2013年2月1日金曜日

Good Intent キンブラ (Kimbra)

曲によっては,題名を聞けばある程度内容の察しがつく場合もあります。この曲の場合,題名は「Good Intent」ですが,おそらく内容はその逆でしょう。(そんな風に考える)私の性格がひねくれていると言われれば,確かにそうなのですが,今回ばかりは違います。その理由は,仮に題名がGood Intentで,実際に歌詞の内容もそうだとしたら,教会の日曜学校のお話と違いはありません。そんな曲はつまらないと思いませんか?私は退屈ですね。そうきたか的驚きもないし,どんでん返しもない。そうでしょう?
ところで,この曲を聞くと,以前投稿したDamien Riceの'Elephantを思い出します。主人公は既婚者ですが,娼婦と浮気をしているようで,「赤いライト」「金」「評判」といった単語がそれを連想させます。
Sometimes the title of a song speaks itself.  In this case, it's 'Good Intent' and probably it means otherwise.  You may think I'm too sarcastic.  Yes, I am but not this time.  Why?  Well, if the title is 'Good Intent' and the lyrics are actually about a good intent, it would be something like some Sunday School sermon  Don't you think it would sound pretty boring?  I do.  There would be no surprise or inspiration, right?
This song reminds me of Damien Rice's 'Elephant'.  Maybe the protagonist is married and having an affair with a prostitute.  Words like, 'red light', 'money' and 'reputation' imply that.
Good Intent  (Kimbra)
You heard the crickets of the early eve
They lurk around the opening in two's and three's
Clementine told you not to move with the breeze
I'll take you down to places where we dare not speak

The red light in the doorway says she's armed
But boy go try your luck and you might get pass
Step into the dwelling of the liger's mouth
Peer into the panic for a kick and swell
You know you shouldn't be there but it's way past bed
There's comfort in the fingers of your good intent
You know you shouldn't be there but your money's all spent
You've got your reputation and your good intent
Your good intent

Out to feed that habit when you've sowed that seed
Nothing made you feel out of the ordinary
But the air turns sombre and the night took heed
Took you on a waltz of hypocrisy
She broke your bones, now you're lying in the dirt
The shadow of a hunter under your torture
It's not enough to say, it's not what's in your heart
You've tainted every moment till death do we part

I know you didn't mean it, boy you meant so well
The pennies are cascading down your wishing well
I know you didn't mean it when you counted to ten
You're slipping through the fingers of your good intent

I know you didn't mean it, though you meant so well
The pennies are cascading down your wishing well
I know you didn't mean it when you counted to ten
You've got your reputation and your good intent
Such a good intent

It's not enough to hope for the best
It's not enough to lie there on a breast
The liger's on the prowl now you've pulled its strings
One false move and soon you're playing dice for a-

日が暮れてまだあまり経ってないから
虫の声が聞こえたでしょ?
出入り口の辺りで鳴いてたはず
クレメンタインが言ったでしょ?*
じっとして動かないで
これから先は,階段を下って
お喋りなんてどうでもよくなる,そんなところへ
これから一緒に連れてってあげるって

出入り口に赤いランプが点いてるのは
「武器」を持ってるってことなのよ
やってみれば?上手くいくかもよ 
運が良ければその姿を誰にも見られずにすむかもよ
さあ,あぶない場所にようこそ
お楽しみが待ちきれないなら,あそこを覗いてごらんなさい
こんなとこに居ちゃいけないけど,もう寝る時間は過ぎちゃった
決してヘンな気持ちじゃない,そう思えば気が楽でしょ?
こんなとこに来ちゃいけないけど,お金はもう残ってない
あなたはちゃんとした人なんだし,そんなつもりはなかったんでしょ?
後ろ暗い,おかしな気持ちなんてなかったんだから

ことの起こりは外で遊んでた時
今まではそれで問題なかった
だけど風向きが変わってきて,色んな問題が見えてきた
偽善者だってわかったの
それでこてんぱんにやられてしまって,こうして地面の上に這いつくばってる
そうやって苦しんでるけど,心の奥はそうじゃない
口で何と言おうがダメよ 本当の気持ちじゃないんだから
2人のこれからの人生を一つ残らず台無しにした

そんな気なかったって言ってるけど
ウソよ本当はそのつもり
だってあなたの願いの井戸に,お金がどんどん落ちてるじゃない
一体どれだけ使ったの?
数をかぞえて我慢してる時も,ヘンな気持ちじゃなかったのよね?
良かれと思ってしたことなのに,つい魔が差しちゃったんでしょ?

