2015年9月11日金曜日

Demons ジェイムズ・モリソン (James Morrison)

下のミュージック・ヴィデオで描かれているのはいわゆる「7つの大罪」でしょう。ホームレスを無視するビジネスマンは「高慢(pride)」を,パブのカウンター上のボトルには「大食(gluttony)」の文字が見えますし,口論しているカップルはおそらく「怒り(wrath)」を,欠伸をしているウェイトレスは「怠惰(sloth)」を表現していると思われます。強盗は「強欲(greed)」か「嫉妬 (envy)」を表現したもので, James Morrisonの横に立っている女性の左腕には「好色」の文字が見えます。.
The music video below describes so called seven deadly sins:  a businessman ignoring a homeless man represents pride, on the counter in a pub bottles carrying each letter of 'gluttony', a quarreling couple probably represents wrath and a yawning waitress does sloth. The robber personifies greed or envy and on the left arm of a girl standing next to James Morrison reads lust.
Demons  (James Morrison)
I close my eyes and talk to God
And pray that you can save my soul
I look to you to shine a light
Before the darkness takes a hold

I won't break
And I won't run
This time I won't be afraid ooohhh

I got demons
I got demons tryin'a get to me
But they'll never take me down
I'm only human
Underneath my skin the cuts run deep
I just need a little time to work em out
To work them out
I got Demons….

I can hear them now and then when I try to make a stand
They try their best to pull me under
That’s when I reach for your hand

Never bow because we’re all kings
We are rulers of our minds, yes we are
I know that there’s an angel watching over me
I see your wings are open wide

I won't break
And I won't run
This time I won't be afraid ooohhh
We’re only saved when we, come undone
It’s just the way that we’re made ooohhh

I got demons
I got demons tryin'a get to me
But they'll never take me down
I'm only human
Underneath my skin the cuts run deep
I just need a little time to work them out
I’m only human
I just need a little time to work them out
I got Demons….
I got Demons….

目を閉じて
神様に話しかけ
それからこう祈るんだ
この魂をどうか救ってくださいと
神様だけが頼りなんです
どうか光を投げてください
あの暗闇に
捕まらなくて済むように

負けたりしないし
逃げたりしない
もう今は怖くない

魔物が心に棲んでいて
乗っ取ろうとしてるけど
ヤツらに勝ち目なんかない
ただの弱い人間で
皮を一枚めくってみれば
深い傷が隠れてる
とにかく少し時間が欲しい
そうすれば
ヤツらのことを追い出せる
魔物が心に棲んでいるから・・・

負けないようにしていても
時々は話が聞こえて来るんです
ヤツらの方も必死になって
引きずり込もうとしてるから
そういう時こそ神様の
お力がいるんです

負けたりなんかするもんか
だってどんな人間だって
自分の心は自分のもので
誰かに従うものじゃない
自分の心は自分で決める
思い通りにできるんだ
天使がそこで見守って
翼を広げていることが
ちゃんとわかってるんだから

負けたりしないし
逃げたりしない
もう今は怖くない
失敗しなきゃわからない
人間そういうものだから

魔物が心に棲んでいて
乗っ取ろうとしてるけど
ヤツらに勝ち目なんかない
ただの弱い人間で
皮を一枚めくってみれば
深い傷が隠れてる
とにかく少し時間が欲しい
そうすれば
ヤツらのことを追い出せる
ただの弱い人間だから
とにかく少し時間が欲しい
そうすれば
ヤツらのことを追い出せる
魔物が心に棲んでいるから・・・
魔物が心に棲んでいるから・・・

(余談)

昨日10日に公開された曲です。この方向(praise song)行くとは予想していなかったので少し意外な感じはしましたが,聴いてみればこれはこれで悪くなく,久しぶりの新曲に嬉しくなって(夜更かししつつ)取り上げました。

ところでどのような行為が大罪に該当するかの判断は人によって異なるような気がします。例えばアダルト産業に従事する人々は,傍から見れば「好色」の大罪を犯しているように見えますが,実際にはその大半は真面目に仕事をしているだけの勤勉な人々でしょう。またグルメ番組に登場して各地の美味を味わい尽くし「大食」を体現しているように見える人も,裏を返せば健康を害することもいとわず仕事を全うしているプロです。

逆に「学究一筋」という高名な研究者であっても,見方を変えればその分野の「知識」を過剰なまでに追い求める「強欲」と取れなくもありませんし,超然と立つ裁判官に「高慢」を見出すことも可能です。突き詰めれば絶対的な大罪などは存在しないということでしょう。

また歌詞に登場する「魔物(demons)」にしてもそれが必ずしも悪いものとは限りません。その「魔物」にそそのかされ,結果的に手痛いしっぺ返しを受けたとしても,それを教訓にできればそれはそれで意味のあることですし,主人公も「失敗しなきゃわからない,人間そういうものだから」と言っています。

だとすれば,自分の心の中には「魔物」がいて,放っておけばそいつに取り込まれてしまうということを認識することこそが,正しく「魔物」を封じ込める方法なのかもしれません。

それはともかく,ヴィデオに登場するJames Morrisonは一体何の罪を体現しているのか?確かにこの業界(音楽業界)では「華」があることが不可欠ですが,まさか「地味」が彼の罪じゃないですよね・・・?

