2013年12月2日月曜日

Off He Goes パール・ジャム (Pearl Jam)

2001年Spin OnlineのインタヴューにEddie Vedderが答えたところによると「この曲Off He Goesは実際には自分のことで,自分がいかにひどい友達かということを歌ったもの。突然現れて盛り上がってまた突然いなくなるから。」ということらしい。
ただ中にはこの曲が,彼の叔父のNeil Diamondのことを歌っていると考える人もいますし,また,. ロック・バンドAlice in Chains のリード・シンガーで共同ソングライターであり,鬱と薬物依存に悩まされ,若くして2002年に亡くなったLayne Stanleyのことを歌っていると考える人もいます。
いずれにせよ,仮に様々な解釈が可能で具体的に過ぎないことが名曲の条件であるなら,この曲には間違いなくその資格があります。
In a 2001 Spin Online interview, Eddie Vedder said, "The song 'Off He Goes' is really about me being a s--t friend. I'll show up and everything's great and then all of the sudden I'm outta there."  Some believe, however, it's about his uncle Neil Diamond.  Others think it's about Layne Staley who was served as the lead singer and co-songwriter of the rock band Alice in Chains and struggled with depression and severe drug addiction until his early demise in 2002.
Anyway, if being open to an interpretation and not being too specific is essential for a great  song, this would be definitely qualified as such.
Off He Goes  (Pearl Jam)
1, 2, 1, 2...
know a man, his face seems pulled and tense
like he's riding on a motorbike in the strongest winds
so I approach with tact
suggest that he should relax
but he's always moving much too fast

said he'll see me on the flip side
on this trip he's taken for a ride
he's been taking too much on
there he goes with his perfectly unkept clothes
there he goes...

he's yet to come back
but I've seen his picture
it doesn't look the same up on the rack
we go way back
i wonder about his insides
its like his thoughts are too big for his size

he's been taken... where, I don't know?
off he goes with his perfectly unkept hope
and there he goes...

and now I rub my eyes, for he has returned
seems my preconceptions are what should have been burned
for he still smiles...
and he's still strong
nothing's changed, but the surrounding bullshit that has grown

and now he's home
and we're laughing like we always did
my same old, same old friend
until a quarter-to-ten
I saw the strain creep in
he seems distracted and I know just what is gonna happen next
before his first step
he's off again

1, 2, 1, 2...
あいつのことは知っている
固く厳しい表情をして
強い向かい風のなか
バイクを飛ばしてるような
そんな顔をしてるヤツだ
だから愛想よく近づいて
リラックスしろよと言ったけど
ヤツはとにかく四六時中
せわしなく動き回ってる

また今度なと言われたよ
乗せられて連れてこられたこの旅で
あいつはとにかくやりすぎてる
ほら見ろよ,あいつのだらしない格好を
ほら・・・

(また今度なと言われたけど)
あいつはまだ戻ってこない
写真はずっと見てるけど
ラックに並んでると
同じ人間には見えないよ
お互い昔からの友達だから
ふと思うんだよ
あいつの頭のなかは
一体どうなってんだって
あいつの考えることが
実際のあいつって人間よりも
はるかに大きくて
収まりきらない気がするんだよ

あいつは他の世界へ行っちゃったんだよ
それがどこかはわからない
あいつが来たよ 取りとめもない希望を胸に
ほら・・・

思わず目を疑ったよ
あいつがここへ戻ってきたから
今まであんな風に思ってたことを
なかったことにしたいくらい
本当に申し訳なく思えたよ
あいつがまだ笑ってるから
昔と変わらず元気だし
本当は何一つ変わってない
ただ周りの状況がひどくなってるだけなんだ

ようやくあいつが戻ってきて
前みたいに一緒に笑い合ってる
昔からの友達なんだ
ただ9時45分が近づくと
ちょっと雰囲気が変わってきた
あいつがソワソワし始めたから
どうなるかってことはわかってたけど
足を踏み出したかと思ったら
またあっという間にあいつは消えた

(余談)

以前どこかで「友達にも賞味期限はある」というフレーズを読み,なるほどなと納得したことがあります。

確かに「最初から最後までずっと変わらず友達」というのが理想なのかもしれませんが,人間が良くも悪くも「変わっていくもの」だと考えれば,それはなかなかに難しい。自分のことを考えてみても,子ども時代とはかなりの部分が変わっています。仮に当時の自分自身に会ったとしても,今は到底友達にはなれないでしょう。他の人間ならなおさらです。

ただし,だからといってそれが悲しむべきことなのかというとそういうわけでもない。例えば,その変わり方が逆のベクトルに働き,昔なら(様々な意味で)まず友達にはなれなかった人物と友達になれる場合もあります。

そういえば,Of Monsters and MenはLittle Talksの中で「昔の自分と今の自分,どっちの自分が「本当の自分」なのかは決められないけど,それでも『人生』っていう船に乗ってる限り,いずれ目的地に着くんだから」(Though the truth may vary, This ship will carry, Our bodies safe to shore)と歌っています。http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/04/little-talks-of-monsters-and-men.html

ひょっとしたら人生は川のようなもので,常に真っ直ぐに流れていくわけではなく,右に左にと蛇行しながら,途中で様々な支流と合流し,時には別れ,そして最終的に海に出るものなのかもしれません。

ただ海に出た後でまた「三途の川」を渡らなきゃならないんですよね・・・・。

2 件のコメント:

  1. 大変良い歌詞と、一考察を拝読させて頂きました。
    たまたま知ったネットラジオの「Pearl Jam Radio」を昨年聞いて以来、約20年遅れで狂っております。まさか42歳にして、大学時代に存在を知りつつも、その良さを理解できなかった人間が、ここまでフリークになるとは思っても見ませんでした。
    これも彼らの長年に渡る活動の賜物なのでしょうね。
    もしよろしければ、PJの最新の情報とかございましたら、お教え下さい。

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    1. コメントありがとうございます。音楽情報にはあまり詳しくないのでお役に立てるかどうかわかりませんし,この方法は既にご存じかもしれませんが,Googleで「pearl jam」と入力し,検索ツールの「時間」で「ここ一週間」を選択して検索すると(英語ですが)最新の情報がヒットします。そちらをご覧になってみてはいかがでしょうか?

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