2015年8月21日金曜日

El Condor Pasa (If I Could) サイモン・アンド・ガーファンクル (Simon &Garfunkel)

繁華街でこの曲が演奏されているのを何度も聞いたことがあります。演奏しているのはアマチュアだったり,そこで自分のCDを売っているようなセミ・プロであったりと様々です。曲調は美しいものの物悲しく感傷的なので,なんとなくこの曲は「世俗的な豊かさを捨てて自由になろう」的な曲だと思っていました。それで間違いというわけではないのですが正しいとも言い切れません。疑問がひとつ残ります。
I've heard buskers play this tune around the downtown many times before.  Some of them seemed to be amateurs and some semi-pro selling their CD's there.  Because of its beautiful but sad and melancholic melody I somehow reckoned it's a song about leaving our earthly possessions and let ourselves free.  Well, I wasn't totally wrong but not correct either.  One question remains.
El Condor Pasa (If I Could)  (Simon & Garfunkel)
'd rather be a sparrow than a snail
Yes I would
If I could
I surely would

I'd rather be a hammer than a nail
Yes I would
If I only could
I surely would

Away, I'd rather sail away
Like a swan that's here and gone
A man gets tied up to the ground
He gives the world
Its saddest sound
Its saddest sound

I'd rather be a forest than a street
Yes I would
If I could
I surely would

I'd rather feel the earth beneath my feet
Yes I would
If I only could
I surely would

Away, I'd rather sail away
Like a swan that's here and gone
A man gets tied up to the ground
He gives the world
It's saddest song
It's saddest song

できるなら
空飛ぶスズメになりたいよ
のろのろと這い回る
カタツムリになるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

できるなら
自分で何かを作り出せる
ハンマーになりたいよ
言われた通りにそこにいて
打たれることしかできないような
釘になるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

ここからどこか遠いところへ
船出してしまいたい
まるで一羽の白鳥みたいに
ついさっきまで
ここにいたのに
もう姿が消えている
そんな風になりたいよ
なのに人間は
そうすることもできなくて
ただ地面に繋がれたまま
やりきれない
悲しい気持ちを歌にして
世の中に
聞かせることしかできないんだよ

できるなら
自然のままに生きていられる
森や林になりたいよ
誰かの都合で出来上がる
街の通りになるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

できるなら
足元の大地を感じてみたいんだ
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

ここからどこか遠いところへ
船出してしまいたい
まるで一羽の白鳥みたいに
ついさっきまで
ここにいたのに
もう姿が消えている
そんな風になりたいよ
なのに人間は
そうすることもできなくて
ただ地面に繋がれたまま
やりきれない
悲しい気持ちを歌にして
世の中に
聞かせることしかできないんだよ

(余談)

この曲の歌詞はすべてがメタファーであり,それが正確に何を意味しているのかは,突き詰めればこの歌詞を書いた本人しかわかりません。ここに述べているのはあくまでも私個人がそのメタファーから感じ取ったことに過ぎず,当然のことながらこれとは全く違う解釈も同じように成立します。

ただメタファーはメタファーのまま味わいたいと仰る方もおいででしょうから,一応メタファーをそのままに和訳したものも用意しておきます。

(タンク直詰め非加熱生原酒版)←意味不明

できるなら
スズメになりたいよ
カタツムリになるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

できるなら
ハンマーになりたいよ
釘になるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

ここからどこか遠いところへ
船出してしまいたい
まるで一羽の白鳥みたいに
ついさっきまで
ここにいたのに
もう姿が消えている
そんな風になりたいよ
人は地面に繋がれて
この世で一番悲しい歌を
世の中に生み出すんだよ

できるなら
森や林になりたいよ
街の通りになるくらいなら
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

できるなら
足元の大地を感じてみたいんだ
ウソじゃないよ
そう思うもの
もしそれが叶うなら
間違いなくそうするよ

ここからどこか遠いところへ
船出してしまいたい
まるで一羽の白鳥みたいに
ついさっきまで
ここにいたのに
もう姿が消えている
そんな風になりたいよ
人は地面に繋がれて
この世で一番悲しい歌を
世の中に生み出すんだよ

それはともかく,リード文で述べた疑問というのは,冒頭に登場する「できるなら空飛ぶスズメになりたいよ,のろのろと這い回るカタツムリになるくらいなら」の箇所です。

こういう場合「世俗的な豊かさを捨てて自由になろう」というメッセージに説得力を持たせるためには,この例が適切かどうかはともかく「横綱と呼ばれるよりも序二段でいたい」「カッコイイと言われるよりもデブでいたい」「正社員と呼ばれるよりも派遣でいたい」「かわいいと言われるよりもブスでいたい」等々,明らかに前者 > 後者のパターンでなければなりません。

したがって,これが「ワシよりもネズミでいたい」「ラッコよりもハマグリでいたい」あるいは「カラスよりも生ゴミでいたい(この場合はどちらもかなりイヤですが)」であったなら,別に何の不思議もないのですが,「カタツムリ」と「スズメ」を比べれば,余程のカタツムリマニアでない限り,おそらく10人中10人が後者を選ぶと思われます。

確かに後半になればその辺りが多少改善されているように思われるのですが,それでも他に選択肢はなかったのかが気になる昨今です。(とはいうもののこの曲はカヴァーなので,そもそもオリジナルが黒人霊歌のように「自分の辛い人生を嘆く」ものなのかもしれませんが。)

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