2013年12月23日月曜日

Sweater Weather ザ・ネイバーフッド (The Neighbourhood)

この曲一見しただけではただの美しいラヴ・ソングです。恋してお互いに夢中になり他には何も目に入らない状態になっている。これがこの歌詞を最初に読んだ時の感想でした。なんとなくMaroon 5のSunday Morningを思い出しました。
そのため,当初私は歌詞に登場する「あいつ(she)」は,相手のことを表しているのだと思っていました。主人公が相手ではなく,聴き手である我々に向かって語りかけているのでそうなっているのだと思ったわけです。
ところがここにヒネリがあります。もし,この「あいつ(she)」が本当に主人公でもない,その相手でもない,本当の第三者だったらどうでしょうか?その場合,曲の全容が一変します。ただのラヴ・ソングと思えたものが,一転して浮気の告白になるからです。
At a glance, it looks like a beautiful love song.  A couple is in love and they're infatuated by each other.  All they see is their partner.  That's what I thought when I first read the lyrics.  It somehow reminded me of Maroon 5's Sunday Morning.
At first, I believed 'she' in the lyrics represented the second person.  The protagonist is talking to us not to the second person and referring her as the third person.
Here's a twist.  What if 'she' literally represents the third person, then?  That changes the whole perspective of this song.  It turns out to be some sort of confession of an infidelity, or a cheat.
Sweater Weather  (The Neighbourhood)
All I am is a man
I want the world in my hands
I hate the beach
But I stand
In California with my toes in the sand
Use the sleeves of my sweater
Let's have an adventure
Head in the clouds but my gravity's centered
Touch my neck and I'll touch yours
You in those little high-waisted shorts, oh

She knows what I think about
And what I think about
One love, two mouths
One love, one house
No shirt, no blouse
Just us, you find out
Nothing that I wouldn't wanna tell you about, no

'Cause it's too cold
For you here and now
So let me hold
Both your hands in the holes of my sweater

And if I may just take your breath away
I don't mind if there's not much to say
Sometimes the silence guides our minds
So move to a place so far away
The goose bumps start to raise
The minute that my left hand meets your waist
And then I watch your face
Put my finger on your tongue
'Cause you love to taste, yeah

These hearts adore
Everyone the other beats hardest for
Inside this place is warm
Outside it starts to pour

Coming down
One love, two mouths
One love, one house
No shirt, no blouse
Just us, you find out
Nothing that I really wanna tell you about, no, no, no

[2x]
'Cause it's too cold
For you here and now
So let me hold
Both your hands in the holes of my sweater

Whoa, whoa...
Whoa, whoa... whoa
Whoa, whoa... [2x]

'Cause it's too cold
For you here and now
So let me hold
Both your hands in the holes of my sweater

It's too cold
For you here and now
Let me hold
Both your hands in the holes of my sweater

It's too cold,
It's too cold
The holes of my sweater...

俺はただの男なんだよ
思い通りになんでもしたいし
海辺なんか真っ平なんだ
でも今はこうやって
カリフォルニアの浜辺の砂に
こうして足を埋めてる
今着てるこのセーターの袖を使って
ちょっとした冒険をしよう
こんな風にちょっとした夢はみてるけど
それでも現実は忘れない
その手でこの首に触れてくれ 
俺もお前にそうするから
ウエストまである
あの小さなショート・パンツを
はいてるお前に

考えることなんて
あいつにかかればお見通しだけど
今この頭にあるのは
ひとつの愛,2人の人間
ひとつの愛,ひとつの家
シャツもブラウスも身に着けず
2人っきりだ
だけどお前にはわからない
俺が言わなきゃ
なにひとつ

だって冷たすぎるだろ?
今こんな状態の時に
そんなこと言うなんて
だからほら出せよ
お前の手を両方とも
そしてこのセーターに開いている
穴の中で温めろ

お前をドキっとさせたいんだよ
大して話なんてしなくても
何も言わない方が
気持が固まることもある
だからもっと遠くまで行こう
鳥肌が立ち始める
左手でその腰に触れた瞬間
それから顔をじっと見て
舌にこの指を乗せてやる
だってお前はそうやって
試してみるのが好きだから

こういう人間は
他人が大事にしてる人間なら
どんな相手にだって夢中になる
この中にいれば温かいけど
外は大雨が降りだしてる

結局のところ
ひとつの愛,2人の人間
ひとつの愛,ひとつの家
シャツもブラウスも身に着けず
2人っきりだ
お前にはわからない
俺が言わなきゃ
なにひとつ

[2x]
だって冷たすぎるだろ?
今こんな状態の時に
そんなこと言うなんて
だからほら出せよ
お前の手を両方とも
そしてこのセーターに開いている
穴の中で温めろ

だって酷すぎるだろ?
今こんな状態の時に
そんなこと言うなんて
だからほら出せよ
お前の手を両方とも
そしてこのセーターに開いている
穴の中で温めろ

あんまりだろ?
今こんな状態の時に
そんなこと言うなんて
だからほら出せよ
お前の手を両方とも
そしてこのセーターに開いている
穴の中で温めろ

冷たすぎるし
酷すぎる
だからこのセーターの穴の中で・・・

だからほら出せよ
お前の手を両方とも
そしてこのセーターに開いている
穴の中で温めろ

(余談)