7 件のコメント:

  1. いい曲ですね!今までとは何だか違うのに、今まで通りフレンドリーな曲。しかも、James Morrisonらしさがすごくでている。そこが何より良いと思います。James Morrison、とても真面目な人なんじゃないでしょうか。いろいろ試行錯誤を続けていて、でも、自分はこうしたい、というのがしっかりあって、そこからぶれずに頑張っているようなそういうイメージを持っています。この曲で、彼のやりたかったことが、彼らしいやり方で結実したような気がして、こんな曲ができてよかったね、と思ってしまいました。・・・全部、これまでの曲を聴いての、単なる憶測なんですが。

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    1. コメントありがとうございます。今回のアルバムにはHigher Than Hereという(彼曰く)ゴスペル風の曲もあるそうなので,全体としてそちらの方に向かっていくのかもしれません。

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  2. こちらのサイトでJames Morissonにハマってはや2年になります。
    vestige様なら取り上げるかなっとは思っていましたがこんなにも早くに!
    ありがとうございます。

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    1. コメントありがとうございます。思ったらすぐに行動したくなる性格で,時々変なスイッチが入ってしまいますが,今回はそれがユう也様のお役に立てたようでなによりです。

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  3. James Morrison…大好きです。

    僕は現在21歳の大学生ですが、小学生の時に
    寝坊をし、学校に遅刻しそうで、急いで支度をしていたら、
    テレビから James Morrisonの You Give Me Somthingが
    流れ、(目覚ましテレビの特集で取り上げられていたんですね^^)
    本能的にと…いうか、その場で全ての動きを止め、
    テレビの前で立ち止まり、遅刻そっちのけで
    ずっと聞き入ってしまった経験があります。

    彼の声には、聞き手を静かに勇気付ける力がありますよね。
    悲しい出来事があった時には、何も言わず、
    ただ隣に座って自分に付き添ってくれるような。

    なんとなくですが、彼の人格的な部分が歌詞に
    埋もれ、聴き心地の良いサウンドと交わり、
    僕らの感情にゆっくり伝わってくる様な気がします。

    (「地味」が彼の罪じゃないですよね・・・?)この言葉は
    ある種、褒め言葉じゃないのか、とも思います笑

    (いつもこっそりブログ拝見させて貰っています。
    これからも良質な翻訳と、曲の紹介の方よろしくお願いします!^^)

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  4. James Morrison…大好きです。

    僕は現在21歳の大学生ですが、小学生の時に
    寝坊をし、学校に遅刻しそうで、急いで支度をしていたら、
    テレビから James Morrisonの You Give Me Somthingが
    流れ、(目覚ましテレビの特集で取り上げられていたんですね^^)
    本能的にと…いうか、その場で全ての動きを止め、
    テレビの前で立ち止まり、遅刻そっちのけで
    ずっと聞き入ってしまった経験があります。

    彼の声には、聞き手を静かに勇気付ける力がありますよね。
    悲しい出来事があった時には、何も言わず、
    ただ隣に座って自分に付き添ってくれるような。

    なんとなくですが、彼の人格的な部分が歌詞に
    埋もれ、聴き心地の良いサウンドと交わり、
    僕らの感情にゆっくり伝わってくる様な気がします。

    (「地味」が彼の罪じゃないですよね・・・?)この言葉は
    ある種、褒め言葉じゃないのか、とも思います笑

    (いつもこっそりブログ拝見させて貰っています。
    これからも良質な翻訳と、曲の紹介の方よろしくお願いします!^^)

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。小学生で彼のYou Give Me Somethingをお聞きになったとは羨ましい限りですが,仮に同じように彼の曲に出会っていたとしても(超能力開発に余念のなかった)当時の私なら「ふーん」で終わっていたと思われます。
      仰る通り私も彼の声を聞いていると妙に落ち着きます。Ed Sheeranもそうですが,一見「華」のない外見に反し(褒め言葉です)それを補って余りあるほどの「味」が声にあるところが彼らの良さなのかもしれません。

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