2012年9月18日火曜日

Man In The Mirror マイケル・ジャクソン (Michael Jackson)

通常ならこの曲を投稿することはなかったと思います。あまりに有名過ぎて,和訳もおそらくすでに多数存在するはずです。なにしろ,他の曲 (Mirror by Lil' Wayne ft. Bruno Mars) の「本歌」になるほどの曲です。.http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/03/mirror-lil-wayne-ft-bruno-mars.html とはいうものの,考えてみると,確かにサビの部分のメッセージは理解できるものの,それ以外の箇所では,その意味は勿論のこと,歌詞さえわかっていません。そこで今回投稿することとなりました。
ところで,MJの歌詞(この曲は厳密には彼が書いた曲ではありませんが)は時として非常に深く,言わんとするところを理解するのに苦労することがあります。
この曲でも,第1連と第2連の「夏休みも関係なかった,別に嬉しくもなかったよ,壊れたビンのかけらみたい,誰にも相手にされてない,そんな気持で生きてきた」,並びに「悲しげに揺れる柳の木,その幹に残った傷のように,消えない傷を心に抱えて,自分の夢さえ信じられない,そんな人が世の中にはいる」の箇所は,メタファーを多用しているため,ネイティヴにも理解できないという人がいます。
したがって,ここで採用した解釈が唯一の解釈というわけではなく,当然これ以外の解釈も可能であることを申し添えておきます。
Usually, I don't post this kind of song as my blog entry.  It's too famous and probably a bunch of Japanese translations already exist.  It's well known enough to be mentioned in songs other than pop, like Mirror (Lil' Wayne).http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2012/03/mirror-lil-wayne-ft-bruno-mars.html  I realized, however, I don't know the whole lyrics nor its meaning.  Yes, I think I understand the message in the hook but not other parts.  So I decided to post it here this time.
Sometimes, Michael Jackson's song lyrcs (this one is actually witten by other people, though) are deep, I'd say, TOO deep.
Lines in the verse 1 and verse 2, starting with "A summer's disregard, A broken bottle top, And a one man's soul" and "A willow deeply scarred, Somebody's broken heart, And a washed out dream" are very metaphorical.  Even a native English speaker find it difficult to understand them.  The interpretation I take is not the only one for them.  They could be interpreted by many ways, of course.    
Man In The Mirror  (Michael Jackson)
(Michael Henry and Justin Robinett Cover)
(James Morrison Cover)
[Verse 1]
I'm gonna make a change
For once in my life
It's gonna feel real good
Gonna make a difference
Gonna make it right

As I turned up the collar on
A favorite winter coat
This wind is blowing my mind
I see the kids in the street
With not enough to eat
Who am I to be blind?
Pretending not to see their needs

A summer's disregard
A broken bottle top
And a one man's soul
They follow each other
On the wind ya' know
Cause they got nowhere to go
That's why I want you to know:

[Hook]
I'm starting with the man in the mirror
I'm asking him to change his ways
And no message could have been any clearer
If you wanna make the world a better place
Take a look at yourself and then make a change, yey
Na na na, na na na, na na na na oh ho

[Verse 2]
I've been a victim of
A selfish kind of love
It's time that I realize
There are some with no home
Not a nickel to loan
Could it be really me, pretending that they're not alone?

A willow deeply scarred
Somebody's broken heart
And a washed out dream
They follow the pattern of the wind ya' see
Cause they got no place to be
That's why I'm starting with me

[Hook]

Take a look at yourself and then make the change
You gotta get it right, while you got the time
Cause when you close your heart
Then you close your mind

これから変わるんだ
一生に一度のチャンスだけど
それが出来れば,生きる力も湧いてきて
きっと何かか変わってくる
そうなればもう大丈夫

襟を立て
いつもの上等なコートに手を通す
自分の心の中で,冷たい風が吹き荒れてるから
だけど,路上で暮らすこの子どもたちは
いつもお腹を空かせてる
無視するなんてできないし
知らないふりもしちゃいけない

