2012年4月1日日曜日

Please Don't Stop The Rain ジェイムズ・モリソン(James Morrison)

以前にも言ったのですが,James Morrisonはメタファー(隠喩)の使い方が実に巧みで,今回もその実力を発揮し,主人公とその恋人の間に起こる諍いを「雨」で表現しています。
私見ですが,James Morrisonを特徴づけているのは,雨を比較的肯定的に捉えている点のように思われます。一般的なラヴソングの場合,雨はかなり否定的な意味合いで使われることが多く,例えば,(恋愛関係における)致命的な出来事や別れのサインなどとして使われていますが,彼はよりよい関係に至る試金石のようなもの,という位置づけで雨を使っています。いわゆる「雨降って地固まる」という状態でしょうか。気に入っているのが「穏やかな天気の方がいいに決まってるけど,いくら必死に祈ってみても,いずれ必ず雨は降る」という箇所。非常に力強く好きな曲です。
As I said before, James Morrison is a master of metaphor and he demonstrates his metaphorical skill in song writing here.  He uses rain as a metaphor of a tough time in his relationship.
In my opinion, what makes James Morrison special is the way he uses the word.  He uses it in a rather positive way.  Many love songs use the word fairly negative way, such as a catastrophic event or a sign of breakup but he does as a touchstone for a good relationship. After rain comes fair weather.  The best part is "We can pray for sunny weather, But that won't stop the rain."  It's a very powerful song and I love it.
Please Don't Stop The Rain  (James Morrison)
I don't know where I crossed the line
Was it something that I said
Or didn't say this time
And I don't know if it's me or you
But I can see the skies are changing
In all the shades of blue
And I don't know which way it's gonna go

If it's gonna be a rainy day
There's nothing we can do to make it change
We can pray for sunny weather
But that won't stop the rain
Feeling like you got no place to run
I can be your shelter 'til it's done
We can make this last forever
So please don't stop the rain

(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain
(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain

I thought that time was on our side
I've put in far too many years
To let this pass us by
You see life is a crazy thing
There'll be good time and there'll be bad times
And everything in between
And I don't know which way it's gonna go

If it's gonna be a rainy day
There's nothing we can do to make it change
We can pray for sunny weather
But that won't stop the rain
Feeling like you got no place to run
I can be your shelter 'til it's done
We can make this last forever
So please don't stop the rain

(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain
(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain

Oh we're a little closer now
In finding what life's all about
Yeah I know you just can't stand it
If things don't go your way
But we've got no control over what happens anyway

If it's gonna be a rainy day
There's nothing we can do to make it change
We can pray for sunny weather
But that won't stop the rain
Feeling like you got no place to run
I can be your shelter 'til it's done
We can make this last forever
So please don't stop the rain

(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain
(Let it fall, let it fall, let it fall)
Please don't stop the rain

(Let it fall, let it fall, let it fall)
Can't stop it, can't stop it, just can't stop the rain
(Let it fall, let it fall, let it fall)
Let it fall, please don't stop the rain

何がきっかけだったのかはわからない
何かまずいことでも言ったのか
それとも言わなかったからまずかったのか
どっちのせいなのかはわからないけど
とにかく空の色が少しずつ変わっていくように
2人の間にも陰がさしてきた
これから一体どうなるんだろう?

少し荒れて,雨になるのかもしれない
だけど,こうなったらもう仕方ない
穏やかな天気の方がいいに決まってるけど
いくら必死に祈ってみても,いずれ必ず雨は降る
それと同じで,付き合ってても
いつも仲良くってわけにはいかないよ
うまくいかないことだってあるし,ケンカになる時もあるけど
ここが君の居場所なんだ
だから一緒にここで頑張るよ
心配いらないよ
お互いの気持ちが本物なら
こんなことくらいなんでもない
いつかきっと乗り越えられる

(こんなの大したことじゃない)
2人の気持ちが本物なら
(何でもないよ)
きっと乗り越えられる

時間は味方だと思ってた ずっと2人は変わらないって
だからそれで安心して
何もせずそのまま時を過ごしてた
人生なんて予測のつかないものなんだ
これからだって幸せな時ばかりじゃない 辛い時もきっとあって
その間に色んなことが起こる
先のことはわからないよ

