2013年12月29日日曜日

Sacrilege ヤー・ヤー・ヤーズ (Yeah Yeah Yeahs)

不思議なことに,英語の単語のなかには,他のものより簡単に頭に入ってしまうものがあり,その大半が自分の人生ではおそらく使うことはないと思われるものです。難し過ぎて使いにくいものもあれば,エロすぎて使えないものもあります。
ところで,Oxford Advanced Learner's Dictionaryでは,タイトルのこのSacrilege(神聖を汚す行為,冒涜)を「神聖なものや場所を敬意を欠いたやりかたで扱うこと」と定義しています。日常会話で頻繁に使うような単語ではないと思うのですが,この曲でしつこく繰り返されるので覚えてしまいました。「多分使わない単語」リストの単語がまたひとつ増えました・・・。
It's funny that some English words are entrenched in my mind much more easily than others.  Most of them are words that I would never have a chance to use in my life.  Some are too large or pedantic and some are too dirty.
Anyway, Oxford Advanced Learner's Dictionary defines the title, Sacrilege as "an act of treating a holy thing or place without respect."  I don't think it's not a word we commonly use in our daily conversations.  In the song, however, the word's repeated so persistently that I could remember it.  Now I add a new word to my 'word-that-I-will-probably-never-use' list.
Sacrilege  (Yeah Yeah Yeahs)
Fallen for a guy,
Fell down from the sky
Halo round his head
Feathers in our bed
In our bed, in our bed

Fallen for a guy,
Fell down from the sky
Halo round his head
Feathers in our bed
In our bed, in our bed

It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say

Asked if I would try
To leave this all behind
Halo round his head
Dreaming in our bed
In our bed, in our bed

It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say
It's sacrilege, sacrilege, sacrilege, you say

And I plead and I pray
And I plead and I pray
And I plead and I pray
And I plead and I pray

ある男に夢中になった
空の上から落ちてきた
その人の頭の周りには
輝く輪っかが乗っかってて
一緒に寝てるベッドの上には
羽根がいくつも散らばってる
2人が眠る1つのベッドに

ある男に夢中になった
空の上から落ちてきた
その人の頭の周りには
輝く輪っかが乗っかってて
一緒に寝てるベッドの上には
羽根がいくつも散らばってる
2人が眠る1つのベッドに

そんなのは神に対する冒涜で
やっちゃいけないことだって
いうんでしょ?

聞かれたの 
その時はこのことを
なにもかも
なかったことにするかって
その人の頭の周りには
輝く輪っかが乗っかってて
一緒に寝てるベッドの中で
今もこうして夢見てる
2人が眠る1つのベッドで

そんなのは神に対する冒涜で
やっちゃいけないことだって
いうんでしょ?

だからこうして頼んで祈ってるの

(余談)

このミュージック・ヴィデオ,最初は意味がわからなかったのですが,どうやら時系列が逆になっていて,ヴィデオの最初は話の最後,ヴィデオの最後が話の最初ということらしい。

曲の歌詞自体からは様々な解釈が可能ですが,今回はこのヴィデオの文脈にもとづいて和訳しています。ヴィデオのストーリーを簡単に説明するとこうなります。

ある女性(主人公)がある男性と結婚したが,彼女は(結婚した身でありながら)その後にコミュニティの様々な人間とも関係を持ったばかりか,自分の結婚式を執り行った神父とも関係をもってしまう。ほどなくそのことがコミュニティのリーダーの知るところになり(このリーダーも彼女と関係をもっている),主人公は神父と共に狩られて火あぶりにされる。そして処刑が終わった後,コミュニティのメンバーは何事もなかったかのように日常に戻っていく。ヴィデオのテーマは「魔女裁判」あるいは「偽善」でしょう。

このように考えていくと,歌詞に登場する「天使」(空の上から落ちてきた,その人の頭の周りには,輝く輪っかが乗っかってて,一緒に寝てるベッドの上には,羽根がいくつも散らばってる)は,主人公と関係を持った「神父」を指し,タイトルのsacrilegeには「神父としての禁欲の誓いを破った」と「結婚の誓いを破った」という2つの意味があるように思われます。


2 件のコメント:

  1. Tamaya2013年12月31日 23:11

    私も最初にこのPVを見た時はまったく意味がわからなかったです。主人に言われてようやく理解しました。Sacrilegeは聴きなれない単語だなと思ったのですがそういう意味があったのですね。テーマは「魔女裁判」というより「偽善」の意味合いがつよいように感じました。もちろん個人的な意見です。
    ところで、今年もあともう少し。来年も今年以上に素敵な洋楽にであえますように。
    来年も記事を楽しみにしてます。

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  2. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。ヴィデオの曲のテーマは個人的には「偽善」だと思っておりますが,作りは明らかに「魔女裁判」です。ただ後者の本質は前者なので,最終的には同じことではないかと思います。
    昨年のうちにお返事を差し上げられず,年をまたいでしまいましたが,今年もよろしくお願いいたします。

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