夏休みも関係なかった 別に嬉しくもなかったよ
壊れたビンのかけらみたい
誰にも相手にされてない
そんな気持で生きてきた
路上のあの子たちだって
このままじゃ行きつく先は目に見えてる
こんな風に満たされないまま生きるんだ
あの子たちには,自分の居場所がないんだから
だからどうか気づいてほしい

目の前の鏡に写ったそいつから
この自分から変えていこう
自分の生き方を変えるんだ
誰にだってわかることだ
世の中を良くしたいと思うなら
自分自身を見つめ直して
まずはそこから変えていこう

今までは
自分のことしか考えなかった
だけどいい加減もう気づかなきゃ
世の中には住む家のない人もいる
行きてくだけで精一杯で,これっぽっちの余裕もない
そんな人がいるのを知ってて
そんなのよくあることなんて
とてもじゃないけど言えないよ

悲しげに揺れる柳の木
その幹に残った傷のように
消えない傷を心に抱えて
自分の夢さえ信じられない
そんな人が世の中にはいる
行きつく先は目に見えてる
ずっと傷ついたまま生きるんだ
あの人たちには,自分の居場所がないんだから
だからまずこの自分が行動するよ

目の前の鏡に写ったそいつから
この自分から変えていこう
自分の生き方を変えるんだ
誰にだってわかることだ
世の中を良くしたいと思うなら
自分自身を見つめ直して
まずはそこから変えていこう

自分を見つめ直して立ち上がろう
ぐずぐずしてる暇はない やるならすぐにやらなきゃダメだ
気持が冷めてしまったら
また元に戻ってしまって
なかったことにしてしまうから

今変わらなきゃダメなんだ!

(余談)

最後の連にある「ぐずぐずしてる暇はない やるならすぐにやらなきゃダメだ」の箇所ですが,最初は「思い立ったが吉日」と訳してました。

・・・・が,これでは何かが違います。何と申しましょうか,あのKing of PopたるMJがただのオッサン(いや享年50歳だか51歳だかだったので,そういう意味では間違いなくオッサンなのですが)に思えてきて,それまでの歌詞で築いてきたいわゆる「流れ」が台無しになるような気がして,最終的に訳文のようになりました。

それにしても,本館を始めて以来,それまでは気にもしなかった,こういう「ことわざ」というか「慣用句」というか,そういうものの破壊力を感じるようになりました。そういう不用意に埋まっている「言葉の地雷」をいかに上手く避けつつ,訳文を作るかというところに,訳文の出来不出来が少なからずかかっているような気がします。

こんなことなら,戦地に派遣される前に,爆弾処理班の研修をもっとしっかり受けておけば良かった・・・・・。

8 件のコメント:

  1. こんにちは。MJを和訳が掲載されるなんて感激です。
    亡くなってから見直される事ってありがちです。
    芸術家が、存命中に偏見なく広く理解されるようになればいいのに。
    余談ですが、以前の上司がMJと同じ歳でした。その上司に、「マイケル ジャクソンと同じ歳なんですね。昨日彼の映画を観てきたんですけど、凄いな~と思って」と暴言を吐いてしまった。上司はもちろん「マイケル ジャクソンと比べるな!」そりゃそうです(^_^;)無駄話にお付き合いさせてごめんなさい。

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    1. コメントありがとうございます。無駄話などとんでもない。非常に興味深いお話をありがとうございました。ただその上司の方には同情を禁じ得ません。いくらなんでも彼と比べられては・・・。
      さて,どうもコメントを拝見すると,これ以外にもかなり「無駄話」をお持ちではないかとお見受けしております。そのような「無駄話」はいわば人類共通の宝です。独り占めはいけません。別館(twitter)でも余談を展開しておりますので,お時間があれば是非そちらへもおいでになり,その「宝」をご披露ください。お待ちしております。

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  2. おお、まさかここでMJの曲が取り上げられるとは!
    下のカバーもいい感じです
    しかし・・・ほんとになくなってしまったんですねえ

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    1. コメントありがとうございます。彼が亡くなったのは3年前の2009年で当時まだこの本館は影も形もありませんでしたが,仮にその時存在していたとしても,彼の死に「便乗」しているような気がして,彼の曲をここで取り上げることはなかったと思います。
      あまりに突然の死だったので,私もいまだに信じられず,もしかしたらどこかで別の人としてひっそり生きているんじゃないかと,「東スポ(関西なら大スポ)」よろしく考えてしまいます。

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  3. こんにちわ!