少し荒れて,雨になるのかもしれない
だけど,こうなったらもう仕方ない
穏やかな天気の方がいいに決まってるけど
いくら必死に祈ってみても,いずれ必ず雨は降る
2人の関係だってそれと同じで
いつも仲良くってわけにはいかないよ
うまくいかないことだってあるし,ケンカになる時もあるけど
ここが君の居場所なんだ
だから一緒にここで頑張るよ
心配いらないよ
お互いの気持ちが本物なら
こんなことくらいなんでもない
いつかきっと乗り越えられる

(こんなの大したことじゃない)
2人の気持ちが本物なら
(何でもないよ)
きっと乗り越えられる

やっと本当の気持ちが通じたよ
人生で一番大切なものがわかったから
わかるよ こんなのイヤなんだろ?
思い通りにならなくて腹を立ててるけど
物事なんてそうそう思い通りにいかないものだし
人間の力でそれをどうこうできるわけでもない

少し荒れて,雨になるのかもしれない
だけど,こうなったらもう仕方ない
穏やかな天気の方がいいに決まってるけど
いくら必死に祈ってみても,いずれ必ず雨は降る
2人の関係だってそれと同じで
いつも仲良くってわけにはいかないよ
うまくいかないことだってあるし,ケンカになる時もあるけど
ここが君の居場所なんだ
だから一緒にここにとどまるよ
心配いらないよ
お互いの気持ちが本物なら
こんなことくらいなんでもない
いつかきっと乗り越えられる

(こんなの大したことじゃない)
2人の気持ちが本物なら
(何でもないよ)
きっと乗り越えられる

(この程度のことなら何でもない)
2人の気持ちが本物なら
(怖がることなんてない)
きっと乗り越えられる

4 件のコメント:

  1. いいですねえ、James Morrisonの詩。こんな詩のことを考えて過ごせる土曜日の午後があることに感謝したい気持ちになります。リード文でおっしゃられている通り、雨の比喩が素晴らしいです。 二人の間に、ちょっとした事件が起きる。それをどうにかしようとか、なかったことにしよう、とかそういうことではない。事件が起きるのは人間の力でどうこうできることではないから、それはそのまま、とりあえず雨は降らせておけばよい。それでも大丈夫、後で乗り越えられるのだから、と。そう考えると本当に、生きていくのにこわいものは何もなくなるような気がします。心が強い。もしも、現実にはここまで強い心でいられない時も、この曲を聞けば励まされるように思います。

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    1. コメントありがとうございます。この歌詞本当に最後まで悩みました。特に最初の連と,I thought that time was on our sideで始まる連の解釈如何によっては,まったく異なるストーリーが立ち上がってくるからです。

      すなわち,最初の連の解釈としては①主人公2人はただの友人で相手には恋人がいるが,何かのきっかけ(=雨)によって恋人同士になるべく一歩を踏み出す,②主人公2人は恋人同士であるが,何らかの理由(=雨)で,最近多少ぎくしゃくしてきている

      ①の説を採用すると,次のI thought that time was on our sideの連が,主人公が今まで相手に思いを告げずに過ごしてきたことを後悔し,一歩を踏み出す流れになります。
      一方②の説を採用すると,次のI thought that time was on our sideの連が,付き合っていることに安心してお互いに努力を怠ってきたという流れになります。

      このどちらを採用するかが全くわからなかったため,この曲の和訳には4か月以上かかってしまいました。最終的に②の説を採用して投稿した後に,これはGilleとの関係を歌ったものであることが判明したので,結果的には正しかったのですが本当に最後まで賭けでした。

      それにしても彼の雨のメタファーは見事です。余談ですが,私の妹も彼の曲のなかではこの曲が一番好きだと申しております。Wのラベルを付けているように,結婚式に流すに相応しい力強く美しい曲だと思います。

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  2. この曲、OneRepublicのライアン・テダーが手掛けたらしいですね。最近それを知って驚きました。大好きなバンドですし、またジェイムス・モリソンの曲も大好きです。歌声が最高に良いです。

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    1. コメントありがとうございます。Ryan Tedderの一件は存じませんでしたが,伺ってみれば,確かに相性は悪くないかもしれません。
      右側のラベルをご覧いただくとおわかりかと存じますが,James Morrisonは本館でもっとも取り上げられているアーティストで,既に30曲を和訳しています。とりわけこの曲は私も好きな曲なので,同じようにお考えの方がおいでだとわかって,非常に嬉しくなりました。
      さて,別館(twitter)でも余談を展開しております。お時間があればそちらへもおいでください。お待ちしております。

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