2013年2月8日金曜日

Salvation ガブリエル・アプリン (Gabrielle Aplin)

仮にこの歌詞を映画や写真のような視覚的なものに例えるなら,詳細な脚本のある映画というよりは,スナップ・ショットばかりを集めたものと言えそうです。歌詞は比喩的表現に溢れ,具体的な表現はあまりない気がします。
歌詞の背景には,James Morrisonの's "You Gave Me Somethingと似た物語が存在しますが,おそらくより切ない結末が用意されています。ただあくまでも個人的な解釈であって,これ以外の解釈がないわけではないことを申し上げております。
Suppose that the lyrics were something visual, like a film or a picture, I'd say this is more a collection of images than a film or movie, which has a detailed plot.  The lyrics are full of metaphorical expressions and less of specific ones.
The story behind the song is similar to James Morrison's "You Gave Me Something" but probably with a bitter ending.  Of course, this is just my interpretation.  It doesn't exclude other interpretations.  
Salvation  (Gabrielle Aplin)
You are the avalanche
One world away
My make believing
While I'm wide awake

Just a trick of light
To bring me back around again
Those wild eyes
A psychedelic silhouette

I never meant to fall for you but I
Was buried underneath and
All that I could see was white
My salvation
My, my
My salvation
My, my

You are the snowstorm
I'm purified
The darkest fairy tale
In the dead of night

Let the band play out
As I'm making my way home again
Glorious we transcend
Into a psychedelic silhouette

I never meant to fall for you but I
Was buried underneath and
All that I could see was white
My salvation

まるで雪崩みたいに
この世界から遠く離れた
場所の話だと思ってた
実際に起こってることじゃなく
夢の中の出来事に思えたよ
ちっとも眠ってなんかいなかったのに

光が見せるただのみせかけで
実体なんかなかったけど
また生きてるって実感できた
危なっかしい目をした
鮮やかな幻がそこにいた

好きになるつもりなんて
これっぽっちもなかったのに
気がついたら身動きできないほど囚われてた
目に入るものは一面の雪景色で
他には何も見えなくなったけど
それでもそれが救いだったの
出会ったことで救われた

まるで吹雪のようにやってきて
この身をすっかり清めてくれた
ただ普通のお伽話みたいな
楽しい話じゃないから
真夜中に聞くのが相応しい

バンドの演奏は止めないで
せめて賑やかに送られたい
これから元の自分に戻るけど
それでもやっぱり素晴らしい
お互いの思い出が
この世のものとは思えない
鮮やかな幻になるんだから

好きになるつもりなんて
これっぽっちもなかったのに
気付いたら身動きできないほど囚われてた
目に入るものは一面の雪景色で
他には何も見えなくなったけど
それでもそれが救いだったの

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(補足)

実はこの歌詞では,主人公が相手と別れたかどうかについては,具体的には一切触れられていません。歌詞に登場する「As I'm making my way home again」という箇所も,私は相手と出会う以前の自分に戻る(=破局)と解釈しましたが,その根拠はと問われると「again」の一語くらいしか見つかりません。

一方タイトルはSalvation(魂の救済)です。これを聞けば「運命の相手に出会えてめでたしめでたし」的なものを想像するのが一般的です。にもかかわらず「破局」とくるのですから戸惑います。

とはいうものの,「魂の救済」から「めでたしめでたし」ではあまりに安直過ぎるのも事実ですし,むしろ最終的には別れることになったけれど,出会えて良かったという流れの方が歌詞としては深みがあるような気がします。

また「雪崩」や「吹雪」という単語を使うことによって,「荒々しく破壊的でありながらも美しい」という相反する状態を表現している点も興味深い。(実際,雪に白く覆われて見慣れた景色が美しく見えるという経験は私にもあります)。

またこれ以外にも「make believing / wide awake」。「psychederic / silhouette」,「darkest / fairy tale」,「buried / salvation」など,相反する表現を選んでいることを考えあわせると,これ以前に述べた「魂の救済」から「破局」へ至るという流れもさほど不自然とは言えないのかもしれません。

(余談)

私は大学で「いかに自分の主張を相手を納得させるか」を目的とした文章を書くよう仕込まれたので,こういう感覚的な歌詞を和訳するのが非常に苦手です。

これが文学などに造詣の深い方であれば,もっと詩的に美しく表現なさるのかもしれませんが,実用目的の文章ばかりを書いてきたので,論旨を通すことには長けていても,イメージをイメージのまま表現するということができず,ついそこに「合理的な筋」を通そうとして「分析」を始めてしまいます。

しかし「詩」に限らず,アートというものは本来は「感じる」ものであるはずで,「分析」とはあまり相性が良くありません。実用本位の私の和訳と(補足)がこの曲を台無しにしてないことを祈るばかりです。


7 件のコメント:

  1. mcflyのlove is easyお願いします!

