2014年4月16日水曜日

Sing エド・シーラン (Ed Sheeran)

鳥の雛は孵化後すぐに見たものを自分の親だと認識し,その対象につきしたがうことによって,そこから特徴的な行動を学んでいきますが,これを「刷り込み」といいます。
鳥の場合,この刷り込みの臨界期(the critical period)は生後13~15時間だと言われていますが,人間の場合はもう少し長いでしょう。
それはともかく,Singというこの曲のタイトルは,通常「歌う(=音楽的な音を出す)」という意味ですが,本館を始めてから20か月の間に「思わせぶり」な曲を取り上げ過ぎたため,世の中を「ある方向」から見てしまうようになりました。どうしても「この場合は違うだろ」という声が頭の奥から聞こえてしまいます。・・・すでにかなり「刷り込まれ」てしまっているようです。
Bird chicks are wired to recognize and accept anything moving they see shortly after hatching as their parent.  They learn their characteristic behavior by following them.  It's called "imprinting".
For birds case, the critical period in which imprinting is possible is said about 13 to 15 hours after hatching.  I think it would be much longer in humans.
By the way, The song title is "Sing" and the word usually means "to produce the musical sound of".   In these 20 months, however, I've been bombarded with so many sexually suggestive songs, which caused me to see the world in a certain way.  Now something deep inside keeps telling me that's not true in this case.  I guess I've already heavily imprinted.  
Sing  (Ed Sheeran)
It’s late in the evening
Glass on the side now
I’ve been sat with you
For most of the night
Ignoring everybody here
We wish they would disappear
So maybe we could get down now
And I don’t wanna know
If you’re getting ahead of the program
I want you to be mine, lady
To hold your body close
Take another step into the no-man’s land
For the longest time lady

I need you darling
Come on set the tone
If you feel you’re falling
Won’t you let me know
If you love me come on get involved
Feel it rushing through you from your head to toe

Sing!
Louder!
Sing!

This love is a blaze
I saw flames from the side of the stage
And the firebrigade comes in a couple of days
Until then we got nothing to say and nothing to know
But something to drink and maybe something to smoke
Let it go until I roll with the chain
Singing we found love in a local rave
I don’t really know what I’m supposed to say but I can just figure it out and hope and pray
I told them my name and said it’s nice to meet ya and then she handed me of a bottle of water filled with tequila
I already know she’s a keeper
Just from this one small act of kindness, I’m in deep
If anybody finds out I’m meant to drive home but i took all of it now I'm not sobering up
We just sit on the couch one thing led to another now she's kissing my mouth

I need you darling
Come on set the tone
If you feel you’re falling
Won’t you let me know
If you love me come on get involved
Feel it rushing through you from your head to toe

Sing!
Louder!
Sing!

Can you feel it? All the guys in here don’t really wanna dance
Can you feel it? All that I can hear is music from the back
Can you feel it? Found you hiding here so won't you taked my hand darling
Before the beats kicks in again
Can you feel it?
Can you feel it?

I need you darling
Come on set the tone
If you feel you’re falling
Won’t you let me know
If you love me come on get involved
Feel it rushing through you from your head to toe

もうこんな時間だよ
酒のグラスを脇に寄せて
ここで一緒に座ってる
今夜はずっと最初から
他のヤツらのことなんか
全然目に入ってこないし
いっそどっかに行ってくれないかって
お互いにそう思ってる
だからもうそろそろ
覚悟を決めてもいいんじゃないか?
だけど知りたくないからね
どっちが経験豊富かなんて
ただ彼女になって欲しいだけ
その体をギュッと抱きしめて
今まで行ったことのない
場所へと一歩踏み出すんだ
ずっといつまでも

ダーリン,いてくれなきゃダメなんだ
頼むよ,そっちで決めてくれ
「好きになりそう」って思ったら *
こっちにそう教えてよ
それで本当に好きになったら
いいからそのまま突っ走って
頭の先からつま先まで
その気持ちが駆け巡るのを
ちゃんとしっかり感じてくれよ

さあ歌って
もっと大きく
声を出して

この気持ちには火がついてる
舞台のそでに立ってても
その炎が見えるほど
誰が見てもはっきりわかる
だけど明日か明後日には
消防団がやってきて
炎を消していくように
燃え上がっているこの気持も
冷めてしまう
話をしてお互いに
知り合うなんて時間はないよ
だからそれよりも
何かの酒でも飲んで
タバコかハッパかやってよう
成り行き任せで自由にやろう
地元のパーティで(リアーナの)
We Found Loveでも歌いながら
実はよくわからないんだ
こんな時一体何を言えばいいのか
だけどこうじゃないかって考えて
そうなりますようにって
祈ることならできると思う
自己紹介して挨拶したら
あの子が渡してくれたんだ
中身がテキーラの水のボトルを
もうわかってる
あの子を手放しちゃダメだって
あんな風に優しくされて
こんなに夢中になった
車で帰らなきゃいけないって
たとえ誰かが気づいても
もうあのボトルを空けちゃったから
どうやっても酔いがさめない
ただ一緒にカウチに座って
あれこれやってたら
いつの間にかあの子の方から
こっちにキスしてきたんだよ