そんな気なかったって言ってるけど
ウソよ本当はそのつもり
だってあなたの願いの井戸に,お金がどんどん落ちてるじゃない
一体どれだけ使ったの?
数をかぞえて我慢してる時も,ヘンな気持ちじゃなかったのよね?
世間体ってものもあるし,良かれと思ってしたことよね
やましい気持ちなんてなかったのよね

だけど上手くいくよう願っても,願うだけじゃダメなのよ
仰向けじゃなくてうつぶせだった
進んでそうしたわけじゃない
いくらそうい言ってみたとしても
罪が軽くなるわけじゃない
もう後戻りできなくなった あなたが自分でそうしちゃったの
これからは,ちょっとでもヘマしたら
すぐに大変なことになるんだから・・・

(補足)

* このClementineという名前ですが,以前投稿したSettle Downにアンジェラ・ヴィカースという映画「日の当たる場所」の登場人物の名前が出てきたことを考えあわせると,My Darling Clementine (邦題:荒野の決闘)の登場人物(鉱夫の娘)の名前ではないかと思います。

この曲の最後の部分「One false move and soon you're playing dice for a-」の次にくるのは,plain gold ring(金の結婚指輪)だという説を見つけました。このVowというアルバムでこの曲の次に入っているのがPlain Gold Ringだそうです。また,このplain gold ringは,その前の行のstringsとも韻を踏んでいます。なるほど確かに説得力があります。

仮にそうだとすると,この曲の語り手(narrator)は主人公の妻ですね。

(余談)

Kimbraは平成生まれ(NZ出身の彼女にこの表現もどうかと思いますが)なのですが,作る曲がどれもこれも20代前半の作る曲とは思えないほど「深い」。深いのベクトルは違いますが,凄腕の刺客Ed Sheeranを思い出します。ただ彼よりももっとアート寄り,というか80年代の雰囲気を感じさせます。

それにしてもこの「good intent」という言葉。訳文中では「善意」と訳していますが,それでは不十分な気がします。善意という言葉が持つ響きよりも,もっと胡散臭い感じがするからです。個人的には「ヘンな気持ちはなかった」という感じが一番近いように思います。

出典は失念しましたが,「I swear(誓っていうけど)と言えば言うほどウソくさくなる」というセリフを聞いた時,なるほどその通りと思った記憶があります。これと同様に,good intentも,聞いた瞬間に「goodではないintentだったのだな」と思ってしまいますね。

今日から2月。ヴァレンタインデーもあと2週間ほどのこの時期によりにもよってこの曲・・・。しかも明日もベクトル的には似たような曲の予定です。

ただあくまでもこれはGood Intent(善意)ですから,ラブラブな方々を冷ややかな目で見ているとか,そういう気持ちは一切ありません。ええありませんとも。あるわけないじゃないですか。

11 件のコメント:

  1. Gotyeの来日公演のチケットが売れずに結構残っているそうです
    おそらくその1つの原因が目玉曲の
    somebody that i used to knowのKimbraのパートの穴をGotyeが歌うとこにあると思います
    なので次回の来日公演のときはKimbraのスケジュールは抑えたほうがいいと思います

    ちょっと記事から脱線してしまい申し訳ない

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    1. コメントありがとうございます。さすがはNick様(以下同文)と通常なら申し上げるところですが,今回ばかりは私もその一件は存じております。
      確かに主催者側からすると困った事態なのかもしれませんが,観客の側からすると逆にラッキーなのではないでしょうか?
      これでGotyeが気を悪くして日本公演をやめないかということだけが気がかりですが,そうでなければ,Kimbra抜きの公演は特に珍しくないので,個人的にはさほどの驚きはありません。

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    2. 初めまして、いつもは拝見させていただいてるだけなんですが、、、
      コメントの内容が、私も気になっていたことだったので、お邪魔させていただきます。

      チケット発売日に、電話片手に構えてた私としては、、当日券があることに大変驚きました。
      あと、BIG CATということにも・・

      でも、周りの友達にGotyeのライブに行くことを伝えても、みんな誰それ?ってなります。
      1Dやブルーノ・マーズ、テイラースイフトのようにTVにも出演されてないようですし、日本での知名度はないんでしょうか?

      ライブはとても最高だったので、何とか「本当に、素晴らしかったよありがとう!」という気持ちを伝えたくてしょうがないです..

