2014年10月16日木曜日

American Idiot グリーン・デイ (Green Day)

「バカなアメリカ人にはなりたくない,メディアがみんなを操るような,そんな国はご免だね」と主人公は言っていますが,そんなことが可能でしょうか?我々はメディアの流す情報の洪水に飲み込まれた世界で暮らしています。仮にメディアの側に操作する意図がなかったとしても,我々は自分の「経験」には影響されてしまいます。そしてその「経験は」今までの人生で(多くの場合様々なメディアを通じて)学んで来たことです。だとすればこれも,間接的ではありますが,「メディアがみんなを操る」ことにならないでしょうか?
"Don't want to be an American idiot. Don't want a nation under the new media" the protagonist says.  Could that be possible?  We're living in a world where people are overwhelmed by a deluge of information from the media.  Even if the media didn't have any intention to control us, however, still we're a prisoner of our own experiences.  What we learned (often through various media) in our lives shapes what as we are.  Doesn't it mean we're (in an indirect way) under the (new) media?
American Idiot  (Green Day)
Don't want to be an American idiot.
Don't want a nation under the new media.
And can you hear the sound of hysteria?
The subliminal mind-fuck America.

Welcome to a new kind of tension.
All across the alien nation.
Where everything isn't meant to be okay.
Television dreams of tomorrow.
We're not the ones who're meant to follow.
For that's enough to argue.

Well maybe I'm the faggot America.
I'm not a part of a redneck agenda.
Now everybody do the propaganda.
And sing along to the age of paranoia.

Welcome to a new kind of tension.
All across the alien nation.
Where everything isn't meant to be okay.
Television dreams of tomorrow.
We're not the ones who're meant to follow.
For that's enough to argue.

Don't want to be an American idiot.
One nation controlled by the media.
Information Age of hysteria.
It's calling out to idiot America.

Welcome to a new kind of tension.
All across the alien nation.
Where everything isn't meant to be okay.
Television dreams of tomorrow.
We're not the ones who're meant to follow.
For that's enough to argue.

バカなアメリカ人にはなりたくない
メディアがみんなを操るような
そんな国はご免だね
聞こえないか?
別に大したことでもないのに
大袈裟に騒ぎ立て
興奮してるあの音が
知らないうちに頭の中を
勝手に操つられてる
アメリカはそんな国になってるぞ

喜べよ
今までになかったような
緊張が生まれたんだぜ
あの変わった国の至るところで
上手く行かないことがあっても
そんなのそこじゃ関係ないんだ
まだ起こってもないことを
TVは色々言ってるけど
そんなもんには騙されないぜ
それも怪しいもんだから

ああ俺だったら
アメリカの恥とでも呼んでくれ
だけどあんな頭の悪い
バカの策略にゃ乗らないぜ
あいつらみんな
どいつもこいつも
プロパガンダをぶち上げて
被害妄想の時代の流れに
合わせてそこに乗っかってる

喜べよ
今までになかったような
緊張が生まれたんだぜ
あの変わった国の至るところで
上手く行かないことがあっても
そんなのそこじゃ関係ないんだ
まだ起こってもないことを
TVは色々言ってるけど
そんなもんには騙されないぜ
それも怪しいもんだから

バカなアメリカ人にはなりたくない
メディアにすっかり牛耳られて
同じ意見を強いられる
そんな国はご免だね
「情報の時代」とか
そんな風に言っときながら
実際こっちに流れてくるのは
別に大したことでもないのに
大袈裟に騒ぎ立てる
そういうヤツばっかりだ
そしてバカなアメリカ人が
そのターゲットってことなんだ

喜べよ
今までになかったような
緊張が生まれたんだぜ
あの変わった国の至るところで
上手く行かないことがあっても
そんなのそこじゃ関係ないんだ
まだ起こってもないことを
TVは色々言ってるけど
そんなもんには騙されないぜ
それも怪しいもんだから

(余談)

この曲は2004年のアメリカ大統領選の間にリリースされました。一般的には,Bush政権の行ったイラク戦争を批判しているといわれていますが,Billy Joe Armstrong自身が語ったところによると,この曲を書いたのは,ある日車のラジオから(一昨日こちらで取り上げた)Lynyrd SkynyrdのThat's How I Like Itが流れてきたことがキッカケだそうです。(ただこのThat's How I Like Itがそれほど保守的で過激な内容かというと全くそういうことはなく,私には普通のカントリーソングの内容とさほど違うようには思えません。)
http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2014/10/thats-how-i-like-it-lynyrd-skynyrd.html

それにしても,Lynyrd Skynyrdと言えば,」以前取り上げた彼らのSweet Home Alabamaは,少なくとも表面上はNeil YoungのAlabamaという曲に対して抗議する内容の「アンサー・ソング」という位置づけでした。そしてその数十年後,今度はその彼らのThat's How I Like ItがGreen Dayにこの曲で抗議されることになりました。思わず「ドミノ倒し」を連想してしまうのは私だけでしょうか?

2 件のコメント:

  1. 私はこの曲をYouTubeで知りました。
    トニー賞のパフォーマンスの映像です。
    ミュージカルにもいろいろありますね。
    面白いです。

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    1. コメントありがとうございます。音楽であれミュージカルであれ,日本では政治色の強いものはあまりないような気がいたしますが,あちらでは日本では考えられない内容のものが,音楽やミュージカルになることも少なくないように思われます。

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