これに関して,破局ソングであるという意見がありました。恋人が別れてお互い仲の悪い兄弟姉妹のようになるという説です。確かにこの説,見かけより説得力があるとは思うのですが,完全に腑に落ちるかとというとそうでもない。
そこで別の解釈が出るまで待っていたところ,やっとこれならと思えるものが見つかりました。つまり,かつて付き合っていた主人公とその相手は,恋愛感情は失われたものの,友情はそのままで兄弟姉妹のような関係になっているんだとか。なるほどそうかもしれません。
The song title, 'The Mother We Share' implies the protagonist and the second person in the lyrics are siblings bur the song doesn't sound so. So what's the song about?
Someone says it's about a breakup. That makes the couple hate each other like as some brother and sister do. I think the explanation isn't ridiculous as it may sound but not compelling enough to make me convinced completely.
So I waited for another interpretation and finally found one which makes sense to me. The protagonist and the second person used to be together but gradually they fell apart but stayed friends, feeling like they're siblings. OK, that makes some sense to me.
The Mother We Share (CHVRCHES)
I keep my lips shut tight, until you go-o-oh
We've come as far as we’re ever gonna get
Until you realize, that you should go-o-oh
I’m in misery where you can seem as old as your omens
And the mother we share will never keep your proud head from falling *
The way is long but you can make it easy on me
And the mother we share will never keep our cold hearts from calling
In the dead of night, I’m the only one here
And I will cover you, until you go-o-oh
Cause if I told the truth, I will always be free
And keep a prize with me, until you go-o-oh **
I’m in misery where you can seem as old as your omens
And the mother we share will never keep your proud head from falling
The way is long but you can make it easy on me
And the mother we share will never keep our cold hearts from calling
Into the night, for once we’re the only ones left
I bet you even know, where we could go-o-oh
And when it all fucks up, you put your head in my hands
It’s a souvenir for when you go-o-oh
I’m in misery where you can seem as old as your omens
And the mother we share will never keep your proud head from falling
The way is long but you can make it easy on me
And the mother we share will never keep our cold hearts from calling
ずっとあなたの味方だったし
悪く言ったこともなかったでしょ?
これからだって変わらない
何も言わないよ
あなたがここにいるんなら
結局はこうなっちゃったけど
それは自然のなりゆきだから
別れた方がいいって思ったら
もう好きにしていいんだよ
今はひどい状態だけど
ずっとこうなるような気もしてた
2人が実の「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
こんな結末は残念だけど *
避けられないことなんだ
そうなるまでにはまだ色々あると思うけど
私がいるから大丈夫
悩まなくていいようにしてあげる
だけど2人が「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
2人のあの熱い想いは冷めちゃったの
だから仕方ないことなんだ
辛いことがあった時は
ここに戻ってくればいい
私だけはどこにもいかないで
ちゃんと守ってあげるから
あなたがここにいる間は
だって本当のことを言うだけで
いつでも自由になれるんだし
大切なあの思い出もなくならない
これからもずっと私のもの **
あなたがここにいる間は
今はひどい状態だけど
ずっとこうなるような気もしてた
2人が実の「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
こんな結末は残念だけど
避けられないことなんだ
そうなるまでにはまだ色々あると思うけど
私がいるから大丈夫
悩まなくていいようにしてあげる
だけど2人が「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
2人のあの熱い想いは冷めちゃったの
だから仕方ないことなんだ
これから辛いことが起こりそう
だけど今度だけは2人でどうにかするしかないの
わかってるんでしょ?
2人がこれからどうなるかって
だけど何かひどい失敗をした時は
頭をこの手に預けて甘えて来て
ちゃんと優しくしてあげるから
そうすれば,あなたがいなくなってしまっても
そのことが私の大切な思い出になってくれるから
今はひどい状態だけど
ずっとこうなるような気もしてた
2人が実の「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
こんな結末は残念だけど
避けられないことなんだ
そうなるまでにはまだ色々あると思うけど
私がいるから大丈夫
悩まなくていいようにしてあげる
だけど2人が「きょうだい」で
母親が必死に頑張ったって
どうしようもないこともある
2人のあの熱い想いは冷めちゃったの
だから仕方ないことなんだ
(補足)
* And keep a prize with me このprizeは直訳すれば「賞品」ですが,それでは全く意味が通じません。おそらく「大切な価値のあるもの」という意味だと思われるので「大切な思い出」と訳してあります。
** keep your proud head from falling
この箇所,最初は頭がそのまま落ちるのかと思ってしまいましたが,おそらく「うなだれる」という意味のような気がします。
(余談)
大変でした。この曲を初めて聴いたのは昨年の暮れ。曲自体はすぐに気に入ったので取り上げたいと思ったものの,歌詞を見ても意味がさっぱり。とりわけAnd the mother we share will never keep your proud head from fallingの箇所が曲者で,そのまま額面通り取るとインセスト(近親相姦)の曲ということになってしまいます。実際,ネイティヴでもそのように考える人はいますが,私はこれは,「きょうだいのような強い結びつきはあるが恋愛関係ではない」というメタファーであると思っています。
ところでリード文でも述べたこの「友情」説ですが,実はこの説を知ったのは最近ではありません。2・3か月前にはすでに気付いていて,その観点から改めて歌詞を読んでみたのですが,それでも内容がいまひとつ掴み切れず,ワインよろしくいわゆる「寝かし」に入っていました。
ただ歌詞の内容が掴める時というのは不思議で,ある日突然,映画のワンシーンのように歌詞の世界が眼前に広がってきます。この曲の場合もつい先日,たまたま歌詞を読み返してみたところ,すぐにイメージが浮かんできたので今回投稿することができました。
ここ本館で取り上げる曲の中でこの手の曲は比較的珍しい方でしょう。既に取り上げた曲のなかでこの系列に属するものとしては,JourneyのSeparate Waysがすぐに思い浮かびますが,この曲よりもかなり主人公の「未練」を感じます。相手からやり直そうと言われれば,即OKしそうです。
これに対して,この曲の場合は主人公が悟りきっています。おそらく相手からやり直そうと言われても彼女は断るでしょう。
このように主人公が完全に幕を引いている曲は他にいくつもあるのですが,そのほとんどが「こんなヤツに引っかかるなんて・・・。次いこ次」なのですが,この曲が異彩を放っているのは,相手を全く恨んでいない点です。曲自体が美しいのは言うまでもありませんが,そういう意味でも投稿に値する曲だと思います。
(追記)
改めてこの曲を聴きながら思ったのですが,the mother we shareは2人で過ごした時間の幸せな思い出なのかもしれません。
この曲の歌詞をずっと知りたいと思っていたので、意味が分かり、
返信削除とても嬉しかったです。
ありがとうございます!