この曲の内容については「美しいラヴ・ソング」系のもの(気持を打ち明けられないシャイな男性がわざと相手を寒い場所につれていって手を握ろうとする・ホームレス同士の恋)というものから,冒頭でお話しした「二股疑惑(あるいは不倫疑惑)」系のものまで様々です。

そして,どの解釈を取るかを決定する上で,最も重要な部分だと思われるのがこの「セーターの袖に開いている穴」(the holes of my sweater)の「原因」です。

通常「セーターの袖に開いている穴」と聞くと,我々はその原因が①虫食いあるいは②擦り切れであり,したがって主人公の着ているセーターが古いという結論づけてしまいがちですが,考えてみれば,セーターの袖に穴が開くのは,なにも①虫食いや②擦り切れだけが原因とは限りません。穴の原因が③タバコの焦げというセンも考えられますし,今日なら④ダメージ加工というセンもあるでしょう。

仮に穴の原因が,①あるいは②であった場合,前述の「シャイなヤツ」あるいは「ホームレス」といった主人公像が俄然説得力を持ちます。逆に④であった場合,敢えてダメージ加工のセーターを買うのですから,主人公はかなりファッションに関心があると考えられるため「二股」に説得力が出てきます。また③である場合,それしかなくて着ている場合は「ホームレス」,敢えてそのセーターを着ている場合は,ロケンロールな主人公像が浮かぶので「二股」のセンも浮上してきます。

個人的には,歌詞としては成立しにくいものの,前述の「ホームレス同士の恋」という解釈が面白いと思っています。ミュージック・ヴィデオの内容を見る限り,まずありえないとは思われるのですが,同時に筋が通る解釈であるのも事実です。

なにしろそう考えると「セーターの袖に開いている穴」「ひとつの愛,ひとつの家」「シャツもブラウスも身に着けず」「この中にいれば温かいけど,外は大雨が降りだしてる」の箇所に無駄に説得力が生まれます。

ただ本当にそうだとすると,ミュージック・ヴィデオの内容とは裏腹に,かなり社会派の曲ということになりますね。

6 件のコメント:

  1. 最近こちらのブログを見つけました
    他サイトではあまりみないLana Del ReyやBrunoの和訳を載せてくださっているのでとてもありがたいです。

    このSweater Weatherは初めて聞いたのですが、いいですね
    うp主さんがホームレス同士の恋と解釈されていて「想像力豊!」って思っちゃいましたww
    私は、「冷め切った不倫関係」かなと思いました。
    セーターに穴が開いてるのは喧嘩してときに開いた穴で、二人は喧嘩した直後でお互い無言だけど身を寄せ合い、冷たくなった彼女に「このセーターに開いてる穴~」って言ったのかなぁって想像しました。
    「考えるなんてあいつに掛かれば~」は浮気を知っている奥さんか彼女のことかなと...
    曲の背景を考えるのは楽しいですねw
    長々とすいません

    後、このアーティストの「Let it Go」を和訳して欲しいと思います。
    MVを見ると「何これ!? どんな曲なの???」と気になってしまって....
    よろしくお願いします

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    1. コメントありがとうございます。まず最初に申し上げたいのですが「ホームレス同士の恋」という解釈は,私個人が考え出したものではなく,海外の歌詞サイトにあったものです。可能性は低いものの,面白いのでご紹介しておりますが,私の解釈は,リード文でも述べているようにあくまでも「不倫疑惑」であり,訳文もその解釈を基に作っております。
      また,リクエストにについては,従前からページ右上の「お知らせ並びにお願い」で申し上げている通り,現在一切受け付けておりません。したがって,大変申し訳ないのですが,他の方との公平を保つため(仮に私が気に入ったとしても)お話しの曲を今後取り上げることはできなくなりました。

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  2. この曲がすごくすきで、毎日聞いています。
    このサイトで和訳されないかなあ~と、
    勝手ながら、ひそかに期待していたのでとても嬉しいです!!!
    本当に本当に、ありがとうございます。いつも楽しませていただいております♪

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  3. ときどき覗かせてもらってます。
    The NeighbourhoodのPVはほぼENDSという二人組がつくっていますが、この曲には実はオリジナルのPVがあります。
    オリジナルのほうが曲と合っていて解釈がしやすいと思います。

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    1. コメント並びに詳しい情報をありがとうございます。オリジナルのヴィデオがあるとは存じませんでした。今後機会があれば探してみたいと思います。

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  4. いつもこちらを利用させてもらっています。
    他のサイトと違い、複数の解釈を載せてくださってるのでいろんな解釈の仕方が出来て、見ていてとても楽しいです。
    今後も利用させていただきます。

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