2013年4月10日水曜日

Better Dig Two ザ・バンド・ペリー (The Band Perry)

ここから逃げ出さなきゃダメですね。この曲の主人公は相手と結婚してます。したがって通常はストーカーとは呼ばれないと思いますが,その言動は間違いなくストーカーのそれだと思います。いや夫に「執着」してると言うんでしょうか?
それはともかく,1年以上前,彼らのデビューアルバムThe Band Perryに収録されたIf I Die Youngという美しい曲を,2011年のカヴァー大賞に輝いたMichael HenryとJustin Robinettのカヴァーとともに取り上げました。皮肉なことに,個人的にはカヴァーの方がオリジナルより良いと思うのですが,だからといってオリジナルは無視できません。オリジナルあってのカヴァーですから。そういうわけで今回再び彼らの曲を取り上げてみました。
You've got to get out of here.  The protagonist in the lyrics is married to the second person.  So she is not usually called a stalker but I think what she does and what she says fit into the category of 'stalker'.  Or should I call her 'obsessed' with her husband.  
Anyway, more than one year ago, I picked up their 'If I Die Young' a beautiful track from their debut album 'The Band Perry' as well as a cover by Michael Henry & Justin Robinett.  Ironically, to me the cover which was chosen the best cover in 2011 sounded much better than the original, that doesn't mean I should ignore the original, of course,  Without it, there wouldn't have been any cover at all.  I think they deserve another post.
Better Dig Two  (The Band Perry)
I told you on the day we wed
I was gonna love you 'til I's dead
Made you wait 'til our wedding night
That's the first and the last time I'll wear white

So if the ties that bind ever do come loose
Tie 'em in a knot like a hangman's noose
Cause I'll go to heaven or I'll go to hell
Before I'll see you with someone else

Put me in the ground
Put me six foot down
And let the stone say:

"Here lies the girl whose only crutch
Was loving one man just a little too much"
If you go before I do
I'm gonna tell the gravedigger that he better dig two

Well,
It won't be whiskey, won't be meth
It'll be your name on my last breath
If divorce or death ever do us part
The coroner will call it a broken heart

So put me in the ground
Put me six foot down
And let the stone say:

"Here lies the girl whose only crutch
Was loving one man just a little too much"
If you go before I do
I'm gonna tell the gravedigger that he better dig two

Dig two
Ooh, ooh

I took your name when I took those vows
I meant 'em back then and I mean 'em right now,
Oh, right now

If the ties that bind ever do come loose
If "forever" ever ends for you
If that ring gets a little too tight
You might as well read me my last rites

And let the stone say:

"Here lies the girl whose only crutch
Was loving one man just a little too much"
If you go before I do
Gonna tell the gravedigger that he better dig, uh!

Heavy stone right next to mine,
We'll be together 'til the end of time
Don't you go before I do,
I'm gonna tell the gravedigger that he better dig two

I told you on the day we wed
I was gonna love you 'til I's dead

結婚した日に誓ったの
生きてる限りこの愛を
あなただけに捧げるって
結婚初夜まで守ったの
もう2度とウェディングドレスは着たりしない

だから絆が緩んだりしたら
死刑執行人がするように
もう一度きつく締め直してね
だってもう生きてられない
行先が天国でも地獄でも
死んだ方がマシだもの
誰かに取られるくらいなら

そして死んだら土を掘って
地下の6フィートにこの身を埋めて
墓石にこう彫って欲しい

「ここに眠る女にとっては
1人の男を必要以上に愛すること
それだけが生きがいだった」
だからあなたに先立たれても
やっぱりもう生きてられない
その時は墓堀人をつかまえて
墓穴は2つよって言うつもり

それにね
ウィスキイみたいなお酒じゃないし
ましてやクスリなんかじゃない
この世で最後に口にするのは
あなたの名前に決まってる
もう一緒にいられなくなったりしたら
その理由が離婚でも死別でも
もう生きていられないけど
その検死報告の死因の欄は
「心臓破裂(傷心)」になってるはず

だから死んだら土を掘って
地下の6フィートにこの身を埋めて
墓石にこう彫って欲しい

「ここに眠る女にとっては
1人の男を必要以上に愛すること
それだけが生きがいだった」
だからあなたに先立たれても
やっぱりもう生きてられない
その時は墓堀人をつかまえて
墓穴は2つよって言うつもり