    大好きなマイケル・ジャクソンが登場したので、コメントを付けずにはいられませんでした。
    幼稚園の頃、母の持っていた横浜ライブとMoon Walkerという映画の影響でMJに初恋を捧げてからというもの、彼の歌う歌詞が知りたい一心で英語をはじめ、人生の進路まで英語を中心に進んできました。
    英語を身につけ、MJの歌う内容を分かり始めても、そこからまた、しっくりしない部分などが出てきたりしますが、自分以外の方の和訳を見ると補完されていくような気がします。

    曲や歌詞印象って、人に対する印象の様にいろんな角度があって、訳す人の経験や雰囲気によって感じ方を変えたりする気がします。
    (英語の歌詞も掲載されているので、自分との感じ方の違いなんかを実感できるのも、ここのブログの魅力的な所です)

    時々、某動画サイトなどで有志で付けられた和訳に対して「違う!そうじゃない!」というコメントが付けられていますが…、教科書の問題のように答えを出す類のものでもないし、私は訳者の人生でスパイス付けされた和訳って読んで楽しいと思うのです。

    >>ここで採用した解釈が唯一の解釈というわけではなく,当然これ以外の解釈も可能であることを申し添えておきます。

    まさにこの文の通り。

    なんだか言いたい事がよく分からなくなってきましたが…w
    vestigeさんの和訳はとっても自然に入る表現で、毎回凄いなぁと感嘆しております。

    ブログ読者様のリクエストシリーズが続き、お馴染みのあの曲この曲が訳されるのもとっても楽しかったですが、vestige さんの選曲が楽しみの一つでもあったので、是非、また色々な曲を紹介して下さいね!

    長々と自分語りしてしまいまして、申し訳ございません。
    これからも更新楽しみにしております♪

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    1. コメント並びにお褒めのお言葉ありがとうございます。まじぱん様と仰いますとあのゴルゴのまじぱん様でしょうか?お元気そうでなによりです。
      英語歌詞をつけるのは,実は私にとってもかなり勇気のいることで,英語歌詞を元に訳文の説明を求められる可能性があることを覚悟せねばなりません。いわば自分で自分のハードルを上げているようなものなのですが,ただ逃げ場がないだけに,ある程度自分を律することもできております。
      また,言語は最終的には人間の意志疎通の手段に過ぎません。したがって,表面上は同じ言葉を口にしていてもその示す内容が全く異なる場合もございます。「ツンデレ」などその最たるものではないでしょうか。
      それとは逆に,ひとつの言葉を耳にしても,受け取る印象はその人次第。100人いれば100人の「真実」があると思います。だからこそやりがいもあれば苦労もあるのでしょう。
      それにしても久しぶりにお声を聞けて大変嬉しゅうございました。今後も機会があれば,是非またお声をお聞かせください。お待ちしております。

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  4.  この曲とは、もう長い付き合いです。でも、きちんと歌詞に向き合うのは、そういえば今回が初めて。こんなに「風」をイメージさせる歌詞だったんだな、というのが発見です。本家マイケル版が、力強くメッセージを伝えてくる申し分ない仕上がりなのはもちろんですが、2つ目のお二人のカバーもなかなか楽しめました。James Morrisonのカバーもいいですね。こちらの歌声はより「風」を感じさせてくれるような気がします。

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    1. コメントありがとうございます。私自身は残念ながらoak様の仰る「風」を感じられませんでしたが,曲の持つメッセージだけは歌詞からどうにか感じ取ることができたと思います。
      Michael HenryとJustin Robinettのカヴァーは秀逸なものが多いので,ここ本館でもいくつか取り上げております。お時間があればそちらもご覧ください。

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