2013年9月3日火曜日

Bang Goes The Knighthood ザ・ディヴァイン・コメディ (The Divine Comedy)

友人のひとりにこの曲を教えられたのですが,彼女はまた別の友人から,歌詞が「面白い」とこの曲を紹介されたとか。
そもそもアーティスト名からして「The Divine Comedy (神曲)」とかなり皮肉が効いています。主人公は資産もある上流社会の人間で(おそらく美人の)妻もいて,仕事も上手くいっているのですが,SMなどの趣味にはまっています。ただこの歌詞,個人的には「面白い」と思いますが,あまりロマンティックではないですね。
One of my friends brought me to this song.  She said her friend who I don't know valued the song very much and described the lyrics as 'interesting'.
First of all, the name 'The Divine Comedy' is pretty satirical.  The protagonist is a man of upper class who is very wealthy and powerful.  He has a (probably beautiful) wife and a successful career but allows  himself the pleasure of BDSM.  Personally I find it 'interesting' but not very romantic.  
Bang Goes The Knighthood  (The Divine Comedy)
Out of the station and through the arcade
Past the antique shops of Regent's Parade
To an innocuous London adress
A quick glance around and then down the wet steps

God only knows what keeps bringing me here
Gambling with everything that I hold dear
One careless word in establishment ears
And bang goes the knighthood the wife and career

You make me feel
You make me feel something
And feeling something beats feeling nothing at all
And nothing at all is what I feel all the rest of the time
If someone sees
If someone hears something
I know it's coming the fear is making me ill
But then fear is part of the thrill

They taught me discipline at boarding school
The consequences of breaking the rules
They said we're just being cruel to be kind
As they beat me to within an inch of my life

So chain me, restrain me and teach me to kneel
Bind me and grind me beneath your high heels
Crack goes the whip, and if someone should tell
Bang goes the knighthood as-well

駅を出て商店街のアーケードを抜けて
リージェンツ・パレイドの骨董店(アンティーク・ショップ)を通り過ぎ
これといって特徴のない地味なロンドンの一角に来る
辺りを一瞥し
誰にも見られてないとわかってから
濡れた階段を下りていく

どうしてこんなところへ来てるのか
それは誰にもわからない
今あるものを失ってしまうかもしれないのに
何かの拍子にこのことが
お偉方の耳に入りでもしたら
バン!そこでなにもかも終わりになって
騎士(ナイト)の称号も,妻も,仕事も失うのに

ここでお前と一緒にいると
特別な気持ちになれるんだよ
何かを感じられる気がするから
いつもこうして負けてしまう
だって会ってない時は
こういう生きてる実感が
少しも感じられないから
この姿をもし誰かに見られたら・・・
このことが誰かの耳に入ったら・・・
じきにそうなるってわかってて
そう思うと暗い気持ちになるけど
それだけに余計スリルが増すんだよ

通ってた寄宿学校では
規律ってものを教え込まれた
ルールを破るとどうなるかって
こんなことしてるのも
お前のためだなんて言いながら
ヤツらには半殺しの目に遭わされた

だから鎖で繋いで動けなくして
それで跪くやり方を
ここで教えて欲しいんだ
縛り上げられて
そのハイヒールで踏みつけられたい
鞭の音が高らかに響いてる
万が一誰かがこのことを漏らしたら
バン!騎士(ナイト)の称号も吹っ飛ぶな

(余談)

ヤバイですね。この主人公,騎士(ナイト)の称号があるというのですから,相当に成功した人であると思われますが,よりにもよってSMにはまちゃったわけですね。

個人的には,それが小児性愛でない限り(これは絶対に許せません)自分が好むかどうかは別として,性的嗜好は個人の趣味であるので,SMだろうが女装だろうが,赤ちゃんプレイだろうが合意の上であれば好きにすればいいと思うのですが,この主人公の態度を見る限り,世間はそう見てくれないのかもしれません。

それで思い出したのですが,ルネサンス期などによく見られる「裸体の女神」や「(聖母マリアの)恍惚の表情」。子どもの頃はなぜ女神が裸でなければならないのか,そして畏れ多くもあの聖母マリアをどう見ても「怪しい」表情で描かねばならないのかがわかりませんでした。普通に考えればあまりにもバチ当たりだからです。

