2013年7月6日土曜日

Lightning Bolt ジェイク・バグ (Jake Bugg)

友人の一人が彼の大ファンだったせいでこの曲に出会いました。YouTubeでこの曲を初めて聴いた時はかなり驚きました。予想もしていなかった曲だったからです。19歳であると知っていたので,もっと「ポップな」いわばOne DirectionやJustin Bieberのようなものを想像していたのですが全く違いました。フォークやカントリーっぽく聞こえる時もあれば,インディーズ・ロック風の時もあります。ここしばらく耳にしたことのないものでした。
エリーへ。
One of my friends is a big fan of him and she brought me to this song.  When I first heard the song on YouTube, I was a bit stunned because what I was listening to was something that I had least expected.  Already learned he's 19, I expected something more 'pop' like One Direction or Justin Bieber but it sounded like neither of them.  Sometimes it sounds like folk and country music and sometimes indies rock. That's something I haven't heard in a while.
To Ellie, it's for you.
Lightning Bolt  (Jake Bugg)
Morning, it's another pure grey morning
Don't know what the day is holding
When I get uptight
And I walk right into the path of a lightning bolt

Sirens of an ambulance comes howling
Right through the center of town and
No one blinks an eye
And I look up to the sky for the path of a lighting bolt

Met her as the angels parted for her
But she only brought me torture
But that's what happens
When it's you who's standing in the path of a lightning bolt

Everyone I see just wants to walk with gritted teeth
But I just stand by and I wait my time
They say you gotta tow the line, they want the water not the wine
But when I see the signs I jump on that lightning bolt

Chances, people tell you not to take chances
When they tell you that there aren't any answers
And I was starting to agree
But I awoke suddenly in the path of a lightning bolt

Fortune, people talking all about fortune
Do you make it or does it just call you.
In the blinking of an eye
Just another passerby in the path of a lightning bolt

Everyone I see just wants to walk with gritted teeth
But I just stand by and I wait my time
They say you gotta tow the line, they want the water not the wine
But when I see the signs I jump on that lightning bolt

It was silent, I was lying back gazing skyward
When the moment got shattered
I remembered what she said
And then she fled in the path of a lightning bolt

朝が来た,
絵に描いたような曇り空の広がる
変わり映えのしない,いつもの朝だ
今日という一日が
どんな日になるのかわからないまま
立ち上がって
そのまま「稲妻の通り道」に入り込む

救急車がサイレンを
大音響で鳴らしながら
街の中心を走り抜けてるのに
別に誰も驚かない それが何って顔してる
それで空を仰いで
「稲妻の通り道」を探してみる

天使のお導きであの子と出会ったのに
結局苦しいことばかり
だけどそういうものなんだよ
他の人じゃなくてこの自分が
「稲妻の通り道」に入ってしまうと

会う人はみんな
ただ世の中を渡っていくためだけに
色んなことを我慢してる
だけど自分はちゃんと準備して
チャンスが来るのを待ちたいんだ
まわりからは言うことを聞けって言われるけど
それはその人たちが求めてるのが
水のように生きていくための最低限のもので
ワインのような人生の喜びは諦めてるからだ
だけどもし自分なら
何かの「お告げ」があった時は
あの稲妻に飛び乗って,勝負をかけるんだ

いちかばちかの勝負
まわりからは,そんなことするなって言われてる
答えなんかないって言われた時は
自分もそうかなって思い始めたけど
「稲妻の通り道」で突然目が覚めたんだよ

「一山当てる」話ならよく聞くよ
努力すればそうなるのか
それとも自然に運がつくんだろうか
瞬きするほどあっという間に
ただ「稲妻の通り道」を歩いてさえいれば

会う人はみんな
ただ世の中を渡っていくためだけに
色んなことを我慢してる
だけど自分はちゃんと準備して
チャンスが来るのを待ちたいんだ
まわりからは言うことを聞けって言われるよ
だけどそれはその人たちが
水のように生きていくための
最低限のものさえあればいい
ワインのような人生の
喜びはなくてもいいって諦めてるからだ
だけど自分なら,何かの「お告げ」があった時は
あの稲妻に飛び乗って,勝負をかけるんだ

何も言わず,仰向けで空を眺めてたのに
その瞬間が台無しになった
あの子の言葉が忘れられない
そしてあの子は「稲妻の通り道」へ逃げ出した

(余談)

