この曲はあるライターの選ぶ「1月の憂鬱(January Blues)を吹き飛ばす20曲」(20 Love Songs To Cure Your January Blues)の1曲として挙がっていました。確かに一見するとシンプルなラヴ・ソングのように思えますがそれだけでしょうか?
この曲については,うつ病を患いながらやっとそこを抜けて人生を踏み出した人間について歌ったものとする説もあります。死にたいという気持ちを表したものとする説もあります。主人公が両親の住む自宅を追い出されており,主人公がさほど幸せには見えないためです。
A writer picked this up as one of 20 Love Songs To Cure Your January Blues. It's true that the song sounds like a simple love song but is that all about it?
Some say it's about people who have been struggling with their depression and finally broke out of it and into the world. Others takes it as a sort of death wish. The protagonist doesn't seem to be incredibly happy because he's kicked out of his house by his parents.
There Is A Light That Never Goes Out (The Smiths)
Take me out tonight
Where there's music and there's people
And they're young and alive
Driving in your car
I never never want to go home
Because I haven't got one
Anymore
Take me out tonight
Because I want to see people and I
Want to see life
Driving in your car
Oh, please don't drop me home
Because it's not my home, it's their
Home, and I'm welcome no more
And if a double-decker bus
Crashes into us
To die by your side
Is such a heavenly way to die
And if a ten-ton truck
Kills the both of us
To die by your side
Well, the pleasure - the privilege is mine
Take me out tonight
Take me anywhere, I don't care
I don't care, I don't care
And in the darkened underpass
I thought oh God, my chance has come at last
(But then a strange fear gripped me and I
Just couldn't ask)
Take me out tonight
Oh, take me anywhere, I don't care
I don't care, I don't care
Driving in your car
I never never want to go home
Because I haven't got one, da
Oh, I haven't got one
And if a double-decker bus
Crashes into us
To die by your side
Is such a heavenly way to die
And if a ten-ton truck
Kills the both of us
To die by your side
Well, the pleasure - the privilege is mine
Oh, there is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
There is a light and it never goes out
連れて行ってよ
音楽があってたくさん人がいるとこに
そこではみんなが若くて
生き生きしてる
その車に一緒に乗ってる時は
家になんか帰りたくない
だってもう
帰るところなんてないんだから
今晩誘ってよ
みんなに会って
本当の人生ってものを知りたいから
車に一緒に乗ってる時は
もう家の前で降ろさないでよ
だってあそこはもう
自分の家じゃないんだから
あいつらが住んでる家だけど
もう邪魔者扱いされてるから
今ここで
二階建てバスが突っ込んで来て
一緒に死んじゃったとしたら
それはそれで幸せだよ
だって最高の死に方だから
それから10トントラックに
一緒に轢かれて死んじゃっても
そばで死ねるってことだから
それだって悪くない
特別な死に方って気がするよ
今晩出かけよう
行先なんてどこでもいいよ
気にしないし,どこでもいいんだ
とにかく出かけられれば
地下道の暗がりの中にいた時に
ああ神様ありがとう
やっとこの時がやってきました
そんな風に思ったのに
(なぜかとにかく怖くなっちゃって
聞きたいことも聞けなかった)
今晩誘ってよ
行先なんてどこでもいいよ
気にしないし,どこでもいいんだ
とにかく出かけられれば
その車に一緒に乗ってる時は
家になんか帰りたくない
だってもう
帰るところなんてないんだから
今ここで
二階建てバスが突っ込んで来て
一緒に死んじゃったとしたら
それはそれで幸せだよ
だって最高の死に方だから
それから10トントラックに
一緒に轢かれて死んじゃっても
そばで死ねるってことだから
それだって悪くない
特別な死に方って気がするよ
一筋の灯りが見える
いつまでも決して消えない
そんな灯りが
(余談)
先日買い物に出たところ,デパートの食品売り場がそろそろヴァレンタインデー仕様になっていました。そこでこれからヴァレンタインデーまで少しずつラヴ・ソングでも取り上げるとかと思っていた時に目についたのがこの曲です。
確かにヴァレンタインデーに向けてという意味であれば,I love you, I need you, I can't live another day without you的な正統派のラヴ・ソングを取り上げるべきなのかもしれませんが,その場合あまりに和訳が大変なのでどうしてもこういう「色物」的なものになってしまいます。
そもそもI love you, I need you, I can't live another day without youなどと言うのは,あくまでもレトリックであり,いわば白髪三千丈的表現です。したがって大抵の場合は,言う方も言われる方もお互い「レトリックだよね」と薄々勘付きながらも「ここはひとつ事を荒立てずに流れに任せておこう」と考えて粛々とコトが運ぶわけですが,時にそれを額面通り取る人がいるためにコトが揉めるのではないかと思われます。
普通のラブソングのようでもあり、よくある「ここではないどこかへ」ソングのようでもあり、深読みシリアス路線も捨てきれない。曲も明るいのか暗いのか不思議な響きで正体が見えない曲ですね。しかし「色物」系に目がない私にとって大好物であることは言うまでもありません。(もし単純なラブソングだとしても気持ちを伝えようとするとサビのような変に後ろ向きな言葉になってしまう主人公が私はたぶん好きです)
返信削除「歯が浮く」という言葉がありますが、どうもラブソングについては私の歯は平均より早く浮き始めるような気がします。そのため「色物」や「ひねくれたヤツ」に出会うと安心するのかもしれません。ちなみに洋楽を聴き始めた頃、最初に私の歯がグラついた経験はこれでした。
Baby I want you like the roses want the rain
You know I need you like a poet needs the pain
Bで始まるアメリカの大物ロックバンドの曲(たぶん失恋ソング)ですが、当初は、こう言って追いすがって来た男とヨリを戻してくれる女の人が果たしているのだろうかと脳内に疑問符が飛び交いました。しかし徹頭徹尾ベタベタな詞を散りばめられるとそのうち気にならなくなってくるあたりが人の順応力の恐ろしさかもしれません。
コメントありがとうございます。以前どこかで読んだのですが,詐欺師のウソというのはそれが荒唐無稽であればあるほど人は信じやすいそうです。すなわち「いくらなんでもそこまでベタな話はないだろう → てことは本当じゃ?」と相手に思わせるのがコツらしく,仮にそうだとすれば,ああ見えて件の歌詞も,実際には綿密に計算されたものなのかもしれません。
削除ただいずれにしろ,このような「飛び道具(=歌詞)」を手にした場合,そこで使うのを躊躇うか躊躇わないかで,人生の明暗が色んな意味で分かれるように思われますが,私の歯の比重もロメオ様に負けず劣らず軽いということだけはここで申し上げておきたいと思います。
素晴らしい対訳をありがとうございます。
返信削除先日ケイト・ブランシェット主演の「キャロル」と云うそれはそれは素晴らしい映画を見て、今原作を読んでいるのですが、語り手のテレーズがこの歌のように「ドライブしている今この瞬間に事故って死んじゃえばいいのに」と密かに思うシーンが有り、元ネタはひょっとしたらこれだったか!と、非常に感動しております。
映画を一緒に見て、原作本を貸してくれた恋人に、このページのURLを送りました。
コメント並びに過分なお言葉ありがとうございます。寡聞にしてその映画のことは存じませんが,映画や音楽に登場する「本歌」がわかった時の嬉しさは私にも覚えがございます。zgok様のお役に立てたとすればなによりです。
削除2009年の500 day's of summerという映画で、この曲が革新的なシーンで使われております。2023年の今、これを書いているのはベーシストが先月亡くなったからです。
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