ほとんどの日本人にとってクリスマスは,パーティやプレゼントといった華やかな行事ですが,それ以上の特別な意味はありません。しかし,これらの国々の人々にとってクリスマスは,ちょうど日本の大晦日からお正月のようなもので,家族と過ごすことが当たり前の行事です。そして,このことがわかっていると,主人公の気持ちがより理解しやすくなると思います。
I think the sentiment that we Japanese have towards Christmas isn't the same as those who are in UK and US do. Most Japanese think it's no more than a time for parties and gifts with a great deal of sparkle and glitter. To people in these countries, however, it means a lot more. Just like New Year's Eve and Holidays to us, they feel some sort of 'obligation' that people are supposed to spend time with their family.
Keeping this in mind, you'd understand what the protagonist feels a lot more easily.
Christmas In L.A. (The Killers)
Warm beach from palm December afternoon
You close your eyes
Another year blows by
Somewhere in the wind
Just another life
My parents sent a Christmas card and then it's true
We understand you're staying
And we're proud of you
There's a well-rehearsed disinterest in the atmosphere
I don't know if that's what this time gave me
Or if it lead me here
And I played so many parts
I don't know which one's really me
Don't know if I can take
Another Christmas in L.A.
Another pitcher of Sangria
In an empty beach café
Another Christmas in L.A.
Hold me tighter Carmelita
I don't know how long I can stay
Left a girl behind in my old man's truck
Sometimes I wonder where she ended up
Maybe she got married, had a couple of kids
Who do you think you're fooling man?
Of course she did
I'm walking in that tennis bar
Try and talk with Harry Dean
I don't know if I can take
Another Christmas in L.A.
Another casting call on Thursday
For a job that doesn't pay
Another Christmas in L.A.
Another burnout in a tank top
It seems your basket is the case
A fat protagonist in flip flops
With an extensive resume
From Echo Park to Catalina
Dreaming of a white Christmas
The one I used to know
Tree tops glisten, children listen
To sleigh bells in the snow
Another Christmas in L.A.
目覚めると陽の光が
部屋の中まで差し込んでた
パームビーチから続く
暖かい12月の午後の浜辺
目を閉じて考える
またこの1年が過ぎていき
どこか風の中へと消えていく
どこにでもある人生が
両親が送ってきたカードには
こっちに帰れないのは残念だけど
いいから気にしないで頑張ってね
そんな風に書いてあった
こっちではみんな念入りに準備して
クリスマスなんて関係ないって
そんな雰囲気を作り上げてる
こういう人生を選んだから仕方ないのか
だからこそここにやってきたのか
自分じゃそこがわからない
今まで色んな役をやってきて
どれが本当の自分だか
わからなくなってきた
役がもらえるかも自信がない *
クリスマスを
また今年もLAで過ごしてる
たっぷりサングリアを
人気のないビーチのカフェで
飲まなきゃとてもやってられない
今年のクリスマスも
やっぱりLAで過ごしてる
シスター,もっと強く抱きしめてください
いつまでここにいられるのか
自分じゃもうわからない
親父のトラックに
昔の彼女を置いてきた
あいつがどうなったのか
ふと気になる時がある
多分結婚して
子どもの2人くらいいたのかな
なんて考えたりもする
だけどそんなの自惚れ過ぎだよな
勿論あいつは結婚したよ
あのテニス・バーに入っていって
Harry Deanに話しかけてみる
だけど上手いくかはわからない **
クリスマスを
また今年もLAで過ごしてる
木曜日にまた別のオーティション ***
割に合わない仕事だよ
今年のクリスマスも
やっぱりLAで過ごしてる
タンクトップで疲れ切ってる
そんなやつがここにも一人
どうやら問題は
そのバスケットみたいだな ****
オーディションで出会ったヤツは
ビーサンはいたデブなのに
ヤツが持ってた履歴書には
Echo ParkからCatalinaまで及ぶほど
立派な経歴が載ってたよ
雪の降る
ホワイト・クリスマスを夢見てる
昔経験したあのクリスマス
木々のてっぺんが輝いて *****
子どもたちが
雪の中から響いてくる
そりについた鈴の音を
耳を澄ませて聞いている
なのに今年もまた
LAでクリスマスを過ごしてる
(補足)
* take (a part)として和訳しています
** take (an advice)として和訳しています
*** casting call: 世界中で適役を探すオーディション
**** ネットで散々検索したのですが,この部分のbasketが通常のバスケット(籠)なのか,あるいは別の意味(スラングで男性器という意味があります)なのかが不明です。邪心持ちなので後者であると思うのですが確信がもてないため,敢えて「バスケット」としてあります。また,basketとcaseを掛けた言葉遊びであるようにも思えますが,こちらも確証がありません。さらにbasket case(無気力な人)という言葉もあるようで,これらをすべてを含んだ意味と捉えるのが正解なのかもしれません。
***** White Christmasの歌詞がそのまま挿入されています
***** White Christmasの歌詞がそのまま挿入されています
(余談)
個人的にこの曲(歌詞)の白眉は「こっちに帰れないのは残念だけど,いいから気にしないで頑張ってね」(We understand you're staying, And we're proud of you)の部分だと思います。売れない役者の主人公と,その彼(と彼の現状)を遠くから心配しつつ見守っている両親。とりわけAnd we're proud of youの箇所が泣けます。
ところで,このミュージック・ヴィデオで主人公の「売れない役者」をやっているのがOwen Wilsonなのですが,彼はかなり「売れて」いる役者です。ただ,ここでリアルに「売れない役者」を持ってくると,余計に切なさが募ってしまい,見ている方がいたたまれないかもしれません。
個人的にこの曲(歌詞)の白眉は「こっちに帰れないのは残念だけど,いいから気にしないで頑張ってね」(We understand you're staying, And we're proud of you)の部分だと思います。売れない役者の主人公と,その彼(と彼の現状)を遠くから心配しつつ見守っている両親。とりわけAnd we're proud of youの箇所が泣けます。
ところで,このミュージック・ヴィデオで主人公の「売れない役者」をやっているのがOwen Wilsonなのですが,彼はかなり「売れて」いる役者です。ただ,ここでリアルに「売れない役者」を持ってくると,余計に切なさが募ってしまい,見ている方がいたたまれないかもしれません。
久々にここを拝見させていただき、ふと気になったフレーズがあってYouTubeを再生しました。そしてそのあとに余談を読み、管理人さんと同じフレーズに惹かれたことに気づきましたw
返信削除私はまだ学生の身分ですが、社会に出るというのはこういうことなんですかね。ご紹介ありがとうございました。
コメントありがとうございます。私がこの箇所に惹かれたのは,家族(おそらく両親)が,主人公の実際の境遇を本当は知っていながら,それでも弱みを見せられない彼の気持ちを察し,敢えて騙されたフリをしてくれていると感じたからです。たった2行で彼の現状のみならず,その家族の人柄まで想像させる非常に優れた描写だと思います。
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