいのかわからなくなる
だからお前が決めろ
これからどうするか決めてくれ
今のこの気持ちは
思ってたのとは違うんだよ
自分がこうしたいって思うことは
お前とじゃ無理なんだ
こういうのは今までに何度も覚えがある
今のこの気持ちは
思ってたのとは違うんだよ
[Chorus:]
だからその気持は表に出すな
心の奥にしまっとけ
誰彼かまわず本当の気持ちを
あっさり見せるもんじゃない(2回繰り返し)
(補足)
私ごときが今更言うまでもないことでしょうが,この歌詞,本当によくできています。タイトルのLockdownというのは「封じ込め」という意味ですが,lock downは「~に終止符を打つ」という正反対の意味になります。この両方の意味を匂わせる辺りが実に技巧に富んでいます。
(余談)
いやこの主人公,勇気があります。おそらく別れる際というのは,誰しもこういう風に考えているのでしょうが,それをここまで正直に・・・。おみそれしました。
人間である以上,誰にも己を良く見せたいというスケベ心があります。ために子どもの頃ならいざ知らず,大人になると大抵の人間は,本音をそのまま出してはマズいということが経験上わかっているので,たとえ内心はこの主人公のように考えていたとしても,そんなことはおくびにも出さず,もっともらしい言い訳を考えだして円満にことを進めようとするものです。
まあ大抵の場合は相手にしっかり見抜かれてしまうのですが,それでもここまで(バカ)正直に言ってしまっては,今回の相手とは別れられたにしても,そういう情報はあっという間に広まってしまうので,主人公の今後の恋愛事情に暗い影を落としそうです。
・・・などと最初は考えていたのですが,いつものサイトで目からウロコの解釈に出会いました。
主人公と相手は元々は友人同士だったが,主人公の気持ちが次第に恋愛感情に傾いてしまった。しかし相手の気持ちは友情止まり。このため,それ以上の関係を望む気持ちと,今ある友情を失いたくないという気持ちが主人公の心の中でせめぎあっている。主人公は,相手と距離を置こうとするものの,相手が嫌いになったわけではないのでなかなかそれも思い切れない。結局そのまま友人関係を続けているが,そのために自分の本当の気持ちを隠さねばならなくなっているというもの。確かにこちらの方がひねりがあって圧倒的に面白い。
いずれにしても,この2つの解釈を可能にしているのがこの練りに練った歌詞でしょう。解釈自体は正反対なのに,そのどちらを採用しても問題なく意味が通ります。アマチュアには決して真似のできないプロの技,いわば「匠の技」というものを見せてもらった気がします。
この曲,Kanye West1人で書いた曲ではありませんが,それでもこの一曲で私の中の彼の株価は(今更こう言うのも憚られますが)急上昇しました。
初めまして。yocinaと申します。
返信削除いつも、こちらのサイトとTwitter、どちらも楽しみに拝見させて頂いております。いつもいつも、素敵な和訳をありがとうございます(^^)
今回は、大好きな曲を和訳してくださっていたので、思わずコメントしてしまいました。余談を拝見して「こんな解釈の仕方があるのだなー」と、とても驚きました!
ところでvestige様は、この曲のアカペラのカバーをご覧になったことがありますか?
実は、私が最初に聞いたのはカバーの方で、それから原曲を好きになりました。
勝手ながら動画サイトのURLを貼らせて頂くので、もし、お時間がおありでしたら、ご覧になってください。
http://www.youtube.com/watch?v=3SQzTIIWqmo
長文、駄文失礼いたしました。
これからも、素敵な和訳を楽しみにしております。
コメント,動画のご紹介並びにお褒めのお言葉ありがとうございます。余談でも申しましたが,2通りの解釈を無理なく成立させるあたり,本当によくできた歌詞だと思います。どうか今後もよろしくお願いいたします。
削除この曲はいいですねえ。ギター1本で歌うソウルフルな歌も感動的なものですが、こういった曲もこれはこれで美しい。曲の途中で入ってくるリズムが、ピアノの音なのがなんとなく意外で、さらにその後で、デジタルなこの曲に、あの野性的な打楽器の音が響いてくるのが最高にクールです。ビデオも、無機質な真っ白な部屋・厨房にあの衣装、あのダンス。不思議とよく合っていてモダンアートを見ているよう。"I'm not loving you"と言っている主人公は、全編にわたってひたすらつらそうです。そこに直後の"the way I wanted to"「自分が思ってたのと違うんだよ」この一言が加えられたりしていることで、余談でおっしゃられているように、いかようにも解釈が広げられるのだろう、と思いました。Kanye Westってすごい。
返信削除コメントありがとうございます。仰るようにI'm not loving you the way I wanted toの一文がこの曲を名曲たらしめているような気がします。そしてこのようなフレーズをこの文脈で使うことを思いつけるか否かが,プロとアマチュアを隔てている壁なのかもしれません。
削除ところで先日ご紹介いただいたBoyですが,他の有名サイトで数日前に取り上げられておりました。oak様のお蔭でこの本館が一歩先んじたわけですが,そういうことは大変珍しいので,この場にてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
こんにちは!いつも素晴らしい訳をありがとうございます。
返信削除自分はここ2~3年でカニエのファンになったとはいえこんな曲があったことすら知らずに大変お恥ずかしいんですが、この素晴らしい訳を拝見させていただいて戦慄しております。
こんなに素晴らしい曲を作れるカニエってホント凄いですよね…
vestigeさんのおかげでますますカニエに魅せられてしまいました!
ありがとうございました!
コメント並びに過分なお褒めのお言葉ありとうございます。「なるべく日本語として無理のない文章で,元の歌詞の持つ魅力を伝えること」が目的のサイトなので,そういってくださると苦労も大変報われます。こちらこそ有難うございました。
削除