ダーリン,いてくれなきゃダメなんだ
頼むよ,そっちで決めてくれ
「好きになりそう」って思ったら
こっちにそう教えてよ
それで本当に好きになったら
いいからそのまま突っ走って
頭の先からつま先まで
その気持ちが駆け巡るのを
ちゃんとしっかり感じてくれよ

さあ歌って
もっと大きく
声を出して

わからない?ここにいるヤツらはみんな
別にダンスしたいんじゃない
わかるだろ?とにかく聞えてくるのは
後ろからの音楽だけ
わからない?ここで隠れてたのを見つけたんだよ
だからダーリン,この手を握って
音楽がまた始まる前に
ほらわかるだろ?
わかるよね?

ダーリン,いてくれなきゃダメなんだ
頼むよ,そっちで決めてくれ
「好きになりそう」って思ったら
こっちにそう教えてよ
それで本当に好きになったら
いいからそのまま突っ走って
頭の先からつま先まで
その気持ちが駆け巡るのを
ちゃんとしっかり感じてくれよ

(余談)

この曲のプロデュースはあのPharrell Williamsなのですが,この点どどう捉えればいいのか。なにしろ彼の場合,芸風(?)がHappyの時とGet Luckyの時とでは随分違います。

つまり前者Happyの流れでこの曲をプロデュースしているのだとすると,女性支持率が大変高そうな曲になるのですが,逆に後者Get Luckyの流れだった場合,うっかり「踏み込んで」訳してしまうと,私の人間性を問われることになりかねません。特に問題なのが第一連に登場する次の箇所です:

So maybe we could get down now

このget downには様々な意味があるのですが,そのなかに「ダンスをする(get down and boggie)」と「セックスする,薬をやる,賭ける」の2つの意味があります。したがって,これを前者と取るか,後者と取るかでこの後の曲の流れがある程度決まってしまうため,ここでは敢えてそのどちらにも取れそうな「覚悟を決めて」と訳しています。(姑息な手段で申し訳ありません。)

またリード文でも述べたように,タイトルのSingも微妙です。先ほどの前者の線で解釈すれば,おそらく「幸せな気持ちを包み隠さず表現する」というほどの意味でしょうが,仮にもう一方の線で解釈すると,また違った光景が見えて参ります。

それにしても,Ed Sheeranの曲を取り上げると,何故か一定の周期で様々な「問題」が勃発します。Kiss Meの「インナー問題」Wake Me Upの「ルビコン川問題」そして今回の「ファレル問題」。

ただ,最後の「ファレル問題」に関しては,ここ本館では前者の「健全な見解」を「公式見解」として採用したいと思います。(ただし個人的にはその限りではありません。)

9 件のコメント:

  1. 大変ご無沙汰しております!
    投稿されて、すぐに気付いておりました・・・ああ、vestigeさんはEdをお忘れになっていなかったのだ!!と(笑)

    この由々しき「ファレル問題」、わたしも聴いた瞬間に「問題」が勃発するだろう、と確信していました。
    なにせこのEdの浮かれた声!まるで、春の猫のよう(笑)
    突き抜けた感が今までにない、と思ったらPharrel Williamsのプロデュースでしたね!
    あのBritneyのSlave 4 Uのプロデュースもしているということで、Happyの流れの「健全な見解」もないことはないけれど、やはり今回はこれ以上踏み込まなくて正解です(笑)
    度々「問題」が勃発しているあたり、Edは何だかんだキワドイ歌詞が好きだし、そもそもアーティストって思わせぶりな感じがお好きですよね。
    今回、Pharrelはそこのところを非常に効果的に、オシャレなノリの楽曲に仕上げてくれたので、わたし個人は「ファレル問題」は思わせぶりなSingで決まりじゃないかと思っています。
    ただ、トレイラ―版を聴いたときは「健全な見解」に近く聴こえたし、健全な感じのEdの新曲も早く聴きたいなあ~!

