2018年1月7日日曜日

Daydream Believer ザ・モンキーズ (The Monkees)

最初は第二連の「もう俺はこれですごく幸せなんだ」の下りの意味がわかりませんでした。その前で「
お前も昔は俺のこと,白馬の騎士って思ってたけど」と言っているのですから,実際にはそうではなかったことが推察できます。したがって,件の箇所に続くところでは,主人公について,なんらかの否定的なことを言うはずですが,実際には「もう俺はこれですごく幸せなんだ」となっています。これは何故でしょうか?

At first a line in verse 2, "Now you know how happy I can be" didn't make sense to me.  In the previous lines, the narrator says, "You once thought of me, as a white knight on his steed," which implies that he's actually not.  So the line in question should talk negative about him but it says "happy" instead.  Why is that?
Daydream Believer  (The Monkees)

[Verse 1]
Oh, I could hide 'neath the wings
Of the bluebird as she sings
The six o'clock alarm would never ring
But it rings and I rise
Wipe the sleep out of my eyes
My shavin' razor's cold and it stings.

[Chorus]
Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

[Verse 2]
You once thought of me
As a white knight on his steed
Now you know how happy I can be
Oh, and our good times starts and end
Without dollar one to spend.
But how much, baby, do we really need

Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

[Instrumental interlude]

Cheer up, sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

[Verse 1]
その羽の下に隠れて
青い鳥が幸せそうに鳴いてるのを聞いてれば
6時にかけた目覚ましもずっと鳴らないはずなのに
現実は目覚まし時計がガンガン鳴って,それで起きることになる
顔を洗ってタオルで拭いて,まだ眠い目をこじ開ける
カミソリの刃は冷たくて,当たるとそこがヒリヒリ痛む

[Chorus]
なあジーン,元気を出せよ
そんなのは,別に大したことじゃない
俺なら夢を信じられるし
お前はお前で学園祭の女王様だったんだから


[Verse 2]
お前も昔は俺のこと
白馬の騎士って思ってたけど
もう俺はこれですごく幸せなんだ
勿論2人の幸せだって,いつまでも続かない
一文無しになったんじゃ
だけどベイビイ,本当のところ,なくちゃ困るものなんて,そんなの大してないんだよ


なあジーン,元気を出せよ
そんなのは,別に大したことじゃない
俺なら夢を信じられるし
お前はお前で学園祭の女王様だったんだから


なあジーン,元気を出せよ
そんなのは,別に大したことじゃない
俺なら夢を信じられるし
お前はお前で学園祭の女王様だったんだから


なあジーン,元気を出せよ
そんなのは,別に大したことじゃない
俺なら夢を信じられるし
お前はお前で学園祭の女王様だったんだから


(余談)

Wikipediaによれば,第一連の「My shavin' razor's cold and it stings.」ではなく「My shavin' razor's old and it stings.」であり,また第二連の「Now you know how happy I can be」は,元々も「Now, you know how funky I can be」だったものの,レイベルから変更を求められたそうです。

元の歌詞から判断すると,この主人公は,大きな夢を抱いており,しかも通っていた高校で一番かわいい子と付き合い結婚したものの,その後パッとせずに貧乏暮らしであり,この曲はそういう自分を皮肉ったものに思われますが,この歌詞のように変更したことによって,恵まれない状況は変わらないものの,「少なくとも自分には愛する相手がいて,人間に必要なのはそれだけだ」という比較的ポジティヴなメッセージを持たせられたように思われます。

確かに,おそらティーンエイジャーが大半を占めると思われる彼らのファンに対して,「人生いいことばかりじゃなし,結婚だって甘かないんだよ」的なメッセージを送っても,彼らには届かないばかりか,ともすると逆効果になってしまうかもしれません。しかも,実際にこの歌詞で大ヒットしたわけですから,レイベルの判断は正しかったと言わざるを得ないような気がします。

2 件のコメント:

  1. おーっ!!これは懐かしいっ!

    かれこれ5-6年は経つでしょうか、ウィキッドの「For good」の対訳をこちらで発見して以来(引用されていた二人組のVがまた良かった)、本館にはちょくちょく寄らせていただており、おかげさまで私自身のプレイリストの幅もぐっと広くなりました。対訳や選曲もさることながら、なにより解説に使われる美しい日本語に思わずコメントしたいことも何度もありましたが、今日まで受け身の姿勢を貫いてまいりました。が、いやはや、今回ばかりは座視するわけにはまいりません。
    まだ物心つくかつかないか位の頃に初めて見たと言っても過言ではない海外ドラマがモンキーズでした(か、または某国営放送の「大草原の小さな家」か)。私にとって初めて耳にした洋楽と言えばビートルズかモンキーズか、とも言えるあのモンキーズがここで取り上げてもらえてなんだかとっても嬉しいです。しかも遡ってブログ拝見しましたらsteppin stoneも取り上げられていた!
    これからも影からこっそり応援しています。ありがとうございます。

    (余談)
    今振り返ってみて気が付きましたが、Wicked「For good」で引用された二人組のうち右側の人と、こちらで紹介されていたParachuteのヴォーカルの人がちょっと似ていて、二人組のうち片方だけが出世してしまったのか、と余計な心配をしてしまいました。

    トモ

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    1. コメント並びに過分なお言葉ありがとうございます。有名な曲なので,メロディーをご存じの方は決して少なくないものの,歌詞の内容まで正確にご存じの方はそれほど多くはないと思われます。当の私自身が,Daydream Believerというタイトルとhomecoming queenという下りから,モテない主人公が人気のある女子生徒と付き合えたらなと夢見る曲だと思っておりました。拙訳がトモ様のお役に立てたとすればなによりです。

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