2014年3月22日土曜日

Far From Any Road ハンサム・ファミリー (Handsome Family)

この曲はアメリカの犯罪ドラマTrue Detectiveに使われています。この歌詞をメタファーと取る説もありますが,むしろ文字通りに捉える説もあって,それによると,最初の連では,男性が砂漠に来た男性の指にうっかりサボテンの棘が刺さってしまい,なんらかの毒のせいで意識不明になってしまいます。次の連では,女性がサボテンの開花を見にやってきた女性がやはりサボテンの上に倒れ込んでしまい,そこでその男性に気付くものの,やはり意識を失ってしまいます。最終的にこれから2人はヤマネコの餌食になってしまうという内容です。多少ゾッとする内容ですが説得力はあります。
The song is used for an TV crime drama, True Detective.  It could be taken rather metaphorically but some take it more literally.  In the first verse, a man comes to a desert and accidentally get his finger on a cactus spine.  He falls unconscious because of some poison.  Then a woman comes to the place to see the cactus bloom.  She also falls down to the cactus and finds the man there but also falls unconscious in the second verse.  They will be both preyed by mountain cats.  I may sound a bit grusome but convincing.
Far From Any Road  (Handsome Family)
From the dusty mesa
Her looming shadow grows
Hidden in the branches of the poison creosote
She twines her spines up slowly
Towards the boiling sun
And when I touched her skin
My fingers ran with blood

In the hushing dusk under a swollen silver moon
I came walking with the wind to watch the cactus bloom
A strange hunger haunted me, the looming shadows danced.
I fell down to the thorny brush and felt a trembling hand.

When the last light warms the rocks
And the rattlesnakes unfold
Mountain cats will come to drag away your bones

And rise with me forever
Across the silent sand
And the stars will be your eyes
And the wind will be my hands

埃っぽい台地から
ぼんやりとしたその影が伸びている
毒のあるメキシコハマビシの
大枝の間に隠れるように
トゲを巻き付けながら
うだるような太陽を目指して
ゆっくりと成長していく
その表面に指が触れると
そこから鮮血が流れ出す

静かな夕暮れ時
大きく膨らんだ
銀の月が浮かぶ頃
風に吹かれながら
サボテンが花をつけるのを
見ようとここへやってきた
わけもなくお腹が空いてしかたない
長く伸びたその影法師が
風に吹かれて揺れている
棘のあるブラシの上に倒れ込むと
そこには震える手があった

そしてその日最後の光が
岩肌に照りつけて
ガラガラヘビが目を覚ます頃
ヤマネコたちがやってきて
その骨を
引きずりって行くだろう

だけど一緒によみがえろう
音もなく広がる砂漠の至るところで
その時は星がお前の瞳になり
風がこの手になるだろう

(余談)

この歌詞の構成を見ると,あのStingのI Burn For Youを思い出します。連が進むにつれ,時間が経過していくからです。http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/12/i-burn-for-you-sting.html

例えば,この曲の場合「うだるような太陽を目指して」(Towards the boiling sun)という箇所から推測して,第一連は「日中」ですが,第二連は「静かな夕暮れ時,大きく膨らんだ,銀の月が浮かぶ頃」(In the hushing dusk under a swollen silver moon)とあることからもわかるように,夕暮れ時になっています。

これに対して,第三連では「そしてその日最後の光が,岩肌に照りつけて,ガラガラヘビが目を覚ます頃」(When the last light warms the rocks, And the rattlesnakes unfold)となっているため,すでに日は沈んでいると考えてよいでしょう。変温動物であるガラガラヘビは砂漠では日中には活動できないと思われるためです。

これらのことからこの歌詞は時系列に進行していることがわかります。そこにpoison cresoteやcactus bloom(サボテンのなかには数年に一度数時間しか花をつけないものもあるとか)などのカギを絡めて考えると,リード文で述べたような解釈が説得力をもってきます。

その辺の犯罪ドラマに引けを取らないほど,謎とヒントの散りばめられた歌詞で,そう考えればこの曲がTrue Detectiveに使われているのも当然なのかもしれません。

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