2012年7月25日水曜日

I Was Gonna Marry You トリスタン・プリティマン (Tristan Prettyman)

特に日本では,訴訟と聞くと多くの人は,一方が正しく,他方が間違っていることを証明することだと考えます。しかし実はむしろ逆です。仮に一方が正しく他方が間違っているのであれば,そもそも訴訟にはならず,調停で紛争は既に解決しているはずです。大抵の場合,双方に言い分があり,だからこそ訴訟にまで発展します。
昨年に破局するまで,Tristan Prettyman と Jason Mraz 約4年間恋人同士でした。彼らの間に一体何があったのかはわかりません。
記憶が確かなら,私の知る限り,2人の間に法的紛争はありませんが,この件に関する2人の見方は同じではありません。すなわち「悪いのはどっちか」という点です。
さて,破局後Jason Mrazは,I Won't Give Up や In Your Handsを発表し,ここでもすでにその2曲を取り上げています。ここで彼女の曲を1曲も取り上げないのでは,公平を欠くことになるでしょう。そこで今回は,この曲を和訳することにしました。
Thinking of a lawsuit, especially in Japan, many people think it's for a justice and proving one is right and the other isn't over a dispute. Quite contrary, however, if one is and the other isn't, no lawsuit is necessary. The dispute must have already been settled by a mediation. Most cases both parties have their own reason and that gives rise to a dispute and therefore to a lawsuit.
Tristan Prettyman and Jason Mras were together about 4 years before they broke up. We don't know what happened between them for sure.
If my memory serves me right, there's no lawsuit between them on the breakup but their views on the issue are not identical. The issue "Who is the one to blame?"
He released songs like I Won't Give Up and In Your Hands after that, she wrote this. I have already translated them here. Now I should be fair to her, picking up a song explaining her point of view. So here we are.
I was Gonna Marry You (Tristan Prettyman)
I gotta go
Time to spread my wings and fly
Higher than the blue sky
Never did me any good
Waiting around
Only so much that my heart can take
It doesn’t matter what you say
Wishing for all we could-have-been

Just so you know just so you know
I never thought you'd let me go
I don’t even know the truth
Yeah we were fine, yeah we were fine
Then all at once you changed your mind
And I was gonna marry you

I gotta stay
As far away as I can get
Cuz a part of me hasn’t left
If I get too close you're gonna pull me back in to
Thinking everything you said was true
But the ring around my finger proved
That I was your girl
But in the end it wasn’t what you wanted

Just so you know just so you know
I never thought you'd let me go
I don’t even know the truth
Yeah we were fine, yeah we were fine
Then all at once you changed your mind
And I was gonna marry you
Yeah I was gonna marry you

Take all the words you’ve spoken
And the promises you’ve broken
And throw them all into the ocean
Just to let it be
And late at night
When you're lying in your bed alone
Wishing you were still at home
But we both know its too late

Just so you know just so you know
I never thought to let you go
I don’t even know the truth
Just so you know just so you know
I never thought you'd let me go
I don’t even know the truth
Yeah we were fine, yeah we were fine
Then all at once you changed your mind
And I was gonna marry you
I was gonna marry you.

もう行かなくちゃ
この翼を広げ,ここから飛び立つ時なんだ
青いあの空よりも高いところまで
いいことなんて何もなかった
ずっと待ち続けて
どうかお願いと祈ってたのに
もういいよ
何を言われても
できないよ
叶わなかった夢を見続けるなんて

言っておくけど
思ってもみなかった
別れることになるなんて
本当は何があったのかさえわからない
そうだよ 
付き合ってた頃,お互い楽しくて幸せだった
なのに突然気が変わったんだね
こっちはそのつもりだったのに

もうここにはいられない
できるだけ遠くへ行かなくちゃ
だって気持ちがまだ残ってるから
そうしないと
また前みたいに惹かれてしまって
同じことの繰り返し
あの言葉はウソじゃないと思うけど
薬指の指輪をもらったら
本当にそうだって信じられた
だけど結局そんなこと
するつもりはなかったんだね