最初にCHVRCHESを知ったとき、月並みですが「U」ではなくなぜ「V」?と思いました。しかしその「なぜそこにV」問題にどうもデジャヴを感じてしまい記憶をさらってみたところ「BVLGARI」でした。確かブルガリはまだUがなかった時代の表記だった気がしますが、CHVRCHESは単に検索時に他に紛れないように変えたらしいですね。
返信削除確かにchvまで入れた時点で確かに予測ワードは全てCHVRCHES関連になりますが、chuだと「中日ドラゴンズ」筆頭の和風なラインナップ。本来の意図とはややズレている気もしますが、極東の日本でも「V」がしっかり仕事をしている模様です。
賛同者は少ないかもしれませんが、CHVRCHESの音楽は秋に似合う気がして最近よく聴いています。ギターがギュイーンと唸ってるのでもなく、アコースティックの穏やかなのでもなく、こういう分かりやすく人工っぽい音でできていて(かつダンサブル、アッパーな方向性に行かず)ちょい暗めなのが個人的には秋にしっくりきます。
それにしてもLauren Mayberryの肺活量の少なそうな儚い感じの声、ルックス、やってる音楽がうまくハマっている気がします。
まあ回りくどい文言を取っ払うと、かわいいなあ…という心の声が残るような気がしないでもないのですが。
コメントありがとうございます。特にどちらとは申しませんが,様々な「ツボ」がロメオ様とは大変近いような気がするのは私だけでしょうか。
削除ところで,このグループ,ScotlandのGlasgow出身なのですが,友人曰く「今までScotlandのアーティストは歌が上手いと思っていたが,この女性ヴォーカルはその概念(偏見)を見事に打ち砕いた。このグループの良さはいわゆるヘタウマ」と,身も蓋もない評価をしておりました。
とはいうものの,音楽に限らずアートというものは「何故かわからないが妙にいい」が身上だと思っているので,そういう意味で言えば,彼らこそがアーティストのあるべき姿なのかもしれません。
こんにちは。いつも丁寧に返信くださりありがとうございます、恐縮です。コメントも盛況のようですし一往復以上は基本反則と思っておりますが、今回はお許しください。
削除その昔、サザンオールスターズをこよなく愛している知人に、「冷静に考えて、あの声であの歌い方でここまで幅広く人気があって音楽シーンのど真ん中で成功してるって不思議なんだけど…」と尋ねたところ、「言われればそんな気もするけど、あの声であの歌い方だからサザンなんだし」と言われたことを思い出しました。「あの声であの歌い方だからサザン」というのはそもそもの因果としては順序が変なのですが、それが真理な気もして印象に残っています。
それに、「よく分からないけどいい」状態の方が味わえるものが多いのかもしれませんね。言葉で説明すると収まりがついて自己満足はできますが、そこからこぼれたものが裁ちばさみで切り落としたみたいに一気に見えなくなりますし。反省しよう…(笑)
今日からは、Don't think, FEEL ! と書にしたためて床の間に飾り、まっさらな心で聴くことにします。
しきりに聞こえる、まっさらな領域などもはや残っていないのでは?という天の声はとりあえず無視する方向で…。
コメントありがとうございます。その「よくわからないけれどいい」ものの正体が外在・定量化できれば,私もDavid Guettaよろしく,今頃は左ウチワなのですが,なかなかそう上手くはいかないのが世の中でございましょう。
削除それはともかく,Don't think, FEEL ! と伺い,真っ先にJustin Bieberが浮かんでしまったのは,彼が中国でヌンチャクを振り回したという記事をどこかで目にしたためだと思われます。
最近Chvrchesを知りはまってます。
返信削除当方、53歳なんですが、、最初の印象は可愛いYAZOOでしたが(古!)、歌詞はYAZOOの方が断然簡単。
ライブの方が断然いいな。
これって単に離婚の歌じゃないのかな?
返信削除だとすると「the mother we share」=「義理の母」で意味が通じるし、
「We've come as far as we’re ever gonna get 」も「(結婚という)行きつける所まで行った」
と解釈できるし。
少なくとも自分はそう解釈しています。