2015年3月24日火曜日

Stay シェイクスピアズ・シスターズ (Shakespeare's Sister)

Sam SmithのStay With Meにコメントをくださった方がこの曲のことを仰っていました。Stay With Meというタイトルだと思われていることも少なくないこの曲ですが本当のタイトルはStayです。
ところで,この曲のタイトルとゴスペル風のメロディは確かにStay With Meを連想させるものの,歌詞に関して言えば,似ているところはあまりありません。Stay With Meの主人公が恋愛的文脈でそばにいてくれるよう相手に求めているのに対し,この曲の主人公は重い病気を患う相手に対して,諦めずに闘えと励ましています。
The person who commented on Sam Smith's Stay With Me referred to this song.  Quite a few people think the title of this song is Stay With Me but it's actually Stay.
The song title and its gospel inspired tune certainly remind me of his song but the lyrics don't.  While the narrator of Stay With Me is asking the second person to say for some romantic reason, I think the speaker of this song seems to be talking to someone who is struggling to survive a serious disease, or dying to encourage them to keep fighting,
Stay  (Shakespeare's Sister)
If this world is wearing thin
And you're thinking of escape
I'll go anywhere with you
Just wrap me up in chains
But if you try to go alone
Don't think I'll understand

Stay with me
Stay with me

In the silence of your room
In the darkness of your dream
You must only think of me
There can be no in-between
When your pride is on the floor
I'll make you beg for more

Stay with me
Stay with me

You'd better hope and pray
That you make it safe
Back to your own world
You'd better hope and pray
That you'll wake one day
In your own world

Because when you sleep at night
They don't hear your cries
In your own world
Only time will tell
If you can break the spell
Back in your own world

Stay with me...
Stay with me...
Stay, stay with me...
Stay, Stay, Stay, Stay, Stay...
Stay with me

今住んでるこの世の中が
退屈でつまらない
そんなものに思えてきて
いっそこんなところから
いなくなってしまいたいって
そんな風に思ったら
それがどんなところでも
一緒に行ってあげるから
ただ鎖で縛ればいいんだよ
だけどひとりで行くなんて
そんなの絶対許さない
そばにいてくれなくちゃ
2人一緒にいなきゃダメ

だから一緒にそばにいて
どうかどこにも行かないで

部屋にひとりで寂かったり
夢で怖い思いをしたり
そんなことが起こったら
その人の
ことだけ思っていればいい
他のことは関係ないの
苦しくてプライドを
失くしそうになったって
その時は励まして
もっとかかってこいよって
そんな気分にしてあげる

だから一緒にそばにいて
どうかどこにも行かないで

そうなるように祈らなきゃ
何事もなく平穏無事に
また自分のいる場所に
戻ってこられますようにって
そうなるように祈らなきゃ
いつか目が覚めた時
自分のいるその場所が
元いたところでありますように

だって夜寝る時も
泣いたりなんかしないでしょ
自分が元いたところでは
時間が経たなけりゃ
本当のところはわからない
あのひどい状況を
ちゃんと無事に抜け出して
元の自分に戻れたか

だから一緒にそばにいて
どうかどこにも行かないで

でもひとりで行くなんて
そんなの絶対許さない
そばにいてくれなくちゃ
2人一緒にいなきゃダメ

(余談)

(実際にこの曲がそれに該当するかどうかは不明ですが)この手の「闘病モノ」の曲を聞くと,決まってJack's MannequinのSwim やMy Chemical RomanceのThe Light Behind Your Eyesを思い出してしまいます。http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/05/swim-jacks-mannequin.html
http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2013/04/the-light-behind-your-eyes-my-chemical.html

ところで,この曲のようにタイトルにStayと付く曲は,Sam SmithのStay With Meや既に取り上げたRihanna先輩のStayをはじめとして,あのFlorida Georgia Line,U2,Nasなど山ほど見つかりますが,その反対のLeaveというタイトルの曲にはあまりお目にかかったことがありません。

したがってここから察するに,どうやら人間というものは放っておけばleaveしてしまうものであり,それゆえstayするよう求める曲が多いのでしょう。人間にとってはleaveがいわばデフォルトであって,そうならないようにするにはかなりの努力を求められるようです。

思えば「永久機関」にしろ「不老不死」にしろ,もっと卑近な例で言えば「アンチエイジング」にしろ,stayの状態を維持しようとする試みですが,この件に関して(今のところ)人間は連戦・連敗であることを考えれば,stayを求めること自体が土台無理な話なのかもしれません。

「行く川の流れは絶えずしてしかも本の水にあらず」と「万物流転」を唱えた鴨長明先生の慧眼に今更ながらに畏れ入る昨今です。

2 件のコメント:

  1. 頭の中にリピートしてたので訳を探していたら年中読んでいるココが出てきて、2015年3月24日にこの曲を取り上げていることに感激して、
    CDを買ったときにはいまいち判らなかった歌詞に「闘病モノ」との答えをくれたことにダブルで感激しています。
    2度目のコメントですが、なぜかまたSam兄のStayWithMe絡みという。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。問題になっていたStay With MeとI Won't Back Downについては,Sam Smith側がI Won't Back Downの作曲者であるTom PettyとJeff Lynnにそれぞれ1/8の印税を支払うことで決着したようです。いずれにせよお役に立ててなによりです。

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