しかし,あれは建前上は神話や聖書のエピソードという形を取って「高尚」あるいは「崇高」な目的であるかのように見せてはいるものの,実際のところは,単にエロ画像がどうしても見たかった当時の権力者が画家に描かせたもの(少なくとも私はそう睨んでいます)。

当然「同じ趣味の友人」もいたはずで,おそらく仲間内で定期的に「神話に親しむ夕べ」とかなんとかもっともらしい会を開催しては悦にいっていたと思われます。会が終了した後は「いや,お蔭で聖書(あるいは神話)についての理解が大変深まりましたよ。また近いうちに集まって神への感謝を捧げましょう」とかなんとか言ってたに違いありません。

ところで,個人的に本家の「神曲」はいわばルネサンス期のアドベンチャー系RPG (Role Playing Game) だと思うのですが,そういう意味でこの曲とはまさに「プレイ」つながりです。

それにしても記念すべき2周年の日に,なにもよりによってこの曲にしなくてもと思わないではありません。

4 件のコメント:

  1. 二周年の節目、おめでとうございます。

    こういうのけっこう好きです。(…嗜好に共感したわけではありませんので、念のため) こういうのを歌っちゃう精神性とこういうのを取り上げちゃうこちらのサイトが、という意味です。淡々と物悲しい曲調のせいか悲劇的な末路を想像してしまうのですが、十分スリルを堪能したのですから彼も本望でしょう。それに「全てを失くし落ちぶれた自分」なんてのも次のネタに…。

    各種の「夕べ」、男という種族ならばやりそうです、確実に。そして敬虔な子羊達は万難を排して馳せ参じることでしょう。しかし色々なものが白日の下に晒されて想像の余地の少ない現代人と違って、彼らのイマジネーションは我々からすると超能力レベルのはず。言葉少なに粛々と時が過ぎ、それでいて各々大満足みたいな光景なのかもしれません。

    終盤のchain meからgrind meに至る連続攻撃に何やら寒気がするのですが、もしかして何かが目覚めようとしているのでしょうか…。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。ロメオ様がご賛同くださると百万の味方を得たような気がいたします。
      さて,英語で「寒気がする」をget a chillと言いますが,その原因には「感激・恐怖」の2つがあるため,お話しのその「寒気」がそのいずれから派生しているかで,何が目覚めようとしているのかは大きく違って参ります。
      個人的には自他ともに認める「打たれ弱い」ヤツなので,寒気の原因は後者であると確信しておりますが,だからといって「事象」としてのそれに全く興味がないとは言い切れません。
      ただ過去に好奇心の赴くままに行動し,幾度となく文字通り「痛い目」に遭ってきた経験があるだけに,自ら打って出る勇気はないため,仮にロメオ様の原因が前者であるならば,是非ともお目にかかってつぶさにお話を伺いたいところです。

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  2.  確かに面白い歌詞ですね。SMというキャッチ-なトピックが前景にあって、その後ろにずっしりと「イギリス」がある。冒頭の部分から、ロンドンの通りが映像で浮かんできます。そして、寄宿学校、騎士の称号といった、小道具がちりばめられていて、イギリス的精神が感じられる。この歌詞を書いた人はイギリスに対して、強い思いがあるに違いないと思いました。
     2周年、おめでとうございます。記念すべき2周年の日に、「歌詞がおもしろいから」という理由で、この曲。古かろうとマイナーであろうと、気に入れば取り上げる、このブログらしくて良いですね。ランチタイムの訪問者に、心の中でつい、悪態をついてしまうのをなんとかしたい、今日この頃。これからも楽しみにしています。(・・・が、ご無理をなさいませんように!)

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。既にお気づきかと存じますが,サイトのレイアウトを大幅に変更いたしました。2年前の開設当時はここまで続くとは私自身も考えておりませんでしたが,oak様をはじめ,ご覧くださる皆様のお蔭で無事2周年を迎えることができました。ありがとうございます。

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