2016年5月17日火曜日

It Was A Very Good Year フランク・シナトラ (Frank Sinatra)

ヴィンテージ(vintage)という言葉は古いフランス語の「ワインの収穫 (vendage)」という単語から派生したもので,通常は「品質が高く,作られた年,畑あるいは原産地」などを表す言葉として使われ,「非常に恵まれた年」を表すのにも使われることの多い言葉です。
The word 'vintage' was taken from the Old French vendage, meaning wine harvest. Then later came to be used as a word to describe "wine, usually of high quality, identified as to year and vineyard or district of origin."  It's often employed to express 'a very good year'.  
It Was A Very Good Year  (Frank Sinatra)
When I was seventeen
It was a very good year
It was a very good year for small town girls
And soft summer nights
We'd hide from the lights
On the village green
When I was seventeen

When I was twenty-one
It was a very good year
It was a very good year for city girls
Who lived up the stair
With all that perfumed hair
And it came undone
When I was twenty-one

When I was thirty-five
It was a very good year
It was a very good year for blue-blooded girls
Of independent means
We'd ride in limousines
Their chauffeurs would drive
When I was thirty-five

But now the days grow short
Im in the autumn of the year
And now I think of my life as vintage wine
From fine old kegs
From the brim to the dregs
And it poured sweet and clear
It was a very good year

17歳のあの頃は
すごくいい年だった
田舎の小さな町の子と
付き合って穏やかな夏の夜を過ごすには
最高の年だった
お互いに
牧草地を照らしてる
灯りを避けて会っていた
17だったあの頃は

21だったあの頃は
すごくいい年だった
大都会の上の階に住んでいて
髪をきれいに整えて
いい香りがしてくるような
そんな子と付き合うのには
最高の年だった
その髪も最後には
ぐちゃぐちゃになってたよ
21歳のあの頃は

35だったあの頃は
すごくいい年だった
すごく立派な家柄の
お嬢様育ちだけれど
ちゃんと自分で稼いでる
そんな子と付き合うのには
最高の年だった
リムジンでよく一緒に出かけたよ
運転手付だった
35歳のあの頃は

だけどもう
日も随分短くなった
人生の黄昏時に近づいて来てるから
こうやって考えてると
まるで自分の人生は
ヴィンテージのワインみたいだ
熟成した飛び切りの
樽の縁の辺りから
澱の溜まった底のところの
ありとあらゆるところまで
澄みきってて味わい深い
素晴らしい人生だった

(余談)

以前こちらで取り上げたLucas Grahamの7 Yearsや有名なMy Wayを連想させる内容ですが,この曲の歌詞の白眉は,主人公が自分の人生を「よい年のワイン(ヴィンテージ・ワイン)」にたとえているところでしょう。一般的によい年のワインはボージョレイ・ヌーボーのように出来てすぐに新酒(ヌーボー)の状態で飲むのではなく,数年熟成させた後に飲んだ方がその実力が堪能できると言われていますが,そういういわば常識を聞き手に意識させているからこそ,老いて己の人生を振り返って「いい人生だった」という主人公の言葉に説得力が出ます。

・・・が,よくよく考えればこの主人公,人生の黄昏に至っても「若い頃の俺はな・・・」と問わず語りに自慢話を始めるオヤジなので,話を聞かされる立場の人間にとってはかなり迷惑な存在なのかもしれません。

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