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    1. 大変申し訳ないのですが,このページ右上でお知らせしているように,匿名の方にはお返事を差し上げられなくなりました。どのようなものでも結構ですので是非お名前をお知らせください。また,同様にページ右上でお知らせしているように,リクエストも現在お受けしておりません。

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  2. 大学ではそのような勉強されたんですね
    僕の勝手なイメージではvestigeさんは
    アッシャー・ロスのI Love Collegeの歌詞のような
    キャンパスライフを送っているイメージでした(意味不明

    彼女はいわば二刀流(ギター&ピアノ)ですよね
    YouTubeにあるライブの動画を見る限り
    どちらも素晴らしくできるので、今後も二刀流でやってくんですかね
    それともよく比較されるエドのようにギターを極める?んでしょうか
    そんなよく比較されるEdと短期間ですが
    今月から始まるオーストラリアのツアーで一緒に周るらしいので
    彼女にとってはいい勉強になるんじゃないでしょうか
    ついでに日本寄ってくれたら僕は飛んで行くんですが笑
    エドもTaylor swiftとの半年間の北米ツアー前にいい準備運動?になるでしょうね
    半年間ずっと曲制作すると意気込んでるのでこっちの新作も楽しみですが
    なぜかエドの話になってしまいましたが・・・w

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    1. コメントありがとうございます。さすがはNick様(以下同文)。ご紹介いただいたヴィデオ,早速拝見しましたが・・・あのような大学生活であったならどれほど良かったことか!
      いや,ゼミの時間にピザやチーカマは食べましたが,酒の飲めない体質なのであまりコンパに参加することもなく,あのヴィデオとは対極に位置する全く華のない大学生活を送りました。
      さて,Gabrielle Aplinですが,それほどギターとピアノができるのであれば,当然彼女はGrade 8でしょう。そういう意味でもEdとの関連を感じます。

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  3. そうでしたか↘すみませんでした(^。^;)!

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  4. Gabrielle Aplinとても好きな曲です。(補足)も問題ないと思います。
    「make believing」
    私もYouTubeであえて不本意な楽曲をUPしたりもします。しかし

    ?=!(=は自由であり、無限であります)
    これが私の持論。
    疑問から発見へ「それ」はまた螺旋のように「世」に自身の「脳」に広がってゆきます。
    日本語の表現は英語よりも深くDeepであり、語源を辿ればきりがありません。
    後世へも伝わる「言葉」秘めた「想い」もですが。
    「それ」をよく理解し、
    日本のアーティスト(とくにシンガーソングライター/最近はバンドより良いですね笑)が
    よりメロディーにのったグルーヴで(理解しつつある若者もいますが)
    常に(ここ大事!)強靭な♡で表現して欲しいと願います。
    私もEd sheeran「+」は発売当初から聴き込みました。
    なによりもパフォーマンスが音源に負けていないこと。
    日本のアーティストは「それ」と「ライヴ」がリンクしてなく、
    期待してLIVEをみてもがっかりするばかりです。
    すべては「バランス」です。
    秘めた素質“パワー”があってもいかにパフォーマンスへ結びつけるのか?
    つまり、今を楽しむのも大切(ここは当たり前)ですが、
    生涯ステージに立ち続けるために「今」何をすべきか理解すること。
    またそれを実行させる“指導者/指揮者”が少ないこと。
    短期間で開化します。
    タクトをふる人(タクト詳しくはまた後日)見極めできるか、、、
    ここもチャンスを逃すアーティストが多く、とても残念です。
    自身、絵、陶芸、などを好んだタイプでして。
    いずれかなり不得意なPCでブログを始めてみようかと思います。
    (機会あれば覗いてみてください)

    「三度の飯もライヴも好き」これですかね。

    △+△+△=(イコールは自由・無限)=でかい△
    こんな歌詞(自身の子供)を産み、
    ライヴで育ててほしいと切に願います。
    長文失礼しました。
    匿名ですみません。
    不適切であれば削除願います。

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    1. 大変申し訳ないのですが,このページ右上でお知らせしているように,匿名の方にはお返事を差し上げられなくなりました。どのようなものでも結構ですので是非お名前をお知らせください。

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