この曲について,Jake Bugg本人はSpotifyのインタヴューで次のように語っているようです。
(稲妻が走るように)この曲全体が出来た。本当にたまたまだった。コードを3つ繋げて,タクシーを待ってた時に,カントリー風のメロディーを足してみようと思いついて,スリー・コードのリフをひとつ付けてみたような感じ。
“That’s how this whole song came about, just by pure chance. It was like three chords together, waiting for the taxi,and I decided to put a little country melody and put one three-note riff on it.”
これを考慮すると,タイトルと歌詞に登場するLightening Boltという言葉は,様々な偶然によって引き起こされた「ひらめき」や「幸運」を表しているように思われます。

またインタヴューで「(the lightning bolt)は,気付いたら予想もしてなかった状況になっていた,そういう幸運が立て続けに起こったことだ」とも語ったようなので,「突発的な出来事」を指していると考えるのが適切でしょう。Jake Bugg自身が(雷にうたれたように)急に有名になったことを指しているかもしれません。

ただ個人的には,Lightening Boltは「若さ」や「青春」も同時に表しているような気がします。10代の思春期の頃に感じたあの根拠のない「万能感」。そのために失敗も度々やらかしましたが,同時にそれがあったお蔭で,良くも悪くも「怖れ」というものを感じませんでした。

自分の客観的な値打ちがわかっていないだけに,必要以上に落ち込むことも確かに多かったのですが,その一方で何故か「自分はやれる」という無駄な自信がありました。今思い返してみると「甘いんだよっ!」と己にツッコミのひとつも入れたくなるのですが,当時はそのことに全く疑問を持たなかったのですから我ながら呆れます。

そして当時の私には,主人公が歌詞の中で語っているように世界は見えていました。人間が大人になると忘れてしまう,そういう「無謀さ(あるいは積極性)」というものをこのLightening Boltは表しているように思えて仕方ありません。

4 件のコメント:

  1. うっわ~~Jake Buggだ!
    若いのにハードボイルドな世界観で、他とは一線を画した存在ですよね。
    Edが好きな人の中にもファンは多くて、5月の来日公演は好評だったとか。正直、Edよりルックスもいいし(笑)
    この曲を聴いて、雷にうたれたように感じた人も多かったんじゃないかな、と思います。

    ちょっとこの投稿を見て、元気になりました。
    「天使のお導きであの子と出会ったのに 結局苦しいことばかり だけどそういうものなんだよ」
    うん・・・そうですよね。

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    1. コメントありがとうございます。この曲を待っておいでの方も少なくなかったようで,かなり反響がありました。
      さて,死人に鞭打つようで心苦しいのですが,ルックスの点に関しては,私もai_i様と同じ意見で,競馬で言えば5馬身以上離されています。(わかりにくかったら申し訳ありません)。ここから逆転はまず無理でしょう。
      最後に,ai_i様が一日も早くお元気になられるようお祈りしております。

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  2. かっこいい!ルックスも確かにそのようですが、なんといっても彼の音楽が、です。この無愛想な、かといって別にふてくされているわけではなさそうな、ちょっと肩の力の抜けた絶妙な歌声がなんともかっこいいです。この曲、The Beatlesの曲を思い出しますね。なんだろう、Lady Madonnaかな・・・。
     昨年の12月のこと、出張先で電車待ちの時間潰しのために、タワーレコードに立ち寄りました。Bruno MarsのUnorthodox Jukeboxが平積みになって、Locked Out of Heavenがエンドレスで店内のモニターに流れていましたっけ。隅の試聴コーナーで「一押し」のポップがついていたのが、この方だったような気がします。名前は覚えられなかったのですが、とても若いイギリスの男の子だったことと、この歌声が記憶に残っています。(このブログで)そのうち取り上げられたりするのかな、と思ったのを覚えています。(記憶違いの別人だったりして)

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    1. コメントありがとうございます。先日Imagine Dragonsのギグで初めてTower Recordsに行った際,友人がメタルの視聴コーナーに「ダイブ,モッシュはお止めください」との注意書きがあると言っていたのを思い出しました。是非確認せねばと思っていたのですが,前座が長すぎたのとギグ自体が素晴らしかったのが原因ですっかり失念してしまい,結局確認せずじまいだったのが悔やまれます。

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