    今、Pharrelは日本でもプロデュースした某UのTシャツが発売中で話題ですね。
    Edと20歳近く違うのに若くてオシャレでスマートで、Edもセレブっぽくなってきたと思っていましたが、比べてみたらまだまだで、ちょっと安心しました(笑)

    とにかく6/25の新アルバムが待ちきれないです!
    私事ですが、誕生日が新アルバムの発売日に近いので、早く歳は取りたくないけど早く聴きたい!!

    仕事が少し落ち着いてきたので、またちょくちょくコメントさせていただきますね。
    よろしくお願いします。
    桜満開の仙台市西部より。

    追伸;この曲のラベルって2014ではなく2013ですか?

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    1. コメントありがとうございます。お元気そうでなによりです。お問い合わせのラベルは2014年に訂正いたしましたのでご確認ください。
      さて,本館の「公式見解」は「健全な見解」ですが,この曲調とあわせて考えれば,そうでない見解の方が圧倒的に説得力を持つことは,ai_i様ならずとも,こちらをご覧になる多くの方がお感じになっていることではないでしょうか?新アルバムがリリースされた折には,またEdを取り上げるつもりではおりますが,ただその度ごとに新たな「問題」が勃発するのではと密かに危惧する昨今です。

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  2. 夢野サリー2014年5月13日 22:59

    いつも楽しく読ませていただいています。いまチャートに入っていて、すごくきになっていたんですよ。
    エドとファレルという組み合わせがちょっと意外な気もしたのですが、聞いてみると
    しっくりきます。
    最初この曲をきいたエドは、自分が歌うのはムリだといったそうです。ファレルに説得され、ギターでコードを弾いてみるといい感じになり歌うことになったそうです。
    新アルバムの歌詞の中に映画女優と寝たというくだりがあり、マスコミからその女優はだれかときかれ、エドは紳士だから名前は言えないといったそうです。まあ紳士だったら女優と寝たと言わないのでは?とも思いましたが・・
    まあ男はそういった自慢話好きですからね。しかしエドがそういうことを言うと思わなかったからちょっとがっかり。私がエドに何を期待したか自分でもわからないのですが失望したことは確かです。有名になったから、そういう風に近づいてくる女の人もいっぱいいるのでしょうね。まあそういった経験が歌詞にどう影響を及ぼすのかちょっと興味があります。

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    1. コメントありがとうございます。お話しの件は存じませんでしたが,アーティストなので実体験をそのまま歌っているとは限りませんし,仮にそれが実体験であったとしても,決まった彼女がいるわけでも,ましてや婚約や結婚をしているわけでもないので,今回は大目に見てやりたいような気もいたします。

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  3. いつも参考になる訳をありがとうございます。singのPVをみて、かわいいEDの人形が歌っているので、日本語訳はどんな感じなのかなと思っていたところでした。ファレル問題があったのですね!笑 色々な見解ができる歌詞は魅力的だと思います!8月に来日するそうですね!今からすごく楽しみです!!

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    1. コメントありがとうございます。何故ed sheeranの時にばかり「問題」が持ち上がるのかは不明ですが,裏を返せば「問題」になるほど微妙だからでございましょう。そもそもUsherの曲では最初から問題にすらならないような気もいたします。

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  4. ちょっと気になった曲にいつもPharrellが出てくるので、これにも関わってるのに驚きました。
    しばらく新しい音楽を聞いていなかったので、どの時期に作ったか分かりませんが、
    Robin ThickeのBlurred Linesも彼がプロデュースしていた気がします。
    Blurred Linesも際どい曲だったような・・・。
    (どちらも違っていたらすみません)。

    そして、Edにも驚きました。
    You Need Me, I Don't Need Youを初めて聞いた時みたいです。

    kinako_d

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    1. コメントありがとうございます。仮にRobin ThickeのBlurred Linesも彼がプロデュースしているとすると,なんとなく彼のプロデュースした曲のベクトルが掴めるような気もするのですが,そこから大きく外れるHappyがあるだけに安心はできません。個人的にこういうよく言えば芸域の広い,有体に言ってしまえば掴みどころのないアーティストに大変弱いのでしばらくは彼から目が離せそうにありません。

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  5. いつも楽しくこのサイトを見ながら音楽をきいています!
    直訳ですらまともにできない私が「なるほど。このように訳すのか。」と
    驚くばかりです(笑)
    突然で申し訳ありませんがいつもMVを見てると、英歌詞と邦歌詞が同時に表示されてたらな...と思うことがあります。
    そこで当サイトの訳を参考にしながらその二つが表示される動画を作成し、youtubeにアップロードしたいのですが、参考にさせてもらってもよろしいでしょうか?突然のご無礼と長文申し訳ございませんでした。

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