2015年7月8日水曜日

Moon River ダニイ・ウィリアムズ (Danny Williams/Andy Williams)

皆さんこの曲はご存知ですよね?私も知っています。ジャズのスタンダード曲には珍しくないのですが,この曲は歌詞がやや意味不明で,そのため南アフリカ出身のDanny Williamsは最初この曲は歌いたくないと言ったんだとか。この曲,彼のお蔭で1961年暮れのUKチャートの1位になりましたが,我々に馴染があるのはおそらくAndy Williams版の方でしょう。
You all know this song, don't you?  So do I.  As is often the case with standard jazz numbers, the lyrics are somewhat nonsensical, which made a South African singer, Danny Williams refuse to sing it at first.  He's the one who made the song #1 in UK in late 1961 but the most familiar version of the song is probably Andy Williams'.
Moon River  (Danny Williams/Andy Williams)
(Andy Williams Version)
Moon river, wider than a mile
I'm crossing you in style some day
You dream maker, you heart breaker
Wherever you're going, I'm going your way

Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
We're after the same rainbow's end,
Waiting round the bend
My huckleberry friend
Moon river and me

Oh, you dream maker, you heart breaker
Wherever you're going, I'm going your way.

We're after that same rainbow's end
Waiting round the bend
My huckleberry friend
Moon river and me

ムーン・リヴァー *
その広い川幅を
渡り切るのは大変だけど
いつかはきっと堂々と
向う岸まで渡ってみせる
夢を見せておきながら
裏切ったりするけれど
お前の行くところなら
どこまでだってついてくよ

行く当てなんかないけれど
一緒に世界を見に行こう
まだ自分の知らないことが
この世の中にはうんとある
お宝が埋まってる **
虹の橋のたもとを探して
あの川がカーブする
そのあたりで待っている
幼馴染の友達と ***
ムーン・リヴァーと一緒にね

夢を見せておきながら
裏切ったりするけれど
お前の行くところなら
どこまでだってついてくよ

お宝が埋まってる
虹の橋のたもとを探して
あの川がカーブする
そのあたりで待っている
幼馴染の友達と
ムーン・リヴァーと一緒にね

(補足)

* Moon River・・・当初Blue Riverというタイトルだったようですが,そちらが既に使われていたためBlue Riverに変えたそうです。このMoon Riverは,作詞者のJohnny Mercerが育ったジョージア州サヴァナの近くにある川らしく,元々はThe Back Riverという名前だったそうですが,この曲がヒットしたため, 現在ではMoon Riverという名前に変わっているそうです。

** rainbow's end・・・「虹のたもとには金の詰まった壺が埋まっている」と言われています。

*** My huckleberry friend・・・一般的にはマーク・トウェインの「トムソーヤの冒険」に登場するハックルベリー・フィン(Huckleberry Finn)だと言われていますが,この曲を作詞したJohnny Mercerは自叙伝でこれが子どもの頃の友人だと語っています。子ども時代この川の下流でその友人とハックルベリーを摘んだんだとか。

(余談)

Danny Williamsが言ったように,歌詞だけ見ると何も言っていないように思えるのですが,映画とあわせると(といっても私は見ていませんが)大変にロマンティックに聞こえるのは,やはりHenry Manciniのメロディのせいなんでしょうね。流石です。

にもかかわらず,この曲の「夢を見せておきながら,裏切ったりするけれど,お前の行くところなら,どこまでだってついてくよ(You dream maker, you heart breaker, Wherever you're going, I'm going your way)」の箇所を聞くと,新橋駅烏森口宝くじラッキーセンターや西銀座チャンスセンターの行列,あるいは東京競馬場の西門からJR府中本町駅に向かう通称「おけら街道」を思い出してしまうのは私だけでしょうか?

2 件のコメント:

  1.  ちょくちょく耳にする古典なので、改めてどうということも、と思っていたのですが、Danny Williams版がいたく気に入ってしまいました。いいですね。味のある歌声でしみじみします。てっきり「ムーンソング」(←勝手に作ったジャンルです)だとばかり思っていたのですが、これ、月の歌ではなく、川の歌だったんですね・・・。でも、聴いていると、この曲、やっぱり月のイメージがあると思います。
     The Moon Song、Blue Moon、Virginia Moon、Talking to the Moonなど、このブログにも「ムーンソング」は多々取り上げられており、楽しませてもらっています。それぞれに違った、でも明らかにどれも、きっちり月の夜のイメージにあふれていて、アーティストというのははさすがです。また、古今東西の芸術家を動かしてしまう、月のインスピレーションもすごいものだ、と思います。

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    1. コメントありがとうございます。歌詞には「Wherever you're going, I'm going your way」とありますが,この曲を聞くと,車窓の向うの月がいつまでも追いかけてくるのを不思議に思いながら眺めていた子ども時代を思い出します。

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