2017年6月9日金曜日

I Built A Friend アレック・ベンジャミン (Alec Benjamin)

「友達を『作る』ぅ?」というのがこの曲への最初の反応で,「お前はフランケンシュタイン博士かっつーの,友達『を作れる』わけないじゃん,人間なんだから,友達に『になる』でしょ?」と思っていたのですが,主人公は正しかったようで,彼は文字通り友達を「作って」いました。
"How can you build a friend???" was my first reaction to this song.  I thought like, "Are you Dr. Frankenstein or something?  You cannot build a friend, a human being.  You should use 'make' instead." Yes, he's right.  He did build a friend, yes literally.
I Built A Friend  (Alec Benjamin)
[Verse 1]
I built a friend with three pieces of plastic and a pen
I made him on the table in the den
I gave him my old cell phone for a head, for a head
And we spent holidays at my house
And we left presents in a stocking
And we bought bolts and things and strings
And a new watch, that's what he got

[Chorus]
And we had so much fun together
We knew we'd be friends forever
And we had so much fun together
We had so much fun

[Verse 2]
Then I left for college in September
And we wept cause we can't be together
So I kept pictures to remember my old friend, my old friend
Then I met this girl at graduation
And forget my oldest creation
And I guess I'll see him next vacation
Send my best, I send my best

[Chorus]
And we had so much fun together
We knew we'd be friends forever
And we had so much fun together
We had so much fun

[Bridge]
I came home to find him on the table
With a note, scribbled out in pencil
And he wrote, that he just wasn't stable all alone, all alone
Next to him, an empty glass of water
That he spilt, all over the body
That I built, it fizzled and it popped
And then it killed, and then it killed

[Chorus]
And we had so much fun together
We thought we'd be friends forever
And we had so much fun together
We had so much fun

I built a friend

[Verse 1]
友達を作ったよ,ペンの他にプラスチックの部品を3つ使ってね
隠れ家の中にあるテーブルの上で作った
自分の古いケイタイを頭のところに使ってね
休みには家で一緒に過ごしたし
クリスマスには,吊るしておいた靴下に,プレゼントを入れといた
ボルトとか紐だとか,色んなガラクタ一緒に買って
あいつには新しい時計をやった

[Chorus]
一緒にいると最高で
いつまでも友達だってわかってた
2人で一緒に過ごしていると
とにかくすごく楽しかったよ

[Verse 2]
だけど9月になったから,大学に行くために家を出た
2人で泣いたよ,寂しくて,もう一緒にいられないから
だからいつも持ち歩いてた,幼馴染の写真をね
だけどそれから卒業式で,この子と出会って知り合って
頭からあいつのことが消えてった
次の休みに会えばいい,そんな風に考えて
元気でなって伝えたよ

[Chorus]
一緒にいると最高で
いつまでも友達だってわかってた
2人で一緒に過ごしていると
とにかくすごく楽しかったよ

[Bridge]
ある日実家に帰ったら,テーブルの上にやつがいた
鉛筆で書いた手紙がついていて
自分ひとりじゃバラバラになりそうだって内容だった
そばにはグラスが倒れてて
あいつのこぼしたその水が,体中にかかってた
自分で作ったその体,そいつがまるでソーダみたいに
シュワシュワと,細かい泡を立てながら,ポンポンと弾けていって
そしてそれから静かになった

[Chorus]
一緒にいると最高で
いつまでも友達だって思ってた
2人で一緒に過ごしていると
とにかくすごく楽しかったよ

友達を作ったんだよ

(余談)

声を聞いて少女あるいは少年かと思いましたが,普通の男性のようです。この曲のことはMetrolyricsで知ったのですが,急に注目されたのは,America's Got Talentのシーズン12でのダンスに使われたからだとか。

それはともかく,この曲にはコーラスが3回ありますが,最後のコーラスだけは内容がほんの僅かですが違っています。

すなわち最初の2回のコーラスでは「We knew we'd be friends forever ()」ですが,最後のコーラスでは「We thought we'd friends forever (いつまでも友達だってわかってた)」となっており,このknewからthoughtへの変化が,お互いの気持ちの距離感を実に上手く表現していると思われます。

4 件のコメント:

  1. いつもありがとうございます。初めて耳にしましたがとても素敵で深堀りの旅に出てしまいました。Kimya Dawsonさんを少し思い出しました。まあ、有り体に申し上げますと、ドンズバで好みの曲ということになります。いつも様々なジャンルからたくさんの曲をご紹介頂き、ただただ感謝です。

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。よく言えばジャンルにこだわらない,有体に言えば脈絡がないあるいは節操がないのが特徴の当サイトですが,Yossy様のお役に立ててなによりです。

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  2. はじめまして。40代男性です。

    America's Got Talentを見ていたら、可愛らしい男の子がこの曲でダンスを披露していました。
    流れている歌の内容を、踊りで表現しているのがなんとなくわかりました。
    英語はほんの少しわかる程度ですが、踊りでの表現の助けもあって意味がわかったのか、
    けれども漠然と訳もわからないのに、途中から泣いていました。

    彼のパフォーマンスが素晴らしく、そして彼の幼さからは想像できないようなプロフェッショナルさのお蔭で、
    私は歌が訴えているものを感じ取って感情を強く揺さぶられたように思います。

    見終わってすぐこの曲を探して、そして次に翻訳サイトを探してここを見つけました。
    訳の内容は僅かながら、自分の想像していたものと似てはいました。
    想像していたのは、主人公が友達、あるいは人間ではない友達と信じるものを作って
    無邪気な幼少期を過ごすが、やがて時の流れのうちに別れがくる、あるいは別れに気づく。
    「こういうような内容なんだろうなぁ」と思いながらダンスを見ていましたが、
    こちらのサイトで本来の歌詞の意味を知り、切なくてまた泣いてしまいました。

    幼い日々は、うかつにその大切さに気付かないまま過ごしてしまって、
    大人になってから振り返った今、胸を締め付けられる思いもあったし、
    時の流れの残酷さも感じました。

    自分には子供がいませんが幼い甥っ子がいます。
    彼にこの曲を通して大事なことを伝えたいと思いましたが、
    伝えようが伝えまいが彼自身が身をもって知っていくことなのだろうなぁと思いとどまりました。
    (でも、押しつけがましくない程度の話はしたいと思ってたりする)

    最後になりますが、歌詞の翻訳とともに余談も感慨深く読ませていただきました。ありがとうございました。
    この曲を聴いたときに「残酷なことを歌ってる」という直感は当たったような気がします。
    「とにかくすごく楽しかったよ」と繰り返されるコーラスが、とても切ないです。

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    1. コメントありがとうございます。この曲を聞いた時,そのあまりの切なさに「これはなにがあっても取り上げねば」と強く思ったことを覚えています。それだけ心を揺さぶられる曲でした。成長して大人になってしまった人間が心の片隅に抱いているであろうある種の「諦念」あるいは「明るい絶望」のようなものが,この曲では描かれているような気がいたします。いずれにせよ,拙訳がgya-様のお役に立てたとすればなによりです。

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