わかってるでしょ?
思ってもみなかった
別れることになるなんて
本当は何があったのかさえわからない
そうだよ 
付き合ってた頃,お互い楽しくて幸せだった
なのに突然気が変わったんだね
こっちはそのつもりだったのに

だから言ってくれた言葉も
叶わなかった約束も
みんなまとめて
海に捨ててしまって
そのまま忘れることにするよ
だからもう
夜遅くベッドに入っても
そばには誰もいないんだよ
きっとひとりぼっちでこう思うはず
前みたいにそこにいてくれたらって
だけどお互いわかってるよね?
もう手遅れだってこと

覚えてて
思ってもみなかった
別れることがになるなんて
本当は何があったのかさえわからない
そうだよ 
付き合ってた頃,お互い楽しくて幸せだった
なのに突然気が変わったんだね
こっちはそのつもりだったのに

(余談)

和訳しながら,このように当事者双方がアーティストや有名人という「発言力のある人」だった場合,それぞれ反撃や申し開きをする機会があるわけですが,仮に一方が一般人だと,一方の言い分ばかりが通ってしまうのだなと思いました。

この2人の場合,おそらくアーティストとしての知名度はJason Mrazの方が上かもしれませんが,楽曲として考えると,このI Was Gonna Marry Youと先日和訳した彼のIn Your Handsでは,個人的にこちらに軍配が上がるような気がします。

さて,この曲のタイトルはI Was Gonna Marry Youで,歌詞にも何度もmarry youが登場します。ただ,別館でも申し上げた通り,ラヴソングは,聴いている人間をどれだけ「勘違い」させられるか,別の表現で言えば,その人間にどれだけ現実を忘れさせるかが腕の見せ所です。

なにしろ,現実的に考えて,Granade (Bruno Mars) の主人公のように,相手のために自らの命を投げ出す人は稀ですし,It Will Rain (Bruno Mars) の主人公よろしく,振られて自らの涙で雨を降らせる人もいないでしょう。(どちらもBruno Marsなのは偶然です!)

ところが,「結婚」という言葉は,その言葉の持つ力が強力すぎて,聴いている人間を否応なく現実に引き戻してしまいます。「指輪」や「ドレス」といった結婚をイメージさせるものであれば構わないのですが,それ自体が訳文に登場すると,そこだけが訳文から浮き上がってしまうため,今回徹底的に排除しました。

ふと気づいたのですが,この曲の訳文の第3連「薬指の指輪をもらったら」の箇所を「薬指の指輪をもらっ(てくれ)たら」に変えると,主人公が男性になりますね。

2 件のコメント:

  1. そうですか・・・。私のまた勝手な想像によると、余談の中にもあるように、結婚の2文字はやはりいろんな意味で強烈で、Jason Mrazは婚約した後、きっとこの2文字におそれをなしてしまったに違いない。そして、迷っているうちに、タイミングを逃してしまったんじゃないかと。彼の方は他の歌の訳をざっと見たところ、よりを戻したそうですが、この歌の中の彼女の決心は固そうです。もう、ダメかも。 しかし、この1件のおかげで、私の中ではJason とTristanブームです。前にCDレンタルで探した時は、1枚も無かったJason Mrazも返却されたのか3枚ばかりありました。とりあえず、We sing, We …とTristanの23を借りました。「ながら聞き」では、しばらく彼らを聞くつもりです。

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    1. コメントありがとうございます。こういう場合,何故か一般的に女性の方がさっさと見切りをつけてしまう一方で,男性側はいつまでも未練を引きずって悩んでいるというケースが多いように思います。BeyonceのSingle LadiesとJames BluntのGood By My Loverが(別にこの2人は付き合っていたわけではありませんが)その一例でしょうか。
      いずれにしろ,Jason Mrazの今後が(公私を含めて)個人的に大変気になります。

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