      またいつか来日していただきたいです。
      この件で日本にもう来なくなってしまったらショックです〜

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    3. コメントありがとうございます。BIG CATが埋まらなかったという話は私も聞いておりますが,ただギグ自体は非常に素晴らしく,音楽が「音を楽しむ」ということであることを再認識させてくれたとか。とにかく彼の歌とドラムが圧倒的だったそうです。
      それだけに彼に対しては大変申し訳ない気持ちですが,後ろの方が仰っていることを信じて,彼がまた来てくれることを祈りたいと思います。
      さて,別館(twitter)でも余談を展開しております。まだおいでになっていなければ,お時間があればそちらへも。お待ちしております。

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  2. Gotyeは日本好きなので今回の一件でやめることはないでしょうけど
    主催者側はいま想定外?で大変でしょうね
    アダム・ランバートの渋谷公会堂の公演チケットも売れてないそうですね

    海外歌手の日本での公演チケットが売れるかどうかはまったくもって未知数です
    本国では即完売クラスのビヨンセやリンキンパークやMaroon5でも
    前日まで売ってたりしたこともありましたね

    日本での即完売クラスはLady Gaga Taylor swift
    あとワン・ダイレクションもそうでしょうね
    本国では昔ほど人気のないAvrilやボーイズツーメンや
    バックストリート・ボーイズなども過去の人気も有り完売しますね
    ブルーノ・マーズはおそらく今回の初来日公演観る限り
    次回は即完売の方じゃないかと思ってますが
    vestigeさんは今年もしあったら行きたいライブありますか?
    エド・シーランはTaylor swiftの北米ツアー同行もあって
    当分の間は来日できそうもないのが残念ですよね

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    1. コメントありがとうございます。いつもながらNick様は(以下同文)。無論,リストのトップにJessie JとJames Morrisonが来るのは言うまでもないことですが,それ以外となると,主に知名度がないという意味で,ほとんど来日する可能性がない方ばかりです。

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  3. Gotyeネタに乗っからせて頂きます。わたしも、赤坂ブリッツのライブに参戦して来ました!「ここは何て名前の天国なんだ?」とひとりごちてしまうほどの、素晴らしいパフォーマンスでした。(隣の女性グループが、GOTYEの歯並びにキュン死にだと盛り上がっていたのもたいへん印象的でした)

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    1. コメントありがとうございます。小耳に挟んだ話ですが,彼は大阪のゲーセンであの「太鼓の達人」をやったそうです。その場に居合わせた方はさぞや驚いたでしょうね。羨ましい・・・。

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  4. !それはまた、、、さすがgotyeというか、あの身長だと普通の台は叩きにくくないかとか、いろいろ考えてしまいますけれど、彼のあの「常に楽しんでる感」は素晴らしいと思います。

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  5. 以前、匿名で"Somebody That I Used To Know ゴーティエ(Gotye ft. Kimbra)"にコメントさせていただきました。

    こちらのkimbraの曲に対するコメントを書かせていただこうと思い、匿名から脱出してみましたが、うまく記入者名が出るでしょうか?(笑)

    この曲は曲調もPVも大好きです~禁酒時代の歌姫の雰囲気があって。
    ただ、非常にレトリックな歌詞のようで、私には意味がほとんど取れませんでした。
    こちらの歌詞を拝見して、堕ちていく男性の様を複数の女性がみているような風景が浮かび、楽しませていただきました。
    赤の歌姫はマフィアの情婦である妖艶で冷徹な女性、白は悪いヒモがついていていつもビクビクとしている女性、そして、黒は場末にはいるものの自分を見失わない芯の強い女性...等々。

    男性の方はクレメンタインのように誠実な妻がいるのかもしれませんね。
    もちろん最初はそんなつもりじゃなかったのに、たとえば親友を助けにいったのに、自分もどんどん身を持ち崩していく。
    悪所というのは、真面目な人間の澄ました顔の皮を引っぺがしてやりたいという空気に満ちているので、まさに餌食になったのでしょう。

    歌姫は親友が入れ込んでいる女性だったのかもしれませんし、その女性の友人かもしれません。
    赤は(目障りだったから)「ざまぁみろ」でしょうし、白は(救ってくれるかと思ったのに)「やっぱり...」、黒は(一瞬好意を持ったのものの)「忠告したのに馬鹿なヒト」と言いそうな。

    ※Kimbraの最新シングル「Come Into My Head」のPVは怖くて途中で止めてしまいました(笑)



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    1. コメントありがとうございます。この曲,意味が大変取りにくく,和訳に苦労した記憶がございます。また随所に小技が効いていて,想像力をかきたてる作りになっている点も曲者でしたが,海外の歌詞サイトに投稿されたネイティヴの方のご意見に助けられてなんとか和訳することができました。
      さて,別館(twitter)でも余談を展開しております。まだおいでになっていなければ,お時間があればそちらへも。お待ちしております。

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