1つじゃ足りない,2つにして

結婚の誓いをした時に,あなたの名前を名乗ったの
あの誓いは本物だから,今も少しも変わらない
今のこの瞬間だって

だから2人の絆が緩んでしまって
あなたの思う「永遠」が私の「永遠」と違ってきたり
結婚指輪がきつくなるように
2人の生活があなたの重荷になったとしたら
もう生きてはいられない
死んだ方がましだから

そして墓石にはこう彫って欲しい

「ここに眠る女にとっては
1人の男を必要以上に愛すること
それだけが生きがいだった」
だからあなたに先立たれても
やっぱりもう生きてられない
その時は墓堀人をつかまえて
お墓は2つよって言うつもり

この墓石の横にはあなたの墓石
いつまでもずっと一緒よ
だからこの世に残して行かないで
もしそうなってしまったら
もう生きてはいられない
その時は墓堀人をつかまえて
お墓は2つよって言うつもり

結婚した日に誓ったの
生きてる限りこの愛を
あなただけに捧げるって・・・

(補足)

ここ本館を長くご覧くださっている方ならお気づきかと思いますが,通常,私は訳文から人称代名詞をできるかぎり排除しています。その方が日本語として自然に聞こえると考えるからですが,今回はいわば内容のドラマティックさを引き立てるため,敢えて「あなた」を使ってみました。

(余談)

これを「一途で健気」ととるか「粘着質で怖い」と取るかは人それぞれですが,個人的には後者です。最初にこの曲を聴いた瞬間に「コイツは危ない」と思いましたから。なにしろこの主人公「だってもう生きてられない,行先が天国でも地獄でも,死んだ方がマシだもの,誰かに取られるくらいなら(Cause I'll go to heaven or I'll go to hell, Before I'll see you with someone else)」と語っています。無論レトリックですが,仮に彼女が本気だとしたら,その時は必ずや「道連れ」にされます。ええ間違いありません。

それにしても,故Whitney Houstonで有名な「I Will Always Love You」(「エンダ~♪」のアレです)といい,この曲といい,カントリーの曲と言うのはどうしてこうよく言えば「一途な」曲が多いんでしょうか。

この曲も2013年の曲でありながら,男女の性的役割に保守的なところといい,男性中心の世界観といい,何故か「昭和」な感じが否めません。そのせいかどうかわかりませんが,この曲を聴いた時,真っ先に思い出したのが演歌でした。

ところで,今ふと気づいたのですが,先ほどの「だってもう生きてられない,行先が天国でも地獄でも,死んだ方がマシだもの,誰かに取られるくらいなら(Cause I'll go to heaven or I'll go to hell, Before I'll see you with someone else)」の箇所。ここだけ読むと,主人公が世をはかなむか,衰弱死してしまいそうな感じに思えます。

ただ,ここで思い出していただきたいのですが,最後の箇所で主人公は「この墓石の横にはあなたの墓石,いつまでもずっと一緒よ(Heavy stone right next to mine, We'll be together 'til the end of time)」と語っています。

どうでしょう?死んでまで相手と一緒にいたいと思う人間が,相手とその浮気相手をこの世に残したまま,果たして一人で死んでしまうでしょうか?「その時は墓堀人をつかまえて,お墓は2つよって言うつもり(I'm gonna tell the gravedigger that he better dig two)」と言ってますが,これが彼女自身の墓とは限りません。ひょっとしたら,夫と浮気相手の墓と言う意味で「お墓は2つよって言うつもり(he better dig two)」なのかもしれません。

・・・やっぱりすぐに逃げましょう。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    墓穴は二つ、ですか。怖すぎます。カントリーはあまりストーカーチックなイメージはなかったのですが、確かに「俺はあいつが大好きなんだ」的な曲が多いかもしれません。If I Die Young は、私も美しい曲だと思っていましたが、彼らのイメージが変わりました…。

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    1. コメントありがとうございます。この曲を聞くたび,脳裏に「家庭内ストーカー」」「刃傷沙汰の果て」などという吊り広告の見出しが浮かんで参ります。とにかく「怖い・・・」の一言で,If I Die YoungのInnocentな雰囲気からのイメージ転換を図ったのかもしれませんが,果たしてそれで良かったのか若干の不安が残ります。
      ただ,そうはいってもアーティストにとって,既存のイメージからの脱却が不可欠であることは,ColdplayのParadiseのミュージック・ヴィデオを見るまでもなく明らかであると思われます。

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